箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ17号 KHR 標的283『至門中学』

2010-03-28 19:00:59 | 雑誌[J]
桜の花のようなアフロヘアのリボーンが表紙を飾った今号。

沢田家の家の前を飛ぶ、一羽の鳥。首周りに装飾品を着けたその鳥が、封蝋(シーリング)された
ピンク色の手紙を落とします。それを舌でキャッチするレオン。

リボーン:『サンキューレオン』 『9代目からだな』 『ついにこの時がやってきたか』

死炎印の付いたその手紙を読み、なんだか嬉しそうなリボーンから、新章のスタートです。
新たなシリーズは「継承式編」。
継承式式典会場と思われる場所で、お揃いのスーツに身を包んだ獄寺、山本、了平を従え9代目と
対峙するツナと共に、ツナ・山本・獄寺・了平・ヒバリ・クローム・ランボと対比する形で
新キャラ7名が描かれています。
順に、K.ENMA、S.ADELHEID、K.JULIE、O.LARGE、A.KOUYOU、M.KAORU、S.P! となっています。
ENMAというキャラ以外は全員、柄が悪そうです(笑)。
そして、ランボの扱いが可哀想と思ったことは秘密です。

さて、朝。

奈々:『ツッ君ごはんは?』
ツナ:『いらないよ!!遅刻する!!』 『日直だから早くいかなきゃいけないのに~!!』
奈々:『ちゃんと「あと5分」といわれて 5回起こしたのよ』
ビアンキ:『ママンは悪くないわ それでも起きないダメツナが悪いのよ』

バタバタと登校準備をするツナに対するビアンキの容赦のない言葉がなんだか楽しいです。
本人も、本人の母親も目の前にいる状況で言えるとはさすがです。

奈々:『今日は楽しみね~』 『集団転校生がくるんでしょ?』

少し前に世界中で起きた地震の影響で、また地震が起きるかもしれない場所の子供達が
地震が起きにくい並盛町に一斉に転校してくるそうです。
なんとか家を飛び出したツナが、なんとか間に合いそうだと安堵しつつも走る道すがら、
道の反対側に見たことのない制服を見つけます。

ツナ:『もしかして あれが転入してくる…たしか…』
   『至門中学だっけ…?』

そこにいたのは、編み上げのブーツとガーターベルトそ身に着けた、黒髪をポニーテールにした
長身の女性と、ポケットに手を突っ込んだままうつむいて歩く男でした。

ツナ:『へ~背ー高いなぁ~ あの人 3年かな?』 『たしか 7人くるんだよな…』

7人ということは、今回の新キャラ7人全員が転入生としてやってくるということでしょうか?
…一部外見的にアウトな気がしますが;

奈々が言った、世界中で起きたという地震が、どうやらツナたちが未来から帰ってきた際のものと
いうこともあり、何となく申しわけないと思いつつ視線を外さずにいたツナを、
その女性がギロッと睨みます。

ツナ:『!!』(怖っ) (超にらまれた~~!!)

慌てて前を向き、『と…とりあえず転入生には近づかないどこ… もし話かけられたら…逃げよう!)
心を決めたツナに、『自分から話しかけろダメツナ』 とお説教したのは、塀を歩く赤ん坊でした。

リボーン:『そんなんだから友達が増えねーんだぞ』
ツナ:『リッ』 『リボーン!!』
ツナ:『ちょっお前何してんだよ!!』 『学校にはついてくるなって言ってんだろ!?』
リボーン:『そーはいかねーぞ 最近お前 気合い抜けてっからな』

ツナより数歩先を歩きながら、澄ました顔で淡々と続けるリボーンが、
『まったくボンゴレ9代目からこいつも届いて時間がねーってのに』 と言いながら
取り出しのは、件の9代目からの手紙でした。

ツナ:『ん?』 『9代目から?何だよそれ?』
リボーン:『ボンゴレファミリー』 『継承式開催の通知だ』

ボンゴレの紋章が記されたそれをドンッと見せるリボーンですが、ツナの反応が今ひとつなのが面白いですね。

ツナ:『継承式?…て誰が…?何をだよ?』
リボーン:『決まってんだろ』
     『お前が正式に10代目ボンゴレボスの座を9代目から引き継ぐ式典だ』
     『世界中のマフィアが盛大に集うぞ』

9代目は、まだ14歳のツナにボンゴレを継がせる決意を固めたのですね。
未来編の記憶が9代目にも渡されたのでしょうか。初代が「真の後継者」と認めたこと、
更には未来編ではどうやら正式に10代目に就任していたらしいことから、
ツナが若くしてボンゴレを継いだことは疑いようはありませんが、義務教育期間中とは
流石に早いですね。
お祝いの席にはトマゾファミリーもやってくるのでしょうか。

ツナ:『んな―――!!』 『オレが正式に10代目ボンゴレのボスー!?』
   『冗談じゃないよ!!マフィアのボスになんてならないっていっただろ!?』
   『これ以上マフィアとか かかわりたくないんだって!!』

一気にまくし立てた後、頭を抱えて喚くツナを見ると、日常編の雰囲気を思い出します。

ツナ:『あ――!!聞かなかった聞かなかった!!』 『何も聞いてないからな!!』
   『オレは普通の中学生に戻るんだ!!』
リボーン:『何言ってやがる』 『ああ それとボンゴレリングは肌身はなさず持ってろよ 首にかけといてやったぞ』
ツナ:『い゛!?』

言われて目をやった胸元、ペンダント風にチェーンに通されたボンゴレリングとナッツを見て
更に青ざめるツナ。リボーンにみつからないように、ベッドの下のゲーム機の箱の中のビニール袋の説明書に
隠しておいたのに、どうやら無駄だったようです。

