箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ40号 KHR 標的255『決断』

2009-08-29 04:10:57 | 雑誌[J]
ユニを庇うように前に出たスクアーロとヒバリ、
その二人に驚くユニと、若干青褪めているツナ。
そして、空中に浮かぶ桔梗・ザクロ・トリカブトからスタートの今号。

ヒバリ:『来なよ』

トンファーを構え、不敵にそう告げるヒバリと、
その傍らで、空中の三人を睨みつけるスクアーロ。

桔梗:『ハハン』 『いいでしょう』

桔梗とザクロは、どこか楽しそうですね。

ツナ:『なにげに みんな』 『闘う気になってる―――!!』

頭を抱えて叫ぶツナは、見ているこちらが楽しいです(笑)。

白蘭:『まあ 落ち着こうよ桔梗ちゃん』 『ユニちゃんは病気で ずっと眠っていたも同然だったんだ
   急に目覚めて 気が動転してるんだよ』
桔梗:『ハッ 白蘭様』

地面から、見上げるようにして桔梗に声をかける白蘭は、
さすが、早くも余裕を取り戻しています。
桔梗のことは、ちゃん付けで呼んでいるのですね!意外でした。

白蘭:『じゃあ こうしようユニちゃん』

若干芝居がかった感じで、手を広げにこやかに語りかける白蘭。

白蘭:『チョイスに勝利して 僕がもらえるはずの7^3は』
   『手に入れるまでにとても苦労したし すごく大事な物だよ』
   『でも もしユニちゃんがミルフィオーレに帰ってきてくれるんなら』
   『ボンゴレリングは ボンゴレファミリーに返してあげてもいい』

にっこりと笑い交換条件を提示する白蘭は、顔だけ見ると好青年のように見えます。
そして、ボンゴレリングをメチャクチャ欲しがっていた白蘭のこの提案に、
獄寺や山本、ツナは戸惑いを隠せません。

白蘭:(今はユニだ…何としても魂の戻ったあのユニが欲しい… リングはその後だ…)

白蘭の笑みに、黒さが滲みます。

入江:(どうしたんだ!?) (おしゃぶりの光を見てから 白蘭さんの態度がかわった…)

入江すらいぶかしむ白蘭の豹変振り。どうやら彼も、このあたりの事情は知らないようですね。

ユニ:『白蘭』 『なぜ あなたが私を欲しているかは わかっています。』

そう答えたユニの眼差しを、白蘭は笑みを浮かべたまま、無言で受け止めます。
しかし、彼女の言葉の真意は、ツナはもちろんリボーン、入江には謎のようです。

ユニ:『わかっているからこそ』 『あなたの元へ帰るわけにいきません』

やんごとない事情で別れなければならない男女のやりとりを見ているような
台詞だなんて、思ってませんよ思ってません。

ユニのその言葉を『ふうん』と無感動に受け流す白蘭。

白蘭:『じゃあやっぱり』 『ボンゴレリングは僕らのものだ』
   『ユニちゃんが逃げ込もうとしてる連中に ミスミス武器を渡すつもりはない』
   『っといっても…』 『肝心の白馬の王子は』 『ユニちゃんの願いにビビってるけどね』
ツナ:『い゛っ』

いきなり白蘭に視線を向けられたからか、それとも白蘭の指摘が図星だったのか、
ツナはドキッとしますが、ユニは動じません。

ユニ:『ボンゴレリングは あなたのものじゃないです』 『白蘭』
白蘭:『ん?』

ユニの言葉に鋭く反応する白蘭は、若干余裕が消えている気がしますね。

ユニ:『おしゃぶりはアルコバレーノのもの ボンゴレリングはボンゴレファミリーのもの
    それは真理です』
   『あなたには 7^3を奪う権利も 戦いの賞品にする権利もありません』

現在、不可抗力とは言え白蘭に奪われ、真6弔花が装備しているマーレリングについても
「マーレリングはジッリョネロファミリーのもの」という真理が存在するのでしょうか?

ユニ:『私の魂があるかぎり 7^3の一角をになう 大空のアルコバレーノとして』 『7^3争奪戦は認めません 』
   『チョイスは無効とします!!』

力強くそう宣言するユニ。
彼女自身が認めましたが、赤ん坊の姿でなくとも彼女はアルコバレーノなのですね。
ただ、大空のアルコバレーノは欠番だった気がするのですが…。

ツナ:『む…無効!!』
山本:『…って…』
ユニ:『ボンゴレリングを渡さなくていいです!』

ビックリした顔で叫ぶツナと山本の気持ちはよく分かります。
ちょっと起ったようなユニの顔が可愛いですが、いきなり一方的に
無効宣言をするとは思いませんでした;


白蘭:『プ』 『ハハハ!!』

苦笑を通り越して吹き出してしまったという感じで笑う白蘭も珍しいです。

白蘭:『確かに 大空のアルコバレーノには 7^3の運用について 特権が与えられているらしいけど』
   『僕を怒らせるのは どうかと思うな』
   『ボスのユニちゃんが裏切ったとして…』
   『残されたブラックスペルがどうなってもいいのかい?』

笑い声を抑え、いつもの笑みを浮かべてから一転、冷たい目でユニを見やり
脅しをかける白蘭の言葉にユニはハッとします。

ユニ:『!!』
白蘭:『まあ 奴らはユニちゃんにゾッコンみたいだから』
   『煮られようが 焼かれようが 大喜びかもしれないけどね』
ツナ:『な』 『それって…人質ってこと!?』

ユニの脳裏に浮かぶのは、γを始めとしたジッリョネロファミリーの仲間たち。
切なそうに眉を寄せたユニでしたが、

ユニ:『……』『みんなは…』 『わかってくれます』

静かに、その脅しに屈しないことを告げます。
ユニのこの決断は、メローネ基地で入江と対峙した際、ボンゴレリングを
渡すよう促されたときのツナのものとは正反対ですね。
今後、いずれまた仲間と何かを秤にかけなければならないことがあるのでしょうか。
ツナもまた、彼女と同じような決断を迫られるときがくるのでしょうか。
それを考えると、切ないです。

ツナ:『え でもそれって…!!』 『仲間を見殺しに…!?』
リボーン:『あとは お前だけだぞ ツナ』
ツナ:『え!?』

他ファミリーのこととはいえ、仲間を切り捨てるようなユニの決断に動揺するツナに、
冷静に「今やるべきこと」の判断を促すリボーンは、さすが家庭教師ですね。

リボーン:『ユニに 守ってほしいと頼まれたのはお前だ』 『どうするんだ?』
ツナ:『だ…だって…』 『この子の仲間が…』

振り向いてユニの顔を見たツナは、白蘭を見るユニの眼差しを目にします。

ツナ:『!!』
   (…あの目…… この子…) (覚悟してる… こうなるって わかってたんだ…)

ユニの悲壮なまでに壮絶な決意を感じ取ったツナ。
大切な仲間を見捨ててまで、守らなければならないものが彼女にあること、
その覚悟がツナをも動かします。

ガッとユニの腕を掴んだツナ。

ツナ:『くるんだ!!』 『オレ達と一緒に!!』

まだ若干戸惑いは残っているようですが、そう叫んだツナに、
驚いた表情で思わず涙を零すユニ。
言葉だけ聞くと、まるで誘拐(以下自粛)。

ツナ:『みんな!!』 『この子を守ろう!!』

ユニの悲壮な決意に引きずられてか、必死さの滲み出ている顔で仲間に呼びかけるツナに

京子:『ツナ君!!』
ハル:『ツナさん!!』
了平:『よし!!』 『よく言ったぞ!!』
山本:『ああ』
獄寺:『ハイッ』

全員が力強く応え、バジルやディーノ、リボーンも笑顔を浮かべます。

ユニ:『ありがとうございます』
ツナ:『え』 『いや…』

涙の乾ききっていない目で、にっこりと笑うユニに思わず赤くなるツナへの
『あ――』 『またツナさん赤くなってる!!』 というハルがよい感じです。

桔梗:『白蘭様』 『ユニ様を つれ戻すための攻撃許可を』
白蘭:『……』 『うん』

凶悪なまでの笑みを浮かべ、静かに頷いた白蘭ですが、
桔梗たちが攻撃を開始するよりも早く、地上からの攻撃を受けます。
大爆発の煙の中、現れたのはスクアーロの匣兵器であるサメでした。

