箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ22・23号 KHR 標的239『決戦の日』

2009-04-25 03:09:37 | 雑誌[J]
今話は真・6弔花からスタートです。
標的227では顔しか分からなかった彼らのそれぞれの名前と、
おぼろげながらキャラクターが判明します。

面を被っているのは『トリカブト』。
顔に傷を負い、目が落ち窪んでいるのは『デイジー』。
一人称は「僕チン」でした;思ったよりも若いです。

白っぽい長髪を後ろで結んでいる切れ長の目の人物は『桔梗』。
敬語を使い、真・6弔花のリーダー格のようです。
そして、マグマ風呂で口笛を吹いていた彼が『ザクロ』。
桔梗とカードゲームに興じていることから、どうやら彼ら二人は
それなりに仲がよいようです。

ちなみに、桔梗の口癖は「ハハンッ」で、ザクロのは「バーロー」ですが、
登場して間もないのに、既にこれだけキャラが立ってるのは流石です。

紅一点の女の子は『ブルーベル』。
水の中で真っ裸でボディービルダーのようなポーズを取ったり、
からかうザクロの言葉に乗せられたりと、かなり幼い言動です。
しかし、

『誰が電波だ このヤロー!!』 『今度言ったら 頭蓋骨むくぞ!!』
『ブルーベルは はげしくブロークンハートよ!!』

この台詞は予想外でした;
もっと大人しい女の子を想像していたのですが、見事に覆されました。

彼らのもとに白蘭が現れ、ミルフィオーレ側の準備は完了のようです。
水牢に囚われていた人物は不在とのことですが、後々登場することに
なるのかな?

それにしても。
白蘭が登場したとき、全員が一斉に同じポーズを取ったのですが、
それがどうしても「マンダム」にしか見えません;
いえ、左の手のひらを右の肘に当ててはいるのですが…
あれが敬礼の意なのでしょうが、誰が考えたんだと問いただしてみたくなります。

一方ボンゴレサイドでは、ツナがラルに真6弔花との決戦に臨むことを
報告に行きます。
白蘭を倒せば ラルやリボーンを苦しめる非7^3線も止まる。

ツナ:『だからもう少し待ってて』

というツナの表情がとても頼もしいです。

ツナを追い出したラルが、コロネロのバンダナを握り締め、
彼とのやりとりを回想するシーンがよかったです。

一方、どこかへ行ってしまった瓜を探していた獄寺は、
乾燥機の上で昼寝していた瓜を手に乗せたビアンキと会います。

ビアンキ:『メローネ基地から帰ってきたら 話したいことがあるって言ったでしょ?』

その言葉にはっとする獄寺ですが、目を覚まし動き出した瓜を追いかけて
その場を立ち去ってしまいます。どうやら、逃げたようですね。
彼も話があると言っていたはずなのですが、あれから時間が経って、
メローネ基地突入時の覚悟が薄れてしまったのでしょうか。

取り残されたビアンキの元へ駆け寄ってきたのはツナでした。
レオンの耐炎糸で作った特別な戦闘服を用意していることを伝えたビアンキが
ツナの様子を見て『何か 言いたそうね』と促します。
この辺り、ビアンキがツナにとっても頼りになる姉のような存在だと思います。

ツナが気にかけていたのは京子やハルのこと。
彼女たちが怖がってないかと聞くツナに、ビアンキは
今のところは興奮してはしゃいでると答えますが、ツナの憂い顔は晴れません。

その彼女たちは、昨日ボンゴレアジトに来たという入江の部屋を覗いています。
服を脱ごうとしたままねむってしまった入江を見て驚いていますが、
それ以上に、スパナがナイトキャップまでキッチリかぶって寝ていたということの
方が驚きました(笑)。

毎日ほとんど徹夜だったという事情を知った彼女たちですが、心を鬼にして
鍋やフライパンをお玉で叩き、入江を叩き起こします。
入江の『強烈な女の子達だな~~』という感想が面白いです。

気合を入れ直し、表情を引き締めた入江ですが、司令室に入ると『わあっ!!』と
素で驚きます。ツナは、入江のことを『入江君』と呼んでいるのですね。

入江:『君達 その格好!!』 『決まってるじゃないか!!』
ツナ:『本当はちょっと照れくさいんですけど…』

なんだか嬉しそうな入江と、本当に恥ずかしそうなツナの表情が可愛いです。

リボーン:『オレが この戦いのためにオーダーしたんだ』
     『ボンゴレマフィアの起源は 住民を守る自警団だ』
     『歴代ボンゴレファミリーはその役割を果たす時 この正装に身を包み 命を賭けて戦ったんだ』

今回のツナたちの服が「正装」のようです。
ボンゴレの起源、本来のボンゴレファミリーの果たす役割が語られたことは
大変に嬉しいですね。

リボーン:『黒曜戦は9代目の試練で ヴァリアー戦は内紛 今回はレベルがちがうってことだ』
ツナ:『またマフィアとか言って 話をおおげさにするー』

ツナの言葉はどこまで本気か読み取れません;
もしマフィアと関わりがなければ、彼らがこんな戦いに巻き込まれることはなかったでしょう。
ボンゴレという伝説化している巨大な組織があって初めて、今までの、そして
これからの戦いが起こっているのだと思います。

ただ、この場に居合わせているであろう京子やハルのことを思えば、
このあまり深刻さを感じさせないツナの言葉は、いつもの彼を彷彿させ、
変な緊張感を感じさせない効果があるのかもしれません。

入江:『おおげさではないさ!!』

ツナの言葉に過敏に反応したのは入江でした。

入江:『多くの人達に知られていないこの戦いに』 『世界の存亡がかかっているんだ!!』
ツナ:『!!』

白蘭の傍に長く居たからこその入江の言葉の重みにハッとするツナ。

入江:『この戦いは 伝統あるボンゴレファミリーにとっても』 『最大級の戦いになるだろう』

さすが、ボヴィーノに始まりボンゴレとも関わりを持ち、
挙句にミルフィオーレに在籍していたからでしょうか。
入江は技術方面だけでなく、マフィアに関する知識もバッチリのようです。

ヘッドセットを装着し、ボンゴレ匣を装備したツナは、一言『よし…』と呟くと

ツナ:『いこう』
全員:『おお!!』

黒いスーツに身を包み、前を見据えたボンゴレ10代目ファミリーで以下次号!

クロームはしっかりスーツですが、京子やハルが着ているのは制服みたいですね。
ロングブーツが似合っています。ビアンキのパンツスーツもよい感じです。
入江やジャンニーニも、京子やハルと似たようなジャケットを着ているので、
戦闘要員と非戦闘要員とで分かれているのかもしれません。

が、入江は戦えないのかな?彼が戦うには、メローネ基地が必要なのでしょうか。
バジルのみズボンが白いのは何故なのかが気になります。一応、門外顧問だからかな?
スーツは人数分準備しているということなので、山本やヒバリは現地で着替えるのでしょうか。
そして、ディーノやスクアーロ、草壁はどうするのでしょう。
彼らもチョイスに参加するのかな?

