箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ12号 KHR 標的278『「海」「貝」「虹」』

2010-02-24 02:29:34 | 雑誌[J]
ボンゴレを創った男、プリーモが表紙の今号。
ストライプ地のスーツにマントを羽織り、死ぬ気の炎を額に灯した臨戦態勢なのを見ると、
やはり彼も「戦士」だったのかと改めて思います。

さて本編。

ツナと向き合う形で現れたボンゴレⅠ世。
笑顔で『何の遊びだい?綱吉クンのソレは』 『誰なのかな その男は?』 と問いかけた白蘭に、
『ボンゴレファミリーの初代のボス』 『ボンゴレⅠ世(プリーモ)』 と答えたのはユニでした。

白蘭:『Ⅰ世(プリーモ)? ハハハ からかうのもいいかげんにしてくれる?』
   『そんな大昔のご先祖様を ホログラムで投射するなんて 悪趣味にも程があるよ』
ユニ:『ホログラムではないです』 『あなたもそう感じているはずです』
   『これは7^3(トニリセッテ)の中でも あなたのマーレリングにも私のおしゃぶりにも起きない』
   『ボンゴレリングの"縦の時空軸の奇跡"』
白蘭:『縦の時空軸の…』
骸:『奇跡?』

流石に骸も、この現象についての知識はなかったようですね。
XANXUSも、ボンゴレに関する聞き慣れない言葉に反応しています。

産まれた時から自分の記憶に焼きついている詩について話すユニ。

  海はその広がりに 限りを知らず
  貝は代を重ね その姿 受け継ぎ
  虹は時折現れ はかなく消える

 マーレとは「海」
 ボンゴレとは「あさり貝」
 アルコバレーノは「虹」
 そう…この詩は7^3のそれぞれの大空の在り方を示しています

 どこまでも広がる「海(マーレ)」は横の時空軸
 すなわち 平行に広がる平行世界(パラレルワールド)に生き
 代を重ねる「あさり貝(ボンゴレ)」は縦の時空軸
 すなわち過去から未来への伝統の継承に生き
 そして「虹(アルコバレーノ)」はどこにも とどまらず
 その両方に線ではなく 点として存在するものということです

ユニ:『つまり白蘭がパラレルワールドから知識を得られる能力をもつのと同じように』
   『沢田さんには 沢田さんが受け継ぐボンゴレの「時間」があるのです』

その言葉にツナは、ボンゴレの証を継承したときのことを思い出します。
確かにあのとき、「リングに刻まれし我らの時間」という文句が出てきましたね。

この性質は大空のみの特性ということらしいですが、ユニが精神だけでも
パラレルワールドへと逃れられたのはマーレリングのお陰と考えてよいのでしょうか。
それとも、縦と横の時間軸、その両方に存在できるアルコバレーノの大空の性質として
それをなしえたのでしょうか。

白蘭:『悪いけどユニちゃん その話に信憑性はないなあ』
   『だって僕が初めてパラレルワールドを意識できた時 僕はまだマーレリングをもっていなかったんだよ?』
ユニ:『それはあなたが』 『リングに選ばれた適応者だったからです』
   『ボンゴレⅠ世(プリーモ)と同じように』

意地悪そうな笑みでユニの言葉を否定する白蘭に対し、冷静に返すユニ。
その言葉に何を思うのか、Ⅰ世は少しの間を置いて、ツナに話しかけます。
それにしても、ボンゴレⅠ世がボンゴレリングを手に入れた経緯が気になりますね。

Ⅰ世:「さあⅩ世(デーチモ) おまえの枷をはずそう」

実はユニの話が終わるのを待っていたのかとか、思ってはダメですかそうですか。
思いがけないⅠ世の言葉に驚く獄寺たち。
ツナと向き合う形で静かに話すⅠ世によると、今のボンゴレリングは仮の姿だそうです。

Ⅰ世:「ボンゴレリングはある時より厳格な継承をするために 2つに分割し ボスと門外顧問の2人が保管することとなった」

リング争奪戦でのハーフボンゴレリングが、まさにこの形状ですね。

Ⅰ世:「だが 分割できる構造を保つために 同じ7^3のマーレリングやアルコバレーノのおしゃぶりに比べ 炎の最高出力を抑える必要があった……」
   「しかしもうその必要もない おまえになら このリングの本当の意味とオレの意思をわかってもらえそうだからな」