スクアーロ:『そうこなくちゃなあ!!』

叫びながら、サメを足場にしつつ空中へ移動したスクアーロは、
桔梗・ザクロ・トリカブトへ切りかかります。
それを見て、先を越されたからでしょうか、ムとしているヒバリが可愛いですが、

ランボ:『シャケ!!』
ハル:『サメです!』

この二人のやりとりに和みました(笑)。

ツナ:『スクアーロ!!』
ディーノ:『奴は時間をかせぐ気だ』
     『ツナ ここはいったん退いて 態勢を立て直した方がいい!』

ムチを構え、兄貴分らしくそうアドバイスするディーノ。
戦闘態勢なのはよいのですが、部下がいない状況で闘えるのでしょうか;

ツナ:『え―!?退くっていっても…』 『ここ どこまでいってもビルなんじゃ!?』
ユニ:『でしたら みなさんをここへ運んだ 超炎リング転送システムが近くにきてるはずです』
ツナ:『え!?』 『並盛からワープしてきた?』
スパナ:『本当だ…ボンゴレ基地上空に金属反応がある』
ツナ:『スパナ!! 無事だったんだね』
スパナ:『ん』

山本に肩を借りた状態で、端末のディスプレイを確認するスパナ。
ここでようやく、ツナとスパナが再会したのですね。

リボーン:『転送システムを使えば』 『並盛町に帰れそうだな』

スクアーロ:『お゜ぉい!!』
桔梗:『おっと』

スクアーロと激しい戦いを繰り広げている桔梗ですが、リボーンの策略に勘付いたのか
『そうはいきません』 と地上へと攻撃を放ちます。
しかしそれを、巨大なバリアーのようなものが防ぎます。

『SISTEMA C.A.I.!!』

驚く桔梗に対し、『今度はぜってー止めてやるぜ』 と宣言する獄寺。
またしても『ム…』としているヒバリが可愛いです(笑)。

獄寺:『10代目!!』 『今のうちに 転送システムへ!!』
ツナ:『わっわかった!!』 『ごめん獄寺君!!』 『いこうみんな!!』

その場を獄寺に任せ、走り出すツナたち。
久々右腕らしい働きをする獄寺が、頼もしくてよいです。

ブルーベル:『なーにやってんのかしら』 『桔梗』

若干唇を尖らせながらボヤくブルーベル。
同じようなことを、ザクロも考えていたようです。

ザクロ:『バーロー まどろっこしいビュンビュン草なんかじゃなくて』 『ここは一発よお!』

激しい炎をリングに灯すザクロを桔梗が止めます。、

桔梗:『それは 強すぎますザクロ』 『ユニ様に傷がつくことを 白蘭様は望んでいない』

その言葉を肯定するかのように、口元のみに笑みを浮かべこちらを見る白蘭に、
ザクロも桔梗の言に従うことにしたようです。

ザクロ:『わかりましたよ』
スクアーロ:『よそ見すんなぁ!!』
ザクロ:『なっ』 『あぶねーな!! バーロー!!』

トリカブトの姿は見えませんが、スクアーロは少なくとも一人で真6弔花を
相手にしているのですね。活き活きとしています(笑)。

一方、ボンゴレサイドは退却の準備が着々と進んでいました。

了平:『入江は重症だ!!極限に慎重に運べよ!!』

まだ治っていなかったんですね入江!
了平の所有する治癒能力は、そんなに弱いのでしょうか;

ストレッチャーに乗せられて運ばれていく入江。
そしてビアンキが、何かに気付きます。

ビアンキ:『見て!!』
     『転移装置よ!!』 『あれに 炎をぶつければ!!』

ということは、再び全員のボンゴレ匣を開匣することになるのかな?
非戦闘員が続々と基地ユニットへと入り込む中、『基地の中はアルコバレーノ用に
非7^3線対策もしてある』と言う言葉に、笑顔で『はい!』と答えるユニは
やはりアルコバレーノらしく、非7^3線の影響を受けるのでしょうか。

『獄寺君達は…』 と仲間を気にするツナよりも先に、
イーピンを抱いた京子、ランボを抱いたハルが気付きます。

京子:『あっ』
ハル:『来ました!!』
スクアーロ:『よぉし!!』 『出せぇ!!』

向こうからやってきたのは、空を泳ぐ巨大なサメと
その上に直立しているスクアーロでした。
純粋に戦いを楽しんでいるのかと思いきや、やはり時間稼ぎの意の方が
大きかったようです。

ツナ:『やったんだね!』 『獄寺君!!』
獄寺:『オレじゃねーっス』

頭に瓜を乗せて、どこか憮然と答える獄寺。
彼の傍には、腕組みをして目を閉じたヒバリと、その直ぐ横でボンゴレ匣開匣時と
同じ形態をとっているバリネズミがいました。

獄寺:『ヒバリのバリネズミのトゲが増殖して』 『足止めしてるんス』

獄寺…;
またしても活躍の場を奪われた彼には涙を禁じ得ませんが、
それだけヒバリも暴れたかったのだということで納得…してよいのかな…。

クローム:『ボス!』
ツナ:『あっ』

サメの前の方に仁王立ち状態のスクアーロ、そのやや後ろに座っている獄寺、
そして背びれの後方に、一人背を向けて座っているヒバリを乗せたサメが
なんだかこういう乗り物のように思えてきました(笑)。

クロームの警告にツナが目をやると、サメの背後から、ゴウッと音を立てて白蘭が凄い勢いで飛んできていました。

ツナ:『ひいっ』 『あいつ!!』
スクアーロ:(なんて執念だぁ…)

とうとう「あいつ」呼ばわりされてしまった白蘭ですが、
彼自ら前線に出るとは思いませんでした。
しかし、真面目な顔をして空を飛ぶというのは、微妙に笑えるものですね。

ディーノ:『お前達は先に行け』 『今度はオレが時間をかせぐ』

スクアーロとディーノ、同級生であるこの二人が時間稼ぎを引き受けるシチュエーションは
熱いです。

ツナ:『でもディーノさんだけとり残されちゃうんじゃ!!』
ディーノ:『誰かが やんねーとな…真6弔花もすぐ来るぜ! 行け!』

ツナの真ん前に立ち、そう促すディーノ。
と、不意にクロームの三叉槍から、シュワアアアと黒い霧のようなものが噴き出します。

白蘭:『誰が相手だろうと』 『僕を止めることはできないよ!』

口元には笑みを浮かべ、しかし目つきは鋭く睨みつけるようにした白蘭が迫り来る中、
今度はそれ自体が黒い霧へと変わっていく三叉槍に、思わず声を上げるクローム。

クローム:『あっ』
ツナ:『!』 (この感じ!!)

そして、何かを感じ取ったツナも彼女と同じように、三叉槍へと視線を移します。

『クフフフフ…』 『それは どうでしょうねえ』

特徴的な笑い方で響く声。
ギュウウと霧が圧縮され、三叉槍を握る手袋に包まれた手が
三叉槍と共に徐々に形成されていきます。
そして、カッと見開かれた右目に浮かぶ「六」の文字。

骸:『僕に限って』

クロームから武器を奪い取る形で、彼女の背後に庇うように
三叉槍を構え実体を結んだのは、10年後の骸でした。
目は無事だったのですね。

突如現れた骸の姿に、驚愕を隠せない白蘭。
静かに視線をやるヒバリに、驚いた顔のまま固まっているツナ。
そして、

クローム:『……』『骸様』

若干頬を赤らめつつも、少し切なそうな髑髏の呟きで以下次号!!

