AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

釜山最後の夜

2015年03月29日 | どーでもいいこと
さて、最後の夜、晩御飯も自分たちで食べるグループと、私が連れて行くグループとがあって、私たちはカルグクスとマンドゥ。

美味しかったです。

今回、珍しいことに私は初日の夜に鴨、二日目は慶南大学校の先生とサムギョプサル、この二回しか、肉を食べませんでした。

質素な食生活、で、過ごした一週間の研修です。

いや、肉がダメという学生さんや辛いのがダメという学生さんがいるので、おとなしいものになった、という結果論かもしれませんし、メンバーの中で一番食べるのが私のようで、おとなしくしていたということです。

今は、門限に学生さんが帰ってくるのを待っています。

今回、スケジュールが二転三転して学生さんにはかなりの負担があったと思うのですが、どうだったかなー。

一人でタクシーに乗る、一人で地下鉄に乗る、列車に乗る、リムジンに乗る、と、いろんな移動手段を経験してもらって、今度来るときには自信を持って過ごせてもらえるんじゃないかと思うのですが、市内バスはちょっとハードルが高いかなー。僕自身、なかなか。

少し話は変わりますが、日韓国交回復50年という今年、日韓関係がギクシャクしているのは報道を見て知っているのですが、旅行していて感じるのは、いつもと変わらない韓国です。何も心配するような治安の悪さ、ああ、ここでいうのは日本人に対して、という意味で、そんなものは少しも感じませんでした。

買い物をしても、博物館でも、タクシーでも、切符売り場でも、日本人と言ったら日本語で挨拶してくれて、親切に対応してくださいます。

ネットや報道に惑わされてはいけない、と、強く、また、改めて感じました。

僕は植民地時代のことを研究対象としていますが、学生さんたちに、また、自分の子供たちに、自分の調べた範囲のことしか伝えていません。

うまく言えないので誤解を招くと嫌なんですが、

私たちの祖父母、父母の世代が原因となったことに対して、

私たちの世代が解決できなかったことを

私たちの次の世代に解決させようとするのは、ひどい話だと思うのです。

真の解決がどのようなものか、それすら私たちには描けていないのに、

やみくもに次の世代にそれを任せるのは無責任な気がします。

かといって、一番避けたいのは、私たちの世代が解決の方向を示して、それを盲信させてしまうこと。

私たちの次の世代には、次に世代なりの解決方法がきっとあると思うのです。

私自身は、その解決方法は個々の結びつきだと思っています。

一緒に何かの仕事をする、一緒に時間を過ごす、国や民族を背負わずに個々の結びつきがあれば、きっかけにはなると考えています。

答えがある問題なら、私たちの親の世代で解決できているはずです。

それができていない以上、私たちの世代が、次も世代のための手がかりをたくさん残して行くしかないと思うのです。

それが、逃げだ、という方もいらっしゃると思いますが、私には私なりの方法でしか、学生に残していくものは作れません。

今回の研修でも、多くの方にご迷惑をかけました。それを、大丈夫ですよ、と言っていただいています。

人と人の付き合いですから上手く行くときも喧嘩になるときも当然ありますし、合う、合わないだって当然あります。

それが一般的なことだと思い込まないことが重要であり、客観的に、バランスを持って見ていくのが研究者のスタンスじゃないかと思っています。

今回の研修で、両国の学生さんたちが

お互いを思い出して笑ったり怒ったりすることが一つでもあれば、

私にとっては成功です。

きっと、十年後、思い出してクスッと笑えると思うよ。

僕が、韓国で暮らした2年を思い出して楽しくてたまらないのと一緒。
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