今号で山本やヒバリと合流するかもと期待していただけに、
彼らが出てこないまま2週間我慢しなければいけないことに
少しの寂しさを覚えます。
ただ、前半の真6弔花の描写がとても楽しく、面白く、かなりインパクトがありました。

ツナ・獄寺・了平・ランボ・クローム、そしてバジル。
ビアンキにイーピン。
ジャンニーニ・入江・スパナ。そしてフゥ太。

全員で赴き、始まる闘い。
とりあえず次回は事前打ち合わせで終わるんじゃないかとか
バイクは一体どうするんだというツッコミはさておくことにします。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ21号 KHR 標的238『変化』

2009-04-18 10:40:16 | 雑誌[J]
ミニワンピ風のカジュアルドレスに身を包んだ京子とハルが
表紙の今号。微笑んでいる京子に比べ、いつも笑顔全開のハルが
落ち着いた表情なのが印象的です。
後ろにいる普段着のツナが、照れて直視できないほどの可愛さなのですが、
ちょっと足のデッサンが残念なことになっています;

さて、本編。

ボンゴレのアジト内、鼻歌を歌いながら台所で食事の準備をしている
エプロン姿のハルからスタートです。
『ハル』と呼びかける声に、『はーい』と笑顔で振り向いた彼女の前には、
真実を話すことにまだ若干の迷いはあるのでしょうか、微かな笑みを
浮かべたツナが立っていました。

ツナ:『話が…』 『ある…』

それになにかを感じたのか、それまでの笑顔から、ふと陰の入った
少し暗い表情へと変わったハル。
そんな彼女にツナは、京子に話したことを話します。
今の状況や、ミルフィオーレのこと。ボンゴレやツナ自身のこと。
そして、今までの戦いのこと。

ツナ:『…そんな感じなんだ…』

話し終わりそう告げたとき、ハルはツナの言葉が聞こえていないのか、
ただ呆然としていました。
そんなハルを見て、ツナがとても心配そうです。

ツナ:『ハル?』 『おい ハル 大丈夫か?』
ハル:『!!』 『は…はい!!大丈夫ですよ!!』 『話してくれてありがとうございます!!』

再度の呼びかけに気付いたハルは、途端にいつもの笑顔になり、
元気よくそう答えます。
『すごい話ですね!!』 『びっくりしました~!!』
明るく会話を続けるハルですが、ツナの表情は晴れません。
その理由は、「最近 ハルのウソは 見抜けるようになってきた」から。
彼女がツナの話にショックを受け無理をしていることを、
ツナは分かっているようです。

ハル:『あっ』 『ツナさん 今 修行中なんですよね』
   『わざわざ ハルのためにスイマセン!もう行ってOKですよ』
ツナ:『へ?』
ハル:『修行の時間がもったいないです!』

急にそんなことを言うハルに、ツナは直ぐには反応できなかったようですが
素直に心配を口にします。

ツナ:『でもお前… 全然 大丈夫じゃないじゃん…』
ハル:『はひ!?』 『なっ 何 言ってるんですか!?』
   『ハルは 知りたかった話を聞けたんですよ!!』
   『大満足で嬉しくて お腹いっぱいです!!』 『さあ 行ってください!!』

元々ハルは、マフィアという言葉は認識していましたし、
「マフィアの妻」を公言していましたから、その辺をざっくり話すことは
京子よりもやりやすかったと思います。でも、一人で泣いている姿を
見たことのあるツナとしては、余計に彼女の反応が気掛かりだったでしょう。
あくまで笑顔で元気よくそう言うハルを、無言のままじっと見ていたツナですが、
やがて彼も笑顔を浮かべ席を立ちます。

ツナ:『わかった じゃあ行くな!』 『あ』
ハル:『はひ?』
ツナ:『いつも ご飯作ってくれて ありがとな』
ハル:『そんな あらためられると照れます!』 『ツナさんもファイトです!!』
ツナ:『ん』
ハル:『いってらっしゃーい!』

ツナを送り出すハル。
京子とはまた違う形となりましたが、ツナとハルのやりとりもよいです。
ツナが「話す」と決めたタイミングが、京子やハルがボイコットを中断すると
決めた後でよかったと本当に思います。
そうでなければ、ハルが「家事が困るから話してくれた」と
穿った捉え方をしかねなかったでしょうから。

ツナを姿が消えた後、ハルは 『はぁ~~』 と大きな溜息を吐いて
ぺターンと床に座り込んでしまいます。

ビアンキ:『ツナを困らせまいと よく我慢したわね』
ハル:『…………』

いつの間にか戸口に立っていたビアンキがそう声を掛けても
暫くは口を開かなかったハルですが、

ハル:『すごく……』 『ショックです……』
   『ツナさん達が 何かやっていることは知ってたけど… こんなに大変だなんて…知らなくて…』
   『何も知らずに わがままばっかり言って…』 『自分のノーテンキぶりが…』
   『くやしい…です……』

ポロポロと大粒の涙を流すハル。
彼女がショックを受けていたのは、自分達の行動に対してなのですね。
『ハルは がんばってるわ』 と言うビアンキに頭を抱き寄せられ、
ハルは声を上げて泣き出してしまいます。
それをしっかりと抱きとめるビアンキもまた、京子やハルにとっての
心の支えなのでしょうね。

一方、二人に話し終えたツナは、そのことを報告すべく
全員が集まっている部屋へと足を向けます。
やはり、京子やハルに真実を話すことを強固に反対していた了平が気になるのか
『お兄さん 怒るかなぁ…?』 と若干思案顔です。

ディーノ:『お』 『よぉツナ』

部屋に入ったツナに真っ先に声を掛けたのはディーノでした。

ディーノ:『修行の進み具合をチェックしにきたぜ』 『家事にばかり うつつをぬかしてねーだろーな』
ツナ:『う…うん』 『京子ちゃんにヒントをもらって 少しだけ匣のことがわかってきたんだ』
   『多分もう 暴れたりはしないと思う…』

ディーノに対して、タメ口で答えるツナは初めてですね。
そんなツナの言葉を受けて、一様に表情の明るくなる仲間たち。

ディーノ:『おお』
了平:『ついに!』
山本:『すげっ!!』
獄寺:『さすが10代目っス!!』

全員の賞賛の眼差しが眩しいです。
『でもまだ やってみないとわからないけど…』 とツナが告げた瞬間
突如『ラン♪』 という声が響きます。
何事か分からずきょとんとするツナやリボーンの目の前、
巨大モニターに突如、コミカルな映像が流れます。
…パックマンを思い出しました。

『ラン♪』 『ラン♪』 『ラン♪』と流れ続ける音。
ジャンニーニに、これが何なのかを問うツナですが、

ジャンニーニ:『それがわかりません』 『何者かに 回線をジャックされてます!!』

それは普通にダメでしょう;
いくら建設途中とは言え、回線のセキュリティは鉄壁を誇って欲しかったです。
ミルフィオーレの技術力がボンゴレのそれを凌ぐということかもしれませんが、
ちょっと残念です。

そんな彼らを他所にモニターでは、ちょっとしたアニメーションが流れ続けています。

『ラン♪』 『ランラン♪』 『ランランランランラーン』
『ビャクラン♪』

ばひゅーんと登場したのは、まるでクラウンのような格好をし
デフォルメされた白蘭でした。
ぱっと見、イーピンが遊んでいるようにも見えますね。

驚くツナたち。デフォルメされた白蘭の映像が飛び散り、
『ハハハハッ!!』 と笑い声が響いたその後現れたのは

白蘭:『どう?面白かったかい?』

巨大なパフェを前に、スプーンを加えご満悦の表情の白蘭でした。

ツナ:『白蘭!!』
白蘭:『退屈だから遊びにきちゃった』 『食べるかい?』
獄寺:『やろう』 『おちょくってんのか!?』

笑顔でそんなことを話す白蘭にいきり立つ山本や獄寺ですが、
白蘭は意に介していないようです。

白蘭:『なーんてね』 『本当は "チョイス"についての業務連絡さ』
   『ほら 日時については言ったけど』 『場所は言ってないよね』
   『6日後 お昼の12時に』 『並盛神社に集合』
ツナ:『!!』 『並盛で戦うの…!?』
白蘭:『んー どーだろーね』
   『とりあえず 必要な準備して 仲間は全員つれてきてね
    少なくとも 過去からきたお友達は全員だよ』

入江は白蘭に、ツナたち以外も入れ替わった人物がいることを
報告していたのでしょうか。過去から何人来ているのか、白蘭は
正確に把握しているのかがちょっと疑問です。

今まで執拗に隠されていた白蘭の右目が、今回はっきりと描かれていることに
少なからず驚きました。左目となんら変わりのない眼です。
並盛で戦うことに対し「どうだろう」ということは、そこから移動することも
ありえますね。準備してと簡単に言いますが、基地はどうするつもりなのでしょう。
…バイクも乗っていくのかな? 女の子たちの移動手段はどうなるのかな?