今話はかなりテンポがよく、しかも話の展開が面白かったです。
あまりに楽しかったので、頭があまり回らない中でも思わず感想を綴ってしまいました。

最後のアオリが「六道骸、見参!!!!!!!!!!!」 となっているのですが、
「!」の多さに笑いました。が、それ以上に、テンションがあがりました。
まさかここで骸が登場するとは思ってもみなかったです。

骸が何故、Tシャツにネクタイなのかはともかく(ほんとにどうでもよい)、
彼ならば転移装置など使用せずとも、媒体があるところに移動できますから
今回のような足止めを担うにはうってつけですね。

前回、「チョイスのことなど全員忘れているんじゃないかと思う」と書きましたが、
忘れるどころか、まさかチョイスがなかったことにされるとは思ってもみなかったです。
白蘭は、結局ユニの決定を飲まざるを得ないのでしょうか。
チェルベッロの立場は一体どうなるのでしょう;

転移装置を使用した場合、ミルフィオーレ(というよりもホワイトスペル、
もしくはジェッソファミリーと呼んだ方がよいのでしょうか)にも
行き先が並盛だとバレてしまっています。
主力部隊が即攻撃とはいかないかもしれませんが、襲撃される確率は高く、
並盛全体が危険に晒される可能性もあります。

また、以前遠隔操作のようなもので、並盛の山を破壊していましたが、
今回はその心配はないのでしょうか。
それとも、ツナと同じように白蘭も態勢を整えるため、
一時休戦状態になるのでしょうか。

並盛町にγと太猿、野猿の姿はありましたが、他のブラックスペルの動向は
不明なままです。しかし、このままツナたちが一旦引いたとして、並盛に戻れば
γたちとは合流することになるでしょう。
願わくば、他のブラックスペル(こちらも、ジッリョネロファミリーと呼ぶべきかな)の
面々も無事でいて欲しいものです。
…そういえば、強制転移されたメローネ基地はどうなったのでしょうね?
今回のことで、10年後のツナのバイクコレクションはどうなるのかも気になります。

スクアーロが現状ツナたちと行動を共にしていること、
チョイスが無効とされたことから、ヴァリアーとの共闘もありえる展開と
なってきました。総力戦となるのでしょうか。XANXUSの反応が楽しみです。

アルコバレーノのおしゃぶりについては、ユニが並盛のボンゴレアジトへ
到着した暁には、ラルが保持しているラル自身のおしゃぶりと
コロネロのおしゃぶりとが揃うことになりますね。
同じ"アルコバレーノのおしゃぶり"とはいえ、7^3を担うものではなさそうな
ラルのおしゃぶりについては、どういう扱いになるのか分かりません。

今回、ユニが「アルコバレーノのおしゃぶりはアルコバレーノに」
「ボンゴレリングはボンゴレファミリーに」それぞれあるのが真理と述べていました。
それは、全マフィアが認識していたのでしょうか。
だとしたら、リングが各マフィア間で争奪戦の様相を呈したときに、
ツナがボンゴレリングを破棄する必要はなかったように思います。
尤も、「争いの元になるくらいなら」というのは、山本の推測に過ぎませんが。

寧ろ、いずれ白蘭が10年バズーカを用いて、ボンゴレリングを得るために
昔の自分たちを呼び寄せるだろうことを見越して砕いたのでしょうか。
一番可能性を持った自分たちを呼ぶために、逆に利用したとも考えられます。
しかし、リングを砕くのに、大空のアルコバレーノの許可は不要だったのでしょうか;

相変わらず色々考えています。もちろん、原作は楽しんでいますが、
こうして考えることも、よい刺激になっています。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ39号 KHR 標的254『ユニ光臨』

2009-08-23 02:00:57 | 雑誌[J]
ミルフィオーレの隊服に身を包んだ、笑顔のユニが表紙の今号。
衣装がミスマッチに思える程に柔らかく、温かい雰囲気が感じられます。

さて、本編。

ブルーベル:『あ…』 『動いてる…』

白蘭の影から、むっとしたような表情でブルーベルが呟きますが、
白蘭を始め、その他の真・6弔花は一様に押し黙ったままです。

入江:『ユニが…』 『自ら口をきいた…』

どうやら、ミルフィオーレの面々が固まってしまっているのは、
彼女が笑顔を取り戻したことだけでなく、自らの意志で行動していることのようです。

いきなり登場した少女が、ミルフィオーレのもう一人のボスということに
驚くツナたち。ですが。

リボーン:『やはり お前のことだったんだな』 『でかくなったな ユニ』
ユニ:『はい』 『リボーンおじさま』

笑顔で語りかけるリボーンに、にっこりと笑みを浮かべて応えるユニが
とても可愛いです。
ですが、彼女にとってリボーンはおじさまなんですね。おじさま。おじさま…おじさま!?

ツナ:『!!』 『リボーンの知り合い!?っていうか…』 『おじさま――!!?』
   『この赤ん坊のことを おじさま――!?』
リボーン:『うるせーぞ』

自分を指したツナの指をグキッと音がするほど抓むリボーン。
ツナの驚愕ももっともと思います。
ユニは、赤ん坊の姿になる前のリボーンを知っているのでしょうか。

ツナ:『いっで~!!』 『だ…誰だよ あの子!?』
リボーン:『オレの知り合いの孫だ』
ツナ:『ま…孫――!?』

ユニの祖母であるルーチェとリボーンとは、同じアルコバレーノですし
面識があるのは当然なのですが、ユニとも面識があるのでしょうか?
リボーンが一体何歳か、アルコバレーノになった時期が気になります。
シャマルに取り上げられ、生後半年でディーノの家庭教師を務め、
ツナの元で1歳の誕生日を迎えたという設定は触れてはならない禁忌の黒歴史に
なってしまったのかもしれません。

ツナ:『あ…』 『首におしゃぶりさげてる…』 『赤ん坊でもないのに??』

誰かと違い、正確におしゃぶりを認識してくれたツナにほっとしました。
γはいまだにあれを、ネックレスだと思っているのかと思うと切ないなんて、
言ってませんよいってません。

ユニ:『はじめまして』 『ボンゴレのみなさん』

輝かんばかりの眩しいユニの笑顔。
獄寺は若干目を逸らし気味ですが、ヒバリを除くボンゴレファミリー主軸の面々が
全員その笑顔に赤くなっているのも分かります。
『あー!ツナさん赤くなってる――!』 と叫ぶハルも可愛いです。

白蘭:『ハハハッ これは一本とられたよ』 『いやあ びっくりしたなー』
   『すっかり顔色もよくなっちゃって』 『元気を取り戻したみたいだね』 『ユニちゃん♪』

自分のペースを取り戻したのか、笑顔でユニに語りかける白蘭の言葉に
了平が『病気でもしていたのか?』 と疑問を口にします。
それに答えたのは入江でした。

入江:『ちがうよ…白蘭サンの手によって…』 『魂を壊されていたんだ』

入江は、まだ回復してないのですね;

入江:『白蘭サンは ブラックスペルの指揮権を手に入れるため』 『彼女を口利けぬ体にしたんだ…』
白蘭:『人聞きの悪いこと言うなよ 正チャン』 『ユニちゃんが怖がりだから 精神安定剤をあげてただけだよ』
入江:『いいや あなたはブラックスペルの前身であるジッリョネロファミリーのボスだった
    ユニとの会談で無理矢理 劇薬を投与して』 『彼女を操り人形にしたんだ そうだろ? ユニさん…』

入江の言葉にユニは無言ですが、哀しそうな顔をしています。
それは、そのことを予見できなかったからでしょうか。それとも、自分がそのような状態になったために
起ったその後のことを想ってでしょうか。
狐のように目を細めてニッと笑う白蘭は、かつてないほど不気味です。

ツナ:『そ…』 『そんな…』
ユニ:『でもその間 私の魂は』 『ずっと遠くへ避難していたので無事でした』
白蘭:『?』

穏やかな顔でそう告げるユニの言葉の真意が掴めずにいる白蘭へ、
彼女は説明を続けます。

ユニ:『白蘭 あなたと同じように』 『私も他の世界へ翔べるようです』
白蘭:『!!』
ディーノ:『!?』
ツナ:『?』 『?』

驚く白蘭に、衝撃を受けるディーノ。一人疑問符だらけのツナがなんとなく可愛いです。

ユニ:『話を戻します』 『私はミルフィオーレファミリー ブラックスペルのボスとして
    ボンゴレとの 再戦に賛成です』

ボンゴレに味方するようなユニの言葉に訝しげな獄寺とただ呆然と彼女を見つめるツナ。
イーピンを抱いた京子と、ランボを抱いたハルも、じっと彼女の言葉を聞いています。
幼くともファミリーのボスを務めていただけありますね。ユニのこの度胸は素晴らしいです。

