箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ04・05号 KHR 標的223『4人開匣』

2008-12-20 02:32:11 | 雑誌[J]
開匣して飛び出した嵐ミンク(ヴィゾーネ・テンペスタ)を肩に乗せ
『ホクホク♪』と嬉しそうなベルからスタートの今号。
その目の前では風が渦巻き、ジルの『だっせ』 と言う声が響きます。
そして眼前に現れたのは

嵐コウモリ!!!(ピピストレッロ・テンペスタ)

無数の真っ黒いコウモリたちでした。
今にも襲い掛かりそうな顔をしてはいますが、どこか愛嬌があり可愛いです。
今更ですが、いよいよもってポ●モンバトルの様相を見せてきましたね。
しかしこれは…1つの匣に何匹入っているのでしょうか;

現れたコウモリたちと、その奥で余裕の笑みを浮かべるジルを見ながら、
同じく余裕の笑みを浮かべたベルが口を開きます。

ベル:『ししっ まーたチョコザイな匣兵器だぜ』

同意しているように『キィ』と鳴く嵐ミンクが可愛いです。

ジル:『おまえのはスカンクモドキか?つーかオレの出る幕ねーかもなっ』
   『オルゲルト』
オルゲルト:『はっ』

優雅に足を組み、宙に浮いた椅子に座ったままのジルの呼びかけに応じ
オルゲルトが開匣して飛び出したのは

巨雨象!!!(エレファンテ・フォルテ・ピオッジャ)

かなりの巨体の象でした。
今回オルゲルトが出したのがペリカンではないことから、
彼もまた、複数の匣を所有しているようです。

ベル:『ゲ』
フラン:『でかっ』

さすがに笑みが凍りつくベルと、慌てた風もなく
ただ単に感想を述べてるフランが面白いです。
と、いきなり巨雨象が水噴射を浴びせてきますが、
ベルの頭に移動した嵐ミンクが、逆立ち状態で尻尾を扇風機のように
回し、その水を跳ね除けます。
体の大きさと能力は比例しないといったところでしょうか。

攻撃対象を見据えたままブオオっと尻尾を回す嵐ミンクがとても可愛いです。
ベルも動じてないところを見ると、信頼しているのでしょうね。

フラン:『お~』 『あ~ぶなかった~』

思わず身を屈めていたフランが、カエルのかぶりものに手をやりつつ
身を起こします。

フラン:『サンキューセンパイ』
ベル:『サンキューじゃねーだろカエル』

グッと親指を立ててイイ笑顔の後輩に、ベルが冷静にツッコみます。
10年前は非常識な言動などで周囲にツッコまれ、その度に
「だってオレ王子だもん」でかわしてきたベルが、
フラン相手ではツッコミ役です。

ベル:『おまえの匣兵器はどーしたんだよ』
フラン:『がんばったんですけど…ポーズが決められなくて開匣できませんでした』
ベル:『ポーズ?』
フラン:『ヒーローが変身したり魔法使いが呪文となえるのにポーズってあるじゃないですかー』
    『ミーもあれが必要なタイプなんですよー』

人差し指をぴっと上げて、ちょっと困ったような表情ながら
真面目な顔をしてフランが言うそのポーズとは。

両手を前に
左手あげて
右手もあげて
ハァ~~~
(←ここで両手を左右に広げた後)
開匣!!
(←ここでリングを匣に嵌める)


…毎回やるんですか、これ?

ベル:『てんめーぶっ殺す』 『つーかここで自害しろ』

笑顔でナイフをちらつかせながらベルが言いますが、
やはりフランは動じません。

フラン:『本当なんですって このかぶりもののせいで手が上にいかないんですー』
    『ってことで これ脱いでいいですか?』

いいながらカエルのかぶりものを脱ごうともぞもぞするフランですが、
ベルはそれを許しません。

ベル:『ぜってーダメだ!!かぶったまま死んでろ!!』

かぶりものが脱げないよう手で抑えながら、言葉でもダメ出しします。
そんな緊張感のない二人を、上から見下ろしながら眺めているジルとオルゲルト。

ジル:『大丈夫なのか?ベル』 『ししっ』
ベル:『このバカ抜きでやるから』 『まったく問題ねーよ』

頬杖ついたままのジルとベルとは、髪型以外ほんとに同じ顔・同じ笑い方ですね。
反応を見る限り、さすが双子と思うのですが、気が合いすぎて気が合わない
という感じでしょうか。

ジル:『そいつはよかった』
   『まあ とはいえ』 『とっくに遠慮はしてねーけどな』

ジルの言葉に、ぽかんとした表情で疑問符を浮かべるベル。
そんなベルを、変わらず笑みを浮かべ見やるジル。
『……!!』 とベルが何かを感じた次の瞬間。

ドッという音と共に、もの凄い勢いで、左耳から大量の血を噴き出すベル。
驚いたような嵐ミンクの、丸いフォルムに惹かれるのですが、
続いてはその嵐ミンク共々、ベルは盛大に吐血します。
『ギィッ』と鳴く嵐ミンクは、両耳からも血が噴出しているのが可哀相です。
というよりも。
匣兵器も血を流すのですね;

ベルはどうやら、目からも出血しているようです。
目・口・耳など、外部に通じる穴をもつ器官すべてから
血が噴き出した模様、さすがに盛大に鼻血を噴き出すのは、
絵面的にも避けたようですが(←ぉ)。

ダラダラと目や口から血を垂れ流しながら上体が前のめりになっていく
ベルの突然の異変に、『センパイ…!?』 とフランが覗き込みますが

ドンッ

次の瞬間には、フランの口・両耳、そして、カエルのかぶりものの
目辺りから、勢いよく大量の血が噴き出します。
尋常でない量に加えあまりの勢いに、カエルのかぶりものの目が飛んでいます;

揃って、力を失い木の枝から落下するベルとフランを
『しししっ』 と笑いながらジルが見ています。
何の抵抗もなく、地面に叩きつけられる二人に、声をかけるジル。

ジル:『戦争だぜ』 『ヨーイドンで闘うとでも思ってんのか?』

残念ながら、これはそのとおりですね。
戦隊モノのヒーローのように、変身のポーズの取り始めから変身終了まで
敵が待ってくれるなんてことはまずあり得ません。
こういう、妙なリアリティが実は好きだったりします。

