箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ16号 KHR 標的282『さよなら未来』

2010-03-28 17:00:00 | 雑誌[J]
# 2010.03.28 22:50編集

白蘭との戦いが終わり、並盛町の地下500m、メローネ基地跡より1km地点に移動した白く丸い装置の前で
会話を交わす正一、ツナ、リボーン、ヴェルデからスタートの今号。

ツナ:『この装置で過去に帰れるんだね!!』
正一:『ああ 5分で過去に戻れるはずの10年バズーカの効力をこの装置で妨げているわけだから解いてやればいいんだ
    7^3のパワーバランスが正常に戻った今なら 時空も安定していて安全に帰れるはずだ』

10年前からやってきたリボーンたちが10年ピッタリにタイムワープできなかったのは、7^3のパワーバランスが崩れ
時空が歪んだからだそうです。しかしながら、帰りのタイムワープは、天才科学者であるヴェルデが計算し
ベストな時と場所を設定してくれるそうです。

リボーン:『信じていいのか』 『ヴェルデ』
ヴェルデ:『カリは返すさ』 『ユニにな』

ただならぬ二人の雰囲気に気圧されるツナ。他の面々はというと、この時代の人たちとの別れの挨拶をしている最中のようです。

まずは山本とスクアーロ。どうやら修行をした森の中のようですね。

スクアーロ:『また野球をはじめんのかぁ?』
山本:『ああ』 『剣一筋でいくのは 未来(ココ)だけって決めてたからな』
スクアーロ:『うお゛ぉい!!』 『この根性なしが!!』 『それじゃ貴様は一生オレの剣を超えることはできねーな!!』
山本:『わっかんねーぜ』 『そんなの』
スクアーロ:『だとぉ!!』

睨みつけるスクアーロに対し、ハハハッと豪快に笑う山本はやはりなかなかの大物ですね。

スクアーロ:『ったく最近のガキは!!』
      『オレがてめーの年の頃にゃ いっぱしの殺し屋だったぜぇ!!』

言いながら、くるっと山本に背を向けるスクアーロ。

山本:『!』 『なんだよ もういっちまうのか?』 『他のヴァリアーの連中もか?XANXUSはツナと会ったのかな?』
スクアーロ:『会うわけねーだろぉ』 『うちのボスは沢田を見たら』 『殺しちまうからなぁ』
山本:『ん…?』 『そーなのか?』

振り返り睨みつけるスクアーロの言葉と眼光に、流石の山本もちょっと驚いたようですが、
そんなことには構わずにバッと地面を蹴ったスクアーロは『じゃあなぁ!!』 と叫びながら
崖の下へと姿を消しました。それにしても、別れの挨拶をちゃんとするあたり、スクアーロは意外に気さくですね。
崖の下に向かうのに、あんなにジャンプした意味があったのかなんて言ってませんよ言ってません。

山本:『ああ!!』 『いろいろサンキュー!!』

大きく手を振る山本。一方アジト内では、女の子たちがビアンキとの別れの挨拶を交わしていました。
その傍らで『うご!!』 『ぐ…』 『ぬおお!!』 と奇声をあげながら頭を抱え悶えている了平。
どうやら、この時代の花に何か一言伝えるべきか悩んでいるようですが、

了平:『だが極限に一体 何を!!!』

んがあと頭を抱えつつ叫ぶ了平に対する京子とハルの『病気かしら?』 『いつも通りな気がしますけど…』
やり取りがよいですね。
一方、別の場所では、クロームとM・Mとが話していました。

クローム:『……話って…なに…?』
M・M:『ひとつ 忠告しておいてあげるわ』 『骸ちゃんがあんたに優しいのは』 『あんたを利用しているからよ』
クローム:『!!』

冷淡に告げるM・Mは、こうしてみると美人ですね。

M・M:『骸ちゃんは過去に帰ったあんたを利用して 過去の自分を牢獄から出そうとしてるの』
   『誤解しないでね これは親切でいってるのよ』 『骸ちゃんはとっても怖い人なの』
クローム:『……………………』
クローム:『…それでも…』
M・M:『!!』

