二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2013京都サンガ展望

2013-02-27 | 蹴球
昨日のエントリーでJ全体の予想をしてみましたが、
京都サンガをもう少し詳しく。

今シーズンの戦力について大木監督いわく「私にとっては最大の補強で、すばらしい選手が来てくれた」。確かにすばらしい選手が揃った。何がいいかって、選手層。昨日もちょっと書きましたが、各チームの名鑑とにらめっことてみると、1~2人欠けても同等レベルの選手がスタンバイしてる(ように感じる)。欠けるとヤバいってところはそんなにない。確実に底は上がってる。ただし戦力の上限が上がってるかというと、それはあまり感じない。あくまでも去年がベースで、あとは個々の成長と熟成…というとこか。

一点だけものすごく気になる課題が克服されてないんじゃないか、と思うのである。それは「どうしても1点奪いきれない局面を、どうにかする」ってこと。去年、運命を分けたのは最終節の甲府戦だと拙者は考えていて、あの時は守ろうとする相手を崩せなかった。甲府戦だけじゃなくて、固めてきた相手を崩せなかったことは1度や2度じゃない。そういう時にぶちかませるタイプの「FW」がいないのではないか、と。実際、プレシーズンマッチの岐阜戦は相手の堅守を崩せなかった。

相手が守備を固めてきたとき、どうしてもあと1点ほしい時。その局面を変えるのは、すなわちサブの選手である。将棋でいえば手駒。カードゲームならば切り札になるような手札。そんな切り札を持つかどうかが、今のJ2には重要なんじゃないかと思う。今現在いる選手の中で真っ先に思いついたのは「ウィルフリード・サヌ」。スタメンで使うべき札かもしれないが、サヌ以上に局面を変えられる切り札は見当たらない。そしてもう一枚は「山瀬功治」。同様にスタメンで使うべきかもしれないが、ベテランの域に入り怪我を持っている彼を息長く使うためには、サブという選択肢があってもいいのではないか、と。経験に裏打ちされた戦術眼でゲームの流れを眺め、後半15分から現れて相手の嫌なところを突きまくる、ドリブルで抜きまくる、ミドルを撃ちまくる…そんな使い方に光を感じてしまうのだ。

文体もいろいろ乱れたところで、最後に「点を奪うために、こんなのいかがですか?大木監督」のコーナー。

予想でもなんでもないです。適当に札を置いてみただけのお遊び。どうですか?大木さん。




2013J 展望(期待値込み)

2013-02-26 | 蹴球

なんと!まもなくJが開幕するという。
過ぎてみればアッという間のオフ。光陰矢の如し。

せっかくなので2013シーズンの展望というか、軽い予想に興じてみましょう。
そう、シーズン終了後に(自分で自分を)笑うために…。


《J1》
ポイントは、年々J1でも猛威を振るいつつある「走力サッカー」。けれどJ1はそれだけでは足りない。強いチームには、去年の佐藤寿人のように“最後に奪うことができる人”がいる。となると、◎(本命)を打ちたいのは豊田陽平を擁する鳥栖…、と言いたいところだけれども、Awayで弱かったり、岡本の抜けた穴などマイナス材料が多すぎてさすがに本命は打てなかった。そこで浮上したのが浦和。もったいぶるほどのこともなく、普通ですけど、何か? ミシャ体制2年目で去年より上積みありそうだし、戦力充実してるし…。ええい、
◎…浦和レッズ


そして○(対抗)はその鳥栖。期待値込みで。弱点もままあるものの、ホームで負けないのは強豪化しうる可能性あり。あとは野田隆之介あたりがブレイクするんじゃないかな、と根拠のない予感。
○…サガン鳥栖

▲(ダークホース)は、新外国人が“最後に奪える人”なんじゃないのか、こいつ?という予感が漂うあのチーム。そう、エジノが入ったセレッソ大阪。シンプリシオは密かにJで一番凄い外国人じゃないかと思えるボランチだし、柿谷はジニアスだし…。あとはクルピの手腕次第ですかね。前年の成績からジェットコースターのように一変するのがチームカラーでもあるので、
▲…セレッソ大阪

難しいのが広島や仙台、そして柏のACL組。ACL出ると大概ろくな事がないのでここら辺りの評価は下げて…と(じゃあ浦和はどうよ?というツッコミは甘んじて受け入れます)。広島は間違いなくいいサッカーなんだけれども、選手層がかなり薄い。仙台もACLと両立ってことなら、薄い。柏は戦力申し分ないように見えて、新戦力が噛み合って仕上がるまで時間かかるかな、と。その他で上位に入ってきそうなのは磐田とFC東京あたり。前田遼一とか李忠成がバンバン点取る、という前提で。あ、名古屋は中位です。
△(中穴)…柏レイソル
×(大穴)…FC東京
☆(注意)…ベガルタ仙台
上位の印は以上。

鹿島を入れなかったのは、どちらかといえば次の「降格」の方に顔を出しそうかな…というこれまた根拠のない予感ゆえ。曽ヶ端あたり、そろそろキツく感じません?

