箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ17号 KHR 標的283『至門中学』

2010-03-28 19:00:59 | 雑誌[J]
桜の花のようなアフロヘアのリボーンが表紙を飾った今号。

沢田家の家の前を飛ぶ、一羽の鳥。首周りに装飾品を着けたその鳥が、封蝋(シーリング)された
ピンク色の手紙を落とします。それを舌でキャッチするレオン。

リボーン:『サンキューレオン』 『9代目からだな』 『ついにこの時がやってきたか』

死炎印の付いたその手紙を読み、なんだか嬉しそうなリボーンから、新章のスタートです。
新たなシリーズは「継承式編」。
継承式式典会場と思われる場所で、お揃いのスーツに身を包んだ獄寺、山本、了平を従え9代目と
対峙するツナと共に、ツナ・山本・獄寺・了平・ヒバリ・クローム・ランボと対比する形で
新キャラ7名が描かれています。
順に、K.ENMA、S.ADELHEID、K.JULIE、O.LARGE、A.KOUYOU、M.KAORU、S.P! となっています。
ENMAというキャラ以外は全員、柄が悪そうです(笑)。
そして、ランボの扱いが可哀想と思ったことは秘密です。

さて、朝。

奈々:『ツッ君ごはんは?』
ツナ:『いらないよ!!遅刻する!!』 『日直だから早くいかなきゃいけないのに~!!』
奈々:『ちゃんと「あと5分」といわれて 5回起こしたのよ』
ビアンキ:『ママンは悪くないわ それでも起きないダメツナが悪いのよ』

バタバタと登校準備をするツナに対するビアンキの容赦のない言葉がなんだか楽しいです。
本人も、本人の母親も目の前にいる状況で言えるとはさすがです。

奈々:『今日は楽しみね~』 『集団転校生がくるんでしょ?』

少し前に世界中で起きた地震の影響で、また地震が起きるかもしれない場所の子供達が
地震が起きにくい並盛町に一斉に転校してくるそうです。
なんとか家を飛び出したツナが、なんとか間に合いそうだと安堵しつつも走る道すがら、
道の反対側に見たことのない制服を見つけます。

ツナ:『もしかして あれが転入してくる…たしか…』
   『至門中学だっけ…?』

そこにいたのは、編み上げのブーツとガーターベルトそ身に着けた、黒髪をポニーテールにした
長身の女性と、ポケットに手を突っ込んだままうつむいて歩く男でした。

ツナ:『へ~背ー高いなぁ~ あの人 3年かな?』 『たしか 7人くるんだよな…』

7人ということは、今回の新キャラ7人全員が転入生としてやってくるということでしょうか?
…一部外見的にアウトな気がしますが;

奈々が言った、世界中で起きたという地震が、どうやらツナたちが未来から帰ってきた際のものと
いうこともあり、何となく申しわけないと思いつつ視線を外さずにいたツナを、
その女性がギロッと睨みます。

ツナ:『!!』(怖っ) (超にらまれた~~!!)

慌てて前を向き、『と…とりあえず転入生には近づかないどこ… もし話かけられたら…逃げよう!)
心を決めたツナに、『自分から話しかけろダメツナ』 とお説教したのは、塀を歩く赤ん坊でした。

リボーン:『そんなんだから友達が増えねーんだぞ』
ツナ:『リッ』 『リボーン!!』
ツナ:『ちょっお前何してんだよ!!』 『学校にはついてくるなって言ってんだろ!?』
リボーン:『そーはいかねーぞ 最近お前 気合い抜けてっからな』

ツナより数歩先を歩きながら、澄ました顔で淡々と続けるリボーンが、
『まったくボンゴレ9代目からこいつも届いて時間がねーってのに』 と言いながら
取り出しのは、件の9代目からの手紙でした。

ツナ:『ん?』 『9代目から?何だよそれ?』
リボーン:『ボンゴレファミリー』 『継承式開催の通知だ』

ボンゴレの紋章が記されたそれをドンッと見せるリボーンですが、ツナの反応が今ひとつなのが面白いですね。

ツナ:『継承式?…て誰が…?何をだよ?』
リボーン:『決まってんだろ』
     『お前が正式に10代目ボンゴレボスの座を9代目から引き継ぐ式典だ』
     『世界中のマフィアが盛大に集うぞ』