厳格な継承が必要とされるようになったポイントとは何でしょう。
何か大きな出来事があったのだろうとは思いますが。
また、Ⅰ世はずっとリングの中で、ボンゴレリングの継承に携わってきたのでしょうか。
ボンゴレリングの炎の最高出力を抑え、ハーフボンゴレリングへと形状を変えたのも
Ⅰ世の力だったということでしょうか。

今ここでその枷を外すということは、この戦いが終わった後、もしくは
ツナがボスの座を退くときには再びハーフボンゴレリングへと姿を変えるのか、
もしくは、Ⅰ世の意志を酌んだツナが、リングに対しなにかアクションを起こすのか
気になるところです。

Ⅰ世とツナの甲が合わさり、激しく炎が迸ります。
それはツナのグローブだけでなく、6人の守護者のリングも同様に光り、
一回り大きくそして豪奢なデザインとなったボンゴレリングが姿を現します。

ツナ:『!』 『これが原型(オリジナル)のボンゴレリング!!』

ボンゴレリングを見つめるツナの右肩に、「Ⅹ世(デーチモ)」 という声と共に
Ⅰ世の右手がポンと置かれます。

Ⅰ世:「マーレの小僧に 一泡吹かせてこい」

ツナの肩を抱き、白蘭に対し不敵な笑みを浮かべたⅠ世は、さすが
白蘭を小僧呼ばわりできるだけの組織の創始者としての貫禄がありますね。

フッと姿を消してしまったのが残念でなりません。

白蘭:『ハハッ』 『相当ふざけたご先祖だね!』

笑いながらそう言った白蘭の背中に突如加えられた攻撃。
ツナが放ったⅩ BURNER が、見事に白蘭の背後を捕らえていました。
そのあまりの早さに、何が起こったか分からず驚くベル、犬。
一瞬、ツナが本当のことを言われて怒ったのかと思ったなんてことは全然ないですよありませんよ。

結界の端まで吹き飛ばされた白蘭ですが、

白蘭:『ふーん…』 『少しはできるように』 『なったのかな!?』

すぐさま白龍と共にツナ目掛けて突撃してきます。

ツナ:『ナッツ!!』

ツナの声と同時に形状を変え、白蘭の攻撃を受け止めるナッツとツナ。
先程までの一方的な展開と違い、すさまじいパワーのぶつかり合いとなっています。
その変貌ぶりに驚いたのか、白蘭も目を見張りますが
瞬時にナッツの形状を変えたツナは攻撃の手を緩めません。

ツナ:『バーニングアクセル!!』
白蘭:(切り返しが早い!!)

白拍手を繰り出す白蘭の手から噴出す血。それだけツナの攻撃が強かったということでしょうが
ここに来ても白蘭は余裕です。

白蘭:『ハハッざーんねん♪』 『ここまで僕はまだ8割しか力をだしてないよ』
ツナ:『オレは5割だ』

…パワー出力数字の自慢は、子供の喧嘩に発展しそうでドキドキしますね(ぉ)。

再び白蘭の背後に回り込み、背中へと強烈な一撃を放つツナ。
流石に『ぐわあ』 と声をあげた白蘭の翼を両手で掴み、体を回転して
脳天に踵落としを喰らわせたお陰で、白蘭の顔が大変なことになりました。

文字通り翼をもがれた白蘭は、蹴られた勢いそのままに地面へと激突します。
ツナの強さに驚く面々を前に、ツナは宙から白蘭に声をかけます。

ツナ:『どうした白蘭』 『翼がなければ ただの人か?』

それに応えたのは「プハーハハハ ヒヒヒヒヒ アハハハッ」という笑い声でした。
血まみれで大笑いする白蘭。

白蘭:『すごいよそこの綱吉君』 『君は無数のパラレルワールドの中で 唯一僕に血を吐かせた個体だ!!』
   『いやあ うれしいなあ』 『こんな日がくるとはねー』

クククと笑い続ける白蘭は、本当に嬉しいのでしょう。その理由は。

白蘭:『何がうれしいって…』 『生まれてはじめて』
   『全身の力を』 『使い切ることができるよ!!』

炎の翼が生えていたであろう部分から血を迸らせ、
今度は紅い翼を生やした姿で笑う白蘭で以下次号!!

前回Gに許しを貰い、自分でもそう宣言したとおり、
やりたいようにやった感がありますⅠ世ですが、ここまで彼自身に
スポットライトが当たったのは初めてではないでしょうか。
彼がでてくるとテンションが上がります(笑)。

ボンゴレリングとマーレリング、そしてアルコバレーノのおしゃぶりが
最初に歴史に登場したときのことや、Ⅰ世がそのリングを手にした経緯、
初代ボンゴレファミリーの話、そしてボンゴレの継承が厳格化された理由など、
気になることがたくさんあります。
また、今回は解説役すら初代に奪われてしまったツナ以外の面々についても、
まだまだ戦闘の見せ場が欲しいと思います。

ところで、チェルベッロ機関やデイジーは今どこで何をしているのでしょう?

