AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

海外に出るなら世界史は必須

2015年06月05日 | どーでもいいこと
今日の日本語教育学入門は、歴史的な観点から、日本とアジアを中心とした世界とのかかわりの話。



僕が韓国で日本語を教えていたときのこと。

若い日本語教員の方と一緒にバスに乗っていたのですが、お年寄りが乗っていらっしゃって、席を譲ったわけですが、

日本語でおしゃべりしていたら、そのお年寄りから「日本の方ですか」と声をかけられました。


やりとりをしていたら、一緒にいた若い日本語教員の方が、


「おばあちゃん、日本語が上手ですね。いつどこで勉強したんですか」


と聞きました。


日本が朝鮮半島を植民地にして日本語教育を行っていたことを、彼はその時思い至らなかったのです。



ケニアの留学生とおしゃべりしていたとき、

「僕のおじいさんは、日本の軍隊と戦いました」

という話を聞かされびっくり。

よく聞くと、大英連邦軍の一員として、イギリスの植民地であったケニアから兵員が送られていたんですって、ミャンマーの戦線に。

それを聞いたときに、アフリカや中東に関しては日本の手は汚れていない、という話は幻想であって、当時の状況を知っていれば、言えることではないということを実感しました。



明治の終わりに5万人を超えた中国、当時の清王朝からの留学生。

日本の国内政策、また外交政策の結果、

日本への信頼は不信へと変わり、多くが日本を離れていきました。



そんなことがテーマの今日。


日本語と民族の言語しか話せないおじいちゃんと、台湾本島で育って北京語しか話せない孫の映像も見せました。「お話が通じないよ」というおじいさんの表情を見た学生さんはどう感じたでしょうか。



世界のことをもっと知ってほしい、

僕自身が、もっといろんなことを知りたい、そんなことを思って学生さんにお話ししました。



実は、この講義、今回の話が、一番伝えたいことだったのかもしれません。
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