二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011J2第14節 京都vsFC東京

2011-05-28 | 蹴球

京都サンガF.C.●1-4○FC東京

■ヒューマンエラーに構造的欠陥
 失点し放題だったこのゲーム。何が良い悪い以前の問題で、ミスしたチームが負けて、ミスしなかったチームが勝ったというシンプルな結末に過ぎない。特に失点に繋がる軽い守備やミスを連発した染谷は残念としか言いようがない。

 劣勢に立たされたのは、構造的欠陥もある。秋本倫孝は大木イズムを体現しようと前線に顔を出して精力的に広い範囲を動いていたが、これが逆にFC東京にとってはDFの前の中央ど真ん中ガラ空きというオイシイ状況を作ってしまう。これを梶山と田邊がいいように使う。秋本は膝を痛め、さらにスピードが落ちて“穴”は広がっていた。

 これらは選手交代で直せる部分だったのではないか?と思うが、大木監督は後半スタートの時点でも動かなかった。「相手に合わせることはしない」という哲学は感じるが、相手のストロングポイントを消す対処療法を施さないと、手遅れになるということを図らずも体現してしまった。


■露呈し続けるミスマッチ
 前半はそれでも、攻めのシーンではいい狙いが多かった。得点シーンも多くの選手が入れ替わり立ち替わりスイッチしながら奪ってるし、権田のビッグセーブで阻まれたシーンも2度ほどあった。「今度こそは!」と期待したボクが馬鹿でした。

 漫然と思うのである。大木監督のやろうとしている複雑な守り方を理解し、奪ったあとの展開の仕方とか、フリーランニングの仕方とか、その都度“適宜”な選択をしながら動いていける選手が今何人いるのだろう?と。かなり頭を使うサッカーの割には、賢い選手があまりにもいないと感じるのだ。そして苦しい状態の時、ピッチで鼓舞して士気を騰げられる選手もいない。

 今さらながら料理人と食材のミスマッチのようなものを感じずにはいられない。カレーを作りたいのに、大根やピーマンばっかりじゃ意味がない。逆の言い方ならば、食材の特性を見極められず我を通す料理人に非があるのかもしれない。

 大木監督が目指してるサッカーは、実現すれば夢のようなサッカーだと思うのだが、実現できないものをやり続けるべきなのか?やり続けていればいつか形になるものなのか?判断に迷うところだ。


〈京右衛門的採点〉
水谷 5.5 …4失点はほぼ止めるのは無理。
染谷 3.5 …ミス連発。3失点目のクリアミスは酷い。
森下 4.5 …1失点目、3失点目に直接的に絡む。
福村 5.0 …相手の個人技に翻弄されつつ、たまにいいカバー。
秋本 4.5 …広範囲に動く意識だったが、身体が付いていかず。
内藤 5.5 …積極的に前に出て、得点に。
チョンウヨン 5.0 …秋本の穴を埋め続けるが…。梶山にいいようにやられた。
中山 5.5 …ボールに絡むと起点になり、飛び出していいシュートも。
中村充 5.5 …前半はよくボールに絡んで潤滑油的働き。
久保 5.5 …今日も積極な姿勢だった。
ディエゴ 5.0 …時間の経過とともにポジション下げ続ける。
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加藤 4.5 …何もできず。数少ないチャンスはミス。
ドゥトラ 5.0 …コンクリートを叩くための木槌だった。
鈴木 4.5 …何も出来ずその2。トラップすらままならないほど。
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大木監督 4.0 …この試合への戦略、スタメン選び、選手交代全てがダメ。