二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2013 J2第40節 京都vsG大阪

2013-11-10 | 蹴球

京都サンガF.C.●0-2○ガンバ大阪
           27'+4今野泰幸
           86'大森晃太郎


■近郊2チームによる均衡
 あえて言おう。ガンバと京都は互角だった。序盤こそJ1復帰を決めたガンバが圧倒的に支配したが、25分からは京都の時間帯。ただし、そんな京都ペースになった途端に逆襲を浴びて失点。右サイドで数的不利を作られクロスを上げられ、オスンフンのアグレッシブな飛び付きも裏目に出てしまった。しかし、その後は両者の力は均衡したまま時間は経過する。後半に入っても、ボールに対して出足が早くて中長距離のパスを上手くつないだのがガンバ、運動量とボール回しのポゼッションで優位に立ったのが京都、という力関係だっただろうか。異なる力同士が両方から押し合って均衡している状態だ。
 この均衡、京都にはブレイクできる可能性は十分にあった。後半、より相手を押し込んでいたのは京都だったのだ。特に75分前後になると福村貴幸が左サイドから押し込みまくり、何度もチャンスを作った(前半はガンバの左サイド藤春が押し込んでいた)。あえて言おう、声高らかに。「85分までは互角だった!」と。

■均衡の破裂
 サッカーはミスによって成り立っているスポーツという言い草がある。両者の均衡を破るのも、ミスだ。完全にガンバを凌駕しつつパスをテンポよく回していた京都がミスを犯す。彼はテンポよく安易にミスパスを出してしまった。その男が、ちょうどその時間帯に相手に対して優位を作り、敵を押し込みまくっていた福村というのも皮肉なものだ。1つのミスが致命傷となり、天王山を挟んで近郊である2チームの試合は、結果的には均衡にはならなかった。
 サッカーはミスで成り立つスポーツという前提に立てば、京都がミスを犯したということよりも、ガンバがほとんどミスを犯さなかったことに注目したい。強いチームはミスをしない。いや、ミスをしないから強いのだ。京都のサッカーはミスを恐れずにチャレンジする。例えばこの試合、駒井善成は精度はともかく何度もエリア内で仕掛けた。チャレンジ仕掛ければ相手は多少慌ててくれるもんだが、ガンバは慌てずに対応した。一方、テンポよく繋いでいた時間帯に同じテンポのままに自陣で相手にパス出してしまった福村。J1で戦うために足りてない部分がよく見えたゲームだった。


〈京右衛門的採点〉
 オ 5.5 …クロスやシュートをよく阻んだが、1失点目はコーチング不足?やや軽率だった。
下畠 5.5 …守勢に回ってしまい、サイドを藤春に制圧される。後半のシュートは惜しかったが。
染谷 5.5 …宇佐美に翻弄されつつ、粘り強い守備を見せた。ビルドアップはなかなか良し。
内野 6.0 …難敵・遠藤をマークしながら局面では強さを見せた。終盤はやや集中力切れ。
福村 5.0 …80分までは好守にいい出来。均衡を壊してしまう痛恨のミスパスで台無しに。
秋本 5.5 …下畠をサポートする過程で藤春とバトル。反則スレスレプレーと挑発で闘志を見せた。
工藤 6.0 …ピッチの隅々までよく見えていた。パスにシュートに多くのチャンスをメイクしたが。
倉貫 5.5 …ボールの受け方、捌き方に気の利かせてガンバに傾いたゲームの流れを戻す。
三平 5.0 …前半はろくにボールに絡めず。後半はいいポストもあったが、シュート力不足。
山瀬 5.5 …前半はキツいマークで封じられたが、MFに下がってからはフィニッシュに絡む。
駒井 5.0 …仕掛けては失う、抜いてからクロスは精度不足。今日はサイドブレーキモード。
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宮吉 5.5 …山瀬とのパス交換からチャンスに絡んだが、自分の型でシュートまで持って行けず。
中村 5.0 …右サイドで挑戦的な姿勢を見せたが、ボールが足に付かない場面も。空回り。
 原 ――

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大木監督 5.0 …よく戦えていたが、2戦連続無得点。前線は今、結構深刻な得点力不足。怖さがない。