降格予想はサラッと

◎…ヴァンフォーレ甲府
○…アルビレックス新潟
▲…湘南ベルマーレ
△…清水エスパルス
×…大分トリニータ
☆…横浜Fマリノス

理由は、“勘”ということで。ま、ガンバが降格するくらいだから、何が起こるかはわかりませんことよ。



《J2》
まずは去年の反省から。拙者めは「新監督か継続か」という注目ポイントで何やら書いて、結局は否定的見解を投じた「新監督」が2つ自動昇格という始末に相成りました。大分の躍進はそれとなく仄めかしたものの(すごいぞ!)、大ハズレでございまするぞ。注目チームに富山を挙げたりしてるし。

今年は「健太包囲網」というスローガンの元、将軍が諸勢力に密使を遣わし、“ストップ・ザ・ガンバ”というシーズンになるのは目にみえておる訳ですが、そんなに心配しなくても、J1のサッカーとJ2のサッカーはかなり違う訳でして、トンビが油揚げをさらうように易々と勝ち点3持っていかれるとは思いません(期待値込み)。待っているのはそう、ドロー沼なのです。

J2仕様のハードワークができる体制が整い、J2ではかなり反則な戦力を持っいて、なおかつガンバのようにマークされそうにないチームが本命。そう、神戸です。ポポに都倉に田代…これ強烈でっせ?エステバンなんてのもいるし、若手はちゃんと走れる。去年の主力(スマートな選手たち)が出て行ったことが逆に泥臭サッカーにとってはプラスになると思えてなりません。
◎…ヴィッセル神戸

対抗馬は期待値込みで我らが京都。相手に対策を施されると弱いというのは誰もが指摘するところで、間違いなくシーズン中に浮き沈みはあるでしょう。けれど、勢いづけば連勝を狙える爆発力もある。他と比べてみれば、実は意外と選手層が厚かったり。アフリカ準優勝のナショナルチームのA代表・サヌを、贅沢にも切り札として使ったりするのが、願ったりな展開。
○…京都サンガF.C.

ガンバについては、長谷川健太監督がスロースターターな印象があるのと、守備陣の選手層の薄さ、そして何よりJ2の食らいついてくるサッカーに対応できるのかという面を考慮して(あと、期待値を込めて)、印を落としました。代わって躍進しそうなのは、岡山と徳島。岡山は守備力はある程度計算できる上に荒田+押谷・鈴木のツーシャドーがハマればこれは脅威。ただキムミンキュンの穴は大きいと思うけども。徳島は単純に戦力の上積みが大きい。大崎淳矢なんて、何で広島は出したんだろう?あとは千葉、横浜FCあたりが前評判が高いものの、そこを予想するのは普通すぎるので、ちょっと変えてみたというだけ。この2つもたぶん強い。強いけど、怖いチームじゃない。おっと、忘れちゃいけないのが反町監督の松本。ここは監督、サポの力に加えて長野パルセイロの存在とか、いろいろ火が付いてる感があって何かを起こしてしまうかも。今年も混戦。あのチームの独走は許しませんぞ(期待値込み)。
▲…ファジアーノ岡山
△…ガンバ大阪
×…徳島ヴォルティス
☆…松本山雅FC

J2からの降格チームの予想はやめときましょうね。

今日のひと言
「予想している時が一番楽しい」!