3月4日発売の最新刊の表紙は獄寺&Gということで、こちらも楽しみですね。
密かに、今回どれだけの修正が盛り込まれているかも気になっていることは秘密です。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ11号 KHR 標的277『不運』

2010-02-13 14:48:36 | 雑誌[J]
ボンゴレリングを右手の中指にはめ机に向かって勉強しているツナに
銃を向けたリボーンが表紙の今号。
「出会った時から変わらぬ関係!スパルタ教師×ダメダメ生徒!」というアオリが
なんとも言えず素晴らしいですね。
日常編では当たり前の光景だった怯えた顔のツナと、ポップな雰囲気なロゴが可愛いです。

さて本編。

大空の結界の中でリボーンの言葉を聞きとがめた白蘭。
ハルや京子も、ようやくこの場へと到着したようです。

白蘭:『!!』 『綱吉クンが』 『僕を倒すと言ったのかい?』
リボーン:『そうだ』
白蘭:『何を見てたの?リボーンクン』 『綱吉クンは今 完全に壊したよ!』

小馬鹿にしたように一笑に付した白蘭に、リボーンは激昂するでもなく、淡々と告げます。

リボーン:『ツナの死ぬ気をなめんじゃねぇ』 『第一 勝てるかどうかなんて言ってんじゃねーぞ』
     『ツナ お前は白蘭を倒さなきゃなんねーんだ』

倒れ伏している生徒を信頼しての言葉。それがツナに届いていると疑わないリボーンに
ただ一人10年後の存在である骸は(あの頃と同じですね…)と思いを馳せます。
骸にとってリボーンは (必ず沢田綱吉のピンチに現れて 導こうとする家庭教師リボーン) という
認識のようです。

白蘭:『ぷっ』 『アッハハハ ビックリだな!』
   『何を言い出すかと思えば このご時世に「ねばならぬ」のド根性精神論かい!?』
リボーン:『これがオレのやり方だ』
     『いいか ツナ』 『死ぬ気で戦ってんのはお前だけじゃねぇ』
     『ユニもお前達を平和な過去に帰すために』 『命を捧げるつもりなんだぞ』

リボーンの言葉に驚く山本や太猿たち、γだけは目を伏せていることから、
彼がリボーンに一人伝えられたのは、このことだったのかもしれませんね。
アルコバレーノの復活は、世界の秩序を取り戻すだけではなく、ツナたちを
平和な過去に戻すためにも必要不可欠なことなのだそうです。
そのために、ユニは命を賭けるつもりだと。

『え?』 『そうだったの?』 という白蘭が妙に楽しそうなのは、
それを知った以上、ユニを止めればよいだけだと思っているからでしょうか。

ユニ:『おじさま…それを知って…』
リボーン:『あたりめーだ それくらいの見当はつく』
     『お前は 死んだばーちゃんのルーチェにそっくりだからな』

ルーチェは完全に死亡していて、今はユニが大空のアルコバレーノであるが故に
彼女は復活はしないのですね。

白蘭:『ふーん』 『そんなバカげたこと ますますやめさせなきゃね』
   『ユニちゃんの命は』 『僕のためにあるんだもん♪』

笑みを浮かべてユニへ向き直った白蘭が『さあ』 と声をかけた次の瞬間。
『げほっ』 という声が響きます。

ツナ:『がはっ』 『うう…』

荒い息を吐きながら、僅かながら体を起こしたツナに、『沢田さん!!』 と叫ぶ
ユニの表情が印象的です。

白蘭:『アハハ 綱吉クンてば 本当にリボーンクンの叱咤激励で起きちゃったよ』
   『すごいコンビだなあ君達』
ツナ:『ユ…ユニは…』 『お…お前に…わたさ…ないぞ…』

白蘭の軽口には応じずそう答えるツナですが、

白蘭:『ハハッ』 『震えてんじゃん!!』

白蘭の言うとおり、ツナの体はガタガタと震えています。
怪我のせいかと思いきや、どうやら白蘭にコテンパンにされた恐怖を体が忘れられずに
怯えてるようです。更には、

ディーノ:『まずい…ツナの死ぬ気モードがとけている…』 『とても戦える精神状態じゃない!!』

ディーノの指摘どおり、超死ぬ気モードではないツナでは、白蘭に対応する術などないでしょう。

白蘭:『こんな恐しい状況で目覚めちゃうとはアンラッキーだったね
    あ! でも綱吉クンの場合 中学生になってから不運の連続か~』
   『君のことは よく知ってるんだよ』