ナッツ:『ガウ』
ツナ:『ナッツおまえもついてきたのかよ!!』
ナッツ:『グルル♪』

ナッツは戦闘形態になるときには、元のアニマル型に戻るのでしょうか?
なんにせよ、ツナと一緒で嬉しそうな鳴き声が可愛いです。

ツナ:『あーもーなんでこーなるの!?』
リボーン:『お前は世界一の殺し屋(ヒットマン) のオレをナメすぎだぞ』

頭を抱えつつも結局走り出したツナと、彼の傍を共に歩くリボーンの師弟が去った後、
『ガッ』と声を立てて、落ちてきた影。先程リボーンへと手紙を落とした鳥が
体の中心からシュワアアと音を立てて干からびていきます。

場面変わり、並盛中学の2-Aの教室では、ボンゴレリングと瓜のリングを指にはめた獄寺が
気合を入れていました。

獄寺:『まかせてください!!』 『もし転校生の中に10代目に なめた口きくよーな奴がいたら』
   『10代目の右腕この獄寺隼人がシメてやります!!』

言葉どおり指を鳴らしながら『腕がなるぜ』 と黒い笑みを浮かべている獄寺を
『いやいや獄寺君!!』 『そんなことしなくていいから!!』 と必死に止めるツナが
内心 (あいかわらず不良だよ!!怖ーよこの人!!) と思っているのが、
戦闘時とのギャップがあって楽しいです。ツナはまだ獄寺に対して、そういう風に思っていたのですね。

山本:『オレは転校生すんげー楽しみだけどなっ』
獄寺:『あぁ?』
ツナ:『おはよ山本!!』
山本:『野球好きで野球部入る奴がいるかもしんねーだろ?』
獄寺:『野球のことしか考えられねーのかこの野球バカが!!』

笑顔全快な山本に対し、剣呑な表情の獄寺ですが、不意に割って入った『私も楽しみだな♪』 という声に
ドキッとするツナ。

京子:『友達になれるといいよね』 『おはよっ』
ツナ:(きょ…京子ちゃん!!) (今日もカワイイな~) (学校きてよかった~!)

笑顔の京子を見て幸せそうなツナに 『鼻の下のびきって 今に筋肉切れるわよ?』 と告げたのは
黒川花でした。リング争奪戦の辺りから彼女は、地味に絡んできますね。
継承編でも、彼女は何らかの役割を果たすのでしょうか。

花:『私はこんなガキじゃなくて 大人っぽい転入生希望ね』
ツナ:『ちぇっ』

クラスメイト同士の普通の会話。やがてチャイムが鳴り、HRが始まります。
並盛中に編入する至門中学の生徒は7人。そのうちの2人が、2-Aだそうです。

教師:『では 自己紹介してもらおうか』 『入りたまえ 古里くんと…シッ……シッと……ん~?』

戸惑う教師を押しとどめるかのように、スッと差し出された手。
そして登場したのは、サングラスにファーの付いたフード、体にぴったり密着したウェットスーツのような
ものに身を包み、浮き輪のようなものを両肩から斜めにかけた、仁王立ちの女性でした。

『マイ・ネーム・イズ SHITT・P(シット・ピー)!』 『"しとぴっちゃん"と呼んでクダサーイ!!』

あまりのキャラクターに絶句する面々。
「しとぴっちゃん」が、"大五郎"と"ちゃん"の物語、子連れ狼ネタだと分かる方はどの位いらっしゃるかが
気になります。「しとしとぴっちゃん♪」のあの歌が懐かしいとか言ったら、かなり年齢を誤解されそうですね。

SHITT・P:『トクギは』 『ハッコー』
生徒:『8個!?』
生徒:『発光!?』
獄寺:『発酵!?』

唖然とする周囲をものともせず、マイペースを貫くSHITT・P。

SHITT・P:『コウブツ』 『ピッ・プププ・ピ―――ッ…プツッ』
生徒:『方言かしら…』
生徒:『フランス語かも…』
獄寺:『……シグナル!?』

とうとう電波まで発したのかと驚きの言動をする彼女を、獄寺はUMA(未確認動物と認定したようです。
『やべぇ』 といいつつも不思議大好きな獄寺は嬉しそうですね。
汗で眼鏡をくもらせながら、G文字で『かんさつにっし』と書く彼が、なんだか可愛いです。

そして次に自己紹介を促されたのは、朝、黒髪のポニーテールの女性の後ろを歩いていた男の子でした。
顔にたくさんの絆創膏を貼った彼は、伏し目がちに『…古里(こざと)…』 『炎真(えんま)…』と名乗ります。
しかし

教師:『ん?』 『聞こえないよ もう一度』
炎真:『…こざと…えんま…』
教師:『声が小さい!!』 『もう一度!!』
炎真:『……………………』 『……………』

とうとう黙りこんでしまった彼に、クラスメイトの反応は冷ややかでした。

生徒:『あーらら 何アレ』
生徒:『暗い奴』
花:『イジメられそーなタイプねー…』

ただツナだけは、昔の自分みたいだと感じているようです。

場面変わり、応接室に訪問者がありました。

『失礼!』 『あなたが 並盛中風紀委員長 雲雀恭弥』
ヒバリ:『!』『誰?』 『君?』

ノックもせず、いきなり扉を開けて入ってきた人物を、椅子に座ったまま見返すヒバリ。
いっそのこと、応接室を別途作って「風紀委員室」としてしまったらとか思っては
ダメですかそうですか。

入ってきたのは、登校時にツナを睨みつけたあの女性でした。
至門中学3年の、鈴木アーデルハイト。
…アルプスの少女ハイジやヴァンパイア十字界を彷彿させる名前の彼女は、
左腕に「粛清」と書かれた腕章をし、ヒバリに要求を突きつけます。

鈴木:『これより この応接室は粛清委員会に』 『明け渡してもらいます』
ヒバリ:『粛清…』 『委員会?』
鈴木:『断るのならそれなりに』

応接室大人気ですね(そういう問題ではない)。
とても中学生に見えない彼女ですが、粛清委員会のメンバーは他にもいるのでしょうか?