白蘭の「全員」という言葉に、驚くツナたち。

獄寺:『なに!!』
山本:『全員って』
ツナ:『京子ちゃんやハルも!?』
了平:『なんだと!!?』
白蘭:『そこに 意味があるんじゃないか』 『みんなで来ないと 君達は失格だからね』

『な!?』 『ちょっとまて!!』と戸惑い慌てるツナたちですが、白蘭はそんな彼らを無視し、
言うべきことを伝えると 『じゃあ 修行がんばってね~♪』 と通信を切ってしまいます。
過去から来た全員が集まることに意味があるというのも、また意味深ですね。

白蘭に告げられた条件に、衝撃を受けるツナ。

ツナ:『そんな…京子ちゃん達を 戦闘の真っ只中へ!?』
山本:『こりゃ 秘密どうこうって話じゃなくなってきたぜ』
リボーン:『そう思うとツナが今の状況を全て説明したのは 正解だったかもな』

リボーンのその言葉に驚く獄寺、山本、了平。
一斉に向けられた彼らの視線を受け、ツナが口を開きます。

ツナ:『ゴ…ゴメン オレ話したんだ』 『やっぱり 京子ちゃん達にも事実を知ってもらうべきだと思って…』
了平:『沢田あぁ!!』
ツナ:『!!』 『……』

ガッと壁に向け拳を繰り出す了平。
ツナが思ったよりも冷静です。もっとビビるかと…;

了平:『京子は…どうなった…』
ツナ:『お兄さん…あの…』
獄寺:『てめえ 何暴れてやがる!!』

壁に拳をめり込ませたまま、ワナワナと震えながらそう言葉を紡ぐ了平に
言いよどむツナ。

山本:『おちつこーぜ センパイ』
了平:『京子はどうなったー!?』
ツナ:『ちゃ…ちゃんときいてくれました…』
了平:『!』 『………』

山本にホールドされながらも暴れ、そう叫んだ了平ですが
ツナの言葉に動きが止まります。

ディーノ:『ツナの判断は 間違ってなかったと思うぜ了平』
     『この状況では 遅かれ早かれだ』
了平:『く……』
ツナ:『お兄さん…』

ディーノの言葉に言葉を失う了平。
静かになった彼に、かける言葉が見付からないツナ。

と、ここでリボーンがふと疑問を口にします。

リボーン:『にしても 白蘭の奴 どーやって回線に入りこんだんだ?』
『セキュリティがザルなんだぁ』

唐突に割り込んできた声。それは

スクアーロ:『アマチュア共がぁ』

自分の身丈の8割はあろうかという魚を右手に持ったスクアーロのものでした。
左手には常時装備してある剣が装着されての登場ですから、
一見したら料理人っぽいなんて言ってませんよ、言ってません。
余計なお世話ですが、海風に当たると髪はごわごわになってしまうのですよね。
どこかで髪を洗ってきたのでしょうか。

ツナ:『あっ』
獄寺:『てめーは』 『ス…』
山本:『スクアーロ!!』

以前、クロームが過去からやってきたときにツナたちに待機を告げた
映像以来、突然現れたスクアーロに驚く一同。
そんな彼らを尻目に、『みやげだ』 とディーノにマグロを手渡すスクアーロ。
(なぜにマグロ…?) というツッコミが楽しいです。尤もです。

ディーノ:『遅かったなスクアーロ』 『生徒が おまちかねだぜ』

マグロを片手にそう語りかけるディーノの言葉に答えることなく
コッコッと歩みを進めるスクアーロは、険しい表情で一直線を見ています。

ツナ:『え? 生徒…?』
山本:『!もしかしてよ…』 『オレの修行の家庭教師って…』

迷わず山本の方へと歩いていったスクアーロに、笑いながらそう言いかけた山本ですが
次の瞬間、無言のままのスクアーロにいきなり殴られ吹っ飛びます。
左手で顔に一発、その後膝で鳩尾に一発。
山本が『がはっ』と苦悶の声を上げても、スクアーロの攻撃は止まりません。

突然の状況に、青褪めつつも動けないツナと獄寺。
やがて、ガッと音がし、山本の歯が1本宙を舞います。

山本:『ぐあっ』
ツナ:『山本ぉ!!』

床に転がる歯。
獄寺に続いて山本も歯が抜けましたね。
折れるのではなく、根っこから綺麗に抜けるのが、なんとも凄いです。

やがてスクアーロは、気を失った山本を右肩に担ぎます。
口からボタボタと血を垂れ流す山本は、他にも出血しているようです。

ツナ:『山本!!』
獄寺:『殺しやがったのか!?』

完全に脱力している山本を心配するツナたち。
そんなツナたちをさりげなく押し留めているディーノは、
京子やハルに対するビアンキと同じポジションのように感じられます。

スクアーロ:『まったく 殺してやりてえぜ』

獄寺の言葉にそう返すスクアーロの台詞が、なんともよい感じです。

スクアーロ:『このカスは あずかっていくぞぉ』
ツナ:『ええ!?』 『そんなこと!』
ディーノ:『ここは スクアーロにまかせるんだ』
ツナ:『でも…』
ディーノ:『山本のことは オレ達よりわかっている』

いきなりフルボッコにしたスクアーロに山本を託すことに抵抗を見せるツナですが、
ここでもディーノがツナを止めています。
『そんな…』と心配そうな表情を隠そうとしないツナですが、
最終的には力尽くで止めることもなく、山本とスクアーロが姿を消すのを見送ります。

ツナ:『メチャクチャだ…あんな暴力的なやり方…』
了平:『沢田』
ツナ:『?』

突如ツナの顔面に右ストレートをぶち込んだのは了平でした。
『ぐはっ』 と声を上げ、吹っ飛ばされるツナ。

ディーノ:『おい 了平!』
獄寺:『10代目!!』

二人の声を受けても、了平は動じません。
息を荒げている姿は、自分を抑えようとしているようにも見えます。

了平:『やはり 京子を巻き込んだことは 許せん』
   『…… だが俺も男だ…』
   『この一発で 次に進むことにする!!』

拳を握り、そう宣言する了平。
スクアーロが山本をボコボコにしている間中も、了平はずっと
このことを考えていたのでしょうか。

ディーノが言ったとおり、こうなった以上京子たちに真実を話すのは
時間の問題だったと思われます。果たして、了平が京子たちに
現状を説明できたかと言えば、妹が大事な彼にとっては辛い仕事となったでしょう。
また、「巻き込む」という表現から言えば、とっくの昔に巻き込んでしまっては
いる訳ですし、今のツナは寧ろ「巻き込まれた」側です。

それでも彼が手を出したのは、妹を守りきれなかった、
何も知らない状態にしておけなかった自分への怒りと、
真実を話すことで、普通の日常しか知らない彼女たちを
失わせたツナへの葛藤があったからかと思いました。

それにしても、

獄寺:『てめーよくも10代目に!!』 『ぶっ殺してやる!!』
ディーノ:『おちつけ獄寺!!』

さっきまで了平を抑えていた山本が居なくなった途端
彼がツナに一発を浴びせたのが、なんとも言えません;
獄寺は、いつも何か、一歩遅いのですよね。

この日はみんなの溜まっていたモヤモヤが一気に吹き出したようなひどい一日だった…
でも この日からみんなが変わりはじめた…!

自分のすべきことをやって
それが 一つの方向に噛み合っていった

超死ぬ気モードでボンゴレ匣を開匣するツナ。
食事を作る京子とハル。

そして 決戦の日を迎える頃には──
オレ達の修行は 完璧に仕上がったんだ!!!

ボンゴレアジトにいる5人がそれぞれボンゴレ匣を開匣した姿で以下次号!!