9代目は、まだ14歳のツナにボンゴレを継がせる決意を固めたのですね。
未来編の記憶が9代目にも渡されたのでしょうか。初代が「真の後継者」と認めたこと、
更には未来編ではどうやら正式に10代目に就任していたらしいことから、
ツナが若くしてボンゴレを継いだことは疑いようはありませんが、義務教育期間中とは
流石に早いですね。
お祝いの席にはトマゾファミリーもやってくるのでしょうか。

ツナ:『んな―――!!』 『オレが正式に10代目ボンゴレのボスー!?』
   『冗談じゃないよ!!マフィアのボスになんてならないっていっただろ!?』
   『これ以上マフィアとか かかわりたくないんだって!!』

一気にまくし立てた後、頭を抱えて喚くツナを見ると、日常編の雰囲気を思い出します。

ツナ:『あ――!!聞かなかった聞かなかった!!』 『何も聞いてないからな!!』
   『オレは普通の中学生に戻るんだ!!』
リボーン:『何言ってやがる』 『ああ それとボンゴレリングは肌身はなさず持ってろよ 首にかけといてやったぞ』
ツナ:『い゛!?』

言われて目をやった胸元、ペンダント風にチェーンに通されたボンゴレリングとナッツを見て
更に青ざめるツナ。リボーンにみつからないように、ベッドの下のゲーム機の箱の中のビニール袋の説明書に
隠しておいたのに、どうやら無駄だったようです。

ナッツ:『ガウ』
ツナ:『ナッツおまえもついてきたのかよ!!』
ナッツ:『グルル♪』

ナッツは戦闘形態になるときには、元のアニマル型に戻るのでしょうか?
なんにせよ、ツナと一緒で嬉しそうな鳴き声が可愛いです。

ツナ:『あーもーなんでこーなるの!?』
リボーン:『お前は世界一の殺し屋(ヒットマン) のオレをナメすぎだぞ』

頭を抱えつつも結局走り出したツナと、彼の傍を共に歩くリボーンの師弟が去った後、
『ガッ』と声を立てて、落ちてきた影。先程リボーンへと手紙を落とした鳥が
体の中心からシュワアアと音を立てて干からびていきます。

場面変わり、並盛中学の2-Aの教室では、ボンゴレリングと瓜のリングを指にはめた獄寺が
気合を入れていました。

獄寺:『まかせてください!!』 『もし転校生の中に10代目に なめた口きくよーな奴がいたら』
   『10代目の右腕この獄寺隼人がシメてやります!!』

言葉どおり指を鳴らしながら『腕がなるぜ』 と黒い笑みを浮かべている獄寺を
『いやいや獄寺君!!』 『そんなことしなくていいから!!』 と必死に止めるツナが
内心 (あいかわらず不良だよ!!怖ーよこの人!!) と思っているのが、
戦闘時とのギャップがあって楽しいです。ツナはまだ獄寺に対して、そういう風に思っていたのですね。

山本:『オレは転校生すんげー楽しみだけどなっ』
獄寺:『あぁ?』
ツナ:『おはよ山本!!』
山本:『野球好きで野球部入る奴がいるかもしんねーだろ?』
獄寺:『野球のことしか考えられねーのかこの野球バカが!!』

笑顔全快な山本に対し、剣呑な表情の獄寺ですが、不意に割って入った『私も楽しみだな♪』 という声に
ドキッとするツナ。

京子:『友達になれるといいよね』 『おはよっ』
ツナ:(きょ…京子ちゃん!!) (今日もカワイイな~) (学校きてよかった~!)

笑顔の京子を見て幸せそうなツナに 『鼻の下のびきって 今に筋肉切れるわよ?』 と告げたのは
黒川花でした。リング争奪戦の辺りから彼女は、地味に絡んできますね。
継承編でも、彼女は何らかの役割を果たすのでしょうか。

花:『私はこんなガキじゃなくて 大人っぽい転入生希望ね』
ツナ:『ちぇっ』

クラスメイト同士の普通の会話。やがてチャイムが鳴り、HRが始まります。
並盛中に編入する至門中学の生徒は7人。そのうちの2人が、2-Aだそうです。

教師:『では 自己紹介してもらおうか』 『入りたまえ 古里くんと…シッ……シッと……ん~?』

戸惑う教師を押しとどめるかのように、スッと差し出された手。
そして登場したのは、サングラスにファーの付いたフード、体にぴったり密着したウェットスーツのような
ものに身を包み、浮き輪のようなものを両肩から斜めにかけた、仁王立ちの女性でした。

