箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

浅葉克己のトンパ伝心 : 浅葉克己/著 安生和之/文

2006-10-11 22:52:59 | 実用書/ノンフィクション
一時期、ペットボトルのお茶のパッケージにも使用されたトンパ文字。

中国雲南省は西北部のナシ族。その中でも西部に暮らす人々が信仰しているトンパ教の
経典を記録した文字が『ソチォ・ルチォ』つまりはトンパ文字。
1200~1300種類あると言われるその文字を読み書きできるのは、トンパと呼ばれるトンパ教の祭司のみとのこと。

この本では、そんなトンパ文字を日本語の文章の中にちりばめることで
単語の解説を行っている。
また巻末には480種類のトンパ文字の辞典も載っている。
これを眺めるだけでも、結構楽しい。

なにか役に立つかといわれれば何とも応えようがないが;(ぉ
ナシ族の方々の生き方が垣間見え、文字の成り立ちの一例として見る分には面白い本だと思う。

■オススメサイト:超漢字トンパサイト(http://www.chokanji.com/tompa/)

24人のビリー・ミリガン : ダニエル キイス(Daniel Keyes) 訳:堀内 静子

2006-09-27 23:42:10 | 実用書/ノンフィクション
『アルジャーノンに花束を』でも知られる作家、ダニエル・キイスが綴った
ある多重人格者の記録。

アメリカで起こった連続婦女暴行事件。
容疑者として逮捕されたのは、ビリー・ミリガンという名の1人の男性。
拘置所内で素手で便器を叩き割り自殺を図ったり、拘束衣からいつの間にか抜け出していたりと
非常に精神的に不安定な彼に、弁護士は戸惑い精神鑑定を実施。
その結果、彼の中には年齢・性別・国籍の異なる多くの人格がいることが判明したのだ。

24人のビリー・ミリガン(上下巻)では、ビリーが逮捕されてから
裁判で無罪になるまでの、検察側・弁護側含め、精神科医や彼に係わった人々の
行動や心の動き、そしてなにより、ビリーの内面について述べられている。

夜の「ザ!世界仰天ニュース」の放送内容にも取り上げられていたが、
私がこの本を読んだのは10年とちょっと前になる。
心理学などに興味を持っていたこともあり、「ノンフィクション」の
「多重人格」の話というので飛びついた。
実は、家庭教師の先生の家にたまたま置いてあった本だったのだが、
深夜から明け方にかけて、上下巻を一気に読み上げ、帰宅後購入したものだ。

続編に「ビリー・ミリガンと23の棺」(上下巻)がある。
これは、無罪判決後、人格を統合するプログラムを受けることを課せられたビリーが
降りかかる様々な困難を乗り越え、自由を勝ち取るまでの物語となる。

が、リーダー的人格だった「アーサー」や「レイゲン」という『人格』に
愛着を持っていた私は、本作の方がさくさく読めた。
人間の心理とか精神の不思議を垣間見れる作品であると同時に、
私の世界観を広げてくれた1冊である。

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本 : 向山淳子+向山貴彦/絵:たかしまてつを

2006-06-22 21:32:14 | 実用書/ノンフィクション
2001年時に、山口県下関市の大学で英語の教鞭をとっていた
向山淳子氏の執筆で、英語の勉強の初歩の本。

数ある言語の中で、英語がもっとも簡単な言語とのコンセプトの元、
文法は可能な限りシンプルに、最小限にまとめられているので読み流しやすい。
著者が文中で述べている通り、「主語」とか「名詞」とかの文法用語も使用していない為、
「文法」という言葉に抵抗がある人でも読めるかと。

著者の主張は『とにかく英語の本を読んで、英語力を身に付けよう!』
見慣れない単語には日本語訳がついている上、どれが主語でどれが述語か
(「主語述語」という記載はないが)色分けで理解しやすいようになっているので
なんとなくでもストーリーを読むことができる。

また、たかしまてつを氏の、どこか憎らしいけど可愛い猫のイラストも
目を楽しませてくれる。
→ たかしまてつを氏のサイト:tt-web

末尾には、一般的に言う接続詞(「in/out」「on/off」「at」「to」「by/with」)などの
概念の説明や、今後自分のレベルに合わせてどのような英語の本を読めばよいかの
アドバイスも載っている。(←うん、これはよかった☆)

英語を勉強しようと思っている人、英語に興味のある人の
とっかかりとして特にオススメ。