ゆるゆる素浪人の「気まぐれ日誌」~ 自己満足とボケ防止に、人生の雑記帳~  

そういう意味で老人の書いた「狼の遠吠え」、いや「犬の遠吠え」と思い、軽い気持で読んで頂けば有り難いです。

世論調査に見る「象徴的貧困」

2009-04-02 06:51:00 | 時事・雑感
かつて麻生総理は有名な吉田茂を祖父に持ち、
マンガを読むナウイ政治家として若者に人気の政治家であった。
それに反して民主党の小沢代表は厳つい顔とワンマンな行動からか、
多くの国民から宰相としの支持は極端に少なかった。

しかし麻生総理の度重なる放言や誤読で宰相の資質が疑われ、
ブレルる総理として国民から見放され、不人気だった小沢代表が優位に逆転した。
ところが政治資金がらみの小沢党首の秘書逮捕と言う疑惑が発生するや、
一転して国民は小沢降しで支持は激減し、
今回の世論調査では麻生、小沢両氏は共に30%前後で互角に並んだ。
しかも次の総理に相応しい人は誰が良いですかとの質問でも、
両者共に自民、民主の候補者の3~4位という低位に成った。

近頃のメデイアと国民感情の動向を見ていると、
かつてブログでも書いた「象徴的貧困」と言う言葉を思い出した。
この言葉はフランスの哲学者スティグレール氏が使った言葉で、
メディア学者の石田英敏氏(東京大教授)が訳語したそうだ。

「象徴的貧困」とは「過剰な情報やイメージを消化しきれない人が、
貧しい判断力や想像力しか手にできなく成った状態」を指すという。

確かに「象徴的貧困」とは上手く命名したものだと感心しているが、
現在の商業的メディアは「売れる」情報を同じ切り口で処理し、
目新しい話題を分かり易く次々と作り発信する。

その結果、メディアの方向性は画一的に成り、
アナウンス効果も手伝って過大評価に繋がる。
しかも今のネット社会では誰でもた易く自分の意見をブログで主張でき、
有名人のブログにアクセスが集中し偏向に成りやすい。
その為に多くの国民は受身の選択力となり、
自分の真実を伏せてでも安心感を求めてか、
メディアやネットが作り出す比較的身内に甘い画一的な方向へと国民はなびいて行く。

特に日本人は熱し易く冷め易く、付和雷同の傾向の強い国民性といわれ、
第一次オイルショックのトイレットペーパーの買占めや、
健康食品や住居の騒動にも見られたことでもある。
今回の麻生・小沢両氏のメデイアの動行と国民の世論調査を見ていると、
「象徴的貧困」のように感じざるを得ない。

今日は少し硬いブログに成ったが、
ともかく画一的でムードに流され易いメディア社会の「象徴的貧困」からの脱却は、
情報の選択性や判断力を自分自身で咀嚼できる心眼を持つことが重要で、
近々の様ざまな現象を見ていると痛切に感じる。