『マイ・ネーム・イズ SHITT・P(シット・ピー)!』 『"しとぴっちゃん"と呼んでクダサーイ!!』

あまりのキャラクターに絶句する面々。
「しとぴっちゃん」が、"大五郎"と"ちゃん"の物語、子連れ狼ネタだと分かる方はどの位いらっしゃるかが
気になります。「しとしとぴっちゃん♪」のあの歌が懐かしいとか言ったら、かなり年齢を誤解されそうですね。

SHITT・P:『トクギは』 『ハッコー』
生徒:『8個!?』
生徒:『発光!?』
獄寺:『発酵!?』

唖然とする周囲をものともせず、マイペースを貫くSHITT・P。

SHITT・P:『コウブツ』 『ピッ・プププ・ピ―――ッ…プツッ』
生徒:『方言かしら…』
生徒:『フランス語かも…』
獄寺:『……シグナル!?』

とうとう電波まで発したのかと驚きの言動をする彼女を、獄寺はUMA(未確認動物と認定したようです。
『やべぇ』 といいつつも不思議大好きな獄寺は嬉しそうですね。
汗で眼鏡をくもらせながら、G文字で『かんさつにっし』と書く彼が、なんだか可愛いです。

そして次に自己紹介を促されたのは、朝、黒髪のポニーテールの女性の後ろを歩いていた男の子でした。
顔にたくさんの絆創膏を貼った彼は、伏し目がちに『…古里(こざと)…』 『炎真(えんま)…』と名乗ります。
しかし

教師:『ん?』 『聞こえないよ もう一度』
炎真:『…こざと…えんま…』
教師:『声が小さい!!』 『もう一度!!』
炎真:『……………………』 『……………』

とうとう黙りこんでしまった彼に、クラスメイトの反応は冷ややかでした。

生徒:『あーらら 何アレ』
生徒:『暗い奴』
花:『イジメられそーなタイプねー…』

ただツナだけは、昔の自分みたいだと感じているようです。

場面変わり、応接室に訪問者がありました。

『失礼!』 『あなたが 並盛中風紀委員長 雲雀恭弥』
ヒバリ:『!』『誰?』 『君?』

ノックもせず、いきなり扉を開けて入ってきた人物を、椅子に座ったまま見返すヒバリ。
いっそのこと、応接室を別途作って「風紀委員室」としてしまったらとか思っては
ダメですかそうですか。

入ってきたのは、登校時にツナを睨みつけたあの女性でした。
至門中学3年の、鈴木アーデルハイト。
…アルプスの少女ハイジやヴァンパイア十字界を彷彿させる名前の彼女は、
左腕に「粛清」と書かれた腕章をし、ヒバリに要求を突きつけます。

鈴木:『これより この応接室は粛清委員会に』 『明け渡してもらいます』
ヒバリ:『粛清…』 『委員会?』
鈴木:『断るのならそれなりに』

応接室大人気ですね(そういう問題ではない)。
とても中学生に見えない彼女ですが、粛清委員会のメンバーは他にもいるのでしょうか?

場面変わり、帰り道。

ツナ:『いや~』 『そのシット・ピー!!って子 メチャメチャ変でさぁ お弁当なんて あんこだけなんだぜ!!』
リボーン:『獄寺のいう通り本当にUMAだったりしてな』
ツナ:『お前までいう?』

