箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ10号 KHR 標的227『真(リアル)』

2009-01-31 04:11:06 | 雑誌[J]
節分用のお面がセンターカラーとして登場の今号。
こういうのを見ると、「少年」対象誌なんだなと実感します。

さて本編。

XANXUSがジルを粉砕したときに起きた空中での爆発。
それを目撃する、他の場所で戦闘中だったヴァリアー幹部たちから
スタートです。

あの光がXANXUSの銃弾であることに気付き、安堵するレヴィは、
どうやらミルフィオーレ部隊を全員倒したようです。
傷だらけで木にもたれかかる彼の周囲には、黒焦げになった人体が
ゴロゴロ転がっています。

スクアーロ:『あのクソボス』 『久しぶりに本気になったか』

笑みを浮かべつつそう呟くスクアーロはまだ戦闘中のようですが、余裕です。

ベル:『ちっ 終わっちまったぜっ』
フラン:『結局ワラワラ出てくる敵の相手してたら』 『見逃しちゃいましたね』

相変わらず動きの呼吸がぴったりのベルとフランは、まだ森の中です。
こちらもミルフィオーレの隊員と遣り合っていますが、
嵐ミンクが敵を燃やしているようで、ベルとフランが
自ら武器にての応戦はしていないようです。
とはいえ、ベルは表紙では、ナイフを構えていましたが。

そして、瓦礫と化していた城の一部。
血まみれの腕の傍に落ちているルッスーリアのグラサンが
描画されますが、そこに1つの人影が現れます。

『あんらー?』
『急に静かになったようだけど…』 『メガネがないから全っ然わかんないわ!

『も~メガネメガネ』と言いながらウロウロする人影はやがて
『もしかして…』とグラサンを拾い上げ、チャッと装着します。
その人物はもちろん。

ルッスーリア:『見えるわーv』

そして周囲を見渡し惨状を把握した上で、椅子に座ったままのXANXUSと
伏せて大人しくしているベスターを発見したルッスーリアの感想は
『ボスったらハデに遊んだみたいね…』でした。

城が襲撃されたときの描写に、かなり心配させられましたが、
ルッスーリアとレヴィも無事(?)のようで安心しました。

場面変わり、日本のメローネ基地。

リボーン:『!!』 『たった今ジャンニーニからイタリアの主戦力の情報が入ったぞ』
     『XANXUSが敵の大将を倒したらしい』

満面の笑みでそう報告するリボーン。
久々にこんな満開の笑顔のリボーンを見る気がします。
その言葉に沸く草壁・入江・獄寺。
クロームは少し離れたところでランボを抱っこしています。
ヒバリは更に離れたところで1人立っています。
簡易ベッドのようなものに3人寝ていますが、
了平・山本・ラルのようですね。

ツナ:(XANXUS…………… あのXANXUSが!!)

ツナはラルの介護中です;
意識を失っているらしいラルに、飲み物を飲ませているようですね。
インカムは既に耳に装着済みなので、ツナが顔を向ける方向に
リボーンのホログラムが投影されるのではないかというのが少し心配です(笑)。

入江:『せっかくのニュースに水をさすようだが』 『喜ぶのはまだ早いな』

さっき皆と一緒にちょっと喜んだ入江ですが、
たちまちお腹がゴロゴロいいだしてしまっています。

入江:『大将を討っても兵力に圧倒的な差がある』
   『ミルフィオーレが新しい大将をたて長期戦になれば…』
リボーン:『その心配もねーぞ』 『敵は撤退をしはじめたそーだ』

エスプレッソ片手に笑顔のままのリボーンのその報告に、

入江:『ってことは!』 『勝利じゃないか!』

『まーな』というリボーンの答えに、ようやっと大きな笑顔を見せる入江。

入江:『これならいける!!ボンゴレの戦力は想像以上だ!!
    主力部隊を追い込むなんて!』
獄寺:『急に興奮しやがって…』

大興奮の入江は、このために頑張った努力が報われたという想いが強いのでしょう。
そんな彼らを無言のまま見やりながら、ツナも士気が上がったようです。

ツナ:(すごい…!!さすがヴァリアーだ…) (あとは白蘭を倒すだけ)

『いいや』 (背景ツナ側)
『ただの小休止だよ』 (背景XANXUS)

ツナの心の声に応えるかのように、不意に響いた声。
それは、日本のツナたちのいる場所、そしてXANXUSのところ、
その双方にて同時に聞こえてきました。

白蘭:『イタリアの主戦力も』 『日本のメローネ基地も』 『すんごい楽しかった』

その声はイタリアのXANXUS、ベル、フラン、スクアーロ、ルッスーリア、レヴィ、
日本のツナ、山本、クローム、ランボ、了平、リボーン、ヒバリ、獄寺の
耳に届きます。
ただし、山本と了平は目を覚ましていませんし、ランボも寝ていますが。

そして、白蘭の声を聴く、彼らの目の前に突如現れたのは白蘭のホログラム。
どうやら、敵の端末から投影されているようです。

ツナ:『…こ…こいつが…』
入江:『白蘭サン!!』

ホログラムにて対面する白蘭への2人の声を、当然のように無視して
白蘭は話を進めます。

白蘭:『前哨戦としては相当 有意義だったよね』
   『ホラ ホンボレ最強部隊の本気が見られちゃったり』

笑顔で言葉を紡ぐ白蘭を、無言のまま睨みつけるXANXUS。

白蘭:『必死に僕を騙そうとする 正チャンの演技とかさ』
入江:『!!』 『じゃ…じゃあ』
白蘭:『んん バレバレだよ』

白蘭のその言葉に驚愕する入江。
ですがやはり、部下の裏切りも見抜けないようじゃお話になりませんから、
予想通りといえば予想通りですが、白蘭のこの反応はよかったと思います。
となると、例のアネモネの花言葉の捉え方も変わってくる…かな?