普通のコウモリは、コウモリが超音波を反響させて物体の位置を把握しますが、
嵐コウモリ(ピピストレッロ・テンペスタ)は、音波のかわりに目に見えない
特殊な嵐の炎を放射しているそうです。
# ヒバリが編み出した、死ぬ気の炎によるレーダーと同じ原理ですね。
その炎の8割は反射せずに物体に吸収され、炎を浴びたものは

『嵐属性の"破壊"力によってドカ~ン!!!』

なのだそうです。
最初に「オレの出る幕はないかも」と言いつつ、裏ではしっかりと
攻撃を仕掛けていたのですね。
さすが、弟に泥ダンゴを食べさせた兄だけあります(違)。

ベル:『が…あ゛…』 『くっ…』

地面に這いつくばった状態で、なんとか顔を少し上げたベルが
呻き声を上げます。
ベルが自分の血を見てもリミッターが外れないということは、
それだけ傷が深いということでしょうか。

ベル:『う゛…』 『ジ…ル…』

自分の名を呼ぶ弟の声を聴いたジルは、笑みを浮かべたままです。
そして、

ジル:『散れよ』

その言葉が発せられた次の瞬間。

ベル:『あ゛っ』

更に噴出した大量の血と共に、ベルの着けていたティアラが
宙を舞います。
「ドシャッ」という音と共に倒れ伏すベル。
その隣で同じく倒れているフランは、身動き一つしません。
彼らの顔の位置の周りには、大量の血痕が見て取れます。

ジル:『あ゛はぁ゛~』
   『ザマーねーなクソ弟っ』
   『産まれた時からこうなる運命だったんだよ!!』

楽しそうに大笑いするジル。
一旦その弟に「殺された」人物の言葉とは思えませんが、
オルゲルトの言動からもわかるように、自他共に認める
優秀な王子だからこその発言なのかもしれません。

そこへ、ヴァリアー隊員が3名駆けつけ、
倒れているベルとフランを発見します。

『ベル様!!フラン様!!』

駆け寄ろうとした彼らに、突如覆いかぶさる黒い影。
それは、オルゲルトの匣兵器、巨雨象が彼らを踏み潰そうと
前足に狙いを定め、空中から降ってきたためのものでした。

大地の鉄槌!!!(マルテッロ・デッラ・テラ)

『退避!!』 の声も空しく、『ゲブッ』 という声を最後に
踏み潰されるヴァリアー隊員。
巨雨象の足元からは、彼らのものと思われる血飛沫が上がります。

ジル:『あ゛っあ゛っあ゛っ~!!』 『ケッサクだな!!』

この笑い方は、キレたときのベルそっくりですね。
ジルはベルと違って、いつでもリミッターを外せるのかな?

ジル:『ヴァリアーよえー!!』
オルゲルト:『所詮 旧態依然の不良集団ですからな』

今現在30代の幹部がメインな暗殺部隊に「不良集団」という表現は
どうだろうと思うのですが、あながち間違ってなさそうなところが
泣けます。

オルゲルト:『このまま一気に城を落とすのが吉かと』
ジル:『しししっ そーだなっ』 『お前やっていいぞ』
オルゲルト:『では』

更に2つの匣を開いたオルゲルト。
飛び出したのは、巨雨象2匹。

三重象!!!(エレファンテ・トリプリチェ)

バリネズミと同じように、予備の匣があったのでしょうか。
同じ属性・同じ中身の匣が複数個存在するというのは
前々からありましたが、一体どれだけの数作られているのでしょうね。

場面変わり、森の中。

スクアーロ:『んだ ありゃあ?』

訝しげに空に視線をやるスクアーロに、隊員が無線で応答します。

隊員:『3機の巨大匣兵器と思われます!』
   『城に向かう模様!!自分は特攻をかけます!!』

スクアーロ:(ベルとフランが殺られたのか……!)

作戦隊長ってば、ベルとフランが殺されたのだと
割とあっさり認めちゃいました orz
6弔花と対峙すると分かったときから、彼らが6弔花を逃がすことがあればそれは
死んだときか、動けないほどの重症を負わされたときであると認識していたのかも
しれません。

幹部2人を倒すほどの実力者。スクアーロはすぐさま隊員に返答します。

スクアーロ:『特攻まて!!』
しかし、『ギャ』 という声を最後に途切れる無線。
『ちっ 無駄死にをぉ!!』 というスクアーロの言葉が、
何故か少し嬉しかったです。

スクアーロ:『ルッスーリア!!』 『聞こえるかぁ!?』

城に向かい突撃する巨大な3体の象。
その危険を知らせるため、スクアーロがルッスーリアにコンタクトを取ろうとしますが、

ルッスーリア:『え?何?』

晴クジャクでけが人を治療中のルッスーリアには、晴クジャクの「キョアア」という
音が邪魔をして、スクアーロの声が届きません。

そして。
ドオンッという爆音と巨大な砂埃と共に、滅茶苦茶に粉砕される城。
それを察知するスクアーロとレヴィ。

レヴィ:『!!』 『ボス・・・!』

まず真っ先にXANXUSを案じるレヴィは、ほんとにXANXUSを慕っているのですね。
ツナに対する獄寺を彷彿とさせます。

ジル:『しししっ』 『あっちゅうまにペッチャンコ』

崩れた城を、周囲に嵐コウモリが飛んでいる状態で
椅子に座ったまま眺めているジルは、本当に楽しそうです。
これだけの崩壊となると、ルッスーリア始めヴァリアー隊員の
安否が気遣われます。
また、ヴァリアーに入隊するのって大変なんじゃないかなとか、
一気に人材確保できるのかなとか、余計な心配までしてしまいます。

ジル:『ボンゴレ最強部隊消滅~~!!』 『あ゛~はぁ゛~』

舌を出した状態で大笑いするジルですが、瓦礫と化した城から不意に
『るせぇっ』 という声が聞こえます。
思わず動きの止まるジルの視線の先。
見えてきた城の一室。周囲は瓦礫の山なのにも関わらず、
何故か何の影響も受けていないように見える とあるスペース。
そして、そこを横切っていった、4つ足の動物らしき影。

オルゲルト:『!』 『何だ…?』

徐々に見えてきた輪郭は、どっしりとした椅子に腰掛け
軽く足を組んでいる人の姿をしていました。
左手を肘掛に乗せているその人物の右手がコオオ‥という音を立てたかと思うと、
持っていたワイングラスがバリーンと砕け散ります。
ゆっくりと俯いていた顔を上げたその人物とは

XANXUS:『ドカスが』

見開きいっぱいのXANXUSの目のアップで以下次号!!