今日は獄寺たちは一緒ではなく、師弟で仲良く帰宅のようです。
と、不意に飛び込んできた『金だせオラァ!!』 という怒鳴り声。

ツナ:『!!』 『ケンカ!?』

ツナの目に飛び込んできたのは、不良二人にズボンを脱がされ、地面に転がったまま一方的に蹴られている
炎真の姿でした。

ツナ:『ってか これ… ケ…ケンカってよりリンチじゃん!!』 『だっ 誰かいないの!?』

あわわと慌てふためくツナの後ろから、拡声器を使っての制止の声が響きます。

リボーン:『弱い者イジメはやめねーか』 『許さねーぞ!!』
ツナ:『!?』
リボーン:『ツナがな』
ツナ:『え゛ー!!』

リボーンに蹴り飛ばされ、どてっとその場に乱入する形になったツナ

不良1:『あーん?』
ツナ:『はっ』
不良2:『誰かと思えば 2-Aのダメツナじゃねーか』
不良1:『イジメられっ子同士の助け合いか?』

ツナは、実は有名なのですね。悪い方向に…ですが。
絡んできた不良2人ですが、ある意味彼らも中学生に見えないなんてことは
つっこんだら負けな気がします。

ツナ:『いえいえいえ!!』 『そんなつもりはこれっぽっちも!!』
不良:『オレ達はそんなつもりだぜ』 『獄寺もいねぇし のんびりしてけよ』
ツナ:『ひいっ』 『まってください!!』
不良:『断る』
ツナ:『いでっ!!』 『お助け~~!!』

ドガ バキ ボゴ とやられ放題のツナですが、そんな弟子を助けるでもなく
リボーンは優雅にティータイムです。

リボーン:『やれやれツナの奴』 『自分のこととなると死ぬ気になれねーんだよな』

やがて不良が去った後、うつ伏せに倒れていたツナと炎真が身を起こします。
辺りには、びりびりに引き裂かれた持ち物が散らばっていました。

ツナ:『あつつつ!』 『お~いって~~』
炎真:『………』
ツナ:『だ…大丈夫?』 『君…』

ツナの問いかけにも無言で、淡々と周囲のものを拾い、カバンに入れる炎真。
顔も腫れ上がってしまっているのが痛々しいです。

ツナ:『あ~あ教科書やぶれちゃってる!』

拾うのを手伝うツナが『こ…これ…』 と差し出した教科書を、やはり無言で受け取ろうと
手を伸ばした炎真ですが、そのとき。
キョアアと音を立てて、ツナのボンゴレリングと、恐らく炎真の持ち物でしょう、
同じようにチェーンに通されたリングとが共鳴します。

ドクンという衝撃を同時に感じるツナと炎真。

ツナ:『え!?』

驚くツナをその場に残し、ヨロけつつも立ち上がった炎真は、ズボンを片手に
ひょこひょことその場を立ち去ります。

ツナ:『あ』 『ちょっと君…!!』
リボーン:『ん』

呆然と炎真を見送るツナの傍に降り立ったリボーンは、一通の手紙を見つけます。

ツナ:『な』 『何だ 今の…?』
リボーン:『あいつは一体…』

自分の手を見つめるツナと、「SIMON」という文字の入った紋章の記された紙を見つめるリボーンで以下次号!!

リボーンが、明らかに状況を把握できていないのは珍しいですね。
展開からして、SIMONというファミリーがいそうですが、リボーンも存在を知らないマフィアなのでしょうか。
しかも、またもやリングがキーワードになりそうですね。

ヒバリと鈴木との対決、今回登場しなかった5人の転入生、そして至門中学からの転入生の正体と
今後ボンゴレとどう絡んでいくのかが気になります。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ16号 KHR 標的282『さよなら未来』

2010-03-28 17:00:00 | 雑誌[J]
# 2010.03.28 22:50編集

白蘭との戦いが終わり、並盛町の地下500m、メローネ基地跡より1km地点に移動した白く丸い装置の前で
会話を交わす正一、ツナ、リボーン、ヴェルデからスタートの今号。

ツナ:『この装置で過去に帰れるんだね!!』
正一:『ああ 5分で過去に戻れるはずの10年バズーカの効力をこの装置で妨げているわけだから解いてやればいいんだ
    7^3のパワーバランスが正常に戻った今なら 時空も安定していて安全に帰れるはずだ』

10年前からやってきたリボーンたちが10年ピッタリにタイムワープできなかったのは、7^3のパワーバランスが崩れ
時空が歪んだからだそうです。しかしながら、帰りのタイムワープは、天才科学者であるヴェルデが計算し
ベストな時と場所を設定してくれるそうです。

リボーン:『信じていいのか』 『ヴェルデ』
ヴェルデ:『カリは返すさ』 『ユニにな』

ただならぬ二人の雰囲気に気圧されるツナ。他の面々はというと、この時代の人たちとの別れの挨拶をしている最中のようです。

まずは山本とスクアーロ。どうやら修行をした森の中のようですね。

スクアーロ:『また野球をはじめんのかぁ?』
山本:『ああ』 『剣一筋でいくのは 未来(ココ)だけって決めてたからな』
スクアーロ:『うお゛ぉい!!』 『この根性なしが!!』 『それじゃ貴様は一生オレの剣を超えることはできねーな!!』
山本:『わっかんねーぜ』 『そんなの』
スクアーロ:『だとぉ!!』