白蘭:『確かに 正チャンの計画はよくできてたし』
   『こういう形でボンゴレと手を組むのは意外だったけど』
   『いつか敵になるのはわかってたからね』

   『だって正チャン 僕のすることなすこといつも否定的な目で見てたもん』
   『昔からずーっと』

入江と白蘭は、何時頃、どうやって知り合ったのでしょう。
それが気になります。
それにしても、白蘭の表情が笑顔から崩れることはありません。

入江:『!!』 『……あなたは』 『………間違ってる!』

入江がはっきりと口にした、白蘭への否定の言葉。
それに驚いたのか、入江を見やるツナ。

白蘭:『ほーらね』 『まあ 好きにすればいいよ どちらが正しいかは今にわかるし』
   『しっかし 正チャンもつくづくもの好きだよね』
   『まだケツの青いボンゴレ10代目なんかに 命運をあずけちゃうなんてさ』

はっとしたツナの表情からは、若干悲壮さを感じます。
「命運をあずける」というその言葉の重さを痛感しているのでしょうか。
白蘭から「ケツの青い」という単語が出てきたのには、そういう言葉を使いそうにないという
勝手なイメージがあったので、少なからず驚きました。
ちなみに、ケツの青いという言い回しは、モンゴロイド特有の蒙古斑に由来しますが、
さすが白蘭は日本語もよく知っています。


白蘭:『本当はこのまま息つく暇なく戦力を投入して ボンゴレを消すのは簡単なんだ』
   『でも ここまで楽しませてもらったのは確かだし』
   『それに信頼してた副官に裏切られたとあっちゃ』
   『リーダーとしてのプライドにかかわっちゃうだろ?』

その言葉に目を見張る入江。いつかは裏切ると思っていたにも関わらず、
白蘭はこの副官を信頼していたと言うのでしょうか。
寧ろ、「信頼して副官に据えた」という態度を他の幹部の前でも
アピールしてきた故に、示しがつかないといった感じかもしれません。

白蘭:『だから そろそろちゃんとやろーと思って』
白蘭:『沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと僕のミルフィオーレファミリーとの』
   『正式な力比べをね』

その言葉を静かに受け止めるXANXUSとツナ。
この二人の対比が、なかなかに好きです。

白蘭:『もちろん7^3をかけて』
   『時期的にもぴったりなんだ』 『正チャンやこの古い世界とのお別れ会と』
   『新世界を祝うセレモニーにさ♪』

7^3を使用するのにも時期があるのでしょうか。
まさか、白蘭の能力を使用するのに適した時期ということではないと思いますが。

入江:『白蘭サン!現状を見てください』 『そう簡単にいくでしょうか!?』
白蘭:『お』 『元気だなー 正チャン』

白蘭の余裕の台詞が、なんだか楽しかったです(笑)。
ここで敢えて、入江が白蘭に提言をした理由は恐らく、彼に対し
不利な状況が揃っていることを認識させ、企てているであろう計画の実行を
阻止することなのでしょう。

入江:『あなたは この日本のメローネ基地に4人 イタリアに1人 計5人の6弔花を送り込み』
   『7つのうち 5つのマーレリングを失っている』

要は、送り込んだ6弔花全員がやられているという状況なのですね。
しかし、マーレリングを失うという表現をされると、少し困ります。
マーレリング自体は破壊されてはいないですし、白蘭を本当に裏切ったのは入江のみで、
他の6弔花がミルフィオーレに残るか、ボンゴレ側につくかは未知数です。
特に幻騎士は、白蘭に絶対の忠誠を誓っていましたので、「失った」訳ではないと思います

入江:『もはやあなたは翼をもがれた鳥だ』
白蘭:『う~ん』 『ま』 『それが本物ならね』
入江:『!!』

白蘭の言葉に驚く入江。と同時に、指に嵌めていたマーレリングの土台が
ピシッという音と共に割れてしまいます。
驚愕するツナとリボーン。
それは、同じ頃、太猿と野猿に抱えられ基地内を移動していたγのリングにも、
そしてその他の3つのリングでも同様のことが起こっていました。

入江:『ニセモノ!!』
白蘭:『もちろん それもランクAのスゲー石なんだけどね』
   『7^3はもっと特別なの』

白蘭の右目が髪の隙間から覗きますが、にっこりと目を細めて
笑っているため、やはり瞳を見ることは出来ません。

入江:『だけど…』
白蘭:『悪いけど 正チャンには秘密で他に組織してあるんだ』
   『正チャンに会わすには刺激が強すぎると思ったから伏せといたんだけど もーいいよね』

裏切った者と、それを予測していた者。
かつての上司と、信頼厚きその副官。
この仮面が剥がれた今でも、「正チャン」「白蘭サン」と呼び、
互いに、今までの立場のままの物言いで会話を進める彼らのやりとりが
何故か少し好きです。

白蘭:『紹介するね』

白蘭の背後にブウウウン…という音が響き、

白蘭:『彼らが本物のミルフィオーレファミリー6人の守護者』
   『真(リアル)6弔花♪』

白蘭の紹介の声と共に現れた、恐らくバラバラの場所に居るであろう
6人の姿で以下次号!!

…なんだか今までの展開を、一気に覆された感がするのは何故でしょう;
ゴールまでの距離が全然見えなくなりました。

本物の守護者として映し出された6人ですが、
1人は、黒髪に無精ひげの落ち着いた感じのする伊達男。
1人は、骸と同じように復讐者の最下層の牢獄で幽閉されているらしい、
 白髪の人物。両目の光が見えることから、骸ではないと思うのですが、
 もし白蘭に右目を奪われていたら分かりませんね;
 しかし、以前出てきた骸の拘束具よりも、更に厳重なものが使用されているようです。
1人は、フード付きマントのようなものに身を包み寝ている、 髪の長い可愛い女の子。
1人は、歌舞伎などで使われそうな、般若のような面を被った人。
1人は、顔に傷があり、ギョロっとした目と長髪、タラコ唇と包帯を巻いた手が特徴の男。
そして最後の1人は、γと雰囲気がよく似た、切れ長の眼の、やはり長髪の人物です。

白蘭の言う力比べがどういうものかは次号を待つとして、
再び、リング争奪戦と同じような展開にならないことを願います。
XANXUSのクローズアップ度から、ヴァリアーも一緒に闘ってくれるのではという
淡い期待も抱いておりますが、こちらはどうなることやら…ですね。
ディーノの到着と同時に修行に入るという予想は、是非裏切って欲しいです。