迫力というか、大人の色気のようなものが増した気がしますXANXUSですが、
どうやら今回も持ってきているようですマイチェアー。
互いに椅子に座ったまま邂逅した、ミルフィオーレイタリア仮本部のボスと
ボンゴレ最強の暗殺集団ヴァリアーのボス。
ちらっと登場した、恐らくXANXUSのものであろう匣アニマルも気になります。
黒豹とかチーターとかの大型肉食獣かなと、勝手に予想しています。

しかし、こんなにもあっさりとVS ジルとの闘いに
決着がつくとは思っていなかったので、かなり驚きました。
先週、このまま出番がなかったらと心配したXANXUSの登場にも
驚きましたが。
ジルの匣アニマルとその能力は明らかになりましたから、
それをXANXUSがどう返り討ちにするかがとても楽しみです。

また、タイトルでは「4人開匣」となっていますが、実質3人ですね。
フランが開匣していない(ように見える)こと、彼が術士であること、また
ヘルリングの力をまったく見せ付けていないことから、今回の彼らの姿は
幻覚だと信じたいです。
今回は合併号なので、とりあえずは再来週までの我慢なのですが、
本当に死亡とかなったら、新年早々凹みそうです;

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ03号 KHR 標的222『Belphegor(ベル)とRasiel(ジル)』

2008-12-13 03:32:30 | 雑誌[J]
# 2008.12.13 23:55修正

ワイヤーにより、自らの周囲に無数のナイフを張り巡らせたベルと、
お揃いのティアラを着け、お揃いの髪形をした嵐ミンクが表紙の今号。

タイトルから分かるように、ジルの名前はラジエルのようです。
リング争奪戦に挑んだヴァリアーメンバーの名前は
すべて7つの大罪に関係していました。
聖書においては悪魔の名前として登場するベルフェゴールに対し、
7大天使の1人であるラジエルは【あらゆる秘密を知る天使】とされています。
ラジエルの書とかラジエルの鍵(@裏僕)などで、多少馴染みのある名前です。
ベルとジルのご両親は、双子の兄弟にそれぞれ天使と悪魔の名前をつけたのですね。

さて本編。

ジル:『しししっ』

炎を噴射し浮いた椅子に座ったまま、髪型以外はまったく同じ風貌、同じ笑い方で
ベルを見下ろすジル。さすが双子です。

ベル:『…ジル?』 『あっりー?』

顔は笑っているものの汗をかいているベルは、殺したはずのジルが
目の前に現れたこの状況を、いまいち飲み込めていない様子です。
そんなベルの横に立ち、ジルに視線を向けたままフランが問いかけます。

フラン:『たしかセンパイ 兄弟は殺したって言ってましたよねー』
    『あいつ 幻覚かなんかじゃないですかー?』
ベル:『バーカ それを見破んのが術士のおめーの仕事だろ』
フラン:『あ…う~~ん』 『たぶん幻術(そのて)の小細工はしてないと思いますねー 勘ですけどー』
ベル:『勘かよっ』

淡々としていつつも漫才のようなやりとりが楽しいです。
緊張感が皆無なのも、この二人らしくてよいです。

フラン:『幻術見破んのって超高度なんすよー 師匠も結局最後は勘だって…』

フランには師匠がいるのですね。誰なのかが気になります。
既存のキャラなのか、新規キャラなのかすら分かりませんね。

それにしても、このコマだけ見ると、巨大な黒いカエルが喋っているように見えます;
幻術を見破るという言葉で思い出すのは、黒曜編にて骸の幻術を、そして
リング争奪戦ではマーモンの幻術を見破ったツナの超直感ですが、
それだけ、ブラッド・オブ・ボンゴレが凄いということでしょうか。

と、フランの言葉を遮るかのように、ジルがベルに声をかけます。

ジル:『ベルよぉ』
   『疑うのも無理はねーが オレは偽物でもそっくりさんでもねーぜ』
   『だって…お前と左右対称にあるハラのアザと…』 『お前がつけたこの傷が』 『証拠じゃね?』

シャツをめくり現れたジルの体には、ナイフによるものと思われる無数の傷跡、
そして、へその横に黒い三日月型の痣がありました。
それをみてハッとするベル。

ベル:『!』 『…………』 『本物くせぇ…』

思い出す昔のこと。

生まれた時から 超絶 仲が悪かった…
 あの日も ハナクソのつけあいからはじまり
 投石 
 投岩 
 投ナイフ 

互いのほっぺたに人差し指を突き立てている、黒いシャツと白いシャツの
双子の王子。彼らが城の庭で、石を投げたり岩を投げたり、それが当たったり、
ナイフを投げあったりしている回想シーンを見る限り、やっぱり双子なんだなと
思うほど互いに息が合っています。

そして

ついに永遠の勝利!!

「パンパカパーン」のファンファーレと共に、"WINNER!"と書かれた幕を背景に、
両手と白いシャツの胸元を血で染めたベルが両手を高く突き上げているイラストは
童話の1ページのような雰囲気です。
ちょこんと座っている、2羽のウサギが可愛いです。

フラン:『センパイ ずいぶんバイオレンスな悲劇をコミカルに語りますね』
ベル:『しししっあのキズは寸分違わずオレがつけたもんだ』

フランは、この境遇をバイオレンスな悲劇と認識する程度には常識人のようです。

ジル:『ったく 成長してねーなベルフェゴール』
   『自分の都合のいいようにしか記憶しないとことかな』

その言葉に疑問符を浮かべるベルに、ジルは続けます。

ジル:『まず お前は兄貴のオレには何やっても敵わなかったこと想い出せよ』

笑みを浮かべて告げたジルの言葉に、したり顔のオルゲルト。
勉強でもかけっこでも、何をやってもベルはジルに勝てなかったそうです。
あの時点で、次期王となる正統王子は、100%ジルだったと。
…「時期王」は誤字かな??