例の黒い牛の背に乗りご満悦なランボは、なかなかに優秀なようです。
了平の匣兵器は、太陽のような光を放っていますが詳細は分かりません。
クロームのは、流石霧だけあって、幻術系の力に特出した匣のようです。

獄寺の匣兵器は、豹柄の尻尾のようなものが見えますが
こちらも詳細は分かりません。
そしてツナも、無事に開匣に成功したようです。出てくる匣兵器を見つめる
ツナの穏やかな微笑にドキっとしました。
超死ぬ気モードのツナは大抵険しい表情ですので、とても新鮮です。

後半、驚きの速度で修行が終わりました(笑)。
テンポが速いのはいつものことですが、それと併せて匣兵器の正体も
暫くお預けになるのは、今後の楽しみが増す一方でちょっと残念な気がします。

バジルの描写が皆無なので、彼がどういう状況になっているのか不明ですが、
次回は、ヒバリや山本も集合しそうですね。
スクアーロも合流するのかが気になります。

ところで、全員の修行が完成したのは朗報ですが、基地は出来上がったんでしょうか。
技術屋チームも、もう少しクローズアップしてくれたら嬉しかったです。
今後、彼らの活躍も描かれることを期待したいと思います。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ20号 KHR 標的237『告白』 :2

2009-04-11 04:55:41 | 雑誌[J]
# 感想の続きです。

テンポよい展開がとても楽しかった今号。
さくさくと話が進みました。
ツナの匣兵器の正体が分かるのも、そう遠いことではなさそうです。

ラストの、ツナと匣兵器のシンクロ具合が面白いです。
ツナの心をうつすとのことですが、それは大空属性の特性が「調和」だからでしょうか、
それともこの大空属性のボンゴレ匣特有の性質なのでしょうか。
いずれにせよ、持ち主の想いの強さに比例して力を発揮するようですから、
ツナの「守りたい」「負けられない」という強い意志が鍵となりそうです。
ただ、ツナが弱気になったときだけは、同調せずに、
ツナを鼓舞する存在であって欲しいです。

そして京子たちはやはり、ツナたちを陰ながら支えることで
共に闘っているというスタンスなのですね。
途中、ツナが京子たちに状況を話す理由が
「修行に専念したいから」になりそうなのが心配でしたが、
ちゃんと京子たちのことを想っての決断だったことに
安堵と共に嬉しさを覚えました。

また、「知りたい」という意思を伝え、その要望が叶えられたとき、
それがどんなに衝撃的な内容であっても、しっかりと受け止めた京子も
偉いと思います。彼女なりに、覚悟はしていたのかもしれませんね。
ハルも同じように、どんな現実をも受け入れる覚悟をしているのでしょうか。
彼女の反応も是非見てみたいです。

「京子たちにつく」と宣言したビアンキやクロームですが、
それでもツナの意思を尊重し、真実を勝手に話すという行動には出ませんでした。
寧ろ、ツナたちの気持ちへの理解を促しているように見えます。
前回色々考えた部分が、今回完璧にフォローされている感があり、
読み終わったときにはすっきりしました。

京子の言葉をヒントにしてツナが修行のコツを掴む展開は、残念なことに
ハルの言葉から X BURNER が生まれたときと似ていますね。
少々食傷気味という感じがします。もちろん、「彼女たちが居てからこそ
ツナも成長できる」と捉えられないこともないですし、それ自体は別に
好ましくないと思っている訳でもありません。
周りからのアドバイスを素直に受け入れることも、重要なスキルです。
でもそろそろ、リング争奪戦のときのように、ツナが自分自身の力で
修行を完成させる姿を見たいとも思います。

ボンゴレ10代目ファミリーの中核の構図が完成されつつあること、
ツナの、ボスとしての資質、そして成長が見れて嬉しかったですが
バジルやディーノは一体何処へ行ったのでしょう;
入江やスパナ、ヒバリにスクアーロの登場も待たれます。
そして、京子が買い物を忘れているんじゃないかということも気になります(←どうでもよい)。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ20号 KHR 標的237『告白』 :1

2009-04-11 04:55:15 | 雑誌[J]
前号のラストで発せられた衝撃の女の子たちの宣言。
今号は、その直後からのスタートです。

『家事と共同生活を』 『ボイコット――!?』

驚くツナたち。一番慌てているのはツナのようです。

ツナ:『そっそんな!!』
   (白蘭との戦いまで一週間しかないのに~~!!』

青褪めるツナ。そして、女の子サイドについたのは、ビアンキやイーピン、
クロームだけではないようです。

リボーン:『私達も京子達につくわ』 『修行 しっかりね』
ツナ:『ずるいぞお前達!!』

リボコの格好のリボーン、格好だけは完璧に女装したジャンニーニ、
フゥ太も京子たちの味方のようです。が、これはご飯のため…なのかな?
それにしても、ハイヒールまで履きこなすジャンニーニは
実は只者ではないのかもしれません(笑)。
そして、彼の作業進捗はいかがなものなのでしょうか。(←聞くな)

やがて、ツナ・獄寺・山本・了平・ランボの5人は
ダイニングキッチンへと場所を移します。
椅子に座り、対応を協議するようです。

山本:『一応聞くぜ』 『どうするんだ?ツナ』
ツナ:『…うん…』

「一応」ということは、山本はツナの答えを分かっていて
敢えて聞いているようですね。

ツナ:『やっぱりマフィアや ミルフィオーレのことは話せないよ…』
   『京子ちゃん達を あんな壮絶な戦いに巻きこめない…』

少々険しい顔つきながらも、真剣な表情で答えるツナ。
何気に、ツナを頂点とする彼らの関係がしっかりと出来上がっています。
そしてツナも、ボスとしての役割を自然に担うようになってきていますね。

獄寺:『ったくあいつら 10代目のお気持ちも知らずに…
    オレも話さない方がいいと思います』

苛立ちを隠さない表情の獄寺に対し、山本は苦笑気味です。

山本:『まっでも あいつらだけ知らねーってのも』
   『仲間はずれみてーで かわいそうだけどな…』

一人っ子だったり一匹狼だったり、一人で居ることの多かったであろう
ツナや獄寺と違い、クラスの人気者で大勢の友人と接する機会の多かった
山本らしい意見です。

獄寺:『………』
ツナ:『それは…そうだけど…』

少し悩み始めたツナですが、

了平:『話してはいかん!!これで京子に何かあったら!!』 『京子に何かあったらぁ!!』
獄寺:『るせーなっ』
ツナ:『お兄さん…』

ガオオと吼える了平に、困ったような顔で笑うツナ。既に了平の扱いに慣れてしまってます。

ツナ:『とにかく今は修行も大変な時だけど』 『自分達の家事(こと)は自分達でやりましょう 』

無理矢理に自分を納得させるように、ツナはそう告げました。
結論は「話さない」。

ツナ:『…って口に出してみて思ったけど』 『自分のこと自分でやるって 当然といえば当然だよね』
了平:『うむ』
獄寺:『はい』
山本:『だな』

微苦笑を浮かべているツナと、ツナの言葉に頷く三人がよい感じです。

『こうして俺達は修行と家事の両立を目指したんだ!…けど…』

山本:『洗剤 入れすぎじゃね?』
ツナ:『え』

洗濯機からブクブクと立ち上る盛大な泡を見て驚く山本に、
まるで人事のように無頓着な応えを返すツナが面白いです。
一方、台所では。

獄寺:『なになに? みじん切りのコツはまずたてに細く…』
ツナ:『獄寺君!!火!!』
ランボ:『火事だもんね!!』

包丁と料理の教科書を片手にした獄寺が、みじん切りに気を取られている間に
火にかけていたフライパンの中身が消し炭になってしまっていました。

ツナ:『あーあ』
獄寺:『申し訳ありません!』 『申し訳ありません!!』

黒煙の立ち上るフライパンを片手にぼやくツナと、
久々土下座の獄寺の姿がなんともいえません。
それにしても、獄寺は一人暮らしで自炊をしているものだと思っていたのですが
違ったのかな?そして、山本は料理できるはずなのに、やらないのかな?

