先日、声の教育社(http://www.koenokyoikusha.co.jp/books/book_top)が今年度版の「埼玉県 高校受験案内」を刊行しました。今年度版のこの高校受験案内は、今までの高校受験案内と大きく違うところがあります。ある意味、「埼玉の公立入試の合否の本質に迫った1冊」ともいえると思います。
では今までの受験案内と何が違うのか。
今まで公立高校入試の合格の目安としては「偏差値」が用いられてきました。受験案内や会場テストでも「偏差値」による合格の目安についてが示されていました。一般的にはその数値に基づいて志望校を決めたり、また、偏差値が上がれば公立高校も合格するというように考えられてきました。
これはこれで決して間違いではないのですが、しかし、ある意味「誤解」だともいえます。
なぜなら埼玉の公立は偏差値(当日の点数)だけでは決まらないということです。「内申点」というもう一つの数字も入試には用いられており、これも合否には影響するということです。
しかし、会場テストや受験案内などには内申点の目安があまり記載されることもあまりありません。偏差値による合格目安のみが記されることが多いので「偏差値さえ上げればいい」という「誤解」が生まれてくるのだと思います。
実際には内申点という持ち点によって、当日取るべき点数が違ってきます。
例えばの本書に掲載されている一例ですが、ある高校では内申41あれば偏差値で62相当の点数をとれば合格ラインにのり、内申が37しかなければ、偏差値は67相当の点数を取らなければ合格ラインにのらないということがわかります。
内申の違いによって目標とする偏差値は5ぐらい(5教科の合計点数で50点ぐらい?)違ってきます。内申点は1~3年2学期までの平均と考えると、1・2年次にしっかりと勉強をしておいた人がやはり有利で、1・2年次に内申が今一歩だった人は、3年次に当日の点数がしっかりと取れるように相当な勉強が必要になってくるといえると思います。
内申(通知票)を4上げることと偏差値を5上げることはどちらがやりやすいのかは、いろいろな考えがあると思います。一般的に考えれば、試験範囲がある中間・期末できちんと点数をとって通知票の数字を上げていく、そのほうが成果は出やすいのではないかと思います。
この高校受験案内を詳しく見てみると、1・2年次から頑張ったほうが良いという意味が分かると思います。また、3年になってから頑張っていくにあたっては、どのくらいを目標にすればよいか、今までの通知票の結果に応じた個人的な目標を立てることができるようになると思います。
合格は「偏差値」だけでは決まらない、その誤解に早く気づくことが大切だと思います。