ユニ:『あの約束は…』 『白蘭と入江さんとの再戦の約束は 本当にあったからです』

ブルーベルがムスっとした表情で『なんで そんなことわかんのよ!』とツッコんでいますが、
まさしくそのとおりですね。何故ユニがそのことを知っているのでしょう。
まだ明らかになっていない彼女の能力の詳細が待たれます。

白蘭:『元気一杯になってくれたのは嬉しいんだけど ユニちゃん』
   『僕の決断に 君が口出しする権利はないな』
ユニ:『!』
白蘭:『僕が迷った時は相談するけど 君はあくまでナンバー2だ』
   『全ての最終決定権は僕にあるんだ』
ユニ:『………』
白蘭:『この話は 終わりだよ』
ユニ:『…そうですね…』 『わかりました……』

ふっと目を伏せ、一応了承の意を返すユニですが、次の瞬間白蘭に背を向けます。

ユニ:『では私は』 『ミルフィオーレファミリーを脱会します』

驚くツナとリボーン、白蘭に獄寺。
伝統を重んじるイタリアン・マフィアが、脱会しますの一言でそんなに簡単に
抜けられるものかということ以前に…「脱会」なんですね。

ユニ:『沢田綱吉さん…』 『お願いがあります』
ツナ:『え!?』 『お…お願い…!?』

ツナを上目遣いに見やり、少し困ったような表情でそう告げるユニに戸惑うツナ。
そんな彼へ、ユニがしたお願い。それは

ユニ:『私を守ってください』

手を胸の前で組み、祈るようなポーズのユニのその言葉に、驚きを隠せないツナ。
彼だけでなく、ボンゴレの守護者全員がビックリしたようですね。
全員の驚き顔に結構惹かれます。特にクロームのきょとんとしたような表情が可愛いです。

ツナ:『ま… 守るって…』 『ブラックスペルのボスなんじゃ…!?』
ユニ:『私だけじゃありません』 『この――』 『仲間のおしゃぶりと共に』

驚き、状況を掴めずおたおたするツナに、ユニは持っていた4つのおしゃぶりを
手のひらに載せ、差し出します。
コロネロのおしゃぶりはラルが、リボーンのおしゃぶりは彼自身が、
そしてルーチェのものはユニが持っていますから、それ以外のものを
彼女が預かっていたということですね。
自ら命を絶ったと言われているバイパー(マーモン)のものなどは、いつ手に入れたのでしょう?

リボーン:『!!』
ツナ:『それって…』 『アルコバレーノの!?』
白蘭:『勝手に 持ち出しちゃだめじゃない ユニちゃん』 『それは僕の7^3コレクションだ』

笑顔で咎める白蘭ですが、ユニは引きません。

ユニ:『ちがいます…これは私が預かったものです…』 『それに あなたが持っていても それは7^3とは言えません』
   『なぜなら』

目を閉じたユニの手のひらの上、コオオという音と共に光りだしたおしゃぶりは
やがて強烈な光を放ちます。

ユニ:『おしゃぶりは 魂なくしては 存在意義を示さないのです』

笑顔を覗かせながらそう告げるユニ。入江は、その輝きの凄さに驚いています。
彼も、7^3がどういうものかは知っていても、おしゃぶりが輝くところは見たことがなかったのですね。
アルコバレーノではない彼女がおしゃぶりを光らせられることにツナも驚いていますが、
その理由は是非知りたいです。

白蘭:『…………』 『なるほど…』
   『そういうわけか!!』 『すごいよユニちゃん!! やればできるじゃない!!』

少し焦ったような顔の白蘭の言葉から察するに、今までもおしゃぶりを光らせようとして
失敗していたのかもしれませんね。

白蘭:『やはり 僕には君が必要だ』 『さあ仲直りしよう ユニちゃん』
ユニ:『こないで!』

ユニの拒絶の言葉と共に、おしゃぶりは輝きを潜めます。
それにしても、白蘭の台詞をここだけ抜き取ると、なんだか典型的なダメ男に思えてしまいました。

ユニ:『もう あなたには』 『私達の魂を 預けるわけにはいきません』

若干怯えながらも、きっぱりとそう告げるユニ。
しかし、その言葉を聞いても白蘭は『♪』と余裕です。

白蘭:『なーに 勝手なこと言ってんの?』 『それ持って逃げるんなら 世界の果てまで追いかけて奪うだけだよ』

恐ろしげな表情を浮かべる白蘭に、怯えの色を濃くするユニ。
たった今、魂なくしては意味がないと実証されたのに何を仰るのかとか思ってません。

白蘭:『さぁ帰ろう』 『僕のところへ戻っておいで』 『ほら♪』

指にリングの光る手を差し出す白蘭に、青褪めつつ引くユニ。
そんな様子を見ていた京子が『ツナ君!! 助けてあげて!!』と叫びますが
『えっ でっでも…』 と動けないツナ。と。

ズガンッ

鳴り響いた一発の銃声。
白蘭の腕へと命中した銃弾を発したのは

ツナ:『リボーン!!』
ユニ:『おじさま!!』

年相応とも見える無邪気な笑顔でリボーンをみるユニのすぐ傍。
いまだ銃口から煙の立ち上る銃を構えたリボーンがいました。

リボーン:『図にのんなよ白蘭』 『てめーが誰で どんな状況だろうと』
     『アルコバレーノのボスに手出すんなら』 『オレが 黙っちゃいねーぞ』
ツナ:『え―――!?』 『あの娘 アルコバレーノのボスなの――!?』

頭を抱えるツナに激しく同意します。
大空のおしゃぶり所持者がボスなのでしょうか。
それ以前にアルコバレーノにボスという存在は必要なのでしょうか。
更にそれ以前に、彼女はアルコバレーノなのでしょうか?

白蘭:『ナイト気取りかい?"最強の赤ん坊(アルコバレーノ)"リボーン』
桔梗:『白蘭様』 『ご安心ください ユニ様は我々が すぐお連れします』

桔梗がそう告げた次の瞬間。
桔梗・ザクロ・トリカブトが一斉にその場から上空へと飛び出します。
『ハハン』といいながら、多数の植物らしきものを放つ桔梗ですが、
同じく地上から跳んできた多数の何かにより、その攻撃はすべて迎撃されてしまいます。

上空に浮いたまま、目の前に生じた煙幕に目を見張る桔梗とザクロ。
その視線の先に居たのは、

『う゛お゛ぉいっ!!』

剣を抜いた二代目剣帝の姿がありました。

スクアーロ:『てめーの相手はオレだあ!』 『暴れたくてウズウズしてんだぁ!!』

ユニの前方に陣取り、嬉々として真・6弔花を睨みつけるスクアーロですが
暴れ足りないのはもちろん彼だけではありません。

ヒバリ:『じゃまだよ』

そんな彼をトンファーでぐいっと押しやるヒバリが妙に面白いです。

ツナ:『スクアーロに…』 『ヒバリさん!!』

ミルフィオーレに対してよりも、ヒバリに対して恐怖を刻まれているらしいツナもまた
妙に面白いです。自分の守護者にこんなにまで怯えるボスも珍しいですね(笑)。

スクアーロ:『んだ てめーは!?』『つつくなっ』
ヒバリ:『僕の獲物だ』

地上で繰り広げられているやりとりを、『ハハン 懲りない連中だ』と
余裕の表情でみる桔梗。

ツナ:『ちょっ…みんな!!』 『どうする気~~!?』

ひいっと頭を抱え、困り果てたツナで以下次号!!