ジルの言葉を肯定するオルゲルトと、「ちっ」と舌打ちするベル。
両者の反応から察するに、ジルの言葉は真実のようです。
フランの言うとおり、彼はヴァリアー一の天才と言われるベル以上の天才なのでしょうか。

ジル:『あの日も お前の力で勝ったわけじゃねーよなあ?』
   『真の天才のオレに ガチじゃ敵わねーと思った準天才のお前は 』
   『あの日 下剤をたらふくオレのメシに仕込んだんだもんな』

白いシャツを着たベルが飲み物に薬を入れて、それを飲んだ黒いシャツのジルが
お腹を押さえてるのはちょっと可愛いです。

フラン:『めちゃくちゃヒキョーじゃないですかーセンパイ』
ベル:『前の日にミミズ入り泥ダンゴ食わされてんだぜ?』
   『オレもあん時足元がおぼつかなかったんだ おあいこじゃん?』

相変わらず淡々と会話するこの二人。
それにしても、殺伐とした双子です。泥ダンゴを食わされるって、
それだけでもダメージが大きいのにミミズ入りとは…生じゃないですよね。
漢方に使われるとはいえ、生はキツいな…;

ベル:『つーかさあ なんで生きてんだ?』 『確かに土ん中に埋めたはずだぜ』
ジル:『しししっ』

ニッと笑いかけたベルに、ニッと笑い返すジル。
ベルは、自分でジルを埋めたのでしょうか?それとも、
葬儀を行ない、土葬したということでよいのでしょうか。
今更ですが、10年前は直毛だったベルの髪は、敢えてセットしているのか
成長につれてくせっ毛になったのかも気になります。

ジル:『本物の正統王子は死なねーんだよ』 『お前と違ってオレは あの方の偉大な力に守られてんだからさ』
ベル:『……?なーに言ってんだ?』

ジルの言う「あの方」は白蘭でしょうか。
王子であるジルが「あの方」と呼ぶ以上、幻騎士と同じように
ジルにとっても白蘭は「神」なのかもしれません。
「偉大な力」がどういうものかいうことと、ジルと「あの方」とが
いつ・どこで出会ったのかということは、後々明らかになるのでしょうか。

ジル:『これ何だかわかるか?』

右手の中指に嵌めたリングを見せるジル。
爪が真っ黒なのは、わざとでしょうか。

ベル:『えーっと……!マーレリング?』
フラン:『……じゃあセンパイのお兄さんって…』
ジル:『そう』 『6弔花』

ジルが6弔花であることが、改めて判明しました。
その言葉を受けて、フランがカエルのかぶりものをパンパンと左手で叩きます。

フラン:『スクアーロ隊長ー』 『6弔花 南に来ました――』
スクアーロ:『ちっ』 『こっちはハズレか』

スクアーロは、よくよく運がないとみえます。
そして、どうやらカエルには、通信機能が付いているようです。
険しい顔で毒づくスクアーロは、インカムなどの通信機器を装備していないように
見えますが、通信自体、フランの能力に拠るものなのかな?
とは言え、XANXUSに無線を付けろと伝言していましたから、やはり
何らかの機械を装備しているのでしょうか。

フラン:『それが驚いちゃいましたよ バカなセンパイの死んだはずの兄貴でしたー』
スクアーロ:『!?』 『何言ってやがる!!』
フラン:『どーも生きてたらしいんですよーゴッツい執事付きで』

森の中で不定期に上がる火柱と、ドンという爆発音。
スクアーロは、その真っ只中に居ました。

スクアーロ:『よくわかんねーが細かい話は後だ』
      『オレも今しばらく 手が空きそうには――』 『ないんでなぁ』

空を縦横無尽に暴れまわり、ミルフィオーレを倒していく暴雨鮫。
そして、左手の剣を操り剣士としての力を発揮するスクアーロ。
大勢のミルフィオーレ隊員に襲われたらしい彼らは、敵を圧倒しています。

スクアーロ:『レヴィ ルッスーリア 6弔花だ』 『ベルとフランのフォローにまわれ』

6弔花が相手と言うことで、スクアーロも若干慎重な姿勢を見せているようです。
白蘭を引きずり出すために、逃亡を許さず確実に仕留める必要があるというのも
理由の1つかもしれません。

場面変わり、ヴァリアーが占拠した城では、スクアーロからの声を
ルッスーリアが受け取っていました。

ルッスーリア:『それがこっちも忙しいのよ~~』
       『今しがた北の方で爆発があって見張りがやられたみたい』
スクアーロ:『何?』
ルッスーリア:『レヴィが向かってるわ』

レヴィの匣アニマルは雷エイ(トルペディネ・フールミネ)。
それを背負うかのような格好で、滑空しているレヴィですが、
何故効果音が「GOAAAAA!」なんでしょう。
ここだけ違う漫画かのようです。

どうやら、数にもの言わせて一斉攻撃を仕掛けてきているようだと
自らの状況分析をスクアーロに伝えるルッスーリアの元に、呻きながら
『ルッス姐さん…』とヴァリアーの隊員たちが集まってきます。
ルッスーリアは、ヴァリアー隊員に姐さんと呼ばれているのですね(笑)。

ルッスーリア:『怪我人もわんさか出てきたみたいだし』
       『私も行けそうにないわ』
スクアーロ:『了解だぁ』 『ルッスーリア お前は城(そこ)でサポートに専念しろ』

