松本山雅FC△0-0△京都サンガF.C.
■切所
切所(せっしょ)は、峠などの通行困難な場所のこと。転じて厳しい場面のことを言う。切所さえ抜けられれば、後は楽になる。サッカーにおける切所は球際ということになるだろう。ボールを奪うか?奪われるか?という場面。奪った方は攻撃に転じる訳だが、今日の松本山雅の切り抜け方は思い切りがよくて、前への推進力が素晴らしかった。(フィニッシュの精度は欠いたが)
それは京都から見れば、奪われてカウンターを受けていたということ。切所を切り抜けるところで難渋して、返す刀で刃を突きつけられ続けたDF陣の心労はいかばかりだろうか。最後の守護神・水谷雄一様には心からご苦労様と言いたい。
■欠けた歯車
閑話休題。以前結構お安いハンドシュレッダーを買ったことがある。力を入れて回したら、プラスチックの歯車が欠けて、動きはさらにぎこちなくなり、それでも書類を切り刻もうと無理して力を入れて回すうちにハンドルがポッキリ折れた。
京都サンガは“自慢のパス回し”などと多方面で言われているが、今日の試合に有効なパス回しがあっただろうか?リズムよく回りかけたところで、パスミスして相手に掻っさらわれてカウンター…そんなシーンばかり。細かいパス回しでボールを前に運ぼうと思うならば、一人一人が歯車となってギアがガッチリ噛み合っていく必要がある。今日はどの歯車も多かれ少なかれ欠けていた。千葉県産のKohei10というギアなどは歯が2枚も3枚も欠け、駆動に支障をきたすほどだった。
もちろん、歯車の状態をチェックしたり手入れしたりするのは、整備士の腕。金属疲労を起こす前に、ちゃんと整備していただきたい。
〈京右衛門的採点〉
水谷 7.0 …信州に神降臨。凄すぎて他の選手の出来が悪く見えるくらい。
安藤 5.5 …本職MFに復帰したかのように攻撃。精度は欠いたが、攻撃の起点だった。
染谷 5.5 …突進する相手を捕まえきれず、かなりやられたがなんとか守る。
秋本 5.0 …防備しきれず、際どいプレーで止めに入るシーン散見。
福村 5.5 …専守防衛だったが、機を見ての上がりは効果的。でも精度を欠く。
チョンウヨン 5.0 …プレスで遅れをとり、パス精度も低く山雅に中盤を制圧された一要因に。
中村 5.0 …守備面での貢献度低く、無理な突破を挑んでボールをロストが目立つ。
工藤 4.0 …パスミスを北アルプスのように積み上げ、攻撃を停滞させた。
中山 5.0 …攻守に中途半端だった上、味方の歯車のズレをラフなプレーで購う汚れ役に。
原 5.0 …良いパスを待てども届かず。相手のプレゼントはフイにしてしまった。
宮吉 6.0 …自らプレスをかけ、ボールを引き出しチャンスを切り拓く。
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久保 5.0 …存在感なし。使ってもらえなかったのか、使われなかったのか…。
伊藤 6.0 …ドリブルで変化を与え、停滞する流れを変えた。
長沢 ――
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大木監督 4.0 …連戦でも同じエントリーで、不出来な選手がゴロゴロ。宮吉の交代は失策。