了平:『修行で 極限にハラペコなのだ…もうがまんできんぞ!』
ランボ:『お・な・かすいた!!』
山本:『しゃーねーなー カップめんにすっか』

ランボも、しっかりこちら側なのですね。
子供なので、京子たちに付いていってご飯をもらうのかと思っていました;

『おまけに 修行の方も うまくいかずに…
 みんなのストレスだけがたまっていった…』

それぞれの場所で、それぞれの修行に取り組むツナたち。
瓜に襲われて泣いているランボの描写が可愛いです。

場面変わり女湯では、女の子達が入浴中でした。
湯船の中で、タオルの中に空気を溜めて遊んでいるイーピンが可愛いです。

京子:『お兄ちゃん達 昨日はカップめんみたいだったけど…』
   『今日は 栄養のあるもの 食べてるかなぁ…?』
ハル:『ツナさん達が 本当のことさえ 教えてくれれば
    とんでいって ごはん作るんですけど…』

体を洗いながら呟いた京子の言葉に、髪を洗いながらハルが応えます。

ビアンキ:『まあ』
     『あなた達はツナ達がすぐに降参すると思っていたみたいね』
     『私はそう簡単には いかないと思うけど……』

ツナたちのことを気にかける京子とハルの会話に、一緒にお風呂に入り髪を洗っていた
ビアンキが加わります。

ビアンキ:『理由は2つね』
     『1つは あなた達に 変わって欲しくないのよ』

ピシャンとタオルを肩に打ち付けるように掛ける姉御なビアンキが素敵です。
洗い髪を纏める仕草といい、大人の女性ですね。
そんなビアンキの言葉を、京子とハルは黙って聞いています。

ビアンキ:『秘密を知れば あなた達は 今までのあなた達とは違う人間になるわ』
     『それを 恐れてるの』 『気になる相手なら なおさらね』
     『気になるひとが いつまでも 変わらないなんて』
     『男の幻想に すぎないんだけどね』

湯船にゆったりと浸かったビアンキの呟きと同時刻、
一斉にヘックションとくしゃみをする男の子一同。
どうやら京子たちの心配したとおり、今回の食事もカップめんのようです。

ツナ:『鼻が ムズムズする』
獄寺:『誰かが噂でもしてんスかねえ?』
了平:『この食事で 極限に栄養が足りとらんのだ!!』
山本:『しかし こーなって はじめて 気づくよな……』
   『オレ達だけじゃ ロクに修行もできねーって…』
ツナ:『本当だよ… 戦いは もう迫ってるっていうのに…』
   『ここは やっぱり話すべきなのかも…』

ツナもこの状況にうんざりし始めているのでしょうか。
ジト目でそんなことを口にしますが、

了平:『いかん!!』 『京子に何かあったらどーするのだ!!』
ツナ:『!』 『そ…』 『そーですよね!!』

了平の言葉、とりわけ「京子に何かあったら」というフレーズに
話さない決意を再度固めたようです。

場面変わり、再び女湯。

ビアンキ:『もう一つは意地ね』
     『あの子達は 女は男が守るものだと思ってるの…』
     『あなた達に 禍々しい世界を見せないことに 男のプライドをかけてるわ』

ビアンキ・ハル・京子・イーピン・クロームの順で、一列に並んで湯船に浸かったまま
そう言葉を紡ぐビアンキを、京子とハルがじっと見つめています。

ハル:『気持ちはうれしいですけど……』
   『ハル達だって 力になりたいんです それを 一方的に決める権利はツナさん達にはないと思います』
ビアンキ:『その通りね 男は身勝手で非合理だわ…』
     『でも 私達 女の想像をこえて 男はプライドに命をかけるものなの』
     『むしろ プライドに命をかけられない男は男じゃないわ』
     『あの人だってそう…』

リボーンを思い浮かべてうっとりするビアンキ。
と、

クローム:『…お先します』

そう告げて立ち上がるクローム。イーピンがナイス水飛沫を上げているのが可笑しいです。

ハル:『はーい』
京子:『クロームちゃんあとで… …!!』 『背中 どうしたの!?』
クローム:『?』

クロームの背中にあったのは、斜めに大きく付けられた傷でした。
幻術士としての稀有な素質は持っていても、普通の女の子であるクロームが
イーピンやビアンキ相手に体術も身に付けることは、やはり容易ではないのですね。
…肩までお湯に浸かってたみたいでしたが、沁みなかったのか心配です。

クローム:『……』 『今日の修行のキズ…』
     『でも ボス達に比べれば』 『ずっと 少ないと思う』

少なくともツナは、今は傷を負うような修行はしていないなんて
言っちゃダメですかそうですか。
クロームがちょっと困ったように笑ったのが、心配された照れくささからなのか、
このキズこそが、ツナたちが京子たちに話さない事柄に関わるものだからなのかは
分かりません。ただ、過去に戻っても、クロームと京子、ハルの友情は
続いて欲しいと願います。

そして、クロームの言葉にズキンとする京子とハル。
自分たちの想像以上に、ツナたちが直面している状況が過酷なものだと感じたのでしょうか。

京子:『ハルちゃん!』
ハル:『京子ちゃん!』
京子とハル:『あ』 『……』

互いに同時に呼びかけた、その理由。それは

ハル:『男のプライドなんて ハルにはナンセンスで 全然ついていけませんけど…』
京子:『……一時休戦にしようか』

ボイコットの中断(←中止かな?)でした。
過酷な現実を、京子とハルの目から必死に遠ざけつつ頑張るツナたちが
修行に専念できるよう、サポートする決意をした二人。
仕方ないなという感じが、なんとも微笑ましいです。

それにしても、今回は女の子の裸体が盛りだくさんです。
ビアンキのお尻にハートのタトゥがあるとは、初めて知りました。

そして翌日。

部屋から出て、『は――』と盛大な溜息を吐きながら廊下を歩くツナに向かって、
ビアンキが走って来ます。

ビアンキ:『ツナ!!』 『大変よ!!』
ツナ:『?』
ビアンキ:『京子がアジトをとび出したの!!』
     『何も教えてくれない こんな所にいられないって!!』
ツナ:『何だって!?』

ビアンキの言葉に驚愕するツナ。ビアンキも焦った表情で、更に畳み掛けます。

ビアンキ:『今なら 間に合うわ!』 『急いで追って!!』
ツナ:『ジャンニーニ ハッチを開けてくれ!!』

ビアンキの言葉に、インカムを耳に装着し、ダッと一人駆け出すツナ。
ボスとしては軽率な行動ではありますが、仲間のために動く一人の少年としては
勇気ある姿であり、かなり成長したなと思います。

その背中に『京子は 街に向かったわ!!』と声を投げかけるビアンキの目の前に
姿を見せたのは、家庭教師の精の格好をしたリボーンでした。

リボーン:『ん?』
     『ツナをだまして どーする気だ?』
ビアンキ:『修行に行きづまってるみたいだから リフレッシュよv』

うっとりした表情でリボーンを見つめながらそう答えるビアンキの言葉に、
ニッと笑うリボーン。

リボーン:『悪くねーな』

よく考えたら、チョイスが始まるまで手を出さない約束ですので、
そう慌てることもないのですよね。
なんだかここにきて、ビアンキがツナのよいお姉さんのような感じがしてきました。
今回の女の子たちへのフォローといい、京子やハル、クロームにとっても
彼女は「お姉さん」なのかもしれません。

一方ツナは、京子を探して、川沿いの土手を走っていました。

ツナ:(どうしよう…!! 京子ちゃんに何かあったら…オレのせいだ…)

息を切らしながら、強張った顔でそんなことを考えていたツナの視界に、
見慣れた後姿が飛び込んできます。

ツナ:『!!』 (いた!!)

ツナ:『京子ちゃん!!』

その声に振り向いた京子には、当然のことながら、緊張感も怒りも皆無です。

京子:『ツナ君!』 『ツナ君もどこかへおでかけ?』
ツナ:『え?いや…あの……』
京子:『私は 買い物にいくところ』
  :『今日は一人で 外に出ても大丈夫ってビアンキさんが…』
ツナ:『へ…?』 『か…買い物?』

笑顔で告げられた言葉に、いまいち事情が飲み込めないツナは
荒い息のまま、彼女の言葉をオウム返ししています。

京子:『今日からまた みんなの分のご飯も作ることにしたの』
  :『今日はごちそうだよ!』
ツナ:『…あ!』 (ビアンキ だましたな!!)

