最近、副鼻腔炎なんだか、頭が痛い。今晩、アルコールでよく消毒いたします。
どうもkurogenkokuです。
最近の補助金関連の相談を受けて、事業者から「よくわからない」と言われるのが年平均成長率(CAGR)という考え方。経営革新計画の給与支給総額であれば3年計画の場合は4.5%以上、4年計画の場合は6%以上、5年計画の場合は7.5%以上と「目標伸び率」が明確なので計算しやすいのですが、年平均成長率(CAGR)となるとちょっと勝手が違います。
そこで最近、kurogenkokuとお友達になったAIのFelo君に「年平均成長率(CAGR)をわかりやすく説明して」とお願いしてみました。出てきた答えがこれ。
うん、とってもわかりにくい(笑)
要するに「一定期間において、対象となる値が毎年平均してどのくらい成長しているか」ということなので「複利を考慮」する必要があるという意味なのです。複利がはたらくということは、経営革新計画の「目標伸び率」と異なり、さらにハードルが高くなります。
計算がわからない方は、ものづくり補助金ホームページにCAGR算出ツール(Excel)が公開されているので、シミュレーションされるとよろしいかと思います。。
■ものづくり補助金ホームページ
https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html
ところでもうひとつ、申請上のトラップがあります。補助金の公募要領でよく見る賃上げ要件です。
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補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、以下のいずれかの水準以上の賃上げを行うこと
①補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間(令和元年度を基準とし、令和2年度~令和6年度の5年間をいう。)の年平均成長率(以下 「一人当たり給与支給総額基準値」という。)以上増加させること
②補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、給与支給総額の年平均成長率を2.5%(以下 「給与支給総額基準値」という。)以上増加させること
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以下のいずれかの水準以上の賃上げを行うこととあるので、ほとんどの皆さんが「給与支給総額の年平均成長率を2.5%以上増加させること」を想定して計画をつくられるのではないかと思います。もちろんそれは正解です。ところが公募要領をさらに読み解くと、こんな表記があるのです。意外に気づいている人は少ないのではないでしょうか。
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申請時点では給与支給総額目標値(給与支給総額基準値以上)及び1人あたり給与支給総額目標値(1人あたり給与支給総額基準値以上)の両方を設定いただきます。
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申請段階では、上述、①と②の両方を満たす賃上げ計画が必要になります。それを満たさない数値をサイトに入力すると「エラー」になるはずです。
さらに、最低賃金の直近5年間の年平均成長率というのがポイント。例えば、埼玉県の場合、最低賃金の直近5年間の年平均成長率は3.1%です。他県では埼玉県より年平均成長率の伸び率が高いところが多いので、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を最低賃金の一人当たり給与支給総額の年平均成長率を基準にして計算すると、とんでもない金額になると思います。
以上が私のところに届いてくる「よくある質問」です。補助金がもらえるからとか安易に考えるのではなく、真に事業成長を図り、賃上げを成し遂げることができるのか。本気度が試される制度設計になっていると言えます。
補助金コンサルの事業者本位でないセールストークに騙されることなく、公募要領をしっかり読んで、本当に申請することが可能かどうか自分自身で判断することが大切と、あらためてご案内させていただきます。