スクアーロの言葉に、溜息を吐くルッスーリア。

ルッスーリア:『はぁ~~イヤになっちゃうわぁ~~~』
       『私だって本当は闘いたいのに こんな家事ばかりまかされて~~』

家事と称されてしまいましたが、晴の属性の「活性」の力は回復役として欠かせません。
どうやらルッスーリアも、ちゃんと晴属性のようですね。

ルッスーリア:『しょうがないわね~』 『開匣よんv』

匣から飛び出たのは晴クジャク(パヴォーネ・デル・セレーノ)。

ルッスーリアが「クーちゃん」と呼ぶ大きくて美しく、立派な羽を持つ
このクジャクの技、ヒーリングパネルにより、負傷した隊員の怪我がみるみる治ります。

ルッスーリア:『晴の活性の炎は 細胞を活性させて傷も治すけど 髪と爪ものびるから切ってくのよ』
部下A:『のわっ』

ルッスーリアの言葉どおり、髪や眉毛やヒゲや爪がこれでもかと伸びた
ヴァリアーの隊員がショックを受けていますが、ショックだと思います。
あの伸びっぷりはちょっとしたホラーです。
ヴァリアー幹部が負傷して、晴クジャクのこの技を受けた後の姿は
見てみたいような見たくないような、複雑な気持ちです。

フォローに回そうと思っていた2人が、それぞれ役割を担いでいること、
XANXUSは(多分)当てにならないことから、スクアーロ作戦隊長は
敵を切り刻みながら、即 決断を下します。

スクアーロ:『ベル フラン!!』 『6弔花はてめーらでなんとかしろぉ』

…まぁ普通に考えたらそうなるんですが、作戦って何だろうと
ちょっと思ったことは秘密です。

フラン:『ベルセンパーイ』 『残念なお知らせがありますー』
ベル:『聞こえてたってーの』

フランの声だけでなく、スクアーロの声も聞こえていたのですね。
もしかしたら、ルッスーリアの声も聞こえていたのかな?
多地点中継も可能なのでしょうか、カエル通信は。

ベル:『ハナから誰にも頼んじゃいねーし』
フラン:『ちぇっ 任務だから連絡したのによー』

やさぐれるフランも面白いです。

ベル:『それに やり残したことは』 『しっかり自分で清算してやるぜ』
ジル:『ししっ』 『それはこっちのセリフだぜ失敗作の弟ちゃん』
   『きっちりここで片つけてやるよ』
オルゲルト:『ベル様』 『ご覚悟ください』

互いに視線を絡めたまま笑みを浮かべるベルとジル。
戦闘宣言をする彼らに先駆けて、オルゲルトがリングに炎を灯します。

フラン:『となるとミーがあのゴツ執事の相手ですねー』

糸目状態のフラン。彼はデフォルメ顔が多いですね。

ベル:『おめーはジャマすんな カエル』
フラン:『任務だから仕方ないですよー王子(仮)』  
ベル:『(仮)とかつけんな』

「(仮)」には大笑いしました、本当に面白いですこの二人。
変わらず木の枝に、仲良く立っているのも可愛いです。

フラン:『え~~~っと』 『こんなとこですかねー』

ポケットを漁り、666という数字が掘り込まれたリングと、
ヴァリアーのマークが装飾された匣を取り出すフラン。
戦闘のため準備されたそのリングは、世界に6つしかないと言われるヘルリングでした。

ジル:『ほー』 『さすがボンゴレが誇る最強部隊じゃん』
   『まっ』 『どーせ ここで消えるんだけどなっ』

世界に6つしかないリングなんで、是非保存して頂きたいものです。
言いながら、ジルが左手で玩んでいるのは、王冠の装飾のほどこされた匣。
しかし、ですます口調で辛辣な物言いをするフランは、
ジルの挑発に乗るどころかあっさりと受け流し、逆襲します。

フラン:『それはないと思いますよー』 『どーせ あんた ベルセンパイに毛がはえた程度でしょ?』
ジル:『……ベル 何そいつ?』
ベル:『カワイクないコーハイ』

初めてジルの顔から笑みが消えました。フラン凄いです。
よい性格をしているとは思っていましたが、再確認しました。
ここのベルとジルのやりとりは、兄弟って感じでよいですね。
フランとベルも、ちゃんと「後輩」「センパイ」として互いを認めてそうなのがよいです。

オルゲルト:『愚か者め 格の違いを知るがいい』 『それではいざ―――』

『開匣!!!』

4人が一斉に、炎を灯したリングを匣にはめたところで以下次号!!

次号は、それぞれの匣アニマルが飛び出すでしょうか。
ベルは嵐ミンクで、オルゲルトが雨属性のペリカンというのは分かっていますが、
それ以外でどんな動物が登場するかも楽しみの1つです。

ヴァリアーの登場する話は、なにかとギャグが多いですね。
楽しくて好きなのですが、最近はそれに加え、
テンションがほぼ一定なフランの言動が面白く感じています。

また、微妙にではありますが、ジルとフランの戦闘フラグが立ったような気がします。
メインは「ジル VS ベル」「オルゲルト VS フラン」なのでしょうが、
1対1が2組なのか、2対2なのか、バトルの展開も併せて楽しみになりました。
XANXUSは、このまま出番がなかったらどうしよう;

スクアーロは、さすが暗殺部隊ヴァリアーの幹部だけあり、
相手を殺すことにも躊躇がありませんね。
入江の密かな協力もあってこそでしょうが、殺さずをモットーに
頑張っているツナたちとの、よい対比になっていると思います。

ジルの「ラジエル」という本名については、、
ただ単に悪魔と対になる天使として取ってきただけなのか、
それとも、同名の天使と同じく、あらゆる秘密を知っているのかが
気になります。
もし、あらゆる秘密を知っている存在となれば、
白蘭の能力を解き明かす鍵を握っているのかもしれません。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ02号 家庭教師ヒットマン REBORN! 標的221『ありえないこと』

2008-12-06 04:04:55 | 雑誌[J]
今号は、スクアーロと匣兵器である鮫
『暴雨鮫(スクアーロ・グランデ・ピオッジャ)』が表紙です。
炎を纏った鮫は、なかなかの大きさです。
本作に登場する動物は、可愛くデフォルメされていたり
妙にリアルだったりしますが、どれも魅力的ですね。

さて本編。

前回のラストで敵を倒した暴雨鮫が、流線型の見事なフォルムを
優雅に翻し、森の中を泳ぎスクアーロの元へと戻ります。
振り向きもせず、立ち上がりもせずミルフィオーレを一蹴したスクアーロですが
今回は立ち上がっていますね。
巨大な体躯から炎をたなびかせつつ、その周りを旋回する暴雨鮫の姿は
とても優美で美しいです。