場面変わり、帰り道。

ツナ:『いや~』 『そのシット・ピー!!って子 メチャメチャ変でさぁ お弁当なんて あんこだけなんだぜ!!』
リボーン:『獄寺のいう通り本当にUMAだったりしてな』
ツナ:『お前までいう?』

今日は獄寺たちは一緒ではなく、師弟で仲良く帰宅のようです。
と、不意に飛び込んできた『金だせオラァ!!』 という怒鳴り声。

ツナ:『!!』 『ケンカ!?』

ツナの目に飛び込んできたのは、不良二人にズボンを脱がされ、地面に転がったまま一方的に蹴られている
炎真の姿でした。

ツナ:『ってか これ… ケ…ケンカってよりリンチじゃん!!』 『だっ 誰かいないの!?』

あわわと慌てふためくツナの後ろから、拡声器を使っての制止の声が響きます。

リボーン:『弱い者イジメはやめねーか』 『許さねーぞ!!』
ツナ:『!?』
リボーン:『ツナがな』
ツナ:『え゛ー!!』

リボーンに蹴り飛ばされ、どてっとその場に乱入する形になったツナ

不良1:『あーん?』
ツナ:『はっ』
不良2:『誰かと思えば 2-Aのダメツナじゃねーか』
不良1:『イジメられっ子同士の助け合いか?』

ツナは、実は有名なのですね。悪い方向に…ですが。
絡んできた不良2人ですが、ある意味彼らも中学生に見えないなんてことは
つっこんだら負けな気がします。

ツナ:『いえいえいえ!!』 『そんなつもりはこれっぽっちも!!』
不良:『オレ達はそんなつもりだぜ』 『獄寺もいねぇし のんびりしてけよ』
ツナ:『ひいっ』 『まってください!!』
不良:『断る』
ツナ:『いでっ!!』 『お助け~~!!』

ドガ バキ ボゴ とやられ放題のツナですが、そんな弟子を助けるでもなく
リボーンは優雅にティータイムです。

リボーン:『やれやれツナの奴』 『自分のこととなると死ぬ気になれねーんだよな』

やがて不良が去った後、うつ伏せに倒れていたツナと炎真が身を起こします。
辺りには、びりびりに引き裂かれた持ち物が散らばっていました。

ツナ:『あつつつ!』 『お~いって~~』
炎真:『………』
ツナ:『だ…大丈夫?』 『君…』

ツナの問いかけにも無言で、淡々と周囲のものを拾い、カバンに入れる炎真。
顔も腫れ上がってしまっているのが痛々しいです。

ツナ:『あ~あ教科書やぶれちゃってる!』

拾うのを手伝うツナが『こ…これ…』 と差し出した教科書を、やはり無言で受け取ろうと
手を伸ばした炎真ですが、そのとき。
キョアアと音を立てて、ツナのボンゴレリングと、恐らく炎真の持ち物でしょう、
同じようにチェーンに通されたリングとが共鳴します。

ドクンという衝撃を同時に感じるツナと炎真。

ツナ:『え!?』

驚くツナをその場に残し、ヨロけつつも立ち上がった炎真は、ズボンを片手に
ひょこひょことその場を立ち去ります。

ツナ:『あ』 『ちょっと君…!!』
リボーン:『ん』

呆然と炎真を見送るツナの傍に降り立ったリボーンは、一通の手紙を見つけます。

ツナ:『な』 『何だ 今の…?』
リボーン:『あいつは一体…』

自分の手を見つめるツナと、「SIMON」という文字の入った紋章の記された紙を見つめるリボーンで以下次号!!

リボーンが、明らかに状況を把握できていないのは珍しいですね。
展開からして、SIMONというファミリーがいそうですが、リボーンも存在を知らないマフィアなのでしょうか。
しかも、またもやリングがキーワードになりそうですね。

ヒバリと鈴木との対決、今回登場しなかった5人の転入生、そして至門中学からの転入生の正体と
今後ボンゴレとどう絡んでいくのかが気になります。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ16号 KHR 標的282『さよなら未来』

2010-03-28 17:00:00 | 雑誌[J]
# 2010.03.28 22:50編集

白蘭との戦いが終わり、並盛町の地下500m、メローネ基地跡より1km地点に移動した白く丸い装置の前で
会話を交わす正一、ツナ、リボーン、ヴェルデからスタートの今号。

ツナ:『この装置で過去に帰れるんだね!!』
正一:『ああ 5分で過去に戻れるはずの10年バズーカの効力をこの装置で妨げているわけだから解いてやればいいんだ
    7^3のパワーバランスが正常に戻った今なら 時空も安定していて安全に帰れるはずだ』

10年前からやってきたリボーンたちが10年ピッタリにタイムワープできなかったのは、7^3のパワーバランスが崩れ
時空が歪んだからだそうです。しかしながら、帰りのタイムワープは、天才科学者であるヴェルデが計算し
ベストな時と場所を設定してくれるそうです。

リボーン:『信じていいのか』 『ヴェルデ』
ヴェルデ:『カリは返すさ』 『ユニにな』

ただならぬ二人の雰囲気に気圧されるツナ。他の面々はというと、この時代の人たちとの別れの挨拶をしている最中のようです。

まずは山本とスクアーロ。どうやら修行をした森の中のようですね。

スクアーロ:『また野球をはじめんのかぁ?』
山本:『ああ』 『剣一筋でいくのは 未来(ココ)だけって決めてたからな』
スクアーロ:『うお゛ぉい!!』 『この根性なしが!!』 『それじゃ貴様は一生オレの剣を超えることはできねーな!!』
山本:『わっかんねーぜ』 『そんなの』
スクアーロ:『だとぉ!!』