ここでようやくビアンキにハメられたことに気付き、ガーンとなるツナの脳裏には
「フフ ウフフ」と薄ら笑いを浮かべるビアンキの姿と「毒蠍(どくさそり)」の
漢字二文字が浮かんでいました。
そんなツナを見た京子の『ツナ君 顔色悪いよ 大丈夫?』という発言が好きです(笑)。

ツナ:『え…いや…オレ…京子ちゃんが ボイコットで怒ってとびだしたかと思って………』
京子:『え…? …んーん もうボイコットは終わりにしたの』
ツナ:『!?』

あせあせと説明するツナに返ってきたのは予想外の答えでした。

京子:『ハルちゃんとツナ君達を信じることにしたんだ』
  :『だからもう 何も話さなくても 大丈夫だよ』
ツナ:『…………』

笑顔で言う京子の表情を、どこか虚を突かれたような、
きょとんとした顔で見つめ返していたツナでしたが、

ツナ:『いや…』 『話すよ』

ふと真剣な表情になり、そう告げます。
このツナの顔はとても凛々しく、強い決意が滲み出ています。
普段の子供っぽさをまったく感じさせません。

ツナ:『京子ちゃんを 探しながら 初めて 京子ちゃん達の気持ちを考えてみたんだ…』
   『そしたら 自分の身勝手さがよくわかったよ…』
   『まったく 何も知らないのと 何かあるって知ってて教えてもらえないのは別だよね…』

   『もうとっくに ひどい状況に 巻きこんでるのに…』

少し自虐的に笑って、先程よりは少し和らいだ表情で言葉を続けます。

ツナ:『もう 一緒に戦ってもらってるのに』
   『あるものを ないっていうのは ひどいことだって思ったんだ…』

ツナ:『だから 聞いてほしい…』 『ハルにも後で話すから…』
京子:『……』

ツナの言葉に、無言のまま京子はコクッと頷きます。
そして、京子と共に土手に座ったツナは、彼女にすべてを話したようです。

『今の状況… ミルフィオーレのこと 白蘭のこと…』
『奴らがマフィアで オレも ボンゴレファミリーの10代目候補だってこと… 今までの戦い…』
『途中 夕日の光の具合なのか 京子ちゃんの瞳がうるんでいるよに見えたけれど…』
『話したんだ…』
『京子ちゃんは 黙ってうなづいてた…』

掻い摘んで…ではなく、すべてを話したことに少し驚きました。
未来編のラストで気になる事項の1つに記憶の問題がありますが、
ツナがボンゴレファミリーの10代目候補であるということを
過去に戻った彼女は覚えているのかな?

ツナ:『そんな…感じなんだ…』
京子:『うん…』
ツナ:『おどろいた…?』
京子:『うん…』

率直な京子の反応に(…………本当にこれでよかったのかな…)と
自己嫌悪に陥りかけたツナですが、

京子:『話してくれてありがとう ツナ君』
ツナ:『え』 『…………』

笑顔でお礼を言われて、逆に不意を突かれたようです。

京子:『腰につけてるのが ツナ君の匣兵器?』

切り替えが早いです京子!素晴らしいです。

ツナ:『あ…うん』 『これだよ…』
京子:『その子が 悪さするんだね』
ツナ:『そうなんだ…』 『とてもこいつは オレの手には おえそうになくって』

そう言いながらツナが、ボンゴレリングに仄かに死ぬ気の炎を灯すと
「クンクン」という音をだしながら匣が動き出します。

ツナ:『こうやって 反抗ばかりして オレを殺す気なんだ』

困ったように告げるツナですが、京子は不思議な匣に興味津々です。

京子:『わあっ見せて!』
ツナ:『え゛!!』
   『ダ!ダメだよ 危ないんだ!!』 『京子ちゃんに何かあったら!!』

慌てるツナの手の中で、匣は一層その動きを激しくします。
それに更に慌てるツナ。

ツナ:『ホラッスキを狙って襲う気だ!!』
京子:『ごめんなさい!!』
ツナ:『こいつ…』
京子:『……』

若干匣の動きが落ち着いた頃、青褪めつつ匣をじっと見つめるツナと
またもや「クンクン」という音を出している匣の様子とを見ていた京子が
何かに気付きます。

京子:『!』 『その子…』 『本当は すごくツナ君と仲良くしたいのかもね』
ツナ:『……』 『え?』

笑いながら京子が発した言葉に、唖然とするツナ。

京子:『ツナ君の気持ちと 同じ気持ちになってるもん』
ツナ:『同じ…気持ち?』
京子:『ツナ君が 不安で ドキドキすると』
   『一緒に不安になって ビクビク~って 震えてるみたい』

一般的に女性の方が、相手の些細な表情の変化に気付きやすく、
また表情から感情を読み取りやすいとは言われています。
ですので、京子が、匣の動きとツナの感情の関係に気付いても
全然おかしくはないのですが、なんだかツナの超直感が喰われている感じがします;
超直感(=見透かす力)は対人間でないと効果がないとされていますが、
ツナが成長するにつれ、あらゆる物事に通じるようになれば最強だろうなと思います。

京子の言葉をにわかには受け入れがたいツナ。

ツナ:『…でもこいつは 震えるどころかオレを殺そうと…』

と、匣兵器と戦ったときのことを思い出し、はっとします。

ツナ:『!!』
   (あの時も…急に不安になったんだ…………)
   (何だか怖くなって…)
   (心の中でこいつを拒絶したんだ)
   (そしたらオレを襲ってきた…)
   (オレがこいつを 拒めば拒むほど 力を増幅させてきた…)

京子の言葉で思い浮かんだ1つの仮説。それは

ツナ:(まさかこいつ…オレの心を…うつしてるのか…!?)

今は微動だにしない匣。

ツナ:『……』

無言のまま、じっとその匣を見つめるツナ。
そして、匣の中から同じようにツナをジ…っと見つめる匣兵器の瞳で以下次号!!

長くなりましたので、感想の続きは別途記載致します。


WJ19号 KHR 標的236『ボイコット』

2009-04-04 04:39:19 | 雑誌[J]
久々登場の、了平のノーマル匣兵器 漢我流と
獄寺のノーマル匣兵器 SISTEMA C.A.I の瓜とが
対決している表紙の今号。
「守護者の覚悟と己の誇りを力に変えて…それが匣アニマル!!」という
アオリがかっこよいです。

さて本編。
今後の修行の進め方について、ディーノからツナたちに
説明がされている場面からスタートです。

ディーノ:『修行の説明は以上!!』
     『各自 修行場所は自分で選べ。バジルは 自分の修行をしながら
      みんなをサポートしてくれるからな』
バジル:『よろしくお願いします!』

なんだか、教師と学級委員長のようなノリです。
結局、総監督の位置付けのディーノ自身がどう動くのかは
あまり詳細には分からないままですね。
それにしても、バジルの優しげな表情は和みます。

獄寺:『芝生頭とアホ牛!! ノートとえんぴつを持って図書室に来い!!』
    まずは理論を頭に叩き込む!!』
ツナ:(獄寺君の理論指導きたー!!)