収拾のつかない事態になっています(笑)。
もはや、チョイスのことなど全員忘れているんじゃないかとすら思います。
それにしても、「守って」とお願いされたり、10年後の自分たちに勝手に未来を託されたりと
苦労が絶えない割に、すべてにおいて取り残されている感のあるツナが若干気の毒ですが、
この振り回されている状況が彼らしくて楽しいです(ぉ。
10年後には、ヒバリも御することができるようになっているのでしょうか。

ユニは「白蘭と同じように他の世界へ翔べる」と言っていましたが、
白蘭の能力は、あくまでパラレルワールドの自分と知識を共有することであり、
他の世界との行き来は含まれてないと思います。
第一、魂と体を切り離すのが目的ならば、別に他の世界へ飛ぶ必要は
ないと思うのですが;

精神と魂とを混同してよいのかも判断しかねます。
レオナルド・リッピに憑依した骸は、思念体という扱いでしたが
それは恐らく「精神」に近いものだと思っています。
ですが「魂」となると、同じ定義に当てはめてよいのか、正直分かりません。

そして、ユニ本人の魂が離れている間の彼女の言動は一体何によるものだったのでしょう。
ボンゴレサイドのタイムトラベルの話をした際には、彼女は「怒ってた」ようですし、
少なくともジッリョネロファミリーのボスとして白蘭と話をしたときには、
彼女の体に異変はなく、また直後γたちに合併することを告げています。
無理矢理薬を飲まされても心拍数は平常で、魂がなくとも体が動くというのは
かなり不自然な気がします。
また、白蘭との会見に臨んだ時点で、彼女がどこまで先を見通していたのかも気になります。

ユニの魂がこのタイミングで戻ってきたということは、
やはりどこかでツナたちのピンチを感じたのでしょうか。
そして、10年後のツナや入江と同じように、今のツナたちが
きっと未来を変えてくれると信じたのでしょうか。
本来の目的は過去に帰ることだったはずツナたちが、それを達成できるのは
まだまだ先のようです。

色々考える部分はありますが、それはそれとして思考することも楽しみつつ、
そういう世界観であり、そういう設定なのだと割り切って、本作を楽しみたいと思います。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

懲りずに蛇足。
珍しく「黒子のバスケ」の決着が持ち越しとなりました今週は
「バクマン。」が熱かったです。

そして、Vジャンプの新連載「怪物づかいツナ」には
色々な意味で驚きました。最初に"吸血鬼ヒバリン"が登場したのは、
やはり彼の人気に因るところが大きいのでしょうか。
今後、それぞれのキャラが、どのような怪物にデフォルメされて
登場するのか、楽しみです。

WJ37・38号 KHR 標的253『ファレノプシス・パラドックス2』

2009-08-08 17:39:00 | 雑誌[J]
# 本編の情報量が多過ぎて若干思考を放置気味ですので、
  お付き合いくださる方のみご覧ください。

深い森の中に安置された、一台の柩が表紙の今号。
蓋が半分ずらされたそこには、顔は見えませんが10年後のツナが納められているようです。
それにしても、言葉どおり花に埋もれていますね。
柩に納められてから何日経過しているかは分かりませんが、花を取り替えるのも
一苦労しそうです。

さて、本編。

『わからん!!』 『極限にわからんぞ!!』 という了平の叫びに思わず頷きかけました。
が、どうやら彼が分からないのは

 ・パラレルワールドの知識を共有できるとは、どういうことなのか
 ・白蘭の何がスゴいのか

といったことのようです。
その疑問に、荒い息のまま答える入江。まだ辛そうですね。
了平はもっと晴れゴテのパワーを上げてあげればよいと思います。

入江:『さっきも話したように「もしも」で分岐するパラレルワールドには 色々なパターンの未来が考えられる…』
   『軍事技術の発達した未来 古代文明の発掘に成功した未来 医療科学の発達した未来』
    本来 人はどれか1つの世界でしか生きられないし体験できないが
    白蘭サンは それらの未来全部を体験して知っているということだ…』
リボーン:『つまり いろんな未来のいいとこどりができるってことだな』

つまり、白蘭の武器はその知識と体験に裏付けられた「情報」であり、
それにより「ありえないことも起こせた」のだそうです。

入江:『その通りだ…』 『白蘭サンは他のパラレルワールドで得た知識を使い』
   『まだその世界で発見されていないワクチンの知識を知っていたり
    日陰の身で 姿をかくしていた王族を発見したり
    何百という"偶然"の発明なくしては生まれえない兵器の開発に技術を提供し
    猛スピードで完成させたりしたんだ…』

日陰の身で姿をかくしていた王族はジルのことのようですが、
あれ?結局彼は、ベルに殺されたということにしておいて姿を隠していただけなのでしょうか?
そして、入江の傷をなにかで塞ぎながら話を進めるリボーンが可愛いです。

リボーン:『だが 白蘭が能力に気づいたのは ほんの少し前ということになるぞ』
     『わずかな時間で これだけのことをするのは不可能だぞ』
入江:『…それは… タイムトラベルで行き来するうちに 僕が過去の白蘭サンにまで能力に気づかせてしまったからなんだ…』

入江が過去に戻る時、白蘭の手のものに発信装置を仕掛けられて
過去の白蘭にメッセージを伝えてしまったのだそうです。
それにより、白蘭は10年前からその能力を使えたとのこと。

了平:『入江!!その間 お前は何をしておったのだ!!』
   『白蘭の悪事を知りながら、ほうっておいたのか!!』

責める了平ですが、入江は8度目のタイムトラベルで未来に行った時に
未来の自分が仕掛けた装置により、タイムトラベルと白蘭についての記憶を
5年間抹消されたそうです。
8度目という具体的な数字を覚えていることにもビックリしますが、
それ以上に大量に10年バズーカの弾を入れていたボヴィーノファミリーにビックリです。

ビアンキと山本に担がれたスパナ、そしてイーピントランボをそれぞれ抱いた
京子とハルが集まり、どうやらここでボンゴレサイド全員が集まったようです。
ここからの話は、全員が耳にすることになるのでしょうか。

未来の入江の真意を測りかねるツナ。
しかし、それはやはり白蘭を倒すためでした。

入江:『未来の僕は 過去の僕をつかって 白蘭サンの仲間を装いつつ 逆襲する計画を考えたんだ…』
   『そのために 僕が白蘭サンに 余計な敵意などをもって怪しまれないように
    記憶を消してから 白蘭サンに近づけようとした…』

自分自身すら手ごまにするあたり、容赦がないというのが第一印象でしょうか。
入江の黒さに泣きそうです。

入江が10年バズーカをツナたちに当てたのも、未来の自分からの手紙に書かれていた
指示に従った結果だそうです。
この辺りは、アニメとの整合性を取ってきましたね。
その手紙にバラされたくないことが書いてあったため、従うしかなかった入江。
自分自身に脅されるという状況は、気の毒というかなんというか…;

それにしても、了平が入れ替わるタイミングの絶妙さを考えると
どのレベルまで細かく指示されていたのかが気になります。
経験談として「指示された」と語っているあたり、今現在の入江は
過去の自分自身に対してアクションを起こしていないのでしょうか?

その後、手紙のススメの通り海外の大学へ進み、白蘭と友達になった入江。
キャンパス内を肩を並べて歩く二人は、普通の仲のよい友達のようです。
この頃が人生で一番楽しい時であり、チョイスもこの頃作成したそうです。

しかし、この時期にはもう既に白蘭は能力に目覚めていたのですよね?
それでも彼は、敢えて入江を受け入れていたのでしょうか。

そして5年がたち、全てを思い出しす入江。
恐ろしいタイムトラベルと荒れ果てたいくつもの未来。
その元凶が白蘭であること、自分の使命が彼を阻止することが分かり
パニックにおちいります。
その後、スパイとしてやっていく覚悟を決めた入江ですが、

入江:『自分の記憶と この世界で起きている出来事を整理して
    今いる自分の世界の状況を把握して再び愕然としたんだ…』
   『なぜなら 考えられる全てのパラレルワールドの中で
    今いる この世界だけが 白蘭サンに滅ぼされていない世界だったからだ』
ツナ:『だって パラレルワールドって』 『たくさんあるんでしょ?』
了平:『ここ以外の全ての「もしも」の世界が』 『白蘭のものになっているということになるぞ!!』
入江:『その通りだ…』 『5年前の段階で 白蘭サンの能力による世界征服を 阻止できる確率は8兆分の1…』
   『言いかえれば 世界征服をされていないパラレルワールドの存在する確率でもある…』
   『そして その奇跡的条件を満たす世界が… 8兆分の1の世界がここだったんだよ…』
   『つまり 無数のパラレルワールドの中でも この世界だけが』 『唯一 白蘭サンを倒すチャンスのある未来なんだ!!』