睨みつけるスクアーロに対し、ハハハッと豪快に笑う山本はやはりなかなかの大物ですね。

スクアーロ:『ったく最近のガキは!!』
      『オレがてめーの年の頃にゃ いっぱしの殺し屋だったぜぇ!!』

言いながら、くるっと山本に背を向けるスクアーロ。

山本:『!』 『なんだよ もういっちまうのか?』 『他のヴァリアーの連中もか?XANXUSはツナと会ったのかな?』
スクアーロ:『会うわけねーだろぉ』 『うちのボスは沢田を見たら』 『殺しちまうからなぁ』
山本:『ん…?』 『そーなのか?』

振り返り睨みつけるスクアーロの言葉と眼光に、流石の山本もちょっと驚いたようですが、
そんなことには構わずにバッと地面を蹴ったスクアーロは『じゃあなぁ!!』 と叫びながら
崖の下へと姿を消しました。それにしても、別れの挨拶をちゃんとするあたり、スクアーロは意外に気さくですね。
崖の下に向かうのに、あんなにジャンプした意味があったのかなんて言ってませんよ言ってません。

山本:『ああ!!』 『いろいろサンキュー!!』

大きく手を振る山本。一方アジト内では、女の子たちがビアンキとの別れの挨拶を交わしていました。
その傍らで『うご!!』 『ぐ…』 『ぬおお!!』 と奇声をあげながら頭を抱え悶えている了平。
どうやら、この時代の花に何か一言伝えるべきか悩んでいるようですが、

了平:『だが極限に一体 何を!!!』

んがあと頭を抱えつつ叫ぶ了平に対する京子とハルの『病気かしら?』 『いつも通りな気がしますけど…』
やり取りがよいですね。
一方、別の場所では、クロームとM・Mとが話していました。

クローム:『……話って…なに…?』
M・M:『ひとつ 忠告しておいてあげるわ』 『骸ちゃんがあんたに優しいのは』 『あんたを利用しているからよ』
クローム:『!!』

冷淡に告げるM・Mは、こうしてみると美人ですね。

M・M:『骸ちゃんは過去に帰ったあんたを利用して 過去の自分を牢獄から出そうとしてるの』
   『誤解しないでね これは親切でいってるのよ』 『骸ちゃんはとっても怖い人なの』
クローム:『……………………』
クローム:『…それでも…』
M・M:『!!』

一瞬唇をかんだクロームが発した言葉に険しい表情を浮かべるM・Mですが、丁度そのとき
犬と千種、骸が2階部分へとやってきます。

犬:『バカ女とM・M 何してるびょん!?』 『そろそろ時間らしいびょん!!』

その声に振り向き、自分を見下ろす骸の優しそうな顔を見つめ、嬉しそうな表情のクロームが可愛いです。
草壁がヒバリを 『恭さん!!』 『お気をつけて!!』 と部屋から送り出す一方、
ビアンキが座り込んでいた獄寺を見つけます。

ビアンキ:『こんな所にいたのね ハヤト たった一人の私の』 『義弟(おとうと)』

近付いてきた気配に立ち上がった獄寺に話しかけるビアンキ。

ビアンキ:『例の約束覚えてる? 聞いて欲しい話があるの これを見て』
獄寺:『へっ』 『土産ならいらねーよ』
ビアンキ:『ええ 過去にも あるものだからもっていく必要ないわ』
     『でも未来(いま)の私が見せたかったから わざわざ破壊されたアジトにとりにいったの』
獄寺:『なっ』 『それでアジトへ?』

驚く獄寺が目にしたものは、袋いっぱいに入った手紙でした。
それは、ビアンキと獄寺の父が、獄寺の母に宛てた手紙。獄寺の母が事故で亡くなる寸前まで送っていた
ラブレターの一部だそうです。

ビアンキ:『あなたは 父さんがお母様との結婚を拒んであなた達母子を引き離し』
     『それが お母様の死に繋がったと思っているわね… 』 『でも実際は逆なのよ』
     『ハヤトのお母様が 父さんの結婚の申し込みを断ったの』

ビアンキの言葉に驚きを隠せない獄寺。
ビアンキによると、獄寺の母は大病をわずらっていて、自分の余命を悟っていたそうです。
彼女は、ビアンキと獄寺の父や獄寺の未来に迷惑がかかるからと自ら距離をおいたとのこと。
それでも父は、一時でも親子3人の時間を作ろうと手紙を送り続けたそうです。
獄寺の母が崖から転落した時の死因も、落ちる前に病気で亡くなっていたということらしいです。

手紙を読みながら『……そんな…』 『…ウ……ウソだ…!!』 『………だってよ…!』
言い募る獄寺を諭すように、ビアンキは続けます。

ビアンキ:『今はわからなくてもいいわ でもこれだけは覚えておいて』
     『あなたは両親に祝福されて生まれてきたのよ』

穏やかに告げるビアンキを見つめ返す獄寺ですが、突如『獄寺君 ビアンキ 危なーい!!』 という
言葉とともにその場に現れたのはモスカの巨体でした。
驚く姉弟のところへ、ツナとスパナ、そしてジャンニーニの3人が駆け込んできます。

ツナ:『ビアンキ 獄寺君 大丈夫!?』
スパナ:『うーん』 『やはり左のスラスターがおかしい』
獄寺「!!』 『10代目に…スパナ!!』 『スパナお前今まで何してたんだよ!?』
ツナ:『今の今まで対白蘭用のモスカ作ってたんだって…』
   『スパナ メカのことになると周り見えなくなっちゃうから…』
スパナ:『すまない』

飴を咥えたまま謝るスパナ。白蘭がミルフィオーレを立ち上げない未来であれば、
彼も初めからボンゴレの技術班の一員となるのでしょうか。

そして、全員があの白く丸い装置の前へと集います。

正一:『よーし みんな揃ったね!!そろそろ出発だが』 『ボンゴレ匣は未来(ここ)に置いていってもらう 取りはずしてくれ!!』

『ガオ』 と悲しそうな声をあげるナッツ。瓜やその他の匣兵器アニマルたちも、
表情がとても寂しそうです。

ツナ:『しょうがないよナッツ…まだ過去に存在しない匣兵器を持ち帰るのはよくないらしいんだ…』
ナッツ:『ガルルルル…ウゥ…』
了平:『寂しいぞ我流!!』
獄寺:『元気でな…瓜』