その匣兵器と、剣を抜くこともなく敵を打ち倒した強さに
地に伏せた状態のまま、感嘆の声を漏らす部下達。

スクアーロ:『ったりめーだ』 『こんなペーペーのペーに手こずってられるか』

パタンと匣を閉じ、眼光鋭く部下を見下ろしながら、スクアーロは続けます。

スクアーロ:『オレ達の目的は 6弔花級(クラス)のボスを討って白蘭をひきずりだすことだぁ』
      『そろそろ無線を耳につけろとボスに伝えろぉ!!いやでもつけろとな』
部下:『はっ』 (また半殺しにされると思うけど…)
   『了解しました!!』 (じゃねーとここで殺される…)

「いやだ」と言われるのが分かっているかのような物言いが泣けます。
更には、たちまちのうちに気を付けの姿勢で元気よくお返事をする部下の皆さんの
心の声がなんとも言えません。
今現在スクアーロに殺されることよりも、後々XANXUSに半殺しにされる方が
マシということらしいです。…そうなんだ。

そんな彼らの心の声を読み取ったのか、取っていないのか。

スクアーロ:『う゛お゛ぉい!!』
部下:『はっ』 『はい!!』

再度、ビシーッと気を付けの姿勢を取る部下3人にスクアーロは続けます。

スクアーロ:『肉は後で何とかしてやると言っとけぇ!!』 『クソボスがぁっとな!!』
部下:『はっ』 『はい!!』 (ぜってー言えねぇ!!)

何とかするんだ!!(笑)
なんだかお母さんのようですねスクアーロ。
結局XANXUSを甘やかしているのか、それとも肉に執着しているXANXUSの
部下への八つ当たりを防ぐためにそう告げたのかは分かりませんが、
どちらにせよ「クソボス」という部分は外せなかった模様です。

一見、オジサンに見える部下の本音の言葉が、意外に若いのには笑いました。

『失礼しまーす!』と言いながら、駆け出していく3人を、
木の枝の上に立ったまま『カスどもが』と呟きながら見送ったスクアーロは
そのまま静かに思考をめぐらせます。

(…さぁて 6弔花(おおもの)がかかるのは 東(こっち)か南(むこう)か…)

さすが作戦隊長。
地形上限られていると言っていた敵の攻めのルートが、
東と南にある抜け道だったのですね。
「守り」と言いつつも、予め敵の動きを予測しての待ち伏せるつもりです。

イタリアのこの戦いが重要であることは、彼らも重々承知しているのですね。
そして、ここを制すれば、白蘭も動かざるを得ないだろうとの考えのようです。

場面変わり、南地点。
まずベルが、スクアーロと同じように適当な木の枝に降り立ちます。

ベル:『よーし ここらで待ちぶせるか』
フラン:『ベルセンパーイ』

続いて、ベルより一段低い木の枝にフランが陣取ります。

フラン:『背中に刺さった趣味の悪いナイフ抜いてもいいですかー?』
    『いかにもオリジナルナイフだぜーって主張するこの形状が相当 恥ずかしいんで』

そういうフランの背中には、14~5本くらいのナイフがザクザクと刺さっています。
刺されっぱなしだったんですね;
しかも抜くのに許可を求めるとは、口は悪いけれど、
何気に先輩の言うことには従う、よく出来た新人なのかもしれません。

ベル:『……………………』
   『きれいに磨いて揃えて返せよ』

座り込んだまま、頬杖をついた状態でそう告げるベルの目の前で

フラン:『それは嫌(や)ですー』 『こんなものこんなもの』

同じく座り込んだまま、淡々とした表情でナイフをペキペキ折っては
ポポーイと捨てるフラン。
その姿と、くの字に曲がり落ちていくナイフを見て、口元は笑っているものの
ベルの顔に怒りマークが浮かびます。

ベル:『てんめっ』

ボウッとリングから迸る炎。ですがフランは意に介していません。

フラン:『あ~ 怒ったんですかー?』
    『折らずに捨てますから』

ずっと思っていたことですが、フランはほんとによい性格をしています。
相変わらずベルの方を見ようともせずに、今度は背中から抜いたナイフを
そのままポポポーイと捨てていくフランに、『捨てんなっ』と言いながら
リングの炎を注入し、開匣するベル。

ドシュッという音と共に飛び出したのは、
嵐ミンク(ヴィゾーネ・テンペスタ)

王族に相応しい動物が登場しましたね。
ベルの首の周りに、まるで襟巻きのようにくるりと身を寄せたミンクは
小さな耳に炎を宿し、フサフサなしっぽが気持ちよさそうなのですが、
ベルと似た髪形(!)をしているせいで目を見ることができません。
ペットは飼い主に似るとよく言いますが…
なんだか、匣兵器をペットと勘違いしてしまいそうです;

そしてベルは、リング争奪戦と同じ属性なのですね。
スクアーロも雨属性であることから、ヴァリアーの面々は全員
リング争奪戦で戦った属性を有するのかもしれません。
と言いつつ、XANXUSについてだけは、なんとも言えませんが。

ベルと同じようにフランをじーっと見つめる嵐ミンクを肩に乗せたまま
ベルは言葉を続けます。

ベル:『それ以上捨ててみ』 『おまえ燃やす』

ベルの本気を感じ取ったのでしょうか、フランがベルの方を向き
『じょーだん… じょーだんですよー』と言いつつブンブン手を振ります。
しかし、その際に手からナイフがこぼれて、結局ポポーイッと捨ててしまいます。

フラン:『あ…』
ベル:『カチーン』

思わず動きが止まるフラン。
ベルの怒り表現と、ガルルと唸り声を上げる嵐ミンクに、流石のフランも
汗を垂らし「ゴクリ…」と唾を飲み込みます。
そんなフランに向け、『死ねよ』と言いつつ、嵐ミンクをけしかけるベル。

ベルの元を飛び出した嵐ミンクは、木の幹を足場に方向転換し、
左手で追い払う仕草をしながら『しっしっ』『来んな』と言っているフランの元へ
一直線に向かっていきます。