一瞬唇をかんだクロームが発した言葉に険しい表情を浮かべるM・Mですが、丁度そのとき
犬と千種、骸が2階部分へとやってきます。

犬:『バカ女とM・M 何してるびょん!?』 『そろそろ時間らしいびょん!!』

その声に振り向き、自分を見下ろす骸の優しそうな顔を見つめ、嬉しそうな表情のクロームが可愛いです。
草壁がヒバリを 『恭さん!!』 『お気をつけて!!』 と部屋から送り出す一方、
ビアンキが座り込んでいた獄寺を見つけます。

ビアンキ:『こんな所にいたのね ハヤト たった一人の私の』 『義弟(おとうと)』

近付いてきた気配に立ち上がった獄寺に話しかけるビアンキ。

ビアンキ:『例の約束覚えてる? 聞いて欲しい話があるの これを見て』
獄寺:『へっ』 『土産ならいらねーよ』
ビアンキ:『ええ 過去にも あるものだからもっていく必要ないわ』
     『でも未来(いま)の私が見せたかったから わざわざ破壊されたアジトにとりにいったの』
獄寺:『なっ』 『それでアジトへ?』

驚く獄寺が目にしたものは、袋いっぱいに入った手紙でした。
それは、ビアンキと獄寺の父が、獄寺の母に宛てた手紙。獄寺の母が事故で亡くなる寸前まで送っていた
ラブレターの一部だそうです。

ビアンキ:『あなたは 父さんがお母様との結婚を拒んであなた達母子を引き離し』
     『それが お母様の死に繋がったと思っているわね… 』 『でも実際は逆なのよ』
     『ハヤトのお母様が 父さんの結婚の申し込みを断ったの』

ビアンキの言葉に驚きを隠せない獄寺。
ビアンキによると、獄寺の母は大病をわずらっていて、自分の余命を悟っていたそうです。
彼女は、ビアンキと獄寺の父や獄寺の未来に迷惑がかかるからと自ら距離をおいたとのこと。
それでも父は、一時でも親子3人の時間を作ろうと手紙を送り続けたそうです。
獄寺の母が崖から転落した時の死因も、落ちる前に病気で亡くなっていたということらしいです。

手紙を読みながら『……そんな…』 『…ウ……ウソだ…!!』 『………だってよ…!』
言い募る獄寺を諭すように、ビアンキは続けます。

ビアンキ:『今はわからなくてもいいわ でもこれだけは覚えておいて』
     『あなたは両親に祝福されて生まれてきたのよ』

穏やかに告げるビアンキを見つめ返す獄寺ですが、突如『獄寺君 ビアンキ 危なーい!!』 という
言葉とともにその場に現れたのはモスカの巨体でした。
驚く姉弟のところへ、ツナとスパナ、そしてジャンニーニの3人が駆け込んできます。

ツナ:『ビアンキ 獄寺君 大丈夫!?』
スパナ:『うーん』 『やはり左のスラスターがおかしい』
獄寺「!!』 『10代目に…スパナ!!』 『スパナお前今まで何してたんだよ!?』
ツナ:『今の今まで対白蘭用のモスカ作ってたんだって…』
   『スパナ メカのことになると周り見えなくなっちゃうから…』
スパナ:『すまない』

飴を咥えたまま謝るスパナ。白蘭がミルフィオーレを立ち上げない未来であれば、
彼も初めからボンゴレの技術班の一員となるのでしょうか。

そして、全員があの白く丸い装置の前へと集います。

正一:『よーし みんな揃ったね!!そろそろ出発だが』 『ボンゴレ匣は未来(ここ)に置いていってもらう 取りはずしてくれ!!』

『ガオ』 と悲しそうな声をあげるナッツ。瓜やその他の匣兵器アニマルたちも、
表情がとても寂しそうです。

ツナ:『しょうがないよナッツ…まだ過去に存在しない匣兵器を持ち帰るのはよくないらしいんだ…』
ナッツ:『ガルルルル…ウゥ…』
了平:『寂しいぞ我流!!』
獄寺:『元気でな…瓜』