「ツナに任された」と燃えている獄寺ですが、
勉強苦手そうな二人に対し、理論指導はかなり無理があると思います。
そして久々、日常編のようなツナのツッコミが来ました(笑)。

山本:『ありゃあ 大変そーだな』
ツナ:『だね…』

それを苦笑しながら見守る山本とツナの会話は、
本当に仲のよい友人同士という感じがしてよいです。

山本は修行が始まるまで自主練。
そしてクロームも、ビアンキとイーピンと共に修行開始。
それぞれ各自の修行場所へと移動し、やがて誰もいなくなります。
残されたのはツナのバイクのみ…のはずですが、

『………いきましたね』
『うん…』

バイクの後ろの壁から2つの声がし、次の瞬間『ぷは~~っ』と言いながら
現れたのは、唐草模様の風呂敷で頬かむりをした京子とハルでした。
格好は泥棒ですが、行動は忍者よろしく、布でカモフラージュして
壁と同化していたようです。なかなかやります。

ハル:『バッチリ聞いちゃいましたね♪』
京子:『ドキドキしたね!』

フフッと笑いあう二人が可愛いです。

ハル:『ハル達だけに 隠し事してるのはわかってるんです!』
   『いつまでも のけ者にしようとしても そうはいきませんよ!』

明るい顔で決意を述べるハルの、頬かむり姿は眩しいですね。

京子:『ところでハルちゃん ディーノさんの言ってること わかった?』
ハル:『え!……それが1/3ぐらいしか……』
京子:『………だよね』

ちょっと落ち込み気味な雰囲気が漂う京子とハルですが、
場面変わりツナサイド。

右手にボンゴレリング、左手にボンゴレ匣を準備して
ディーノに言われたとおり、一人での修行開始です。

『始めるか…』と言いつつ匣を見やるツナ。その脳裏に浮かぶのは
前回開匣したときに襲い掛かってきた怪物の顔でした。

ツナ:(また あの怪物が出てきたら…どうしよう…)

その考えを振り払うように、『ええいっ』とリングに炎を灯します。
と、匣からクンクンという声がします。

ツナ:(あの時と同じだ…)
   『いいか』 『今度 暴れたら オレも全力で叩きつぶすぞ!』

珍しく強気なツナです。
が、内心かなりドキドキしていたようです(笑)。それでこそツナです。

しーんとなった匣に(……………言葉が通じた…?)と思った次の瞬間
匣が激しく動き始めます。

ツナ:『わっ』『怒ってんのか!?』

ツナの手諸共激しく暴れる匣にビビるツナ。

ツナ:(前より凶暴化してるぞ!!こんな奴 一体どーすりゃいいんだ!?)

匣の扱いに早速行き詰っていますが、匣の状態でこんなに意思表示をする匣兵器も
珍しいのではないでしょうか。
また、ちゃんと言葉は通じているようなのがまた面白いです。
なんだか、ちゃんと開匣できた暁には、ツナにとって最高の相棒が
出てきてくれるのではという期待が高まります。

場面変わり図書室では、一般に言われている「静かに」という注意事項を
まったく無視した了平の叫び声が響いていました。

了平:『よーし!!』『出でよ!』 『漢我流ー!!』

ノーマル匣とは言え開匣に成功し、凛々しく男前なメスである漢我流が現れます。
その姿に驚きつつも嬉しかったのでしょうか、『あ…あいつを蹴ってみろ』と
指示する了平。その言葉どおり、獄寺に飛び蹴りを喰らわせる漢我流の
スペシウム光線ポーズの手がなんとも言えません。
左頬にまともに漢我流の蹴りを喰らい、吹っ飛ぶ獄寺ですが、
了平は全然気にしていません。

了平:『おおっ』 『開匣できた上にオレの言うことをきいた!!』
   『なんと頼もしい奴だ!』 『次はボンゴレ匣を開匣だ!!』

ダンッと力強く着地した漢我流とガシッと肩を組む了平。
晴の守護者と匣兵器コンビは息がぴったりで、見ていて気持ちがよいです。
一方吹き飛ばされた獄寺は『てんめー』と言いながら吹き飛ばされた先で
自分に覆いかぶさっていた本棚を退けながら起き上がります。

獄寺:『説明中に誰が 開匣しろっつった』 『しかも オレを実験台にしやがって!!』

こめかみから血が噴出してる獄寺の傍らで、瓜が了平と漢我流を睨んでるのも
またよいですね。

リボーン:『一発で炎を灯し開匣するとは やるな 了平』 『さすが"常時死ぬ気男"』
獄寺:『リボーンさん!!』 『いつのまに!?』

獄寺の横に、シュルーッとワイヤーで吊るされた状態で降りてきたのは
家庭教師の精でした(笑)。
そして流石は天野先生。了平が常に死ぬ気であるという設定を覚えてらっしゃいました。

リボーン:『それに 匣兵器がなついてるのも感心だよな』
獄寺:『で…ですが まず理論を学ばねーと』

リボーンの言葉に反論する獄寺ですが、そんな彼を目掛けてピョンと跳ねた瓜に
そのまま激しく顔を引っかかれます;

瓜:『ニャオオオ!!』
獄寺:『ギャッ瓜っ!!』 『さっきエサやっただろ!?』
リボーン:『誰かの匣兵器とは えらい違いだな』

りぼーんが笑いながら様子を見ている嵐の守護者と匣兵器コンビですが、
そこにランボが乱入します。

ランボ:『いいじょ!!』 『もっとやれー!!』
    『獄寺死(ち)ねー!!』
獄寺:『ギャッ』

獄寺の左目目掛けて「ガスッ」とパンチを繰り出すランボ。
これもまともに喰らった獄寺は『てめーが果てろ!!』とランボを殴り飛ばします。
了平が『チビに暴力はいかんぞ!』と羽交い絞めして止めますが、
『るせっ』『てめーら 生徒失格だ!!』と獄寺の怒りはおさまりません。

体得派を教える頭脳派は苦労します。
やはり獄寺は、なんだか損な役回りが多いですね;

一方、吹っ飛んだランボは、床に仰向けに寝転がった状態です。

ランボ:『が…ま…』『うわああああ』

大泣きしだしたランボですが、直後、ボンゴレリングから激しい雷が迸ります。

リボーン:『お』 『雷属性の 死ぬ気の炎を出してやがる』
獄寺:『なに!?』

サッとサングラスを取り出すリボーン先生は、流石準備万端です。

ランボ:『あのバガ!!獄寺のバガ!!』
    『死(ち)ね!!バカ者共がぁ!!』

「うわあああ」と泣きながら、ガスガスとボンゴレリングをボンゴレ匣へと
差し込むランボ。
彼もヒバリと同じく、ムカツキが覚悟と同等の価値を持つのでしょうか。

了平:『おっおい!!ボンゴレ匣にリングの炎を…』
獄寺:『注入しやがった!!』

ボンゴレ匣のリングはめ込み部分の装飾、そこに縁取られた丸い飾りから
ババババという音共に光が奔り、大きな音を立てて匣兵器が姿を現します。
その正体は、雷のリングの紋章を有した鎧のような飾りをつけた、大きな黒い牛でした。
まるで闘牛のようないでたちの、雄雄しく巨大なそれは、泣いているランボを
頭に乗せ、真っ直ぐに獄寺たを睨みつけます。かっこよいです。

了平:『う…牛だ!!』
リボーン:『ボンゴレ匣 開匣第一号だな』

驚く了平と獄寺を他所に、リボーンは満足気です。
確かに、若干5歳でありながら、いきなりボンゴレ匣を開匣するとは
なかなか将来有望ですね。

ランボ:『バカ者どもぉ!!みんな死(ち)んじゃえ!!』

今話のランボは、ちょっとウザいですね;
そんなランボの声に応え、ギロと睨んでくる目は、ツナの匣兵器と同じく
瞳が3つあります。ボンゴレ匣兵器は、すべてこうなのでしょうか。

ザッと足で砂を蹴り、突進の構えを見せる黒牛の様子をみて、
『まさか…突進してくるんじゃねーだろーな…』と構える了平と獄寺。
併せて、庇うように了平の前に陣取り、構える漢我流と、獄寺の頭の上で
毛を逆立て威嚇する瓜の姿がありました。

と、バチツと大きな音がし、獄寺がその姿を見失った次の瞬間
巨大な放電が起こり、響き渡る「ギャッ」という声。


こうやって オレ達の新兵器 ボンゴレ匣の修行が始まった
修行方法はみんな 違うけれど
休憩時間に 顔を合わせると 順調かどうかは だいたいわかるんだ

獄寺:『お疲れ様です10代目!!』
ツナ:『獄寺君とお兄さ…』 『え゛!?』

風呂上りで、頭をタオルで拭いていたツナが廊下で会ったのは
焦げたり傷を負ったりしてボロボロ状態になった獄寺と了平、
そして獄寺の肩にしがみ付いた格好のランボでした。