あくまで強者の笑みを浮かべたまま、調べ上げたツナの情報を並べる白蘭

白蘭:『君は 勉強も運動もダメで不登校な ただの中学生だったのに
    ある日突然 すご腕の殺し屋がやってきて 巨大マフィアのボス候補だと告げられ
    恐ろしい裏社会に放り込まれてしまう』

初期の頃の本作の纏めでしょうか。ツナは不登校でしたっけ?(←聞くな)
この頃の裏社会も確かに恐ろしいですが、トマゾファミリーを見る限り
別の意味の恐ろしさだと思います。

白蘭:『それからは命懸けだ 争い事なんて大嫌いなのに 抗争やらボスの座の争奪戦に巻き込まれちゃうんだからね』

黒曜編とリング争奪戦は1行で片付きました(笑)。
それにしても、リング争奪戦はボンゴレ内部の話だと思っていたのですが
案外筒抜けなのですね。これもチェルベッロ機関からの情報でしょうか。
「守秘義務」なるものを教えてあげたい彼女達の正体が明かされるときはくるのでしょうか。

白蘭:『そして 最大の不運は』 『この時代に来ちゃったことだよねー』
   『こんなところに連れてこられなければ こんなひどい目に遭わなかったって』
   『自分の運命を呪っちゃうだろ?』『んね♪』
ツナ:『…………』

楽しそうに笑いながらツナの前に立って話しかける白蘭に、震えながらもツナは答えます。

ツナ:『いいや…』 『それは…少し…ちがう気がする…』

思いがけない返答に、思わず動きの止まる白蘭に、
ユニ、リボーン、京子とハルがツナの言葉を待ちます。

ツナ:『…そりゃ…たしかに…』 『未来は…恐くて…痛くて…不安ばかりで 心から嬉しい時間なんてほんのちょっとだったけど…』
   『…今なら…』 『今なら少し…わかってきた気がするんだ…』
   『…いいとか悪いとかじゃない…』 『…未来(ここ)でのことは……』
   『全部 大事なオレの時間だって…』

ぐっと拳を握り締めてそう告げるツナをじっと見る獄寺とヒバリ、山本は何を思うのでしょうか。

白蘭:『ヘー 君は変わった物事の捉え方をするねー』 『でも よーく考えてみてほしいな』
   『殺されちゃったら』 『そんなの 負けおしみだよ♪』

言いながらキュオオと音を立てマーレリングに炎を灯した白蘭は、やはり笑みを崩しません。
まずい状況とわかっていても、結界に阻まれ止めることすらできない守護者達。

白蘭:『んん そーだなあ』 『今の綱吉クンなら』 『ミニ白竜を心臓に一突きすれば』 『十分♪』
ツナ:『ひぃっ』 『まっまって!!』
白蘭:『またないっ』

…何故でしょう、そんな状況ではないとわかっていても、このやりとりは和みました(笑)。
ドスッと心臓に突き刺さったミニ白竜の一撃に、どっと仰向けに倒れるツナ。
必死に叫ぶユニと獄寺、山本。京子とハルにいたっては、目に涙を浮かべています。

白蘭:『さあユニちゃん』 『君の救世主はいなくなったよ』

嬉々として両手を広げてユニへと向き直る白蘭ですが、『いっ…』 『いってー!!』 という声に
流石に驚いた様子です。

ツナ:『ガハ ゴホッ』

息を荒げながらも身を起こしたツナは、なにを思ったかビリッと自分のシャツを破きます。
毛糸の手袋着用したままやるとは、なかなか器用だとか言ってはダメですかそうですか。
シャツの下から見つけたものを、掌にのせたツナ。それは

ツナ:『こ…このリングは!!』 『……ランチアさん!!』
白蘭:『!』 『首にまいたリングに助けられただって?』

10年前に ランチアがツナに贈ったリング。それをツナは首に提げていたのですね。
回想シーンとは言え、久々にランチアが登場したことは嬉しいです。
なんだか髪の毛が増えたような気がするなんて言ってません。