新ユニ その2

2013-02-04 | 蹴球
アウェイユニ!(イラストで)


 今回のユニのデザインについての感想を書きとめておきます。
何といいますか、「デザインは引き算だからさ~」と、知り合いのデザイナーがいつもしたり顔で言っていたことを思い出しました。削って、削って、それでも人に伝わる表現ができれば、ある意味それが最高なのだと。例えれば何でしょうかね?そうそう、appleだ。スティーブ・ジョブスは禅を愛し、禅の精神から例のiPodのボタン1つだけのシンプルデザインに至った、みたいな。茶道はどうでしょう?ゴテゴテ盛るだけ盛った過剰装飾から窶(やつ)して窶して、窶しきったわずか2畳の空間が、最高の贅沢なのだというアンサー。これはさすがに極端な例すぎますが、金ピカを盛るだけ盛ってる装飾過多な桃山絵画の世界だって、永徳の唐獅子には「描かないスペース」つまり「間」がちゃんとありますね。
 脱線しましたが、デザインが下手な人はこの「間」を空けてしまうのが怖い。だから埋めようとする。これが足し算のデザイン。具体例としては上に描いたイラストがそうですね。デザインセンスがないので背景にあれやこれや突っ込んで何とか成立させようとしてるのが丸わかりです。余白を多く取って、シンプルの側に振ってしまうと、ごまかしがきかなくなる。そういう意味では今回のユニは100人見れば100人が「シンプルやなぁ~」と思えてしまうデザイン。ある意味凄い。
 実はユニ発表直前の演出段階から和風なBGMを多用してたので、デザインコンセプトに「和」を期待していました。公式には「古風」と言う通りサッカージャージとしてはクラシックスタイルです。これは個人的な思いに過ぎないのですが、「古風」には禅とか茶道にも通じる「和」の境地における省略性も含むじゃないか…と。ただし、そのことを立証するにはワンポイント要素が足りない。どかこに薄らと銀沙灘の砂紋が描かれているとか…  …と思ったら、あっ。あるじゃないか。城陽の伝統工芸による金糸の刺繍の「京都」ワッペン。これが祖母井氏曰くのサプライズだけど、さすがにこれはデザインに含まれる要素ではないか。

(ちなみにイラスト・絵も省略の世界。線の本数少なくて上手く描ける人は凄いと、改めて思った。まだまだ精進が足りませぬ!)

京都サンガ2013新ユニ(イラストにて)

2013-02-03 | 蹴球
キックオフフェスタという名の和田りつ子トークショー ファン感謝デーで、京都サンガF.C.2013シーズンの新ユニフオームが発表に!


それを記念して、拙者もイラストで発表を!



ん?




イラストで?




何ゆえに?








絵をね、ちょっと描いてみようかと。

しかしユニがあまりにシンプルで、ごまかしがきかなくて下手なのまるわかり。
そこらへんはご笑納をば。


アウェイのも描きます。たぶん。

祖母井語録2013

2013-02-02 | 蹴球
今年もサポーターズミーティングという名の「祖母井秀隆独演会」を拝聴してまいりました。

拙者めは、サッカーの試合を観るのも好きですが、サッカーを取り巻く“あれやこれや”にも大変興味があるのでございます。そういう人間にとって、祖母井氏の話は本当に奥深いものがございまして。で、話を聞いていると、サッカーの話なんだけれども、これは人生にも当てはまるんじゃないか?そんなふうに深読みすらしてしまうのです。

前座の今井社長による財務報告とか、強化部細川氏による契約関係の話は割愛します。ただ祖母井氏の含蓄のある言葉だけ書き留めておくことにしておきます。



「大木さん、それ違う。大木さんとサッカーしたいんや」
→昇格を逃した大分戦翌日の練習に選手みんなが出て、一生懸命取り組んでいたことについて。「彼らは1月31日の契約までキチッとやろうというプロ意識でしょう」という大木監督に対して、祖母井さんが言ったという言葉。

そしてジェフ時代の監督を引き合いに出し、

「バーベキューパーティをしたら、監督の近くには誰もいなかった」
→ニコラエ(ザムフィール)監督が勝てなかった時期のことだそうです。監督に求心力がなくなる時ってのは、そういうもんなんでしょうね。これが大木監督続投の理由です。

ただ、2年連続昇格できなかったことに対しての責任は強く感じられておるようで、どのようにおわびすべきかと考えた祖母井氏は…

「ABK48のみなみちゃん…僕もそのようにしなくちゃいけないのかな、と」
はい、オチました。ただし、決して茶化して言った訳ではありません。



「サンガは社長からお話していただいた通り、2010年が、癌」
→就任時には社長から「まったく知らされてなかった」そうです。2010年に何があったのかはヒミツです。周りにいるサンガ好き、サッカー好きの人に聞いてみよう。それでも京都のGM職に就任以来非常にやりがいは感じられておられるようで、「長く社長と一緒にやりたいという気持ち」だそうです。