ツナ:『どっ』 『どーしたのその顔!!』
獄寺:『アホ牛が ボンゴレ匣を開けまして…』
ツナ:『ランボが!?』
獄寺:『気づいたら 全員気を失ってました…』
了平:『今日はもう 続行不可能だ…』 ガシガシ
ツナ:『大丈夫なんですか?』

ガシガシとタオルで顔を拭く了平。
彼はまだ、漢我流の治癒能力を知らないのかな?
それとも、開匣する気力がなくなった…ということなのでしょうか。
どちらにせよ、まだとりあえず開匣できただけ、のようですね。

了平:『なんとかな…沢田はどうなのだ?』 『開けたか?ボンゴレ匣!!』
ツナ:『…いいえ』 『たぶん今開けたら前のくり返しです…』

ちょっと沈んだ感じで静かに答えるツナのこの表情は
初めて見た気がします。

山本:『おまえら ボンゴレ匣で修行できるだけいいじゃねーか』
   『オレなんかおあずけだぜ…』
ツナ:『山本…』

山本も合流し、廊下で顔をあわせたツナ、獄寺、山本、了平。

初日はみんな不調だった…
そして こんな時に限って ずっと眠っていた他の問題が 突然やってくるんだ…

『あの…お話があるんですが』

不意に響いた声。
振り向いた山本の後ろに立っていたのは、表情を消した京子とハル。
そして、彼女たちの後ろに壁に背を預けて、腕組をしたビアンキが立っています。

山本:『よっおつかれ!』
ツナ:『ハル どーしたんだ?』 『京子ちゃんも一緒…?』

笑顔で二人に声をかける山本とツナですが、ハルは表情を消したまま
言葉を続けます。

ハル:『ごまかしても仕方ないので』 『単刀直入にいいます』
   『私達にも 白蘭とか ミルフィオーレとか マフィアとか』
   『今 起きてることを もっと詳しく教えてください!!』

その言葉に、一様に驚くツナ、獄寺、了平、山本。

ツナ:『ちょっ…な…ななな………何言ってんの?』
   『ミ…ミルフィオーレ?マフィア? ……な なんだそれ?』

引きつった笑顔で言葉を濁すツナ。
DEATH NOTEで、魅上と対話したときの月のような誤魔化し方だなんて
言ってませんよ言ってません。
ハルは、リボーンやツナがマフィアと関係があると知っているはずですから、
ここでは京子の声も代弁していると考えてよいでしょう。

ハル:『ごまかしても無駄です!!私達に隠し事があるのはわかってるんですから!!
    ハル達も みなさんと一緒に生活をしている以上 真実を知る権利はあります!!』
ツナ:『うそ…』 『急に…どーして…?』
   『ビアンキ!!』
ビアンキ:『私は何も話してないわよ。この子達が 自分達の意志と力でつきとめたのよ』
京子:『ツナ君』

それまで黙っていた京子の呼びかけに対し、注意を向けたツナ。
そのツナに対し、彼女は切なる願いを訴えます。即ち。

京子:『私達も一緒に戦いたいの!』

ツナ:『………』(…京子ちゃん)
了平:『京子…!!』

そんな彼女の表情と言葉に、思わず固まるツナとうろたえる了平。
この部分については少し思うところがありますが、
長くなりそうなので後述します。

ツナ:(京子ちゃんがそんなこと… でも…)
   (でもダメだ!!京子ちゃん達を危険な世界に巻き込んじゃ…
    オレ達の戦いのことなんて知らなくていいんだ!!)

京子の真摯な眼差しを受け、ツナが考えて出した結論は「現状維持」。

ツナ:『気持はうれしいけど…本当にもうすぐなんだ!!』
   『もうすぐ なにもかも終わって元の世界に帰れるから…
    だから オレ達を信じて もう少し我慢して…くれないかな』

困ったように笑いながら、でも視線を合わせることは出来ずに
そう告げたツナ。その言葉を聞いた京子とハルは、失意を隠そうとしません。
悲しそうな表情を浮かべた二人ですが、、

ハル:『わかりました』 『では私達も それなりの措置をとらせていただきます』
ツナ:『へ?』

突然の強気の発言についていけないツナ。

ハル:『ツナさん達が真実を話してくれるまで』
   『ハル達は家事をしませんし』
京子:『共同生活をボイコットします!!』

どこからか出した、『情報の開示を』『秘密反対!!』と書かれた
手作りのプラカードを掲げ、そう宣言した京子とハル。

ビアンキ:『悪いわねツナ』 『私は この娘達につくわ』
クローム:『…私も…』 『…ボスごめん』

京子とハルの間に立ち、二人の肩に手を掛けたビアンキ、
風呂上りでタオルを首から提げたクローム、
そのクロームに抱っこされていたイーピンまでも、
京子たちへの同調の意思を示し

ツナ:『え!!え───!!?』

思わぬ事態にガーンとなったツナで以下次号!!

ラストにかけて、話が重くなるかとドキドキしましたが、
最後のノリが軽かったお陰で、そこまで暗くならずに済みました。

ランボの匣兵器は、予想どおりでしたが、
あんなにかっこよいとは思っていませんでした(笑)。
漢我流や瓜が出てきてくれるのは嬉しいのですが、
バジルが放置気味なのが寂しいです。

そして、以下今回思ったこと。

ミルフィオーレは、チョイス開始まで一切手を出さないということですから、
実際に京子たちが共同生活をボイコットして、彼女たちだけで生活するのには
何の問題もないとは思います。
ツナたちにしても、料理は山本や獄寺が出来そうですし、
洗濯はバジルが得意なようですから、なんとかなりそうです。
ですが、正直この展開は複雑です。

自分が置かれている状況について、本当のことが知りたいという
彼女たちの気持ちも分かります。
「オレ達の戦いのことなんて知らなくていい」というツナの気遣いが、
自己満足(エゴ)だという見方も当然できますし、14歳の女の子に
『ただひたすら男を信じて待つ女』を求めてもいません。

ただ、10年後の世界に来た直後、リボーンに状況を説明された後の
京子たちの様子を見ていたツナが、彼女たちに真実を隠そうとする気持ちも
少しは分かって欲しかったです。

また、勝手ながら、ツナたちが全力で戦えるようにサポートするのが
京子たちにとって『できること』であり、即ち『共に戦う』ことだと思っていました。
ですので、今回の京子の「一緒に戦いたい」というのは、正直よく分かりません。
何より、彼女たちが死ぬ気の炎を灯し、開匣して戦うというのは考えにくいです。
もしかしたら、チョイスというゲームの性質上、絶対必要なのは「拠点」ですから、
女性陣を参加させ、そこに配備するための伏線かもしれませんが。

とはいえ、ツナがどこまで真実を話すのかということと併せて、
京子たちに話をするときの心情が気になります。
「女の子が家事をしてくれないと困る」という理由では
あって欲しくないです。
そんな駆け引きではなく、ちゃんと彼女たちのことを考えた上で
話す・話さないの結論を出し、伝えて欲しいと思います。
そして仮にツナが、すべてではなくても真実を伝えたとき、
それをしっかりと受け止める強さを、京子たちはもっているべきですね。

この先、彼女たちのやりとりをとおして、ツナがボンゴレ匣を開匣する
ヒントを掴む展開だけは、裏切って欲しいです。

チョイス開始まであと1週間。
入江やスパナ、ジャンニーニたち技術者チームの進捗具合も気になりますし、
漁船に乗り込んだスクアーロを始めヴァリアーの動向、
ヒバリや骸の現状も気になります。
そして、獄寺の気苦労が少しでも減り、彼自身もスキルアップできることを願います。
# メローネ基地から帰還後にすると言っていたビアンキとの話も放置状態ですしね;

なにはともあれ、次回も楽しみです!