九品人の落書帖

写真をまじえ、身の回りで見聞きしたことを、つれづれなるままに!

橘中の楽しみ

2017年06月18日 | 書籍
 碁の起源は三千年以前の中国。
 日本へは遣唐使の吉備真備が持ちかえったと伝えられる。
 中国では碁のことを「橘中の楽しみ」、「らんか」、「烏鷺を戦わす」などと言った。
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 【黒先白死】
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 橘の実を割ったところ、中に二人の老人が碁を打っていた、という話しが『霊怪録』に載っている。
 これから碁のことを「橘中(きっちゅう)の楽しみ」と呼んだ。
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 【黒先白死】
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 「らんか」とは斧の柄が腐るという意味。
 ある木樵が山へ入ったところ、とある場所で二人が碁を打っていた。
 根が碁好きだから、斧を傍において見物しているうち、腹がへり二人からナツメの種のようなものをもらい食べた。
 そのうち二人から「もう大分時間が経ちましたから、お帰りなさい。あなたの斧が腐っていますよ。」と言われた。
 見ると、なるほど斧の柄が腐っている。
 あわてて家へ帰ってみると、村の様子がすっかり変わっていて、知った者が一人も居なくなっていた。
 浦島太郎のような話しが『述異記』にあり、これが「らんか」の縁起となった。
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 【黒先白死】
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 「烏鷺(うろ)を戦わす」とは、
 烏はカラスで黒いから黒石をさし、鷺(さぎ)は白いので白石。
 つまりは「黒石と白石の戦い」という意味である。
   
コメント
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