ツナの足に擦り寄るナッツと、熱く抱擁を交わ我流と了平、瓜を撫でる獄寺と
大人しくされるがままの瓜が印象的です。

風:『達者でねイーピン』

ペコリとお辞儀を交わす師弟。イーピンが、風をヒバリに似ていると称したことから、
彼がアルコバレーノになった時期はそんなに前ではないと思っているのですが、
どうなのでしょう。


バジル:『結局 川平のおじさんが何者なのか わかりませんでしたね』
フゥ太:『うん…』
ツナ:『いろいろありがとうラル!』
ラル:『オレはガキの面倒を見ただけだ』

ぶっきらぼうなラルの言葉。最後までガキあつかいされたことに、地味にショックを受けるツナに、
ラルは優しい笑みを見せます。

ラル:『いいボスになれよ』 『沢田』
ツナ:『え゛っ いやだからオレはボスとかはっ』
ラル:『コロネロ!! 沢田達をしっかり平和な過去へ帰してやれよ!!』

ツナの言い訳を聞かず、コロネロの方へ向き直るラルに、コロネロが応えます。

コロネロ:『ああ 当然だぜコラ!! こいつらは命の恩人だからな』
マーモン:『お金くれなきゃ奥義なんて使いたくないけど今回は特別だよ』

この仕事があるから、マーモンはヴァリアーと行動を別にしているのですね。
マーモンがヴァリアーに復帰となると、フランと属性が被ってしまいますが、
それはそれで楽しそうです。

コロネロ:『終わったらすぐ戻ってくるからな』 『ラル』
ラル:『バカッ』 『こんな所で!』

赤面するラルは珍しいですね、可愛いです。

正一:『じゃあタイムワープをはじめるよ!!』
   『別れを惜しんでたらキリが無いからね!! アルコバレーノは過去のマーレリングを封印してすぐにここへ戻ってくる予定だ』
   『では…』
正一:『本当に…』 『ありがとう!』
ツナ:『…さよなら』

二人でしっかり視線を交わした正一とツナ。
やがてタイムワープが始まり、光に包まれたツナたちが正一の前から姿を消します。


このタイムワープの時 ユニとアルコバレーノはいろんなプレゼントをしてくれたんだ…
一つは過去のマーレリングの封印… そして 一緒に戦った仲間達の未来の記憶を 過去の彼らに伝えてくれた…

どうやら、世界各地で起こったような地震の揺れの中、XANXUSや骸、ディーノたちへ
記憶の伝達が行なわれたようです。

さらに特別に ナッツ達ボンゴレ匣を一緒に過去へつれてきてくれたんだ!!
ヴェルデっていうアルコバレーノの天才科学者の技術で 今までの匣型よりずっとコンパクトになってね!

…たった今、オーバーテクノロジーである10年後の世界の技術である匣兵器を
過去に持って帰るのはよくないと聞いた気がするのですが…よいのでしょうか?
コンパクト化されたナッツは、リング状になってはいますが、『ガオ…』 と鳴いているあたり
動きに制限はあるものの、常にツナの傍に居られるようですね。
それにしても、戦うときにはやはり元の形態に戻るのでしょうか。

カッと激しい光が、一直線に沢田家へと突き刺さり、リボーンとツナ、イーピンとランボが
奈々の背後へと到着します。

奈々:『まっ』 『みんなこんな所にいたの?』 『てっきりツナの部屋かと思ったわ』
ツナ:『!!!』 『か…母さん…』
奈々:『?』

懐かしさと安堵を浮かべた表情のツナを、笑顔で見返す奈々に、イーピンとランボが
『ママーン!!』 と叫びながら飛びつきます。

奈々:『んまぁどーしたの』 『どこかイタくしたの?』

笑いながら、二人を抱きとめた奈々を前に

リボーン:『先を越されたな ツナ』
ツナ:『中学生にもなって あんなことするかよ!!』

という二人の会話が楽しいです。

奈々:『そーだツっ君』 『今の地震で物が落ちてないか 自分の部屋を見てきてちょーだい』
ツナ:『え?』 『地震があったの…?』
奈々:『その後でケチャップ買ってきてくれない?』 『今晩ハンバーグなんだけど切らしちゃったのよ』
ツナ:『母さんの…ハンバーグ…』(本当に帰ってきたんだ)

実感したのか、泣きそうに表情が緩んだツナですが

奈々:『ちょっと なにツナ!?』
   『顔にたくさんキズバンつけてまた転んだの?』 『それに たくさん指輪つけて…獄寺君のマネ?非行かしら…』
ツナ:『え!』 『いや これは!! 』

ボンゴレリングとナッツのリングを嵌めた指をサッと後ろに隠し『何でもないって!!』
誤魔化すツナ。奈々が獄寺のことをどう思っているのか、よく分かった気がします(笑)。

とにもかくにも オレの中二の未来での戦いは
こうして幕を閉じたんだ…

10年前の世界でツナが奈々と再会を果たしている頃、10年後の世界でも
戻ったアルコバレーノと正一たちが再会していました。

正一:『おかえり!!』
コロネロ:『少し地殻に影響を与えたが すべてうまくいったぜ!』
ラル:『ホッ』
正一:『よかった!!』 『お疲れ様!!』
コロネロ:『お』 『子供のあいつらが過去へ帰ったかわりに この時代のこいつらが装置から目覚めたんだな』

件の装置の前には、今まで囚われていた10年後の面々が勢揃いしています。
ヒバリの怪我も大丈夫そうですし、獄寺の足の陰には、何気にリボーンもいますね。
10年後のリボーンがどうなったのか気になっていたので、安心しました。