ツナ:『…やっぱり…そうなんだ…』 『オレは全部に支えられてる…』
白蘭:『?』

ツナの独白を、リボーン始め仲間達がじっと聞いています。

ツナ:『この未来にきて なくてよかったものなんて1つもないんだ』
   『つらいことも…』 『苦しいことも…』 『楽しかったことも…』 『そしてみんながいたから』
   『オレは…ここにいるんだ……』
   『未来(ここ)で手に入れた』 『技も』 『武器も』
   『ただ じっとしてたら完成しなかったし……』 『みんながいなきゃ完成しなかった…』
   『オレ…不運どころか…』 『ついてるよ……』

   『みんなと未来(ここ)にいた時間は…』 『オレの宝だ…』

ボロボロの格好で、そういって笑うツナを、白蘭は冷ややかな目で見下ろしています。

ツナ:『オレの炎は……』 『お前が支配する この時代だからこそ生まれた』 『みんなの炎だ!!』
   『むやみに人を傷つけたために倒されることを』
   『後悔しろ!!』

ツナの言葉と想いに応えるように光を放った手袋はⅩグローブへと姿を変え、
ツナ自身もまた、超死ぬ気モードとなり額とボンゴレリングから炎を放ちます。

そのツナの姿に歓喜の声をあげる京子とハルとユニ。

骸:『…ですが…』
白蘭:『ハハハ!! いい気分のところ悪いけど 何の解決もしてないよ綱吉クン!!』
   『結局 僕と君の力の差は 君が倒された時から何も変わってない!!』

一人冷静な骸が浮かない顔で懸念したとおり、白蘭の圧倒的な力の差は明らかです。
それが分かっているのでしょう、大口を開けて笑う白蘭ですが、

『どうだろうな』

不意に響いた声に目を見張ります。
と、それぞれの守護者のボンゴレリングが光を放ち、じっと見つめる各守護者の目の前で
プロジェクターのように人物を映し出します。
獄寺たちが、リングを見てたり投影された姿をみていたりするのは
深読みするようなところではないのかな。

初代雷の守護者:『あの子 言ってる事がボスと同じだ』
初代雨の守護者:『血は争えないでござるな』
初代晴の守護者:『究極にいい奴ではないか』
初代霧の守護者:『残念です… ボンゴレに不要な軟弱な思考ですよ』
初代雲の守護者:『興味ないな』

初代の守護者達それぞれが交わす会話。
それらの総意をまとめるかのように、一人無言だった存在が口を開きます。

初代嵐の守護者:『……』 『てめえの好きにすりゃあいいさ いつものようにな』

『そうだな……G(ジー)』

再び響いた声に、『なんだ?』 とうろたえる白蘭。
そんなことには構わず、一際光るツナのボンゴレリング。

『X世(デーチモ)よ…お前の考えにオレも賛成だ』

『どこだ!?』 『誰の声だ!?』 と辺りを見渡す白蘭に
ユニはそれが、ボンゴレの創始者達、初代ボンゴレファミリーのものだと分かったようです。

『オレの真の後継者に力を貸してやりたいが あいにくそれは できない』

『そのかわり――――』

浮かび上がるボンゴレの紋章。
その向こう側に現れた、ツナと似たグローブを嵌めた人影。

I世:『枷を はずしてやろう』

ボンゴレの紋章を挟むように対峙したI世ツナ。互いのグローブのエンブレムを向かい合わせにした状態で
見つめあう二人と、その間で大きく歪むボンゴレの紋章で以下次号!!

初代がツナを真の後継者と認めていることは嬉しいですね。
初代が今ツナに力を貸せない理由、そしてツナの「枷」が気になります。
しかしそれ以上に、なんだか最終回のような様相を呈していて戦々恐々としています。
全員がリングに囚われているのかと思うと少々複雑ですが、
初代ファミリーの登場は素直に嬉しいです。

「ござる」には敢えて突っ込みませんが、裏切り者とされている霧の守護者が
一番「ボンゴレ」という組織の一員としての発言をしていることに驚きました。
『興味ない』と言いつつも、わざわざ出てきた雲の守護者にも驚きました。
付き合いがよいですね(笑)。
少々、大人ランボも久しく見ていないなと懐かしく思いました。

それにしても、今回は桔梗とヴァリアーの面々の影も形もなかったのは寂しかったです。

アルコバレーノの復活には、大空のアルコバレーノが命を懸ける必要があるのは
分かりましたが、それが命と引き換えかどうかは分かりませんね。
ましてや、何故ツナたちが過去へ戻るのに、アルコバレーノの存在が必須なのかも分かりません。
大空のアルコバレーノが失われた場合、他のアルコバレーノは復活できないとなると、
常に大空のアルコバレーノは存在していないとならないのではないでしょうか。
今更ながら、アルコバレーノはどのように選ばれ、どのように生まれるのかが
気になります。

