AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

留学生の相談

2009年12月02日 | 日本語教育
僕の授業をとっている留学生の一人が研究室にやってきて、日本に1年以上もいるのに、日本語が上手にならない、といって涙を浮かべてたくさん話してくれました。

その学生さん、日本語で相談のメールも送ってくれますし、何かものをお願いされるときも丁寧で、実は僕は、受講している留学生の中では日本語力を上のほうに考えていたので、意外な印象を受けました。

もちろん、非漢字圏の学生さんなので、漢字は大変でしょう。
でも、自分の直面した問題を、日本語だけで何とか解決していく能力というのは、かなりのものがあります。
どのような日本語教育を受けてきたのかによって、伸びてくる能力には違いがあって、そういう意味では、彼女は日本での生活に必要な日本語力は確実に身についていると感じています。
一方で、日本語だけで大学の講義を受講するというのには、上に書いた漢字力の点で板書だけでなく、僕の話す言葉や学生さん同士で議論する言葉の中に漢字語彙があると、つらいだろうなあと思うわけです。僕がよく話がそれてしまうのも、大変だと思いますし。

学生さんは、日本から帰国したら、日本語の先生の仕事につきます。
だから、あと半年もない日本留学期間で、あせることも多いんだろうと感じています。

以前、徳島にいたときに、ケニアの学生さんからやはり泣きながら日本語がわからないという相談を受けたことがありましたが、あの時は「あと一ヶ月がんばってください。それでだめだったら新しい方法を取ります」と伝えました。ものすごく努力して、一ヵ月後にはクラスで一番できる学生さんになりましたし、その後、ほかの大学の大学院に進学していって、日本での生活が長くなりました。
今回の学生さんのように、中級後半から上級にかけて、という学生さんは大変だと思います。

昨日はずいぶん話して帰ってくれたから、すっきりしたかな。

家族に会いたいという気持ちも伝えてくれました。
こんなときは、家族がそばにいてくれるといいですよね、確かに。

また話に来てくれるといっていました。
次の授業で会うのが楽しみです。
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