獄寺:『ところで』
山本:『ツナは どこいったんだ?』
正一:『ああ』 『一足先に 地上(うえ)にいってるよ』

獄寺や山本は、10年後のツナが正一やヒバリと組んで立てていた計画のことを
知らなかったはずですが、過去が修正されたことにより、ここで起こった戦いのすべてを
理解しているのでしょうか。
でなければ、いまだに正一を敵とみなしていても可笑しくはないと思います。
また、この時間軸以外のパラレルワールドにおいては、どのような歴史の復興がなされているのかも
気になりますが、流石に知る術はなさそうですね。

未来編始まりの森の中で、棺桶を見下ろすツナらしき人影。
そこに置かれていた白紙のノートに、フッと浮かぶ文字。

『オレの中二の未来での戦いは』『こうして幕を閉じたんだ…』

しかし、すぐにスゥ…と文字が消えてしまいます。
棺桶の上に置かれた2冊のノート。開いたものと、その下に置かれた"2-A 沢田綱吉"と書かれた表紙のものを見下ろす
10年後のツナの足元の描写で以下次号!!

未来編完結です。

文字が浮かんで消えたことは、歴史の修正の結果かと思わないでもないですが、
棺桶が変わらずそこにあることに一抹の不安を感じずにはいられません。
一体どのような修正が行なわれたのでしょうか。
すべてがなかったことになったのであれば、棺桶もなくなっていて欲しかったのですが
そういう問題ではないのでしょうか。

10年後ツナの顔は登場せず仕舞いでしたし、川平のおじさんとチェルベッロについては
次章以降へ持ち越しとなりました。
マーレリングを手に入れなかったとしても白蘭がマフィアを目指し
ファミリーを結成する可能性は0ではありませんし、今の世界に不満を持つ真6弔花が
この未来とは別の行動をとる可能性もある訳です。

パラレルワールドという厄介な世界観のお陰で、まだ頭の整理ができていませんが、
次号からはすっぱりと舞台を変えて、新たな物語が始まるようです。
長い長い未来編でしたが、終わってみるとやはり楽しかった感がありますね。
できれば、フランの戦う姿を見たかったという心残りはありますが、
真ボンゴレリングを手に入れた守護者たちの戦いは今後のシリーズで
お披露目がありそうですから、期待したいと思います。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ15号 KHR 標的281『残されたもの』

2010-03-14 11:12:00 | 雑誌[J]
取り急ぎ、簡易感想にて参ります。

ふんわりとしたワンピースに身を包み、柔らかい笑みを浮かべたユニが表紙の今号。
ツナが人を消すことはやってほしくないと綴りましたが、
どうやら見事に白蘭を消滅させてしまったようです。
歓声を上げるボンゴレの面々の中、ふらついたツナを両脇から支える獄寺と山本が印象的です。

一人残った桔梗から語られたのは、世が世なら各分野で天下を取った人間であるにも係わらず
不運によりそれが叶わなかったそうです。その憤りを力に変えてくれたのが白蘭だったと。
そんな桔梗の側頭部を撃ち抜くXANXUS。命はルッスーリアが繋ぐそうですが、XANXUS自身フラストレーションが
溜まっていたのでしょうか、容赦ないですね。

あまりに多くの犠牲が払われたこの戦いでの勝利に、果たして意味があったのかと呟くツナに応えたのは、
「大ありに決まってんだろコラ!!!」というコロネロの言葉。
5人の赤ん坊、アルコバレーノの姿がそこにありました。
彼らは、炎を通じてユニから事情を教えられていたそうです。

風:『白蘭が倒れ マーレリングの力が無効化されることにより』
  『白蘭がマーレリングによって引き起こした形跡は 全パラレルワールドの過去に遡り 全て抹消されます』
コロネロ:『つまり白蘭のやった悪事は』 『過去から跡形もなくなるんだぜコラ!!』

ミルフィオーレに殺された人たちも、恐らく死んだこと自体がなかったことになるだろうと
言うコロネロの言葉に大喜びするツナたち。
その方法でいくと、ユニやγもまた、死んだこと自体なかったことになるのでしょう。

となると、白蘭がパラレルワールドで入手したワクチンで助かった幻騎士は、
この世界では命を落とすことになるのかと思うと少し複雑です。
白蘭がいたからこそ、ツナは成長することもできたし、得がたいものをも得たと思っています。
過去に戻っても、ボンゴレⅠ世が解放した真のボンゴレリングや、この時代で得た知識や経験が
引き継がれるのか否か、まだ分かりませんね。

入江:『ちょっ…ちょっとゴメンよ水をさすつもりはないんだが…』
   『そんな時空の法則を無視したことが起こりうるのかな…計算があうのかな?なんて…』

アハハハハと乾いた笑いを浮かべる入江は、ある意味読者の気持ちを代弁してくれていますが、

ヴェルデ:『愚か者め 7^3の起こす現象は人知を遥かに超えているのだ』
     『人間がコンピューターでピコピコ計算している内は 答え合わせなど無意味なのだよ』
     『7^3を語るに限っては 現在の我々の持ち合わせる言葉では』 『「奇跡」か「何者かの意思」が いまだ適当なのだ』

ヴェルデに一蹴されました。
なるほど、なんでも自分たちの物差しで計れると思うなということのようです(←そうか?)。

しかし、白蘭の悪事が消えてもマーレリングがある限り、第2、第3の白蘭の登場を危惧するツナに
風がそれを防ぐためにユニは命をかけたのだと告げます。
ユニは、10年前のツナたちの時代のマーレリングを封印させるための奥義を
アルコバレーノに託したのだそうです。

命がけで永遠の平和をつくろうとしたユニの想いに応えるべく、
「過去へ帰ろう!!」と力強く宣言するツナで以下次号!!