この時点で、若干違和感を拭えません。何故なら、入江のこの推論は
ある時期からパラレルワールドの発生がストップしているように思えるからです。

無数のパラレルワールドの中での8兆分の1の世界とは、言い換えれば
16兆分の2であり、800兆分の100の世界でもあるわけです。
確率的には途方もなく低いとは言え、決して「唯一」ではありません。
また、白蘭を倒すことの出来るこの世界から新たに派生するパラレルワールドも
存在しうる訳で…要は「唯一」に納得がいってないだけなのですが;
更には、白蘭の能力による世界征服を阻止できる根拠が分かりません。

この時間軸に存在する10年後のボンゴレファミリーの面々が、経験済みであろう
この事実を知らなかったことに関しては、入江が体験したとおり、
記憶操作で説明はつくと思っています。
それにしても、リボーンが未来が変わるからと情報を与えないように注意していたのに
あっさりと多くの情報が渡ってしまいましたね。

「唯一」の概念をついては、いくら考えたところで埒が明かないので
難しいことは抜きにして本作を楽しむことにします。

ツナ:『そんなことって…』
リボーン:『それは未来のお前が過去のお前に指示をして、つくった未来だからなんだな』
入江:『それだけじゃない…』
   『僕と綱吉君が唯一 偶然出会えた世界でもあるんだ』

マウンテンバイク風の自転車の脇に屈みこむ並盛中の制服を姿のツナと、
音楽を聴きながらその傍を通り過ぎる入江が、どこか新鮮です。
中3になったツナの自転車のパンクを、入江が直すことにより
この世界はこの後、奇跡的にボンゴレ匣がつくられる未来になるのだそうです。

ということは、白蘭を倒すには、ボンゴレ匣が必要不可欠であり、
それにはツナと入江の出会いが必要だったということですね。

リボーン:『それで 白蘭を倒すには この時代しかねえってわけなんだな』
入江:『ああ』 『他のどのパラレルワールドでも 7^3(トゥリニセッテ)は奪われ ボンゴレファミリーも壊滅しているだろう…』
獄寺:『そーいや』 『ヴァリアーとの戦いで現れた 20年後のランボが』

20年後のランボ:(あなた達にまた会えるとは… 懐かしい…なんて懐かしい面々…)

リング争奪戦の伏線が、ここで回収されました。
あれは、10年前のツナたちが懐かしいという意味で捉えていたのですが、
どうやら違ったようです。
このとき、ボンゴレは壊滅状態にあったのですね。でもランボは難を逃れていたと。
…え、雷の守護者なのに?なんてことは敢えて言わずにおきます(手遅れ)。

ツナ:『そ…そっか…』 『あれは20年後のパラレルワールドで オレ達が死んでるから…!!』
   『って…』 『この世界のオレも 結局殺されてるんだった……』
入江:『それは ちがうよ綱吉君』

棺桶のことを思い出し顔を曇らせるツナに、入江は否定の言葉を告げます。

入江:『ミルフィオーレに射殺された時に使われたのは"特殊弾"だ』
   『僕がすり替えた "死ぬ気弾"のような弾で 未来の君は仮死状態だったんだ』
ツナ:『!!』 『じゃあ あの棺桶は……』
入江:『敵の目をあざむくタメのカモフラージュだ……』

今現在は、10年後のツナの体も丸い装置に格納されているからでしょうか、
ミルフィオーレへも筒抜けだというのに暴露してしまいました。
『…10代目は、生きてた………』 となんともいえない表情を浮かべる獄寺に、
本当にツナのことを慕っている姿が窺えます。

入江:『仮死状態ではあったが、彼は棺桶の中で綱吉君が来るのを楽しみに待ってたはずだ』
ツナ:『!』
入江:『彼は処刑の前日に言ってたよ』

『もうすぐ 一番可能性を持っていた頃の オレが来る』

若干崩し気味ではありますが、しっかりとスーツを着こなしているであろう姿。
ほぼ今と同じ髪型、だけど確かに成長した10年後のツナの横顔。
目元は見えませんが、その口元には微かに笑みを浮かべています。

入江:『たしかに 経験も体力も知力も 今の自分よりはるかにおとる…』
   『でも あの時の自分が 仲間との毎日の中で 一番の成長力と意外性をもった』
   『白蘭を倒せる』 『一番の可能性をもった自分だって』

リボーン:『それならオレも同感だぞ』 『お前らの伸び盛りっぷりは 何度もミラクルをやってのけてきたからな』
ツナ:『…じゃあ 未来のオレは本気で…』 『10年前のオレ達を…?』
入江:『そうだ… 君達を待ってたのは ボンゴレリング目的の白蘭サンだけじゃない…』
   『むしろ 白蘭サンを倒せる君達を誰よりも待ってたのは この時代の綱吉君や僕だ!!』

少し切なそうな、懐かしむような表情の入江。
その脳裏に浮かぶツナの姿は、入江よりも背が高いですね。
流石は家光の血を受け継いでいるだけあって、高校時代にでも身長がかなり伸びるのでしょうか。

リボーン:『……選ばれたツナ達と…』 『選ばれた時代か…』
ツナ:『…難しくて よくわからない所もあったけど……』 『それだけは しっかりわかった』
   『なのに…』 『負けちゃった…』

改めて、事の重大さに気付き愕然とするツナに、ディーノたちも言葉がありません。

ツナ:『そんな大きな意味や想いがあるなんて知らずに…』
白蘭:『そ』 『君達の負け♪』

青褪めるツナの元に現れたのは、白蘭を始めとする真6弔花でした。

白蘭:『僕の事こんなによくわかっているのに』 『残念だったね』

笑顔でそう告げる白蘭。デイジーも既に合流しているようです。

白蘭:『結局どの世界でも 僕には勝てないのさ』
   『約束は守ってもらうよ』 『ボンゴレリングは全ていただいて… 君たちはどうしよーかなー』
入江:『待ってください!』 『約束なら僕らにもあったはずだ…』

まだ身を起こすこともできない入江は、地面に横たわったまま視線を向けてそう告げます。

大学時代、入江と白蘭がやった最後のチョイス。
そのとき勝利した入江に対し、支払うものがなくなった白蘭はこういったそうです。

『次にチョイスで遊ぶ時は ハンデとして正チャンの好きな条件を何でものんであげるよ』

入江:『…今それを執行します』

本当によく覚えてますね、入江は。
彼に借りを作ると大変なことになりそうです。
それにしても、彼らは普段なにを賭けてチョイスをしていたのでしょうか;

入江:『僕はチョイスの再戦を』 『希望する!!』

なぜチョイスに拘るのか分かりません;
もしかしたら、チョイスに関してだけはズルをしないという確固たる信頼(と言ってよいのかな?)が
あるからでしょうか。

白蘭:『うーん』 『悪いけど、そんな話覚えてないなあ』
入江:『!』 『うそだ!!あなたが勝負事を忘れるなんて!!』

冷たい目で応える白蘭に、思わず叫ぶ入江。
どうしてここまでチョイスに対する白蘭の姿勢を信頼しているのか知りたいです。

白蘭:『ムシがよすぎるよ』
入江:『でも約束は約束だ!』 『あなたは チョイスには誠実だったはずだ……』
白蘭:『だからそんな話なかったって』 『ない話は受けられないよ』
   『ミルフィオーレのボスとして正式にお断り♪』
入江:『くっ…』

笑顔でそう告げる白蘭に、打つ手がないと、すべての終わりを悟ったような
絶望の表情を浮かべるツナ。ですが。

『私は反対です』

不意に響いた声と共に現れた人影。
そして、光を放つリボーンのおしゃぶり。

『白蘭』

続いて白蘭へと呼びかけた声の持ち主は、すらりとした足にブーツを纏っていました。
その人物を見て、目を見開く白蘭。これほど驚いた彼の表情は初めてではないでしょうか。

『ミルフィオーレのブラックスペルのボスである私にも』

そう告げた人物の胸にも、仄かに光るおしゃぶりがありました。
リボーンのもののように眩い光を放つほどの輝きではないのは、
アルコバレーノではないからでしょうか?

リボーン:『…お前は』
ユニ:『決定権の半分はあるはずです』

そこに現れたのは、ミルフィオーレの隊服にこそ身を包んでいますが、
かつてγと共に過ごした日々と同じような笑みを浮かべたユニでした。

白蘭:『ユニ…』 『貴様…!』

かつてない険しい表情でユニを睨みつける白蘭で以下次号!!

