本日20時放送「黒澤元国の飲みに行こうよ!」、ゲストは明治大学政治経済学部 森下正 教授です。
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どうもkurogenkokuです。
昨日は、川口商工会議所で経営相談会。そのうち1社は資金繰りにかなりの課題を抱えた製造業でした。経営改善なのか、もしかして事業再生支援なのかもしれません。いずれにせよ、この手の支援では「社長のこれまでを変える」のが本質になります。
中小企業がオーナー経営である以上、良くも悪くも「いまの経営成績は社長そのもの」です。「社長のこれまでを変える」とは、いまの事実に目を向けて、危機感を理解いただき、経営改善に向かって具体的なアクションを「本気で」起こしていただくことに他なりません。
ただここで注意しなければならないことがあります。「社長のこれまでを変える」と言っても、それが人格否定であったり、厳しい言葉の暴力であったりしてはいけません。社長の気持ちに心を傾け、応援者の立場で社長を動かしていくことが大切なのです。
昨日の相談もそうでした。
初見の方だったので、まずは社長の言葉で現況を説明していただきました。その後、今後の取組みの方向性を検討していくと、社長の口から「いまの状況ではそれは無理」という、聴き方によっては自己逃避的なニュアンスの話がたくさん出てきました。
このままでは打ち手がない。そう思った時でした。社長からで「〇〇だったらできるかもしれない」という言葉が出てきたのです。
「なるほど、この取り組みだったら実現できそうですね。では社長、〇〇を実施したとして、借入れの返済に必要な売上高は確保できそうですか?どのくらいの受注があれば、事業を継続できるんでしょうか?」
取組みそのものは良いとして、社長は経営の数字を全くつかめていなかったのです。「気づいたときには資金ショートして経営が立ちいかなくなっていた」というかたちになりかねません。kurogenkokuは事業存続の実現可能性を見たいのです。
「私が応援するので、頑張ってみませんか」
言葉を投げかけてみると、社長はうなづきました。これから社長と一緒に経営計画をつくります。
計画のつくりかたのわからない社長にこうアドバイスしました。
「決算書の勘定科目のひとつひとつについて、今後の見通しを月ごとに立てていきましょう。」
数字合わせではダメです。売上はエビデンスをもとに実現可能な数字を積み上げてつくっていきます。費用もそう。例えば製品ごとに材料費率は異なるので、受注の見通しを立てたら、ひとつひとつ材料費率を変えて試算します。その他経費についても、すべての勘定科目に積算根拠は細かく見ていきます。
このプロセスにおいて、Excelの使い方がわからなくてもいいのです。社長が自分の頭で勘定科目のひとつひとつを考えて、実現可能な目標を正直につくってみること。それにより定性的な取組みを定量的な成果見通しと紐づけていくのです。
社長に差し上げた時間は1か月です。厳しいかもしれませんが、経営者として最も大切な仕事です。すると、隣に座っていた金融機関(メインバンク)の担当者が言いました。「私も応援しますから、kuroさんのアドバイス通り、頑張ってみませんか。」
社長を取り巻く関係者全員が「応援団」になった瞬間でした。
社長は創業経営者でした。30年間、事業を続け、従業員とその家族の生活を支えてきました。いまは役員報酬も削減し、なんとか事業を継続させようと頑張っています。これだけでも立派な経営者だと思うのです。サラリーマンでお給料がもらえているkurogenkokuとは背負っているものの大きさが違います。そんな社長に対し、上から目線でダメ出しなんてできるでしょうか。
どんな経営者に対しても、尊敬の念をもってかかわることが大切です。「社長のこれまでを変える」のが経営改善・事業再生支援の本質ですが、頑張ってきたことは素直に認め、応援のエールを贈り続ける。
「頑張ってみます。次回もよろしくお願いします。」
そういって社長は部屋を後にしました。