ミルフィオーレ・メローネ基地内の隊員についてですが、
γは共闘するのではないかと思っています。
獄寺と併せて「よく生きていたな」とは思いますが、生きててくれて
嬉しいので言いません。
それにしても、6弔花の1人と言われていたユニが出ないまま
真6弔花が出てきてしまったことにビックリです。

そして、幻騎士の扱いがどうなるのかが、今一番の懸案事項でしょうか。
白蘭を神とまで言い、6弔花の1人として白蘭のために力を振るっていた彼が
真6弔花のかませ犬とならないことを願います;

先週のオルゲルトに続き、今話の白蘭も説明台詞が多かったですが、
久々ツナたちが見れて嬉しかったです。
6弔花と呼ばれていた人物たちのミルフィオーレファミリーに対する今後の動向、
ヴァリアーの動向、白蘭の能力、了平の入れ替わり、山本と了平の回復時期など
まだまだ謎や気になることがたくさんあります。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ09号 KHR 標的226『XANXUSの炎』

2009-01-24 03:02:00 | 雑誌[J]
傷が浮かび上がったままの顔で、じっと正面を見据えるXANXUSと
猛々しく牙を剥いた天空嵐ライガーが、画面を二分している表紙の今号。
XANXUSは黒を、ベスターは白の色調が協調され、見事な対比となっています。

さて本編。

オルゲルト:『二種の属性を持つアニマル匣兵器など聞いたことがない!!』
ジル:『くだらねェ三文トリックだ』 『タネはぜってーある』

驚愕するオルゲルトに対し、さすがにジルは冷静です。
そんな二人を他所に、『ベスター』と声をかけるXANXUSは、
たちまち伏せの姿勢を取ったベスターを匣に納めます。

猫科の動物も、ちゃんと伏せをすることにビックリしました。
このコマのベスターはちょっと怖くて、「鵺(ぬえ)」を彷彿と
させたなんて言ってませんよ、言ってません。

変わらず椅子に腰掛け、机に足を乗せたままのXANXUSからは
ジルの嵐攻撃のダメージは窺えません。スゴイ回復力です。

XANXUS:『次にこいつが開匣された時が』 『てめーらの最後だ』

睨みつけながらのXANXUSの言葉に押し黙るジルとオルゲルト。

XANXUS:『だが死に様ぐらい選ばせてやる』 『楽に死にたければ 白蘭のカスをここへ呼べ』

誰に対しても、もちろん白蘭であっても、カス呼ばわりするのは彼らしいです。
XANXUSの言葉は意外だったのでしょうか、ジルとオルゲルトは
少なからず衝撃を受けているようです。
それにしても、XANXUSにとって、ジルとオルゲルトが死ぬのは決定事項なのですね。

匣を肘掛部分に置き、腕を組み目を閉じたXANXUSは、ズル…と深く椅子にもたれかかります。
それをみているジル。彼も椅子に腰掛け、足を組んだままです。

ジル:『おいおいおいおい』 『随分 調子にのってんじゃん』
   (バーカが 余裕ぶっこいて匣兵器を閉じたのが運のつきだ)
   『よーく考えてみろ』 『わざわざお前ごときに 白蘭様がお動きになると思うのか?』

王子であっても、白蘭に対してはこれでもかと敬語を使用するのですね。
笑いながらのその言葉に、左目だけを開け、ジルを見るXANXUS。

ジル:『…と言いたいところだが』 『お前は運のいい男だ』
   『ちょうど白蘭様への定時報告の時間だ』

オルゲルトがスゥっと位置を移動し、XANXUSの視界からジルの姿を隠します。
その後ろで、ククク…と指を動かしすジル。それに伴い、嵐コウモリが移動を開始します。

ジル:(しししっ 嵐コウモリで360°全包囲完了♪)
   『もちろん 話す内容は――』

ジルが、リングを嵌めた右手をギュッと握りこんだ瞬間。

ジル:『おまえの死についてだ!!!』

一斉に攻撃を繰り出す嵐コウモリ。
その攻撃が先ずぶつかったであろう城が、音を立てて瓦礫と化していきます。
激しい土煙にかき消されるXANXUSの姿に向かい、狂喜の叫びをあげるジル。

ジル:『あ゛は~最速最大炎圧だ!!』 『気づいた時にはもう遅い…』
   『!!』

突如上がったドウッという音と、まるで大砲の弾道のような激しい炎の帯。
XANXUSを包囲していた嵐コウモリが、あっという間に次々消されていきます。

XANXUS:『何が遅ーんだ?』

そこには、二丁の銃を構え、ジルを見据えるXANXUSの姿がありました。

ジル:『なあ゛!?』 『俺の嵐コウモリが!!』
オルゲルト:『匣兵器を使わずして』 『これほどの戦闘力を!!』
オルゲルト:(噂通りだ…
       この迫力…あの面構え…似ている…たぐいまれなる戦闘力と
       憤怒の炎により 裏社会を恐怖で束ねた伝説の男…
       ボンゴレⅡ世(セコーンド)に!!)

…またかと思われるかもしれませんが、敢えてツッコんでおきます。
どこの噂ですか;
百歩譲って、オルゲルトの知る噂が、XANXUSの迫力や面構えに関する
ものだとしても、何故ボンゴレⅡ世のことまでそんなに詳しいのでしょうか。

それにしてもボンゴレⅡ世は、XANXUSよりも服装がきちんとしている分
より精悍に見えますが、眉や目など、顔の造りは本当にそっくりです。
XANXUSがボンゴレの血を引いていないことは明言されていますが、
ボンゴレの血統であるⅡ世にそっくりで、憤怒の炎が使えて、
超直感のようなものも保持しているとなると、そんな赤の他人が居るのかと
少々複雑な気持ちになります。

とはいえ、やはりXANXUSは、ボンゴレの血統ではないというポジションの方が
個人的には面白いかなと思っています(笑)。

XANXUS:『……交渉決裂だな……』 『それ相応の死をくれてやる』

匣を手に取り、リングに炎を灯すXANXUS。
それを見て、さすがのジルも身の危険を感じたようです。

ジル:『オルゲルト なーにつっ立ってんだ!!』 『さっさと体張って盾になれよ!!』
オルゲルト:『無論です!!』

生まれ付いての王子と、元来彼に仕える執事らしい会話ですね。
そして、オルゲルトが開匣したのは雨ペリカン(ペリカーノ・ディ・ピオッジャ)。
出したと同時に繰り出した技は最大防御!しかし。

XANXUS:『笑止』

ちょっと違和感のある物言いではありますが、そんなことは些細なことです。
リングを匣に嵌めるXANXUS。それを見て驚くオルゲルト。

オルゲルト:(炎が 混ざっている!!)