ツナの足に擦り寄るナッツと、熱く抱擁を交わ我流と了平、瓜を撫でる獄寺と
大人しくされるがままの瓜が印象的です。

風:『達者でねイーピン』

ペコリとお辞儀を交わす師弟。イーピンが、風をヒバリに似ていると称したことから、
彼がアルコバレーノになった時期はそんなに前ではないと思っているのですが、
どうなのでしょう。


バジル:『結局 川平のおじさんが何者なのか わかりませんでしたね』
フゥ太:『うん…』
ツナ:『いろいろありがとうラル!』
ラル:『オレはガキの面倒を見ただけだ』

ぶっきらぼうなラルの言葉。最後までガキあつかいされたことに、地味にショックを受けるツナに、
ラルは優しい笑みを見せます。

ラル:『いいボスになれよ』 『沢田』
ツナ:『え゛っ いやだからオレはボスとかはっ』
ラル:『コロネロ!! 沢田達をしっかり平和な過去へ帰してやれよ!!』

ツナの言い訳を聞かず、コロネロの方へ向き直るラルに、コロネロが応えます。

コロネロ:『ああ 当然だぜコラ!! こいつらは命の恩人だからな』
マーモン:『お金くれなきゃ奥義なんて使いたくないけど今回は特別だよ』

この仕事があるから、マーモンはヴァリアーと行動を別にしているのですね。
マーモンがヴァリアーに復帰となると、フランと属性が被ってしまいますが、
それはそれで楽しそうです。

コロネロ:『終わったらすぐ戻ってくるからな』 『ラル』
ラル:『バカッ』 『こんな所で!』

赤面するラルは珍しいですね、可愛いです。

正一:『じゃあタイムワープをはじめるよ!!』
   『別れを惜しんでたらキリが無いからね!! アルコバレーノは過去のマーレリングを封印してすぐにここへ戻ってくる予定だ』
   『では…』
正一:『本当に…』 『ありがとう!』
ツナ:『…さよなら』

二人でしっかり視線を交わした正一とツナ。
やがてタイムワープが始まり、光に包まれたツナたちが正一の前から姿を消します。


このタイムワープの時 ユニとアルコバレーノはいろんなプレゼントをしてくれたんだ…
一つは過去のマーレリングの封印… そして 一緒に戦った仲間達の未来の記憶を 過去の彼らに伝えてくれた…

どうやら、世界各地で起こったような地震の揺れの中、XANXUSや骸、ディーノたちへ
記憶の伝達が行なわれたようです。

さらに特別に ナッツ達ボンゴレ匣を一緒に過去へつれてきてくれたんだ!!
ヴェルデっていうアルコバレーノの天才科学者の技術で 今までの匣型よりずっとコンパクトになってね!

…たった今、オーバーテクノロジーである10年後の世界の技術である匣兵器を
過去に持って帰るのはよくないと聞いた気がするのですが…よいのでしょうか?
コンパクト化されたナッツは、リング状になってはいますが、『ガオ…』 と鳴いているあたり
動きに制限はあるものの、常にツナの傍に居られるようですね。
それにしても、戦うときにはやはり元の形態に戻るのでしょうか。

カッと激しい光が、一直線に沢田家へと突き刺さり、リボーンとツナ、イーピンとランボが
奈々の背後へと到着します。

奈々:『まっ』 『みんなこんな所にいたの?』 『てっきりツナの部屋かと思ったわ』
ツナ:『!!!』 『か…母さん…』
奈々:『?』

懐かしさと安堵を浮かべた表情のツナを、笑顔で見返す奈々に、イーピンとランボが
『ママーン!!』 と叫びながら飛びつきます。

奈々:『んまぁどーしたの』 『どこかイタくしたの?』

笑いながら、二人を抱きとめた奈々を前に

リボーン:『先を越されたな ツナ』
ツナ:『中学生にもなって あんなことするかよ!!』

という二人の会話が楽しいです。

奈々:『そーだツっ君』 『今の地震で物が落ちてないか 自分の部屋を見てきてちょーだい』
ツナ:『え?』 『地震があったの…?』
奈々:『その後でケチャップ買ってきてくれない?』 『今晩ハンバーグなんだけど切らしちゃったのよ』
ツナ:『母さんの…ハンバーグ…』(本当に帰ってきたんだ)

