姜母香 2020-06-16 05:00:00 | 中国茶・世界のお茶 早く目覚めた朝リビングで静かに茶を淹れます。頂きましたのは、広東省の烏龍茶、単欉茶(たんそうちゃ)です。同じ単欉茶でも、香型は数十種類以上楽しめます。今日頂いた姜母香(きょうぼこう)は、普通のタンソウと比べて香りがほんの少し少なく、パンチも少ないものです。舌の上を風が吹くみたいにサワサワするような渋みもほんの少し苦味もあってタンソウらしさを感じました。茶殻をかき分け、じっくり見れば、えっ…配合されてますね。うーん、面白いお茶でした。
碧潭飄雪 碗泡 2020-05-04 10:26:00 | 中国茶・世界のお茶 昇りあがる湯気とともに、お碗に茶葉とジャスミンの花が、ゆったりと回転する。優しい香りが鼻腔に突き抜けていく。四川省のジャスミン碧潭飄雪(bi tan piao xue)。こんなに詩的な名前に勝るお茶、ほかにあったでしょうか。癒された時間。夏には碧潭飘雪という、冬にはもう一つの名前がある、と広州の茶先生が教えてくれた事がある。なのに、今日どうしても思い出せない。広州に残した私のお茶、茶器、ノートや書籍そして、今年の新茶も恋しい🍃5.5追伸もう一つの名は、暖玉生香または暖玉生煙でした。寒くなった日に、ジャスミンの蕾を暖玉と喩え、立ち昇る香りを生香、湯気を生煙ともじるわけです。
単叢貢香 2020-04-12 21:16:00 | 中国茶・世界のお茶 今日のお茶は、2019年単欉貢香。昨年八月、ほぼ蒸し風呂状態の潮州を訪れた最終日に、出会った単欉。三日間、単欉を立て続き試飲していました。ヘトヘトに疲れ果てていて、体力も味覚も、そろそろ限界に達した状態でした。最後訪れるお茶屋さんで「貢香を飲んだことありますか」と勧められ、頂くことにしました。一口含んだだけで、同席した三人が思わず「これ、おいしい!」と異口同音。一番簡潔でストレートな言葉だけれども、みんな口揃って感嘆な声をあげるのが珍しい。鼻から抜ける香りも、味のバランスも、ほかの単欉にないものでした。大半の単欉を覚えてきたはずの体に、まるで新鮮なエキスを与えられ、素直に反応した不思議な体感でした。きっと疲れた体をいたわったのか、元気を取り戻しました。貢香(gong4 xiang1)の名付け親が、このお茶を最初潮州で「ゴンシャン」と名付けました。潮州語の「ゴン」とは、「高い、突き抜ける」という意味になるそうです。高い香りをもつこちらのお茶をアピールする狙いです。それを標準語の普通話に書き直すとき、「ゴン」の発音に近い「貢gong4」を選び、貢香として表記するようになりました。お茶を飲んで今の危機を乗り越えましょう。IPS細胞の山中伸弥教授が先日TVインタビューの際、こう語りました。コロナ危機が終わるごろ、気がつけば、社会が十年も先に進んだ、そうでありたい。その言葉に、グッと力をもらいました。危機がチャンス。働き方、教育のあり方、医療の問題、抜本的に改善されますように。
単欉草蘭 2020-04-06 15:27:00 | 中国茶・世界のお茶 昨年の八月に潮州で購入した単欉草蘭。夏、秋、冬を経て、時々出して飲んでいました。久しぶりに飲んでみた今日に、清楚な草蘭が、変化していました。長い冬を通り越し、早春の甘露で潤い、万物が芽生える春の景色が脳裏に浮かびあがります。ちょっぴり色気を醸し出す二十歳の女子のように、喉越しにこれまでなかったアロマ香水のような香味が顕になりました。旬を味わうと人間の五感が冴えます。ふいに、草蘭の旬(=飲み頃)は、もしかして春の今頃かもしれませんね、と思いました。購入した草蘭は、単欉の製茶名人黄柏梓氏の孫娘が、祖父の指導の元で製られたものだそうです。すでにご高齢の黄老先生が単欉茶のお本を数冊もしたためたほど、名人中の名人です。今年も鳳凰山への計画を立てていて、黄老先生を紹介してもらう予定でした。が、コロナとの熾烈な闘いがまだまだ続く中、余儀なく断念となり、誠に残念です。お茶のある暮らしはやはりいいです。たとえ明日に緊急事態宣言が出されても、家で健やかに過ごし、いつもと変わらない日常を心がけたいです。
祁眉 2019-05-30 07:00:41 | 中国茶・世界のお茶 外形では一瞬金駿眉かと思いました。 目をつぶれば、 味わいも金駿眉ではないかとの錯覚。 祁門紅茶の原料、小葉種の芽だけ摘んで製茶した「祁眉」。 蜜のような甘みが押し寄せた後、 「まとわりつく」茶湯のとろみ、 明らかなものでした。 別の日に頂いた桐木関三港村葉さんの今年の金駿眉、くちびるに残るネバネバ感はもっと明確なものでした。 初夏に口福のひと時でした。 ありがとうございました。