彼の説明によると、大空のリングの炎だけでなく、XANXUSが生まれつき手に宿していた
という憤怒の炎までもが、匣内に混入しているのだそうです。
従って、純粋な一属性の天空ライオンではなく、二つの属性を持つ天空嵐ライガーが
現れるということのようですね。

オルゲルト:(謎の多い大空属性だが これなら説明もつく)

XANXUSが生まれつき憤怒の炎を手に宿していたことまで
ご存知なのですね。
それだけXANXUSは有名であり、憤怒の炎にまつわる事柄も
マフィア界で知れ渡っているのだと捉えてよいものか悩みます。
それともこれも、ミルフィオーレの情報網の強さ故なのでしょうか。

そして、XANXUSのリングは大空のリングだそうです。
彼の持つ憤怒の炎が、性質的には嵐属性であるということなのか、
それとも、大空の炎と憤怒の炎が混ざった結果が、たまたま
天空嵐ライガーを生んだということなのでしょうか。

今回現れたのは、予めライガーの姿をとったベスターでした。
『GAOOO!!』という咆哮と共に、あっという間に雨ペリカンの動きが止まります。

オルゲルト:(石化は…大空の属性による城との調和…)

石化した傍からボロボロと崩れていく嵐ペリカン。

オルゲルト:(そして その直後に襲うのは嵐属性の…破壊!!!)

雨ペリカンと共にオルゲルトも石化し、一瞬の後に体が崩れ去りました。
嵐属性の特徴は、結局『破壊』に修正されたのでしょうか?
石化は、大空属性により城と調和した結果なのですね。
イメージ的には、調和というよりも性質のコピーといったところでしょうか。

ジル:『!!』 『あ…足が…!!』

ベスターの攻撃は、オルゲルトの背後に居たジルにも及んでいたようです。
足の先からふくらはぎまで石化してきた足を見、『固まってきた!!』
恐怖のあまり椅子から立ち上がったジルに、静かに声をかけるXANXUS。

XANXUS:『おい ドカス』 『王子は座したまま 戦うんじゃなかったのか?』
ジル:『くっ』
   (ム…ムリだ!!勝ち目がねえ!!)

椅子に座ったまま勝負では、完全にジルの負けですね(笑)。
段々と石化が進む自分の体に、引きつった笑みのまま固まったジルは
なんとかこの場を切り抜けようとします。

ジル:『おっ』 『落ち着け!!白蘭様と話をつけてやる!!』
   『お前の望みはわかってるんだ!!』
   『お前が欲しいのは』 『ボンゴレボスの座なんだろ!?』

その言葉に、ピク…と反応するXANXUSに、ジルは畳み掛けるように言葉を続けます。

ジル:『お前 沢田綱吉のこと 憎くてしょーがないんだろ? だから今は亡き9代目直属なんて謳ってる!!』
   『そりゃそーだ!! ボンゴレ10代目の座を奪われたんだからな!!』

9代目、亡くなってるのですね!?
ツナたちがこの時代に来たときには安否不明だったかと思います。
ツナがボンゴレの継承の儀式を行なった後に、歴代ボンゴレボスと共に
9代目の姿もあったことから、もしやという伏線はありましたが、
ここで明言されるとは思ってもいませんでした。

命乞いに必死なのでしょう、いつになく饒舌なジルは更に続けます。

ジル:『オレの力をもってすれば』 『憎き沢田を倒し お前がボンゴレのボスになれるぜ!!』
   『正確には ミルフィオーレ ボンゴレ支部だ!!』
   『オレが白蘭様に お前をミルフィオーレ幹部として迎えるよう とりはからってやる!!』

ボンゴレ支部というのは、ちょっと違う気がしますが。
どちらかというと、今のホワイトスペルとブラックスペルといった分類ですよね。
言うなれば、ボンゴレ部隊という感じでしょうか。

ジルの言葉をじっと聞いているXANXUS。
恐ろしいほど、ジルから視線を外しません。
それに気付いているのかいないのか、ジルは笑いながら話し続けます。

ジル:『白蘭様は寛大な方だ!!』
   『沢田綱吉を倒した後は 今のボンゴレと同等!』
   『いや それ以上の戦力を手に入れることも夢じゃねーぜ』
   『ししし どーだ!!』 『最高だろ!!』

言い換えればそれはジルのではなく、白蘭の力なのですよね。
と、蔑むように目を細めたXANXUSが返した答えは『ドカスが』でした。

XANXUS:『オレが欲しいのは 最強のボンゴレだけだ』『カスの下につくなど よりヘドがでる』
ジル:『な…』 『あ゛…?』

胸の辺りまで石化が進んでるジルは、XANXUSの言葉にまたも笑顔が引きつります。

XANXUS:『10年前の沢田綱吉を生かしているのも殺せねえからじゃねぇ』
    『ボンゴレファミリーは 最強でなくてはならないからだ』
ジル:(・・・?)

さすがに笑みは引っ込みましたが、冷汗を浮かべたまま疑問符を浮かべるジル。

XANXUS:『内部にどのような抗争があろうと 外部のドカスによる攻撃を受けた非常時においては』
    『ボンゴレは常に――』

キュアアという音を立て、銃に圧縮されていく憤怒の炎。
それを見つめたまま、ついに顔まで石化したジル目掛け発射するXANXUS。

    『一つ!!』

場所は違えど、今のこの時に共に闘っているヴァリアーとツナ、そして
守護者全員の顔が一同に並んだところで、ジルが粉砕されて以下次号!!