睨みつけるスクアーロに対し、ハハハッと豪快に笑う山本はやはりなかなかの大物ですね。

スクアーロ:『ったく最近のガキは!!』
      『オレがてめーの年の頃にゃ いっぱしの殺し屋だったぜぇ!!』

言いながら、くるっと山本に背を向けるスクアーロ。

山本:『!』 『なんだよ もういっちまうのか?』 『他のヴァリアーの連中もか?XANXUSはツナと会ったのかな?』
スクアーロ:『会うわけねーだろぉ』 『うちのボスは沢田を見たら』 『殺しちまうからなぁ』
山本:『ん…?』 『そーなのか?』

振り返り睨みつけるスクアーロの言葉と眼光に、流石の山本もちょっと驚いたようですが、
そんなことには構わずにバッと地面を蹴ったスクアーロは『じゃあなぁ!!』 と叫びながら
崖の下へと姿を消しました。それにしても、別れの挨拶をちゃんとするあたり、スクアーロは意外に気さくですね。
崖の下に向かうのに、あんなにジャンプした意味があったのかなんて言ってませんよ言ってません。

山本:『ああ!!』 『いろいろサンキュー!!』

大きく手を振る山本。一方アジト内では、女の子たちがビアンキとの別れの挨拶を交わしていました。
その傍らで『うご!!』 『ぐ…』 『ぬおお!!』 と奇声をあげながら頭を抱え悶えている了平。
どうやら、この時代の花に何か一言伝えるべきか悩んでいるようですが、

了平:『だが極限に一体 何を!!!』

んがあと頭を抱えつつ叫ぶ了平に対する京子とハルの『病気かしら?』 『いつも通りな気がしますけど…』
やり取りがよいですね。
一方、別の場所では、クロームとM・Mとが話していました。

クローム:『……話って…なに…?』
M・M:『ひとつ 忠告しておいてあげるわ』 『骸ちゃんがあんたに優しいのは』 『あんたを利用しているからよ』
クローム:『!!』

冷淡に告げるM・Mは、こうしてみると美人ですね。

M・M:『骸ちゃんは過去に帰ったあんたを利用して 過去の自分を牢獄から出そうとしてるの』
   『誤解しないでね これは親切でいってるのよ』 『骸ちゃんはとっても怖い人なの』
クローム:『……………………』
クローム:『…それでも…』
M・M:『!!』

一瞬唇をかんだクロームが発した言葉に険しい表情を浮かべるM・Mですが、丁度そのとき
犬と千種、骸が2階部分へとやってきます。

犬:『バカ女とM・M 何してるびょん!?』 『そろそろ時間らしいびょん!!』

その声に振り向き、自分を見下ろす骸の優しそうな顔を見つめ、嬉しそうな表情のクロームが可愛いです。
草壁がヒバリを 『恭さん!!』 『お気をつけて!!』 と部屋から送り出す一方、
ビアンキが座り込んでいた獄寺を見つけます。

ビアンキ:『こんな所にいたのね ハヤト たった一人の私の』 『義弟(おとうと)』

近付いてきた気配に立ち上がった獄寺に話しかけるビアンキ。

ビアンキ:『例の約束覚えてる? 聞いて欲しい話があるの これを見て』
獄寺:『へっ』 『土産ならいらねーよ』
ビアンキ:『ええ 過去にも あるものだからもっていく必要ないわ』
     『でも未来(いま)の私が見せたかったから わざわざ破壊されたアジトにとりにいったの』
獄寺:『なっ』 『それでアジトへ?』

驚く獄寺が目にしたものは、袋いっぱいに入った手紙でした。
それは、ビアンキと獄寺の父が、獄寺の母に宛てた手紙。獄寺の母が事故で亡くなる寸前まで送っていた
ラブレターの一部だそうです。

ビアンキ:『あなたは 父さんがお母様との結婚を拒んであなた達母子を引き離し』
     『それが お母様の死に繋がったと思っているわね… 』 『でも実際は逆なのよ』
     『ハヤトのお母様が 父さんの結婚の申し込みを断ったの』