また、今話で益々10年後の世界で得た知識や技などを、過去に戻ったツナたちが
保持し続けるのかが謎になりました。
白蘭の居ない世界が創られるならば、時間軸が一度リセットされることになるのでしょうか。
とはいえ、この辺りは、素直に展開を見守るしかなさそうですね。

ツナの反撃が始まりそうな雰囲気ですが、アニメの初代編への期待も高まりました。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ10号 KHR 標的276『共鳴』

2010-02-07 22:25:51 | 雑誌[J]
背中から大きな羽を生やしツナの背後から首を絞める白蘭と、
身動きできないツナからスタートの今号。

白蘭:『ハハハ綱吉くん!!』 『なんて君は非力なんだろう』
   『こんな細い首カンタンに折れちゃうよ♪』
ツナ:『ぐあっ』

笑みを浮かべた楽しそうな顔で、ググググと力を込める白蘭に苦悶の声を上げるツナ。
白蘭の腕を引き剥がそうと、首に回された腕を掴みますが、力が入らないようです。

白蘭:『もう少しいい勝負になると思ったんだけど つまんないなあ』
   『リングから放たれる炎の大きさは覚悟の大きさだよ』
   『君の みんなを過去に帰そうとする覚悟はこんなものかい?』
ツナ:『ぐっ』

まるで煽るかのような白蘭の言葉に触発され、『みんなで過去へ帰る』という決意を込めたツナに
ボンゴレリングの炎が応えます。しかし、

白蘭:『うーん』 『少し炎圧が上がったかな?』
   『じゃあ僕も♪』

マーレリングの炎圧を上げる白蘭。それに対応するため、更に炎圧を上げたツナに
白蘭は『うんうん その調子』 と満足そうです。
ゴオオオと音を立てて放たれる、強大な炎。

桔梗:『何とすさまじい』 『炎の応酬!!』
ベル:『やんじゃんボンゴレ』 『負けてねーぜ』
骸:『この底力こそが』 『沢田綱吉です』

ベルと骸が、何気にツナを認めているのが嬉しいですね。
そしてやはり、骸は多分、ツナのことを誰よりも信頼しているのではないかと思ってしまいます。

ギョアアアという音を立て、留まることなく上がり続ける大空のリングの炎圧。
と、不意にカアアアンという音が響きます。

白蘭:『きた♪』
ツナ:『!?』

ツナと白蘭のリングから鳴り響く音。
この音を待ち侘びていたかのような白蘭と、状況を理解していないツナを中心として、
膜状になった炎が彼らを覆います。
なにが起こっているのかとまどうボンゴレですが、ディーノの『…共鳴…?』 という呟きが
どうやらその答えのようです。

一方、戦場から離れた場所でも、同じようにカアアンという音が鳴り響き、
ユニの大空のおしゃぶりが炎と光を発していました。
何が起こったのか分からないユニたちですが、彼女だけはすぐにその原因に思い当たったようです。

ユニ:『おしゃぶりが…沢田さんと白蘭の大空のリングに…共鳴してる…?』
リボーン:(7^3(トゥリニセッテ)の大空同士が……呼応してんのか?)

と、不意に炎の結界に包まれたユニは、彼女を取り巻く球状ごと浮いてしまいます。
問答無用で移動を開始してしまった彼女を、ハルや京子が追いかけます。

リボーン:『待ちやがれ!!』
フゥ太の肩からリボーンも飛び出しますが、大空の炎が作った強力な結界の前に弾き返されてしまいます。
どうでもよいですが、リボーンの『ぐわっ』 という声は初めて聞いた気がしますね。

一方、ツナと白蘭のいる地点でも、二人の結界がどんどん広がっていました。
吹き飛ばされないよう距離をとる彼らの前に、やがて中にユニが居る結界が近付いてきます。

レヴィ:『自ら白蘭に接近するとは』 『あの娘 何を考えとるんだ!!』

この発言、レヴィがまともに見えました(ぉ)。
(バカな!!) と焦るツナに対し、白蘭は『僕と綱吉くんに呼ばれてきたんだよ』 と余裕です。
彼がツナを煽ったのは、これが目的だったのですね。

骸:『ボンゴレリングにマーレリングにアルコバレーノのおしゃぶり…』
  『7^3(トゥリニセッテ)のそれぞれの大空が集結しようとしている』
  『リングへの炎の過負荷により』 『引力が発生しているのか?』

骸は物知りで助かります。
それにしても、ほぼ0距離地点にいる白蘭とツナを包み込む結界が、二重ではなく
彼らを中心とした磁界のような形になっているのは何故なのでしょう?