まるで最終回のような…などとは縁起でもないので口には出せませんが。

それにしても、スクアーロたちだけでなくXANXUSも、10年前からツナたちが
来ていることを、ちゃんと把握していたのですね。
ここに来て、XANXUSもやはり10年という歳月を歩んできたんだなと
実感しました。

確かに、元々ボンゴレ大好きではありましたし、なにより内部抗争を引き起こした
張本人ではありますが、誰かを信頼するということを覚えたのではないかなと。
ボンゴレファミリーが最強であるために、ツナの力が必要だと
暗に認めているようなのが嬉しかったです。
自分を打ち負かす程の強さを持った相手ですから、ボンゴレを守るためには
共闘するのが一番ですよね。

XANXUSが拒まれたのは、7つの完全なボンゴレリングが揃ったときに
新たなるボンゴレの血統に与えられる『大いなる力』だと思っていましたが、
もしかしたらボンゴレリング自体も、正統後継者にしか扱えないのかな?
そして今更ですが、ランボと了平、そして骸はこれからも入れ替わらないのでしょうか。

説明セリフが多かった今話。
結局、ジルの口から白蘭始めミルフィオーレの謎などは出てこないまま、
彼は粉砕されてしまいました;
死んだはずのジルやオルゲルトが登場した理由も不明なままです。
大空属性については謎が多いということですので、今後も
いろんな可能性が出てきそうなのは楽しみです。

スクアーロやレヴィ、ルッスーリアの安否や、ベルとフランの今後の行動などが
気になりますが、そろそろツナサイドにも場面が飛びそうですね。

なにはともあれ、次回も楽しみです!


WJ08号 KHR 標的225『雑種(ミックス)』

2009-01-17 02:41:20 | 雑誌[J]
傷跡の残る、鍛えられた筋肉質な上半身を晒し、肩に上着を羽織っただけの
XANXUSが表紙の今号。白目に見えるのは気のせいでしょうか;
彼の背後には、草の陰になってはいますが、
大型肉食獣らしき動物の大きな目も見えます。

蛇足ですが。
最近は、「ミックス」と呼ぶのですね。「雑種」という言葉が
消えつつあるように思えます。
不勉強なのですが、差別用語という位置付けなのでしょうか。

閑話休題。

本編は、対峙するXANXUSとオルゲルト、ジルからスタートです。
巨雨象が粉砕された事実に驚愕するオルゲルト。

オルゲルト:『バカな…』 『巨雨象(エレファンテ・フォルテ・ピオッジャ)の動きの一切を封じるとは…』
ジル:『バカはおまえだろ?オルゲルト』
オルゲルト:『!?』

動揺するオルゲルトに対し、嵐コウモリを周りに侍らせ椅子に座ったまま
ジルが声をかけます。この状況を冷静に見極め、分析するとは、
さすが天才を自称するだけあります。

ジル:『巨雨象の動きを止めた犯人が他にいんのさ』
オルゲルト:『!!』 『匣兵器!?』
ジル:『あったり~』 『やつの背後の岩の影に ガラの悪い赤い眼球が見えんだろ?』

聞こえてくるのは「GARURURU…」という唸り声。
そして、ついに姿を現した匣兵器。それは。

『天空ライオン(レオネ・デイ・チエーリ)』

どっしりした足と鋭い爪を持つ、大きな白いライオンでした。
かなりリアルな描写です。たてがみがあることから、どうやらオスのようですね。
白い皮膚に赤い目は、典型的なアルビノ種をイメージしているのかな?

ジル:『激レアの白い百獣の王か』
オルゲルト:『その通りです』 『コピー不能と言われる大空のライオンシリーズ!!』

大空のライオンシリーズなるものがあるそうです。
となると、ツナが入手するかもしれない大空の匣兵器は、
ライオンである可能性が高まりました。
しかも、コピー不能ということは、バリネズミや巨雨象のように
同じ匣兵器が複数存在する、ということはないのですね。

死ぬ気の炎らしきもので空中に浮いている椅子。それに座ったままのジル。
この椅子の動力源は一体なんなのでしょう。これも匣兵器だったりするのかな?(ぇ

ジル:『へーXANXUS お前にも一応大空の波動が流れてんだな』
   『ボンゴレリングには拒絶された雑種のクセにな!!』

余裕の態度を崩さないジルですが、
本当に、どこまでもよくご存知です;

ジル:『そーだ!!お前は王位正統継承者であるオレより遥かに劣る』 『雑種(ミックス)だ~!!』

大口を空けて笑うジルを見上げながら、こちらも変わらず椅子に座ったままのXANXUSが
冷静に『おい』と声をかけます。

XANXUS:『てめぇのうぜぇ遠吠えは聞き飽きた』
ジル:『!!』『んのやろう!』
オルゲルト:『お待ちくださいジル様!!』

逆上しかけたジルを止めるオルゲルト。

オルゲルト:『やはり妙です!!天空ライオンにあのような技があるとは思えません』
      『なぜなら大空の属性の特徴は――』
      『調和!!!』

調和とは「全体の均衡(バランス)が保たれ 矛盾や綻びのない状態」を
指すのだそうです。これで、7属性すべての特性が揃いました。
即ち、

 雨  … 沈静
 雲  … 増殖
 霧  … 構築
 雷  … 硬化
 晴  … 活性
 嵐  … 破壊
 大空 … 調和

です。

*** 追記: *************************************
 「嵐の特性は『分解』ではないか」とのコメントを戴きました。
  # ご指摘くださった皆様、ありがとうございました。
 言及しておりませんでしたが、確かにそのとおりです。

 ですが、今話において、嵐の特徴は"破壊"と掲載されていましたので
 敢えて記述の訂正は行なわず、そのままにしておきます。
 恐らく、コミックス収録時に修正されるのではないかと思っています。
************************************************

大空の特性だけは効果が分かりにくいですが、
「中和」ではなく「調和」なのですね。
他属性の攻撃を無効化し、攻撃時には他属性の特徴すべてを
使用可能なのかと思いましたが、どうでしょう。
6属性の特性を一度に使えるとかなのかな?
XANXUSの闘い方や、今後のバトルで判明することを期待します。

オルゲルトが気にしているのは、巨雨象が石化ののち
調和どころか崩壊しはじめていたこと。

ジル:『ビビるこたあねぇ』
   『相手が何だろうが』
   『殺しちまえば同じだ』

匣をもてあそびながら、笑みを浮かべそう告げたジルに、
オルゲルトは『ハッ』と了承の意を示し、残り2体の巨雨象が活動を再開します。

オルゲルト:『覚悟せよ XANXUS! 貴様をそのイスから引きずり下ろし』
      『大地にひざまずかせてくれる!』

やはり、先に椅子から降りた方が負けみたいな勝負に
なってきたなんて言ってませんよ言ってません。

オルゲルト:『喰らうがよい!!』
      『二重の鉄槌(ドッピオ・マルテッロ)!!!』

オルゲルトのリングに炎が灯り、XANXUS目掛け突進する巨雨象。
しかしXANXUSは、椅子から立ち上がることもなく、微かに笑みを浮かべながら
一言発しただけでした。

XANXUS:『ベスター』

天空ライオンの名前はベスターと言うのですね。XANXUSが付けたのでしょうか?
XANXUSの言葉を受け、XANXUSの前に出たベスターは、迫りくる2体の巨雨象に向かい
雄雄しく咆哮します。

再び動きを封じられただけでなく、更には石化していく巨雨象を見て
オルゲルトが目を見張ります。

オルゲルト:(石化…これが大空の調和なのか…!?)