『わっ』と言いつつサッとしゃがみ込むフラン。
嵐ミンクは、そんなフランの頭上を通過し、その背後へと突き進みます。
そして、

『げえっ!!』

嵐ミンクが体当たりを食らわせたのは、斧を持ったミルフィオーレの
隊員2人でした。制服の色が白なので、ホワイトスペルですね。
次の瞬間炎に包まれた、自分の背後に居た敵を見ながら、
フランがベルに声をかけます。

フラン:『おお ベルセンパイ』
    『敵がいるのに気づいてたんですねー』
ベル:『ったりめーだ』 『数は30ってとこか』
フラン:『ごくごくまれにですが』 『本当に天才かもって思ったり思わなかったり』

敵の数を聞いてもフランに焦りなどは感じられません。
もちろん、ベルも表情を崩していません。本当にマイペースのようです、この二人。
彼らに限っては、この緊張感の無さがとてもよい感じです。

ベル:『ししし 天才に決まってんじゃん』
   『だってオレ――――――』
   『王子だもん』

再び首に巻きついてきた嵐ミンクを肩に乗せ、そう言ったベルの前に現れたのは
多数のミルフィオーレ隊員たち。
『かかれ!!』の声と共に、一斉に攻撃を仕掛けてくる彼らの中には、
ハイエナらしき匣兵器アニマルの姿も見えます。

フラン:『相変わらず意味わかんないんですけどー』
ベル:『おまえは そこで首洗って待ってろ』

こんな状況でも座ったままのフランに対し、
ここはベルがやる気のようですね、立ち上がっています。

ベル:『さあ やっちゃっていいぜミンク』

『イェイ』って、なんだか楽しそうなベルのその合図に、
「キイイ」と歯をむき出しにして声を上げたミンクが、
一気に加速し、先ずは数本の木に自らの体を接触させつつ、森を駆けます。
次の瞬間、ミルフィオーレ勢を取り囲むように立ち上る巨大な炎。

ミルフィオーレ:『皆!!』
        『あの炎には触れるな!!』
        『嵐属性の炎だ!!』
ベル:『ムリ』

笑みを浮かべたベルの言葉どおり、森火事状態の炎から飛び出したミンクが
ミルフィオーレの隊員の腕に僅かに接触しただけで、彼らを炎が飲み込みます。
人も森も、すべてを包み込む巨大な炎「紅蓮の炎(フィアンマ・スカルラッタ)」。
ゴオオと立ち上る炎に照らされながら、何かを読み上げるフラン。

フラン:『嵐ミンク(ヴィゾーネ・テンペスタ)に体毛を擦りつけられた物体は』
    『摩擦によって 嵐属性の炎を発火し燃焼するのだ』

フラン:『…………命令どおりに解説しましたー』
ベル:『ごくろ♪』 『そーゆーのあった方が感じ出んだろ?』

目が点状態で、手をだらーんとして突っ立っているフランが可愛いです。
ベルもご満悦のようですね。
しかし、森の被害は甚大です。フランの、黒っぽいカエルのかぶりものが
明るく見える程、炎の勢いはものすごいです。
それを、目の上に手をかざして『よく燃えてんなー』と他人事のように言うベルに、
『環境破壊とか考えたことありますー?』と、目が点のまま、やはり他人事のように
答えるフランがまたよい感じです。

しかし、突如どこからか浴びせられた水に、たちまちの内に鎮火する森。

フラン:『?』
ベル:『!』

葉が燃やし尽くされ、炭化した木が姿を現しますが、
目の前の状況が飲み込めないベルとフラン。

一方、ツナサイド。

件の装置の前では、ようやっと透明な筒状の装置から
ボンゴレファミリーが出てきたようです。

入江:『さあ 怪我人を緊急用ベッドへ』
ツナ:『みんな大丈夫!?』
獄寺:『10代目!!おケガは!?』

仲間の元へと駆け寄るツナの背後で入江が、
クロームに抱きかかえられたランボを見つけます。

入江:『ランボさん!!』

ツナは君付けなのに、ランボはさん付けなんですね。
ちなみにイーピンはラルが抱っこしています。
クロームもラルも、悲しげな表情なのが辛いです。

入江:『だ…大丈夫なのかい?』

10年ぶりに見る子供ランボの身を案じ、手を伸ばす入江ですが

クローム:『この子寝てる…』

心配ないようです。
寧ろ、自分の身を心配しなければならなくなっています。なぜなら。

獄寺:『おい入江 一発殴らせろ』
   『ワケありだったとしても 腹の虫がおさまらねえ!』
ヒバリ:『僕が先だよ』
入江:『い゛っ』

ギクッとして冷汗を垂らす入江ですが、その背後では獄寺が拳骨を握り
ヒバリがトンファーを構えています。ヒバリは睨みすぎて白目状態です;

入江:『ちょっ 君達?』
リボーン:『まあ待てお前達 入江にはまだ聞かなくちゃなんねーことがあるだろ?』

さすがですりボーン先生。冷静です。
ですが、これって、聞くこと聞いたら好きにしてよいってことでしょうか?(←違う)
いつぞやも述べましたが、入江は等身大の20代青年という感じがよいですね。
それにしても、獄寺達は、リボーンがホログラムであることに
気付いているのでしょうか?あっさり、存在を受け入れていますが…。

入江に聞かなければならないこと。それは。

リボーン:『白蘭の能力ってのは何なんだ?』
ツナ:『!』

その言葉にハッとするツナは、ベッドに寝せられた山本と了平のところに居ました。
この二人だけはまだ目が覚めないのですね。それだけ重症ということなのでしょうか。
それにしては、クロームやラル、獄寺の回復っぷりがずば抜けている気がします。
今更ですが、全力を尽くしγと相打ちとなった獄寺は、戦っていた場所が
確か人が生きていられないほどの高温になったはずなのですが、
どう防いだのでしょう。
僅かにその力を残していたのか、はたまた力を振り絞ったのか…かな。

リボーンの言葉を受け、入江が少し黙ったあと、真剣な顔で話し始めます。

入江:『一言で説明するのは難しいが』
   『能力自体は 極めて限定的な状況でしか 使えないものなんだ………』
   『だが この時代に起きている ありえないことの多くが』
   『白蘭サンのその能力に起因している』
ツナ:(ありえないこと…?)