ツナの頭にリボーンが乗っているのが、可笑しくもあり嬉しくもあります。

結局、守護者たの活躍が見れないまま収束しそうですね。
折角真の姿を取り戻したボンゴレリングの力やフランの匣を使っての戦いが見れず仕舞いなのは本当に残念です。
新たに「何者かの意思」というキーワードが登場した未来編の謎の解明は、
新章へと引き継がれることを期待します。

それにしても、封印はそれを守ることが重要となります。
アルコバレーノがどのような封印を施すのかは分かりませんが、それが破られないことと
仮に7^3の力が必要になったときにちゃんと封印が解けるのかが気になります。

ツナたちがどのような手段で過去に戻るのか、その前日はこの世界で集結した仲間たちとどのように過ごすのか、
色々と置き去りにされてる感は否めませんが、駆け足でエンディングを迎えそうな未来編のラストが
待ち遠しいです。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ14号 KHR 標的280『最後の一撃』

2010-03-09 22:25:01 | 雑誌[J]
前回の感想が未だ綴れておらずに申し訳ないですが、
ひとまず今号の感想に参ります。
あまりに怒涛の展開過ぎて、色々と思うことがありますが、
とりあえずは思いつくままに綴ります。

超死ぬ気モードで、傷だらけのまま前を見据えるツナの横顔が
表紙の今号。アルコバレーノ復活のためにその身を捧げ
服を残して消えたユニとγ、そんな二人を言葉を失ったまま見つめる
ボンゴレサイドの面々からスタートです。
京子やハルが涙を流していることよりも、珍しいリボーンの表情が印象的です。

ツナ:『γ!!』 『ユニ―――!!』

名を叫び、先ほどまでユニが居た場所へと降り立った後、
残されたおしゃぶりを手に取り、呆然と『ユニ…』 と呟くツナ。
ユニの命と引き換えに復活するはずのアルコバレーノが未だその兆しを見せないことに
フゥ太が触れますが、リボーンによると炎はちゃんと注入されているものの
まだ時間がかかるそうです。

ですが、そんな彼らをよそに、この展開に納得のいかない人物が一人。

白蘭:『ねえ ちょっと…』 『何してくれてんのさ?』

ツナの背後に降り立った、赤黒い羽を生やした白蘭が静かに語りかけます。
今まで見たことのないような、「何もそこまで…」と言いたくなるくらいに
分かりやすい悪い顔をしています(笑)。

白蘭:『やっとみつけたパズルの最後の一ピースが死んじゃったよ……』 『すべて おじゃんじゃないか…』
   『7^3を覚醒させ 時空を超えた覇者になる僕の夢は…』 『君達のくだらないお友達ごっこのせいで散ったんだ…』
   『この意味が…』 『わかっているのか!!!』

そう激昂した瞬間、ツナの体からドンッと音を立てて放たれたプレッシャーにより
吹き飛ばされる白蘭。『ぬっ』 『ぐあっ』 という彼の声は新鮮ではありますが、
バトルとしては一方的な展開になってきたかな?

体から放たれる炎の圧力の中心に立ったツナが、白蘭に答えます。

ツナ:『誰がユニを殺したと思っているんだ』
   『お前がこんな世界にしたから…』 『ユニは…』 『死んだんだ!!』
   『オレはお前を許さない!!!』 『白蘭!!!』

目に涙をため、激しい炎を拳に宿らせたツナですが、白蘭はその言葉にも『んー?』 『許さない?』
なんの感慨も見せません。それどころか、『ほほーう』 『ぷくく!!』 と笑い出します。

白蘭:『ハハハ ナンセンスだよ!!』 『君という人間はなんて茶番なんだ!!』
   『あの娘に装置しての強烈な意味を見出すのならわかる!!』
   『なんせユニは 僕が全知全能フルオプション付きの神になるための』 『アイテムだったのだからね!!』

白蘭オンステージです。今号だけで、今まで見せたことのない顔やポーズ、
そしてテンションを披露してくれています。

白蘭:『だが ユニをあたかも1人の女の子として扱い 尊び』
   『ヒューマニズムで僕に楯突こうなんてのは 一時のホルモン分泌に踊らされた陶酔だよ』
   『人のつくる利己的な社会に生きる子供の答えとしては』 『5重ペケさ!!』
   『寄せ集めの偽善より個人のドス黒い欲望や執着の方が強い』 『この世界はそうできてる!!』

マーレリングの力を使い、自らの足から根のようなものを出し地面に突き刺した白蘭は、
強大な一撃を放つために体を固定します。この一撃で決めるつもりの彼に対し、
ツナもX BURNERで迎え撃つつもりのようです。

白蘭:『まったく無意味なことをしてくれた!!』 『あの おしゃぶり付きの人形は 僕に最高のオモチャを与えてくれたのに!!』
ツナ:『それ以上ユニを侮辱するな!!』 『白蘭 お前だけは!!』

二人が溜める強大なエネルギーは、彼らを隔てている強固な大空の結界を破るほどに膨れ上がります。
そして。

白蘭:『消えろ!!!』
ツナ:『くらえ!!』

白蘭:『らああああ!!!』
ツナ:『うおおおお!!!』

同時に放たれた白蘭とツナの炎。真正面からぶつかったそれは、初めこそ拮抗していましたが、
やがてツナの炎が攻撃諸共白蘭を飲み込みます。

白蘭:『うぎゃあああ!!!』

炎に包まれ、身を焦がしながら目を見開いた白蘭は、マーレリングを手に入れたときのことを
回想します。それは、彼の元に、フード付きのローブを身にまとった、シスターのような
二人組がやってきたことから始まりました。

『やっと見つけました 大空のマーレリングの適応者』
『あなたこそがこの世の至宝 世界を駆けるマーレリングの保持者にふさわしい』
白蘭:『君達…誰?』
『我々はあなたの人生に訪れた「ある思考」です』
白蘭:『ふ』 『アハハハ』
『何がおかしいのです』
白蘭:『やっときたと思って♪』