ビアンキの言葉に驚きを隠せない獄寺。
ビアンキによると、獄寺の母は大病をわずらっていて、自分の余命を悟っていたそうです。
彼女は、ビアンキと獄寺の父や獄寺の未来に迷惑がかかるからと自ら距離をおいたとのこと。
それでも父は、一時でも親子3人の時間を作ろうと手紙を送り続けたそうです。
獄寺の母が崖から転落した時の死因も、落ちる前に病気で亡くなっていたということらしいです。

手紙を読みながら『……そんな…』 『…ウ……ウソだ…!!』 『………だってよ…!』
言い募る獄寺を諭すように、ビアンキは続けます。

ビアンキ:『今はわからなくてもいいわ でもこれだけは覚えておいて』
     『あなたは両親に祝福されて生まれてきたのよ』

穏やかに告げるビアンキを見つめ返す獄寺ですが、突如『獄寺君 ビアンキ 危なーい!!』 という
言葉とともにその場に現れたのはモスカの巨体でした。
驚く姉弟のところへ、ツナとスパナ、そしてジャンニーニの3人が駆け込んできます。

ツナ:『ビアンキ 獄寺君 大丈夫!?』
スパナ:『うーん』 『やはり左のスラスターがおかしい』
獄寺「!!』 『10代目に…スパナ!!』 『スパナお前今まで何してたんだよ!?』
ツナ:『今の今まで対白蘭用のモスカ作ってたんだって…』
   『スパナ メカのことになると周り見えなくなっちゃうから…』
スパナ:『すまない』

飴を咥えたまま謝るスパナ。白蘭がミルフィオーレを立ち上げない未来であれば、
彼も初めからボンゴレの技術班の一員となるのでしょうか。

そして、全員があの白く丸い装置の前へと集います。

正一:『よーし みんな揃ったね!!そろそろ出発だが』 『ボンゴレ匣は未来(ここ)に置いていってもらう 取りはずしてくれ!!』

『ガオ』 と悲しそうな声をあげるナッツ。瓜やその他の匣兵器アニマルたちも、
表情がとても寂しそうです。

ツナ:『しょうがないよナッツ…まだ過去に存在しない匣兵器を持ち帰るのはよくないらしいんだ…』
ナッツ:『ガルルルル…ウゥ…』
了平:『寂しいぞ我流!!』
獄寺:『元気でな…瓜』

ツナの足に擦り寄るナッツと、熱く抱擁を交わ我流と了平、瓜を撫でる獄寺と
大人しくされるがままの瓜が印象的です。

風:『達者でねイーピン』

ペコリとお辞儀を交わす師弟。イーピンが、風をヒバリに似ていると称したことから、
彼がアルコバレーノになった時期はそんなに前ではないと思っているのですが、
どうなのでしょう。


バジル:『結局 川平のおじさんが何者なのか わかりませんでしたね』
フゥ太:『うん…』
ツナ:『いろいろありがとうラル!』
ラル:『オレはガキの面倒を見ただけだ』

ぶっきらぼうなラルの言葉。最後までガキあつかいされたことに、地味にショックを受けるツナに、
ラルは優しい笑みを見せます。

ラル:『いいボスになれよ』 『沢田』
ツナ:『え゛っ いやだからオレはボスとかはっ』
ラル:『コロネロ!! 沢田達をしっかり平和な過去へ帰してやれよ!!』

ツナの言い訳を聞かず、コロネロの方へ向き直るラルに、コロネロが応えます。

コロネロ:『ああ 当然だぜコラ!! こいつらは命の恩人だからな』
マーモン:『お金くれなきゃ奥義なんて使いたくないけど今回は特別だよ』

この仕事があるから、マーモンはヴァリアーと行動を別にしているのですね。
マーモンがヴァリアーに復帰となると、フランと属性が被ってしまいますが、
それはそれで楽しそうです。

コロネロ:『終わったらすぐ戻ってくるからな』 『ラル』
ラル:『バカッ』 『こんな所で!』

赤面するラルは珍しいですね、可愛いです。

正一:『じゃあタイムワープをはじめるよ!!』
   『別れを惜しんでたらキリが無いからね!! アルコバレーノは過去のマーレリングを封印してすぐにここへ戻ってくる予定だ』
   『では…』
正一:『本当に…』 『ありがとう!』
ツナ:『…さよなら』