そんなオルゲルトなど意にも介さず、XANXUSも再び、右手に憤怒の炎を集約していきます。

XANXUS:『かっ消えろ』

しかし、そんなXANXUSにジルの匣兵器である嵐コウモリの攻撃が襲い掛かります。

XANXUS:『!!』
ジル:『バーカが』

異変を察知したXANXUSに、嘲りの声をかけるジル。

XANXUS:『ぬうっ』
ベスター:『GA(ガァ)!!』
XANXUS:『がっ』 『ぐあっ』
ジル:『しししっ』

右手や耳から激しく血を噴き出すXANXUS。ベスターも、耳や背中から
激しく血を噴き出しています。悶絶する彼らを見て、ジルは楽しそうです。

ジル:『どーだ嵐コウモリの超炎波の味は』
   『それでもまだ 座ったままやろうってのか?』

やはり椅子に拘っていますね。
座ったまま飛んでくるだけあって、ジルは椅子が大好きなようです。
しかも、自分以外の人間が座ったままというのが余程許せないと見えます。

ジル:『つーかその前に』 『そいつは永遠の安楽椅子になっちまったかもな』
XANXUS:『ぐ…』

さすがのXANXUSも、嵐コウモリの超炎波を浴び続け、
呻き声をあげると共に息が荒くなっています。
ベスターも影響を受けているのでしょう、止まっていた巨雨象が
再び動き出しました。

オルゲルト:『巨雨象の石化が解けました』
ジル:『よーし潰しちまえよ』

そんな二人のやりとりを知ってか知らずか、
口から血を滴らせながらもXANXUSは、戦いを続行させるべく
相棒の名を呼びます。

XANXUS:『ハァ…ハァ』 『ベスター……』

容赦なく突進してくる2体の巨雨象。
しかし次の瞬間、ベスターの巨大な咆哮にて、周囲にいた数匹の
嵐コウモリ諸共撃破されてしまいます。
驚愕するジルとオルゲルト。どうやら、ベスターが見せたこの能力は
大空にあるまじきもののようです。
と。

XANXUS:『てめぇらは本気でオレ達を怒らせた』

このセリフは、正直ちょっと痛い感はありますが、「オレ達」という辺り
XANXUSがベスターを信頼し、大切にしていることを窺わせます。

この言葉を発した時のXANXUSの顔には、9代目に付けられたアザが浮かんでいました。
一層迫力を増したXANXUSに、驚きを隠せないジル。

ジル:『!!』 『な…なんだ?顔中アザだらけだぜ…』
オルゲルト:『聞いたことがあります XANXUSの怒りが頂点に達した時』
      『奴の顔には9代目にやられたボンゴレ奥義の古傷が浮かび上がるという…』

誰に聞いたんですか…;
本当に、細かいところまでどこまでもよくご存知です。

オルゲルト:『XANXUSだけではない!!』
      『天空ライオンの体中にもアザが浮かび上がっている!!』
      『いや!!アザだけではなく』 『あの模様は――』
      『タイガーパターン!!! あの匣は嵐トラなのか!?』

ベスターの体に浮かび上がる虎模様。
彼もまたXANXUSと同じく、怒りが頂点に達していたのでしょうか。

オルゲルトの問いに答えたのはXANXUSでした。

XANXUS:『ベスターはライオンでもトラでもねえ』
ジル&オルゲルト:『!?』

驚く二人を鋭い眼光で睨みつけるXANXUS。

XANXUS:『雑種(ミックス)が劣ると誰が決めた?』
オルゲルト:『!?雑種なのか…!?』『だが ライオンの雑種など…』『はっ』
      『まれにライオンのオスとトラのメスとの異種交配により
       ライガーと呼ばれる混血の子供が生まれるという… ま…まさか…』
      (調和と破壊… 二種の属性を持つ この匣兵器は――――)

天空嵐ライガー(リグレ・テンペスタ・デイ・チエーリ)!!!

「GARURU…」と唸り声を上げる、白いライオンの体をベースに
顔と胴体に虎の模様が浮かび上がったベスターの姿で以下次号!!

XANXUSやベスターの様子から、嵐コウモリの攻撃は止んでいると判断しましたが、
これはベスターの咆哮が、巨雨象だけでなく超炎波も撃破したと思ってよいのかな?

それにしても、ライガーという言葉を久々に聞きました。
ベスターは大空と嵐の属性を兼ね合わせているようですが、
この場合、XANXUSのしているリングの属性は何になるのでしょう。
確か、彼が指に嵌めているリングは1つだけでした。
人には複数の波動が流れているという説明はありましたが、
1つのリングに複数の波動の炎は灯せなかったと思います。

ベスターの能力についても、いくつか疑問があります。
「破壊」は嵐属性に因るもので間違いなさそうですが、
石化は「大空」と「嵐」のどちらの属性に因るものなのでしょう。
また、最初はライオンの姿で現れ、後にライガーへと変貌したということは
もしかしてトラの姿にもなれるのかと思いましたが、
流石にそれはなさそうですね。

そして毎回思うのですが、皆よく自分にぴったりな匣兵器を見つけるなと。
名前も自分で付けるのでしょうね。
ベルは嵐ミンクに特に名前を付けてはいないようでしたが。

今回もあっという間に終わった感があります。
余裕かまして大口を叩いていた割りに、XANXUSが結構やられてしまったのが
切ないですが、それだけジルが強いということなのでしょう。