大学の構内の一角でしょうか、人気のない場所で突如現れた得体の知れない人物相手に
屈託のない笑みを見せる白蘭。人懐っこい一面が垣間見えた気がします。

白蘭:『こんなバカげた出来事をまってたんだよ この現実世界なんてとっくに信じてないからね』
  『生まれてこのかた 人間やってんのに違和感ありまくり』
  『右を見ても左を見ても人も社会もどこもかしこも』 『僕には景色に見えるだけ』
  『そこにきて先日パラレルワールドへ飛べちゃって確信したんだ』 『僕はゲームにとりこまれた「意識」にすぎないってね』

大学の講義を退屈そうに聞く白蘭は、常々自分という存在に疑問を抱いていたようですね。
「ゲームに取り込まれた『意識』」とは、また面白いキーワードが登場したと思います。
誰がプレイしているゲームなのか、どんなゲームなのか、想像が膨らみます。
そんな彼に、淡々と応じる来訪者。

『考え方は自由です』
『あなたにマーレリングを手に入れる覚悟はありますか?』
白蘭:『もっちろん♪』 『この世界をより楽しむキーアイテムなら ぜひ欲しいね』

アルコバレーノのおしゃぶりは、どのように出現するかはまだ謎ですが、その時々のアルコバレーノ達が、
ボンゴレリングはボンゴレファミリーが保持していました。同様に、マーレリングはジッジョネロファミリーが
代々保持していたものだと思っていたのですが、違うのでしょうか。
それとも、ジッジョネロに保管されているマーレリングに対し、彼女たちは適応者がいることを
突き止めたのでしょうか。

白蘭:『ところで 僕はそのアイテムでできる目一杯のこと………んーできるなら
   大量殺戮やら戦争やら世界征服なんてナンセンスなこともやるかもしれないけど』
  『君達からお咎めはあるのかな?』

さらりと言ってのける白蘭は、現在の残忍性が芽生えていますね。
世界征服はナンセンスという見解は、10年前の骸と一致しているということが少し可笑しかったです。
それにしても、世界征服の手段になぜマフィアを選んだのでしょう?(←聞くな)

『我々があなたに手を下すことは一切ありません』 『ただし あなたのいうゲームに例えるのれあれば……』
『そのリング以外に2つの大空… つまり あと2人のプレイヤーが在ることをお忘れなく』

そう告げる二人組は、どうやらフードの下だというのに更に目元を隠しているようです。
どう考えてもチェルベッロですね。彼女たちの衣装の豊富さにも驚きます(笑)。

白蘭:『そりゃいいや!』 『ライバルくらいいないとゲームになんないからね!』

弾けるような明るい笑顔。白蘭がツナをライバルと思っていたとは意外でした。
そして彼はこの状況を、本当に楽しんでいるのですね。しかし。

白蘭:『うぎゃああ!!!』

今現在の彼は、もう一人のプレイヤーにより、炎に包まれその身を焦がしていました。
徐々にその形を失っていく自分の手を見つめながら、彼の独白が続きます。

 別に人間が嫌いなわけじゃない…
 人と接して 胸がくすぐったくなったり ジーンと熱くなったりもできるんだ…

 後ろ向きなわけでもないよ……
 面白いこと探すのは得意だし 楽しいことには全力でがんばっちゃうからね…

 ……でも…
 なんか この世の中は しっくりこないんだ…

 わかってくれるよね…
 ここ… 気持ちわるくない?


ツナをじっと見つめる白蘭。しかし、彼の目に飛び込んできたのは、
自分をしっかりと見返すツナの強い眼差しでした。

 ハハハッ
 その目は そんなことこれっぽっちも思ってないな…

 まったくまぶしいったら……


完全にかき消された白蘭の手から零れ落ちるマーレリング。そして

 完敗だよ

穏やかに笑った白蘭が、X BURNER の直撃を喰らいかき消されたところで以下次号!!

なんともあっけないというか、早い決着だったと思います。
前号から今号にかけて、怒涛の展開ですね。
白蘭の悲鳴も、なんだかものすごいとか思ったなんて言ってませんよ言ってません。

最後の最後で、白蘭の想いが描かれたことで、彼に対する見方が変わりました。
残虐な、子供のような王様かと思いきや、もしかしたら白蘭が一番、自分自身を
持て余していたのかもしれませんね。
世界征服、ひいては世界を創りかえることで、何かが見えてくると思っていたのかなと、
そこでようやく自分らしく在れるようになると思っていたのかと考えてしまいました。
だから、今のこの世界に生きて、精一杯行動しているツナが眩しかったのかもしれません。

チェルベッロに言わせれば、ツナやユニも白蘭と同じ『意識』であり、『プレイヤー』だそうです。
ユニが言った「ツナと白蘭は同じ」という言葉の真意も、ここに繋がるのでしょうか。
7^3に関わる出来事にチェルベッロが関わっている気もしますが、
それだとリボーンが彼女たちのことを知らないはずはないとも思いますので、確信が持てません。
いつか、彼女たちがツナに接触してくる日が来るのでしょうが。

今回炎に飲まれた白蘭ですが、ツナが「殺す」という行為をするようには思えませんし、
して欲しくありません。ただ、まともに喰らっていますので、今後が大変気になります。
また、白蘭を倒すという当初の目的が達せられた今、まだまだ残っている多くの謎の回収が
どうなるのか、新章に引き継がれるのかも気になります。

ビアンキが獄寺に話したいといっていた父親のこと、アルコバレーノの秘密、
川平のおじさんやデイジーが今どうしているのかということ、
桔梗以外の真6弔花の生死、そういえばレオくんもどうなったのでしょう。
アルコバレーノが本当に復活するのか、その後ツナたちがどのようなアクションを
起こすのか、次回に期待が膨らみます。

余談ですが。
先週から始まった『詭弁学園、四ツ谷先輩の怪談。』ですが、
前に掲載されていた読み切りでの「先生」の設定を「先輩」にしたのですね。
『保健室の死神』と被るからでしょうか。
ところどころ、どこか『ムヒョとロージー』を彷彿させるカットがある感はありますが、
注目している作品です。

なにはともあれ、次回も楽しみです!