ユニの結界が白蘭の結界の合流しそうなことに焦るボンゴレサイド。
それを止めるため、獄寺と山本が結界を壊そうと攻撃を加えますが、
強力な結界を破ることができません。

山本:『ダメだ!!』 『結界が破れねえ!!』
獄寺:『ちきしょう!!これじゃ中にも入れねえぞ!!』 『こんだけ頭数いんのによお!!』

獄寺の言葉ももっともですね;

ユニ:『沢田さん!!』
ツナ:『ユニッ』 『…来ちゃ…ダメだ…』
白蘭:『まってたよユニちゃん』

やがて3つの結界は完全に合流し、羽交い絞めにされたツナの目の前に降り立ったユニを白蘭が迎えます。
白蘭:『7^3(トゥリニセッテ)の大空は とてつもない炎を放出しあうとこんな特別な状態になるんだ』
   『これで 誰にも邪魔されない3人だけの舞台ができたね』 『7^3の大空だけが存在できる スペシャルステージだ』
白蘭:『といっても 綱吉君にはもう用がないから』 『すぐに 僕とユニちゃんだけの2人っきりの舞台になるけどね』
ツナ:『ぐあ…』

グギギと音を立てツナの首を潰そうとする白蘭に、思わず『やめて!!』 と叫ぶユニに対し、
『んー?』 『今更やめてなんて』 『どの口が言ってるのかな?』 と壮絶な笑みで返す白蘭。

白蘭:『自分を守らせるために ボンゴレの連中に命をかけさせたのはユニちゃんじゃないか』
   『相手は 絶対に勝ち目のない僕だと 最初からわかってたはずだよ?
    何のあてもなく逃げまくって やみくもに犠牲者を増やすだけの逃走劇を仕組んどいて』
   『自分勝手にもほどがあるよ♪』

にっこり笑ってそう非難をする白蘭に、ユニは返す言葉を持ちません。

白蘭:『結局は 自分のために多くの人間が動く姿を見てみたかった』
   『そんな興味本位から 逃げてみようなんて考えたんじゃないのかい?アルコバレーノのお姫様』

その言葉を受けてか、不意にユニのマントの内側から光が漏れます。
それを見つけた白蘭の指摘を受けたユニは、『ダメです…』 『まだダメ……』 と言いつつ
マントの前身ごろをあわせますが、その努力も空しく、隠そうとしたものは、もぞもぞ動いた後に
ゴトトッと音を立てて落下します。

それは、5つのアルコバレーノのおしゃぶりでした。
しかも、すべてのおしゃぶりから、何かがとびだしています。

1つは、マーモンのフードが。
1つは、ヴェルデの眼鏡が。
1つは、コロネロのバンダナが。
1つは、スカルのヘルメットのシールド部分が。
1つは、風の三つ編みが。
それぞれおしゃぶりから生えていました。

リボーン:『アルコバレーノの肉体の再構成がはじまろーとしてんな』
獄寺・フゥ太:『再構成!?』
リボーン:『わかりやすく言えば』 『復活(リ・ボーン)だ』
桔梗:『復活!?』
ディーノ:『最強の赤ん坊達が生き返るのか!!』

その前に、もっと重要なことを確認したいのですが…
風の三つ編み以外も、肉体の一部なんですか?
あまりの目の悪さに「眼鏡も体の一部」と言ってしまうとか、そういう次元の話ではない気がします;
そして、ここの描写のおしゃぶりは、とっても目玉のおやじを連想させますね。

リボーンの言うことには、大空のアルコバレーノの力をもってすれば
仮死状態のアルコバレーノを生き返らせることができるそうです。
アルコバレーノとしての、ヴェルデや風の姿を見れたのは嬉しいですね。
できれば、相棒ペットも一緒に登場して欲しいです。
ベルの『っつーことは』 『マーモンも生き返るのかよ』 という台詞も

なんだか嬉しいです。

桔梗:『!!………まさか…』 『ユニ様の逃亡の狙いは最初から…』
骸:『そうです』 『ユニはミルフィオーレの謀略により抹殺されたアルコバレーノの復活の時間をつくるために』
  『沢田綱吉に自分と仲間のおしゃぶりを守って欲しいと 懇願したのです』