そろそろ、ジルとXANXUSのバトルが決着して欲しいですね。
ジルとオルゲルトがここにいる理由、白蘭の能力についての
謎解きが待たれます。
そしてもちろん、ツナサイドの状況も気になります。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ06・07号 KHR 標的224『XANXUS(ザンザス) VS.Rasiel(ジル)』

2009-01-03 03:21:28 | 雑誌[J]
明けましておめでとうございます。
本年もまた自由気儘に綴っていくであろう当書庫ですが、
どうぞよろしくお願い致します。
それにしても、連休は曜日の感覚がなくなって困りますね。

新年第1号は、レヴィと雷エイ、そしてルッスーリアと晴クジャクが扉です。
何故か、二人とも妙にタラコ唇に磨きがかかっているように見えます。
鼻もガッツリ描かれているこのルッスーリアはちょっと…正直直視できないかもです。

さて本編。

今回は煙が立ち昇る森の中からスタートです。
木々の中、血を撒き散らした状態で倒れているベルとフランですが、
風に飛ばされる砂のように、その輪郭がサァーっと崩れて行きます。

そして、二人の体のあった場所の遥か後方から
「ズボッ」「ドボッ」という音とともに『げほっ』『ふー』という声がし、
二つの影が姿を現します。

ベル:『霧の幻覚か?』
フラン:『当たりでーす』

フランはプッと木の葉を吐き出しながら、ベルの言葉を肯定します。
二人とも落ち葉まみれです。
顔についている汚れが、血なのか土なのかは、判断に苦しむところですね。

フラン:『ミー達 目ん玉ボンッ!!っとか飛び出して』 『相当スプラッタな死に様だったと思いますよ』
ベル:『てんめー』 『戦えよっ!!』
フラン:『ゲロッ』

ガキッとベルに背中を蹴り上げられ、フランはそのまま吹っ飛んでいきます。
この叫び声は敢えてスルーすべきなのでしょうか。
それにしても、結局フランは開匣していなかったのですね。
やはり開匣ポーズは必須ということなのかな。

ぺたんと座り込んだまま頭を手をやり、ベルを見上げつつ言い訳をするフラン。

フラン:『仕方ないじゃないですかー』
    『実際センパイ コウモリの炎喰らってグロッキーだったんですしー』
ベル:『てめーが匣兵器出さねーからだろが』
フラン:『ミーのせいですかー?』
ベル:『ったりめーだろ!!』
フラン:『………まーいいですけどー』

理不尽なセンパイですが、フランは慣れっこのようですね。
今更ながら、フランが幻覚を繰り出したタイミングが気になります。
考えられるとすれば、嵐ミンクが巨雨象の攻撃を防いでいたときでしょうか。
その時には既に、フランが幻覚で見せた程ではないにしても、
ベルは多少ダメージを受けていたのかもしれませんね。

フラン:『正直見てみたいと思ったのは確かですしー』
ベル:『?』
フラン:『怒りんぼのうちのボスですよ』
    『ヴァリアー内暴力すさまじいし いつも威張ってるけど 本当に強いのかなーって思うんですー』

新入りのフランから見ても、相変わらずXANXUSのヴァリアー内暴力は凄まじいのですね。
しかも、いつも威張っているそうです。
しかし何故か被害にあっているのはスクアーロのみではないかと思えるから不思議です(ぉ。

…そんな30代の男に、ヴァリアーの面々はよくついていっているなと思います。
フランが実力を知らないことから、XANXUSが前線で戦うことはあまりないのでしょうが、
それでもXANXUSをヴァリアーのボスたらしめるものは、ヴァリアー幹部の彼への忠誠と
彼のカリスマ性なのかもしれません。

立ち上がり「パンパン」「ポンポン」と服をハタキながら、会話を続ける二人。

ベル:『弱かったらオレがとっくに寝首かいてるっての』
フラン:『でも センパイのアホ兄貴とどっちが強いか 見てみたいじゃないですかー』

相変わらず物騒な発言のベルですが、フランの言葉に手を顎に当てて暫し思案します。

ベル:『ん…』『う~ん………』

そして、

ベル:『ししっ』 『同感♪』

顔についていた砂利を噛んだようなジャリッという音をさせつつ
満面の笑みを浮かべるベル。
ということは、ジルの相手は完全にXANXUSになってしまうのでしょうか。
双子の王子対決は、ジルの勝利ということで落ち着きそうですね。

場面変わり、東地点。
ここでは、大勢のミルフィオーレに囲まれたスクアーロが孤軍奮闘しています。
無数の屍が転がる中、暴雨鮫もまた、傷付きながらも敵を打ち倒しているようです。

スクアーロ:『ルッスーリア 生きてんのか!?』
      『城はどうなったぁ!?』

スクアーロの呼びかけが届くであろう先は瓦礫の山。
無線はその役目を果たしていません。
そして、血に濡れた手の近くには、ルッスーリアのサングラスが落ちています。

場面変わり、北地点。
ここでは、呼吸を荒げたレヴィが戦闘中です。

レヴィ:『SUPER・LEVI・VOLTA(スーペル・レヴィ・ボルタ)!!!』

自分を取り囲んでいた敵すべてに対し、雷の攻撃を浴びせるレヴィですが、
疲労の色は濃いようです。

レヴィ:『ハァ…ハァ…』
    『次々とウジ虫のようにわきやがって…』
    (ボスは… XANXUS様は無事なのか…!?)
    『XANXUS様!! 応答してくれ!!』

XANXUSの身を案じるレヴィが、無線で呼びかけたその瞬間。
彼の背後に躍り出た影に襲われ、体を貫かれてしまいます。
右わき腹付近から噴き出す血とともに、激しく吐血するレヴィですが
襲ってきた敵の頭を鷲掴みにし、ヴァリアーのリングの力を用いて
電撃を喰らわせます。

断末魔の悲鳴をあげ倒れる襲撃者。しかし、レヴィ自身もダメージが大きいようです。
ドッと地面に尻餅をつくような形で座り込んでしまいます。
それでも気になるのはXANXUSのこと。