実感したのか、泣きそうに表情が緩んだツナですが

奈々:『ちょっと なにツナ!?』
   『顔にたくさんキズバンつけてまた転んだの?』 『それに たくさん指輪つけて…獄寺君のマネ?非行かしら…』
ツナ:『え!』 『いや これは!! 』

ボンゴレリングとナッツのリングを嵌めた指をサッと後ろに隠し『何でもないって!!』
誤魔化すツナ。奈々が獄寺のことをどう思っているのか、よく分かった気がします(笑)。

とにもかくにも オレの中二の未来での戦いは
こうして幕を閉じたんだ…

10年前の世界でツナが奈々と再会を果たしている頃、10年後の世界でも
戻ったアルコバレーノと正一たちが再会していました。

正一:『おかえり!!』
コロネロ:『少し地殻に影響を与えたが すべてうまくいったぜ!』
ラル:『ホッ』
正一:『よかった!!』 『お疲れ様!!』
コロネロ:『お』 『子供のあいつらが過去へ帰ったかわりに この時代のこいつらが装置から目覚めたんだな』

件の装置の前には、今まで囚われていた10年後の面々が勢揃いしています。
ヒバリの怪我も大丈夫そうですし、獄寺の足の陰には、何気にリボーンもいますね。
10年後のリボーンがどうなったのか気になっていたので、安心しました。

獄寺:『ところで』
山本:『ツナは どこいったんだ?』
正一:『ああ』 『一足先に 地上(うえ)にいってるよ』

獄寺や山本は、10年後のツナが正一やヒバリと組んで立てていた計画のことを
知らなかったはずですが、過去が修正されたことにより、ここで起こった戦いのすべてを
理解しているのでしょうか。
でなければ、いまだに正一を敵とみなしていても可笑しくはないと思います。
また、この時間軸以外のパラレルワールドにおいては、どのような歴史の復興がなされているのかも
気になりますが、流石に知る術はなさそうですね。

未来編始まりの森の中で、棺桶を見下ろすツナらしき人影。
そこに置かれていた白紙のノートに、フッと浮かぶ文字。

『オレの中二の未来での戦いは』『こうして幕を閉じたんだ…』

しかし、すぐにスゥ…と文字が消えてしまいます。
棺桶の上に置かれた2冊のノート。開いたものと、その下に置かれた"2-A 沢田綱吉"と書かれた表紙のものを見下ろす
10年後のツナの足元の描写で以下次号!!

未来編完結です。

文字が浮かんで消えたことは、歴史の修正の結果かと思わないでもないですが、
棺桶が変わらずそこにあることに一抹の不安を感じずにはいられません。
一体どのような修正が行なわれたのでしょうか。
すべてがなかったことになったのであれば、棺桶もなくなっていて欲しかったのですが
そういう問題ではないのでしょうか。

10年後ツナの顔は登場せず仕舞いでしたし、川平のおじさんとチェルベッロについては
次章以降へ持ち越しとなりました。
マーレリングを手に入れなかったとしても白蘭がマフィアを目指し
ファミリーを結成する可能性は0ではありませんし、今の世界に不満を持つ真6弔花が
この未来とは別の行動をとる可能性もある訳です。

パラレルワールドという厄介な世界観のお陰で、まだ頭の整理ができていませんが、
次号からはすっぱりと舞台を変えて、新たな物語が始まるようです。
長い長い未来編でしたが、終わってみるとやはり楽しかった感がありますね。
できれば、フランの戦う姿を見たかったという心残りはありますが、
真ボンゴレリングを手に入れた守護者たちの戦いは今後のシリーズで
お披露目がありそうですから、期待したいと思います。

なにはともあれ、次回も楽しみです!


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