「試合に出ないと選手は成長していかない」
→ユース上がりの選手のレンタル移籍について。引き合いに出したのがグルノーブル時代の伊藤翔とジルー。片や監督から「出れない」と通告されながら1部に居ることを望んだ日本人と、片やレンタルで3部相当から経験を積み代表にも選出されたフランス人。何という説得力。それが次の持論につながります。

「ブンデスリーガは2軍が経験を積める環境があるが、日本は若い選手が強化できる環境がない。積極的に出す以外ない」
→練習試合ではなく、やはり若手は厳しい公式戦に出てこそ、と力説。「彼は(ゲームに)出たらグンと伸びると思う」。彼とは富山に行った三根のこと。祖母井体制になってから若手のレンタル移籍=武者修行というのが明確になりました。



「わからない」
→サンガがこれからやろうとするサッカーについての回答。これは巧妙なレトリックで、つまりサッカーのスタイルを最終的に作り上げるのは監督やフロントではなく、選手なのだ、と。そして実例を挙げます。

「香川選手。彼何をするかわからないでしょ?予測できますか?」
→サンガの選手に予測できる部分が多いとすれば、サプライズが少ない。サプライズを起こせる選手を増やしていかなきゃいけない…と。監督がどんな指示を出そうが、最後に判断するのは選手なのだと。そして我々観客がどのような目線でサッカーを楽しめばよいか、次のように示唆してくれます。
「観戦してる人が“エッ?すごいことしよったなー、そういう解決方法もあるや…”というのがサッカーの素晴らしさ。」
「想像してないことがピッチの中で起こるのが魅力」




「前に前に進んでいかなきゃいけない。止まったらいけない」
→限界という言葉から話を進めていきました。「サッカーは毎日毎日変化し、テンポアップし、半年前のサッカーじゃない。それに選手も監督もチャレンジしていかなればいけない」。もうこれはサッカーだけの話じゃないですよね。半年経てば世相も変わるし、社会の要求も変わる。それに対して型に嵌った杓子定規の仕事してたんじゃ、置いていかれるんだよね…。

で、今以上のサッカーをするために必要なのは何かといえば…
「普及、スクール、アカデミー」
話は重奏しますが、どういう選手を育てるべきかについて話を広げています。

「選択肢の多い、何をするかわからない、予測のできない選手が出てくるにはスカウティングはすごく重要」
→テクニックも大事だけど、もっと大事なのはインテリジェンスだと言います。そういう子たちをいかに発掘して、いかに育成するか?おそらく10年単位のビジョンです。ただ、こうとも言いました。「それは今すぐにはできない。今はJ1に上がることが一番大切」



「積極的だったし、こりゃすごいな。ちょっと今までのドゥトラじゃないな」
→去年退団したドゥトラについて。合宿での姿勢をチームのためにやっていたと言います。ところが開幕戦前日に「サブだったら僕は行きません」と言ってきた、と。監督は彼がチームに迷惑かけたと謝るなら折れるつもりでいた…という事実関係だけを教えてくれましたが、それほど熱心に取り組んでいたドゥトラが豹変してる点については謎のままです。

その他の選手についての話は割愛します。ただ、水谷とフロントのやり取りは個人的にはいい話だなぁと思いました。人情噺のようで。水谷、移籍しても応援してあげたいですね。



「選手も監督もGMも、安住のポジションはない」
→なぜ層の厚い攻撃的MFに山瀬を獲ったのか?という質問に対して。いつも危機感をもってやる環境。競争する中で努力をすることが大事だと。祖母井氏は否定的に斬って捨てましたが、逆に“試合に出られる約束”をするチームもあると。ああ、そういう選手過去にいたよね~。


「私の毎日の仕事というのは、いろんな人と会うこと」
→選手のスカウティングと同様に、指導者のスカウティングも準備しておかなきゃいなけないという話。普段からこの人(解説者とかフリーの人とか)がサッカーに対してどういう考え方を持っているのかを知っておくのがGMの仕事だそうです。別に大木監督がどうこうという訳ではないと前置きした上で「私の仕事の中の一つは、選手、監督というのはいつでもどういう状況でも準備しておかないと」



まぁこんなところでしょうか。今回は「育成」についての話がメインでした。そして今年のサンガを見る上でのキーワードを教えてくれましいた。「サプライズ」です。今年は西京極で何度サプライズを見せてくれるのか?監督の想定を超えていくプレーを見せてくれるのか?そういうところに注目してみたいと思います。