レヴィ:『…ボス…』
    『応答をぉぉ!!!』

口、鼻、そして、左目から出血しているレヴィは、
単独行動が故、リアルに危険な状態です。

一方、巨雨象3頭が取り囲む城。
つまんだ状態で耳に近付けた無線機からレヴィの『をぉお!!!』 と言う声を聞いていたXANXUSは
『るせえっ』 と指で無線機を潰してしまいます。

「無線機を着ける」まではいきませんでしたが、ちゃんと耳に近づけていたあたり、
伝言係はスクアーロ作戦隊長から言い渡されたその任務を、きちんと果たしたのですね。
ということは、なんとかなるであろう肉を待っているのでしょうか彼は;(←色々台無し)

XANXUSの視線の先には、嵐コウモリのが取り囲み、椅子に座ったまま浮いているジルと
その傍に控えるオルゲルトがいます。

ジル:『お…? あれって…』
オルゲルト:『間違いありません』
      『ヴァリアーのボスにして』 『かつてボンゴレの10代目に最も近いと言われた男…』
      『XANXUS!!!』

椅子に腰掛け、肘掛に両手を乗せたまま、下から二人を睨みつけるXANXUS。
羽飾りも、ちゃんと着けているようですね。

ジル:『とてつもなく目つき悪ぃー』 『まさに不良軍団の大将だな』

ジルの言葉にも無言のままのXANXUS。
それをよいことに、ジルは言葉を続けます。

ジル:『だけど実力はたいしたことねーんだってな 中学生に負けたんだろ?』

この言葉に、XANXUSは目を閉じます。
更に続けるジル。

ジル:『しーしっし!! 14歳の沢田綱吉に凍らされたんだぜ!』 『激弱ってことじゃん!!』

「数日修行をした中学生に負けた、マフィア界最強の暗殺部隊」というある意味タブーなところを、
まさかこんな堂々とツッコまれるとは…思わず意表をつかれました。
それ以上に。
リング争奪戦の内容がだだ漏れなのは何故ですか!?
ボンゴレの奥義である零地点突破の詳細が他ファミリーの知るところであるのは、
死ぬ気の炎の存在がマフィア界で一般的である以上、仕方ないかとも思えますが、
ボンゴレの後継者を決める闘いのことは内輪話に留めないとマズいのではと思います;

ジル:『あれれ? どーした?』
   『図星で言葉も出なくなったか?しししっ』

挑発するジル。しかし当のXANXUSは、椅子にもたれかかったまま
興味なさそうに「はぁっ」と欠伸をします。
その様子に苛つくジル。

ジル:『おい いつまで寝そべってるつもりだ?』
   『イスに座ったまま戦っていいのは 王子のジル様だけだぜ』

ジルはあくまで椅子に座ったままで過ごすつもりのようです。
さすが、登場時も椅子で飛んできただけあります。

しかし、XANXUSは相変わらず目を閉じたまま「フゥ」と息を吐いただけです。
若干眉毛が太く見えるのは気のせいでしょうか?(←聞くな)

ジル:『てんめぇ』 『立場わかってんだろーな』

ジルのその言葉にも表情を動かさなかったXANXUSですが、目を閉じたまま
スッと左手を上げます。
そして、人差し指をクイックイッと動かし、逆にジルを挑発します。

ジル:『カッチーン』
オルゲルト:『ジル様 あなたの手を汚すまでもありません』
      『ここは私にお任せを』

買って出たのはオルゲルト。彼は巨雨象を呼び、XANXASに対峙させます。

オルゲルト:『喰らうがよい』
      「大地の鉄槌(マルテッロ・デッラ・テラ)」

巨雨象の巨体がXANXUS目掛けて突進し、間にそびえていた城壁の破片が飛び散ります。

ジル:『あ゛っはあ゛~』 『ぶっつぶれー!!』

大笑いするジルですが、オルゲルトは妙な違和感を感じます。
空中を移動し、様子を窺おうとするオルゲルトの行動を
疑問符を浮かべながら見やるジル。

果たしてオルゲルトの視線の先にあったは、XANXUSの遥か上空で
停止している巨雨象の足でした。

オルゲルト:『バッ バカな!!』
      『触れることなく止めただと!?』

更に、ピキピキと音を立て、巨雨象に亀裂が入っていきます。

オルゲルト:(石化…!? いや これは…!!)

驚くオルゲルト。
椅子に座ったままのXANXUSの背後の暗がりからは足音とともに影が蠢きます。
それに気を取られていたオルゲルトですが、ここでようやくXANXUSが動きます。

XANXUS:『まぁ ゆっくりしてけや』

どこのならず者だという口調ですが。
コオオという音と共に光を放つXANXUSの右手。
それを、冷汗をかきながら視線だけ向き直り見るオルゲルト。

XANXUS:『沢田綱吉の名をほざいた以上』 『てめーらはここで―――』

引きつった笑みと冷汗を浮かべるジル。
キュアァアと、XANXUSの右手の光と質量が増し、そして。

XANXUS:『かっ消す!!!』

ドオンという爆音と衝撃と共に砕け散る巨雨象と、
椅子に座ったままのXANXUSとで以下次号!!

椅子に座った者同士の対決となったイタリアにおける大将戦ですが、
これはもう、椅子から立ち上がった方が負けとか?
いえ、勝負のしどころが違うと分かってはいるのですが。

XANXUS 対 オルゲルトとの戦いも、勝敗は決したとはいえ
オルゲルトが更なる匣兵器を出すのか、それともジルに選手交代するのか。
また、ベルやフランの今後の行動、スクアーロ、レヴィ、ルッスーリアの安否も
気になります。

XANXUSは、右手の中指にのみ指輪をしているようですので、
彼の有する波動は一つなのでしょうね。
今回は自分自身の力で巨雨象を粉砕したXANXUSですが、
既に開匣しているらしき匣兵器が分かれば、彼の属性も分かると思います。
匣兵器の正体と能力、そしてその属性も、早く分かって欲しいです。

それにしても、10年後のヴァリアーとツナとの関係はどうなっているのでしょう。
わざわざ日本のアジトに通信を入れたり、今後のことを了平に伝言するなど
それなりに気にかけているようでありながら、XANXUSの中では
まだ片が付いていなかったりするのでしょうか。
いろいろ想像は膨らむばかりです。

なにはともあれ、次回も楽しみです!