山本たちが心配なのでしょうか、少し不安そうな顔のまま入江の言葉に反応するツナが
とても可愛く見えます。

ありえないことと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、匣のことですね。
以前ヒバリが語った、匣開発において頻発する「偶然」。
それが白蘭の能力に起因するかはわかりませんが、仮にそうだとすると
あんなに謎を追っていた10年後のヒバリがこの情報を聞けないのは
かわいそうな気がします。
入江の言う「ありえないこと」がどんなことなのかを、早く知りたいです。

場面変わって、再びベルサイド。
白蘭の能力については、引っ張ります(笑)。

今度は同じ木の枝に陣取ったベルとフランの目の前に現れたのは、
Fシューズを装着し宙に浮いた人物と、口に大量の水を蓄え
その人物の前で位置を固定したまま羽ばたくペリカンでした。

ベル:『雨属性の…』 『ペリカン…?』

嵐ミンクを匣に戻しつつ呟いたベルに、その人物が声をかけます。

『お久しぶりです』 『ベル様』

『ん?』と言いつつ、視線をやるベルに、
『私(わたくし)のことを覚えてらっしゃいますか?』と問いかけるその人物は
前回、仮設基地のボスに紅茶を入れていた側近でした。
蓋の開いた匣を持っていることから、炎を鎮火した雨属性のペリカンは
彼のもののようです。ということは、彼は雨属性なのですね。

考えた挙句、『誰だっけ?』と答えたベルにその人物は続けます。
ベルよりも高い位置に陣取り、もの凄い目で睨みつけるように見下ろしています。

側近:『ベル様が幼少の頃に』 『あなたの家で執事をさせていただいた者です』
ベル:『そーいやいたかもなー』

執事だから、律儀に腕に布をかけていたのですね。
なるほど、最初に見たときは何かと思いました。
のんきに答えるベルの横で、フランが身を起こしてますが、
大きなカエルのかぶりものが画面をウロウロするのは楽しいです。

側近:『オルゲルトです』
ベル:『んーなのいちいち覚えてねーって』

淡々と会話を続けるベル。

ベル:『もしかして 顔見知りってことで命乞いか?』
   『ムリだぜ オレ 執事とかいらねーし』
オルゲルト:『滅相もございません』

ベルの価値観の分かるセリフですね。
ですが、オルゲイトはあっさりとベルの言葉を否定します。

オルゲルト:『私(わたくし)は いずれ王となる王子にしか』 『仕えませんので』

その言葉に、疑問符を浮かべるベル。

ベル:『……?』 『それってオレじゃん』

彼はどこの国の王になるつもりなのでしょうか;
家族を全員殺して出奔したけれど、王国自体は存続しているのかな?
しかしここで、オルゲルトの背後に浮かぶ椅子らしき影から
ベルの言葉を否定する声が上がります。

『そりゃ違うだろーよベル』

その言葉の発生元に目をやるベルとフラン。

ベル:『?』
フラン:『あ』

口をあけたままの二人の視線の先には、炎があるのでしょうか
カエルのかぶりものがまた照らされています。
一瞬の後、何かに気付くベルとフラン。

ベル:『…ありっ』
フラン:『え?』

ちょっとビックリしたようなベルと、
疑問符を浮かべ目を点にしたまま、キョロと
この場に新たに出現した何者かとベルを見比べるフラン。
そんな彼らを他所に、ベルに対し言葉を続けるティアラを付けた謎の人物。

『王になんのはお前が殺したはずの』 『双子の兄貴』

豪華な装飾の施された椅子に足を組んで座っていたのは、
ベルと同じように前髪で目が隠れ、でも口の形はそっくりな青年。
首には丸くふわふわの襟巻きをして、ミルフィオーレの制服を
肩に羽織った状態で、愉快そうに笑いながら名乗ったその名は、

『ジル様だ』

死んだはずのベルの双子の兄が登場したところで以下次号!!

メチャクチャ豪奢な椅子が、もの凄いジェット噴射で浮かんでいます。
どんな仕掛けだ。
10年後は、燃えにくい素材が大流行してるに違いありません。
え、これってマイチェアーなんでしょうか?(←聞くな)

前号「ボス」に話しかけていた人物がオルゲイトであることから、
ジルが6弔花で間違いなさそうです。
10年後のベルの髪がピンピンとはねているのに対し、ジルはほぼ直毛ですね。
オールド・イングリッシュ・シープ・ドッグとかモップとかいう
単語が頭に浮かんだなんて言ってませんよ、言ってません。

オルゲルトは、ベルに殺された1人なのでしょうか?
憎しみというよりは蔑みを感じます。
それは、もしかしたら今現在のジルの優位性に基づいたものかもしれません。

ツナ達と違い、マーレリングと恐らく対等かそれ以上であろう
ボンゴレリングは、ベルたちは所持していません。
10年後の戦いが、リングと匣の性能に左右されるとすれば、
6弔花 VS ヴァリアーは、ヴァリアーが不利ということになります。
しかしながら、今回はジル1人対多数も可能な状況です。
オルゲルトを含めて考えたとしても、2対2。
この戦いをどう制するのかが楽しみです。

なお、コメントレスでも述べましたが、ビアンキと獄寺姉弟同様
血縁関係にある人物の属性が同じことが多いならば、
ジルの属性は恐らく「嵐」だと思われます。
匣兵器アニマルはなんでしょう。
出てくる匣兵器アニマルがとても可愛いのも楽しいです。

それにしても、思った以上にベルの反応が淡白だったのが
逆によかったです。フランの反応は可愛いですね。
この二人のコンビは面白いです。会話のやりとりも楽しいですし、
特に今回は、フランがいろんな表情を見せてくれました。

そして、入江の言っていた「ありえないこと」の1つは
「死んだはずの人間が現世に姿を現すこと」でよいのかな?
入江がツナたちにすべてを説明する前に、白蘭が何らかの形で
介入してこないかが心配です。
山本と了平が寝たままなのも気になります。
スパナの空気っぷりも、仕方がないとは言え気になります。

なにはともあれ、次回も楽しみです!