骸は、本当に何でもよく知ってま(略)。

了平:『だ…だが…』 『コロネロ師匠を含む赤ん坊…』
   『アルコバレーノが復活すると』 『どうなるというのだ!!?』

解説を促してくれる了平のこの叫びが、毎回ありがたいと同時に切なくなります。

ラル:『奴らが戻れば この時代の7^3の秩序 すなわち世界の秩序が回復するだろう…』
   『それ以前に 奴らは強い!!!』

そして、毎回了平の叫びを受けて解説してくれる人が居ることもありがたいです。
ラルの言葉の裏を返せば、現在の世界は秩序が失われているということですね。

ラル:『完全(フルパワー)なアルコバレーノと沢田が組めば』 『白蘭を倒せるかもしれぬ!!』

ラルの言葉を、白蘭は目を開けてじっと聞いています。

白蘭:『うーん たしかに ここにはアルコバレーノ殺しの非7^3線装置もないし』
   『今この中で復活されると面倒くさそーだなー』
   『でも その様子じゃ』 『アルコバレーノが復活するのには へたすりゃあと1時間はかかりそうだね』
ユニ:『!!』

にっこり笑ってそう告げた白蘭に、はっとして青褪めるユニ。と。

白蘭:『図星だ』
ツナ:『がっ』

ツナの首へまわした腕に力を込める白蘭。ゴキャッと音がした瞬間、血を吐いたツナは
どさっとその場へ崩れ落ちます。
額の死ぬ気の炎がシュウウと音を立てて消え、Ⅹグローブも毛糸の手袋へとその姿を変えます。

獄寺:『10代目!!』
山本:『ツナ!』
ユニ:『沢田さん!!』

うつ伏せに倒れたまま動かないツナに、獄寺たちが悲痛に呼びかけますが
白蘭は当然のことながら、そんなことにはお構い無しです。

白蘭:『誰が復活しようと僕は負けないけど』 『時間がもったいないだろ?』
   『もう誰もこの結界には 絶対入ることはできない』 『これで君は僕のもの♪』
ユニ:『…………!!』

楽しそうなその宣言に身を竦めたユニに対し、白蘭は笑顔で続けます。

白蘭:『泣いても叫んでも無駄だよ』 『もう アルコバレーノも僕を倒してはくれない』
リボーン:『その通りだ』
白蘭:『!』
ユニ:『!』

白蘭の言葉を肯定したのは、意外にもリボーンでした。
思わず、フゥ太の肩に陣取ったリボーンへと視線をやる白蘭とユニに、リボーンは力強く告げます。

リボーン:『お前を倒すのはアルコバレーノじゃねぇ』 『オレの生徒―――』
     『ツナだ』

リボーンの言葉の真意を測りかねているかのような、骸・ヒバリ・桔梗・XANXUS、そして白蘭の
それぞれの表情と、倒れ伏したまま動かないツナの姿で以下次号!!

ここにきて、匣兵器アニマルの存在が薄れていることが少し寂しいです。
ボンゴレ匣の力についても、まだ全員のすべての力が発揮されたわけではないと思っているのですが
今後登場してくれるか、微妙なところですね。

それにしても、アルコバレーノ復活の真っ最中のおしゃぶりでも、白蘭の目的のために使用できるのでしょうか。
そもそも、彼がユニを手に入れようとした目的は、アルコバレーノのおしゃぶりを操ることの出来る
大空のアルコバレーノという存在が必要だったからだと思うのですが、
ガス欠揃いのボンゴレサイドの面々を前に、彼女もろとも自分を大空以外のボンゴレリング、
ひいては同じく大空以外のマーレリングから隔離する理由がわかりません。

7^3が目的と言いつつ、彼がそれを得るための行動をしているように見えないのは、
私がなにか見落としているからかな?
ユニの精神を壊してしまえば、永遠に自分の目的は果たせないことも分かっているはずですが、
白蘭はユニをこれからどうしようとしているのでしょうか。

今話のラストでは、久々に家庭教師から生徒への信頼の言葉が聞けたのが
嬉しかったです。こういうときのリボーンの「オレの生徒」という台詞は、
結構重みがあるように感じます。
今回のツナは、死ぬ気丸によって超死ぬ気モードになっているため、
小言弾と違い小言は聞こえていないと思います。
それ以前に、意識があるかも怪しいですが;
それでも、力強い家庭教師の想いが届いているとよいなと思います。

白蘭が次にどのような行動に出るのか、ツナは反撃ののろしを上げることができるのか、
リボーンを始めとした結界の外にいる面々は動くことができるのか、
京子やハルたちもこの場に集結するのか、復活したアルコバレーノの姿を見ることはできるのか
などなど、気になることが盛りだくさんですね。

なにはともあれ、次回も楽しみです!