まさか、ここでユニが登場するとは思っていませんでしたので
かなり驚きました。何時の間にこの空間へ来たのでしょう。
しかも、白蘭との会合を終えて以降の無表情さは消え失せています。
これには、白蘭自身かなり動揺しているように見受けられますね。

彼女に纏わる裏事情も、近々語られるのでしょうか。
チョイス開始前の転送時に姿の見えたγたちとの再会が待ち遠しいです。
また、叶うなら、入江が10年後のツナの処刑に対して弾をすり替えたように、
幻騎士に対しても何らかのアクションを起こしてくれていたらと
願わずにいられません。
なんにせよ、彼女の今後の行動に期待が膨らみます。

今回、改めて語られた入江の真意ですが、やはり白蘭を止めようとする
彼のその執念は、凄いと思うと同時に少し解せない部分があります。
折角白蘭を倒せる未来なのだから、せめてこの世界だけでも
白蘭を倒そうという考えなのでしょうか。それとも、この世界で白蘭を倒せば、
他のパラレルワールドにも救いの道が開かれるのでしょうか。

白蘭がどのような行動に出るのか、そして、仮に二度目のチョイスが実行されたとき、
どのようなゲーム方式になるのかが楽しみです。
流石にターゲットルールではないでしょうし、他のメンバーのお披露目を考えると
総当たり戦になりそうな気はしますが。
そして、自分達に課せられた想いの重さを自覚した今度こそ、負けられない覚悟を背負った
ツナたちに期待したいと思います。

時間軸の連続性を無視したように見える設定については考えることが多々あり、
「考えろ考えろマクガイバー(@魔王)」という言葉をかみ締めつつも、
思考を放棄したくなっております。
ですが、とりあえずは作品が投げかけている設定をありのまま受け止めて、
素直にこの作品を楽しもうと思います。

なにはともあれ、次回も楽しみです!


蛇足ですが。

『黒子のバスケ』が熱いです。
影が薄く表情はいつも淡々としていて、同級生に対しても常に丁寧語で話し、
決して声を荒げたりはしないのに、なかなかに過激な行動をとる
負けず嫌いの熱い主人公にやられています。
前々からバトル漫画かと見間違う展開ではありましたが、
まさかバスケ漫画で正拳突きを見るとは思いませんでした(笑)。

WJ36号 KHR 標的252『ファレノプシス・パラドックス』

2009-08-01 19:32:29 | 雑誌[J]
今話のタイトルのファレノプシスは、胡蝶蘭の意でよいのでしょうか。
パラドックスは、いわゆる「逆説」ですね。

 パラドックス (paradox) という言葉は多義であるが、正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から、受け入れがたい結論が得られる事を指す。
【出典】wikipedia

さて、倒れている入江に必死に呼びかけるツナの叫びからスタートの今号。
その声に応えるかのように目を開けた入江は、チョイスに負けたというツナの言葉に
飛び起きます。思ったより元気そうで安心しましたが、もしかしたら
入江に突きつけられた「負けた」という事実が怪我をも凌駕したのでしょうか。
それにしても、意識が戻った彼に『ほら…メガネだぜ…』と割れたメガネを
かけてやる獄寺は、なにか違う気がします。

入江:『なんだって!?そんなことは許されない!!』
   『勝たなきゃ…!!勝つんだ!!』
   『まだだ!!戦うんだ!!』

動くなと言う獄寺の言葉を無視し、身を起こしながら叫ぶ入江は、
チョイスバトルが終了したことで全通話回線が開放されたこともあり
白蘭へ直接話そうとします。

入江:『白蘭サン!!』 『僕はまだ戦える!!』
ツナ:『ダメだ正一君!!動いたらお腹から血が!!』
獄寺:『てめー 死にてーのか!!』
入江:『死んだっていいさ!!』 『白蘭サンに勝てるなら喜んで死ぬ!!』
   『喜んで……』

吐血しながら、ただただ白蘭を倒すことだけに執念を燃やす入江の姿に
唖然とするツナと獄寺。
自分の命をも顧みない、並外れたその意志にツナは戸惑いを隠せません。

ツナ:(正一君…何言ってるんだ…)
   『……わからない』 『……わからないよ』
   『なぜこんなになってまで 白蘭を倒すことに執念を燃やすのか』 『わからないよ!!』

ツナの叫びに、今度は入江が驚きます。

入江:『…え?』
ツナ:『確かに白蘭は悪い奴だし 7^3(トゥリニセッテ)を奪われたら大変だって 言葉ではわかるけど…』
   『しっくりこないんだ……』
入江:『!!』
ツナ:『人類のためとかいくら理屈を聞いても… 自分には遠い話のようで』
   『ついていけなくなる時があるんだ…』
入江:『…………』
獄寺:『10代目のおっしゃる通りだ……』
   『過去に戻るためってならいいが この時代のことを片付けるために
    わざわざガキのオレ達が戦うってのは いまいちピンとこねぇぜ…』

標的248で、「白蘭がみんなをひどい目に遭わせてるのはまちがいない」「勝とう」と
宣言したツナですが、やはり世界人類規模の話となると実感が湧いていないようですね。

ツナにとって、守る対象の最小単位は家族や身近な仲間であり、彼らの身に危険が及ぶと
はっきり分かっていれば、その元を断つのに迷いはしないと思います。
また、リング争奪戦で獄寺に諭したように、命を重んじるツナにとって
「喜んで死ぬ」という入江の姿勢は理解できないし、容認できるものではないのでしょう。
そんな入江との温度差が、ここにきて噴出したようです。

「ピンとこない」というツナや獄寺に対しては、何を今更と思わないでもないです。
ですが、盲目的に世界のためを謳うより、実感が湧かないという気持ちを抱くほど現状を
真剣に考えていることが伺えるなと、前向きに捉えています。

入江:『…………そうか…』 『そうだったね……』
   『僕はこの10日間 忙しさにかまけて話すことを放棄してた』
   『いや… 君達ならわかってくれると勝手に思い込んで 甘えていたのかもしれない…』
ツナ:『正一君 教えてよ どうしてそこまでして白蘭を…?』
   『白蘭と 一体何があったの?』
入江:『…すべて話すよ…』 『いやむしろ聞いてもらいたい……』
   『話は 11年前にさかのぼるんだ…』

そして、語り始めた入江。
ことの始まりは、あの、ボヴィーノファミリーから貰った木の箱でした。
あの中には、ランボ宛の10年バズーカの弾が入っていて、
部屋の掃除中に誤って足に落とし、10年バズーカに被弾したのと同じ現象、
つまり10年後の自分との入れ替わりを体験したそうです。

行き着いた先は、10年後のアメリカの工科系大学。
未来の自分の身分証と新聞の日付を見て愕然とした入江は、
怖くなって学校の中庭へ走っているときに、ある男にぶつかってしまいます。
その男こそ、白蘭でした。このときは「ただの人」だったそうです。

入江:『実際 過去に戻った僕は白蘭サンのことなどすっかり忘れて タイムトラベルをしたこと自体に興奮したよ…』
   『でもその一方で 自分の夢だったミュージシャンに 将来自分がなってなくて ひどく落ち込みもしたんだ…』
ツナ:『えっ?正一君…ミュージシャンになりたかったの?』

ツナの普通のこの反応が、逆に面白いです。

入江:『笑っちゃうだろ? だから当時の僕は ミュージシャンになれるように未来を変えようって考えたんだ…』
ツナ:『未来を変える?そんなこと…』
入江:『過去を変えれば未来も変わる… 未来は1つじゃないんだよ』

「未来を変える」という言葉へのツナの反応には、若干違和感を感じますが、
ツナたちが今闘っているのは、今のツナたちにとっての未来である
10年後の世界を変えるためだと考えて、納得しました。
しかし、未来は1つじゃないという入江の答えは、嬉しくないものですね。

リボーン:『パラレルワールドだな』

観覧席より駆けつけてきた仲間たちが登場し、了平が入江の傷の手当てを開始します。
リボーンの見立てによると、やはり入江の傷は酷いよいです。
スパナは、ビアンキが処置をしているということで、安心し…てよいのかな?

