国立科学博物館(東京・上野)で開催中の
「マチュピチュ発見100年~インカ帝国展」に行ってきました。
公式ホームページのTwitterによれば、
休日の午後はきまって入場規制が行われているようなので、
早起きをして、開館直後に入場。
それでも午前中からかなりの来館者です。
金細工やミイラなど、人気の展示物の前では行列ができ、
なかなか進まずに、係員が誘導を促すほどです。
目玉になるような大きな展示物はありませんが、
インカ帝国の始まりから滅亡までの歴史や
社会・風俗の概要が初心者にもわかりやすく紹介されています。
また、最近ではいろいろな主義主張に配慮し、
博物館や企画展でもミイラは展示されることが少なくなりましたが、
今回、五体まとまって公開されているのは特筆に価すると思います。
エジプトなど他の遺跡から発掘されたミイラを見たことがある人には、
葬送方法や死生観の違いがはっきりと伝わってきます。
そして、単純な機具から複雑な模様を織り出した、
インカの人々の高度な機織り技術には驚くばかりです。
インカでは布が褒賞として与えられたり、相続の対象となったのもうなづけます。
インカ帝国は16世紀になって、スペイン人によって滅ぼされました。
金(ゴールド)に魅了された侵略者たちは、キリスト教の布教の名のもと、
インカの人々の命を奪い、社会と文化を破壊しつくしました。
「キリスト教徒にあらずば、人にあらず」
この時代、そんなキリスト教の世界観が多くの災厄をもたらしました。
「宗教とは、結局、ひとりよがりなものでしかないのか」
そんなことも考えさせられた展示でした。
じっくりと見て回り、すべての映像も視聴して約二時間半。
特に、会場最後にある「マチュピチュの3Dシアター」の臨場感は抜群です。
中央付近最前列での視聴をお勧めします。