AWA@TELL まいにち

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『留学生の語る母国の伝説・昔話』届きました

2018年03月05日 | 日本語教育
昨年度に続いて、日本語の上級レベルの学生を対象とした授業で、昔話集を作成しました。

今日届きました。

今期で卒業・修了・帰国する留学生との懇談会が今夕なので、ぎりぎり間に合いました。

業者さんに無理を言って間に合わせていただくことができました。

改めてみると、「?」というミスもあるのですが、一人でやっていることということで勘弁していただいて、今日、お土産に渡そうと思います。



この授業では、私が日本の伝説や昔話を読み聞かせ(紙芝居ですが)、それを自分なりの日本語で書きなおしてくるという活動です。

今年度は、昨年度よりも紹介した昔話が少ないのです。


理由は、単純に、留学生の書いてきた日本語の作文に、かなり厄介な誤用が見つかったためです。

それが自他動詞でした。


自他動詞は、自分が教えるときでも、初級ならここをゴールに、初中級ならここをゴールに、と考えて授業をするんですけど、一人のコーディネーターが初級から上級まで俯瞰してコースデザインをするわけではありませんから、当然、抜けがあったり、担当教員によっては苦手な分野で、表面的な指導しかできていないこともあると思うのです。

それが悪いんじゃなくて、そういうところも含めて、それを引き継いだ授業では配慮した指導をしていく必要があると思うのですが、

まあ、今回は、それが自他動詞。


母語にその対立がない場合もありますし、助詞の「が」が絡んでくるところも厄介で、いろんな説明をしました。

それがうまくいったのかどうかは、この後、留学生が帰国してからの日本語に期待するところです。



巻末のコラムのようなところには、

これまでに経験した学習者の誤用について、特に、性的な言葉だと誤解を受けるとか、差別用語に聞こえるとか、そういった教員の指導しにくい事例を紹介しました。妻から、「下ネタだがいいのか」という投げかけもありましたが、


まあ、日本語を教えていれば、必ずどっかでぶつかること。


女性の多い職場であるがゆえに、修正しにくいということも出てくると思うんですが

学習者の不利益にならないように

を心掛けるためには、避けて通れません。



また、上田の授業や担当する公開講座でお渡しすることもあるかもしれません。



徳島で作製した冊子から数えて3冊目です。

徳島でテレビ放送していただいたDVDを紛失してしまったので、しょげてますが、まあ、思い出ということで。



帰国して、眺めて、日本での生活を思い出してくれたら、それでいうことはありません。

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