リボーン:『パラレルワールドとは世界はどんどん枝分かれしていってて』
     『いろんなパターンの未来が存在するって考えだな』
ツナ:『世界が…枝分かれ…?』
リボーン:『例えばオレとお前の出会いだ』
     『オレと出会って お前がすげえ立派で かっこいいマフィアになる未来と
      オレと出会わずにダメダメの超ダメ人生を送る未来』
     『そのどちらの世界も実際に存在するって考え方だ』
ツナ:『どっちもヤダな…』

ここまできて、素でマフィアになるのがイヤだというツナがよい感じです。
リボーンのイメージの、デフォルメされたツナとリボーンは可愛いですね。
そして何故かツナが、微妙に真6弔花の敬礼のようなポーズをしているのがおかしいです。

パラレルワールドやタイムトラベルの話になると、ジョンバール分岐点が思い出されます。
ジョンバール分岐点とは「歴史的に重要な場面に干渉したとき、別の歴史が生まれる」という
まさにその瞬間のことです。
元々の出典は、ジャック・ウィリアムスンの「航時軍団」という小説です。未読ですが。

ツナ:『っていうか う~ん』
   『つまり…「もしも」の世界が実際にあるっていうこと?』
リボーン:『そうだ 「もしも」の数だけな』
了平:『だが、この世は「もしも」なんてことはたくさんあるぞ!!』
リボーン:『ああ…』
     『だから無数の分岐から 無数のパラレルワールドが存在すると考えられるんだ』
入江:『だから僕は きっと自分がミュージシャンになっている未来の パラレルワールドもあるはずだと思って』
   『もう一度10年後へ行こうと決めたんだ…』

入江は、学校の教科書を全部燃やして、進路希望票に「ミュージシャンになれなきゃ死んでやる!!」と書いたそうです。
入江の意外な過激さに、ツナがドン引きしています(笑)。

そして、次にタイムトラベルしたとき辿り着いたのは、1回目とは違う未来。
そこは外国の町外れの廃れた飲み屋。見るからにヤバそうな人達がたくさんいるそこで
ミュージシャンとして演奏して働いていたようです。
しかし、お金のトラブルからギャングに追われていたそうです。

一目散に店から飛び出し、大通りに出たところでまた男にぶつかった入江。
そう、白蘭です。
驚きながらも、この世界の白蘭とは面識がない故にそのまま去れると思っていた入江ですが、
白蘭は入江を引き止めます。

白蘭:『ちょっと待って… ん――…君どこかで会わなかったっけ?』
入江:『え… いや… 人違いだと思います』
白蘭:『う!!』 『あ…うう!!』

立ち去ろうとする子供の入江ですが、その目の前で急に白蘭が
頭を手で押さえながら呻きだします。

白蘭:『頭いって――!ぐ…何だこれ…!?』
入江:『え!?…だ…大丈夫ですか!?』

座り込んでしまった白蘭を気遣う入江。
今までずっと、成長した入江と白蘭とが肩を並べているところしか見ていなかったので
大人の姿の白蘭と子供の姿の入江が共にいる光景は不思議な感じがします。

白蘭:『何か…わかりそうだ… 何かが…大事な事が解けそうだよ…』
入江:『…??』
白蘭:『君とは全然どこか違う場所で会ったことがある…』
入江:『!!』 (きっと僕と似た人と勘違いしてるんだ…)
白蘭:『違う世界で!!』
入江:『!!』
白蘭:『場所は…大学…… 君の名は…イ…リ…エ…』

その話に衝撃を受けるツナとリボーン。
もちろん、子供の入江も気味が悪くなって走って逃げたようですが、
相手がパラレルワールドを体感し、別次元で既に白蘭に出会っている入江で
なかったら、白蘭は完全に"危ない人"ですね。
そして、どうやら白蘭はこのとき「能力」を手に入れたようです。
それがわかったのは、この後のタイムトラベルでのこと。
『後って…また行ったの?』 というツナのさり気ないツッコミ心の溢れる一言が好きです。

ミュージシャンになった未来が許せず、再び大学を目指した入江は
1年後、どうしても未来を確認したくてタイムトラベルをしたそうです。
そこで見たものは、戦争で焼け野原となった荒廃した世界。
携帯端末から流れてくるのは、この戦争を起こし世界征服を成し遂げた
白蘭という独裁者の演説だけ。
携帯端末に映る白蘭の服には、さり気なくミルフィオーレの紋章が縫われています。

何かの間違いと思った入江は、その後もできる限りの変化を起こして
何度もタイムトラベルを試みたとのこと。
しかし、何度試してもわずかな違いこそあれ、すべての未来が白蘭に支配されてしまっていたそうです。
入江が必死に白蘭を倒そうとしているのは、この光景を目の当たりにしたからなのですね。

使っちゃダメだとランボに指示していたボヴィーノファミリーのボスが
一体何故何発もの弾を送ったのかが気になります。
そして、入江も一体何回タイムトラベルしたのでしょう;

「白蘭が何をしたのか」というリボーンの問いに対し、入江が答えます。
白蘭は、入江が目覚めさせてしまった能力を、己の欲のために悪用したと。
彼は、どのパラレルワールドでも誰よりも知識を有し、先端技術を獲得し
強力な軍隊を作ったのだそうです。

パラレルワールドとは、現実と並行して存在している独立した別の世界であり、
どんな人間も、他のパラレルワールドにいる自分のことは知る術もないし
交わったり関わったりすることはない。

入江:『だが白蘭サンは同時刻のパラレルワールドにいる、全ての自分の知識と思意を共有できるんだ』

パラレルワールドの概念を示す時系図を元にした、白蘭の能力の説明図で以下次号!!

パラレルワールドは、REBORN!の世界観には適用されないのではと思っていたので
今回の設定には驚きましたし、正直戸惑いました。

リング争奪戦のときの大人ランボがパラレルワールドの可能性を示唆していましたが、
20年後ランボが持っていた角に獄寺が書いた落書きがあったこと、
そして、子供ランボが遊びと勘違いしていたことと割とあっさり気絶したことから
その可能性はなくなったと思っていました。

しかし、パラレルワールドの存在がはっきりと語られた以上、
未来編の在り方を今一度考えています。
何故ならこの場合、この時間軸で白蘭を倒しても、別の時間軸の未来は
変わらないかもしれないと言っているようなものだからです。
白蘭を倒したとしても、そこが分岐点となり、白蘭を倒せなかった未来が
生まれる可能性があるわけです。となると、白蘭を倒せなかった未来の世界は
やはり荒廃してしまい、もしかしたら救われないままかもしれません。

白蘭がツナに「何度も会っているような気がする」と言ったということは、
他の未来でもツナと会ったことがあるからでしょうか。
病気の幻騎士に渡したワクチンも、他の世界の技術を以って処方したものかと思います。

ただ1つ。2002年に公開された「タイム・マシン」という映画を引き合いに出しますが、
タイムトラベルにより過去を修正した場合、今回入江が語ったようにわずかな違いこそあれ
不変の出来事というものが存在する可能性があります。
「タイム・マシン」の中では、それは恋人の死でした。

恋人を亡くした男はタイムマシンを開発し、過去へ飛び、
恋人が死亡するきっかけとなった事故から彼女を救います。
ですが、別の要因により彼女は亡くなってしまいます。
何度過去を修正しても、その度何かが起き、彼女はやはり亡くなるのです。

もし今回、白蘭を倒し平和な未来を手に入れたとしたら、
他のパラレルワールドでも同じことが起り得ると考えてよいのか、
それはツナたち以外の誰かが成し遂げる可能性もあるのか…
残念ながら、今のところはまだ結論を出しかねています。

それにしても、すべてのパラレルワールドにいる自分の知識を共有できることも
凄い能力だと思いますが、それ以上にそれだけの知識を処理できる脳こそ
彼の最大の力かもしれないと思いました。

ユニが「私にしか止められない」と言ったことの真意、
今ツナたちのいるバトルフィールドに彼ら以外の人間がいない理由、
白蘭が世界征服を成し遂げながらも7^3を欲する目的、
骸やブラックスペルの動向など、まだまだ気になる事柄がたくさんあります。

思ったより入江も元気ですし、全体的に緊張感を欠くような描写が散りばめられていて
話の重さに反比例して楽しく読めました。面白かったです。
アオリによれば、次号では未来編の真相が描かれるとのこと。
どこまで明らかにされるのか、期待が膨らみます。

なにはともあれ、次回も楽しみです!