二人でしっかり視線を交わした正一とツナ。
やがてタイムワープが始まり、光に包まれたツナたちが正一の前から姿を消します。


このタイムワープの時 ユニとアルコバレーノはいろんなプレゼントをしてくれたんだ…
一つは過去のマーレリングの封印… そして 一緒に戦った仲間達の未来の記憶を 過去の彼らに伝えてくれた…

どうやら、世界各地で起こったような地震の揺れの中、XANXUSや骸、ディーノたちへ
記憶の伝達が行なわれたようです。

さらに特別に ナッツ達ボンゴレ匣を一緒に過去へつれてきてくれたんだ!!
ヴェルデっていうアルコバレーノの天才科学者の技術で 今までの匣型よりずっとコンパクトになってね!

…たった今、オーバーテクノロジーである10年後の世界の技術である匣兵器を
過去に持って帰るのはよくないと聞いた気がするのですが…よいのでしょうか?
コンパクト化されたナッツは、リング状になってはいますが、『ガオ…』 と鳴いているあたり
動きに制限はあるものの、常にツナの傍に居られるようですね。
それにしても、戦うときにはやはり元の形態に戻るのでしょうか。

カッと激しい光が、一直線に沢田家へと突き刺さり、リボーンとツナ、イーピンとランボが
奈々の背後へと到着します。

奈々:『まっ』 『みんなこんな所にいたの?』 『てっきりツナの部屋かと思ったわ』
ツナ:『!!!』 『か…母さん…』
奈々:『?』

懐かしさと安堵を浮かべた表情のツナを、笑顔で見返す奈々に、イーピンとランボが
『ママーン!!』 と叫びながら飛びつきます。

奈々:『んまぁどーしたの』 『どこかイタくしたの?』

笑いながら、二人を抱きとめた奈々を前に

リボーン:『先を越されたな ツナ』
ツナ:『中学生にもなって あんなことするかよ!!』

という二人の会話が楽しいです。

奈々:『そーだツっ君』 『今の地震で物が落ちてないか 自分の部屋を見てきてちょーだい』
ツナ:『え?』 『地震があったの…?』
奈々:『その後でケチャップ買ってきてくれない?』 『今晩ハンバーグなんだけど切らしちゃったのよ』
ツナ:『母さんの…ハンバーグ…』(本当に帰ってきたんだ)

実感したのか、泣きそうに表情が緩んだツナですが

奈々:『ちょっと なにツナ!?』
   『顔にたくさんキズバンつけてまた転んだの?』 『それに たくさん指輪つけて…獄寺君のマネ?非行かしら…』
ツナ:『え!』 『いや これは!! 』

ボンゴレリングとナッツのリングを嵌めた指をサッと後ろに隠し『何でもないって!!』
誤魔化すツナ。奈々が獄寺のことをどう思っているのか、よく分かった気がします(笑)。

とにもかくにも オレの中二の未来での戦いは
こうして幕を閉じたんだ…

10年前の世界でツナが奈々と再会を果たしている頃、10年後の世界でも
戻ったアルコバレーノと正一たちが再会していました。

正一:『おかえり!!』
コロネロ:『少し地殻に影響を与えたが すべてうまくいったぜ!』
ラル:『ホッ』
正一:『よかった!!』 『お疲れ様!!』
コロネロ:『お』 『子供のあいつらが過去へ帰ったかわりに この時代のこいつらが装置から目覚めたんだな』

件の装置の前には、今まで囚われていた10年後の面々が勢揃いしています。
ヒバリの怪我も大丈夫そうですし、獄寺の足の陰には、何気にリボーンもいますね。
10年後のリボーンがどうなったのか気になっていたので、安心しました。

獄寺:『ところで』
山本:『ツナは どこいったんだ?』
正一:『ああ』 『一足先に 地上(うえ)にいってるよ』

獄寺や山本は、10年後のツナが正一やヒバリと組んで立てていた計画のことを
知らなかったはずですが、過去が修正されたことにより、ここで起こった戦いのすべてを
理解しているのでしょうか。
でなければ、いまだに正一を敵とみなしていても可笑しくはないと思います。
また、この時間軸以外のパラレルワールドにおいては、どのような歴史の復興がなされているのかも
気になりますが、流石に知る術はなさそうですね。

未来編始まりの森の中で、棺桶を見下ろすツナらしき人影。
そこに置かれていた白紙のノートに、フッと浮かぶ文字。

『オレの中二の未来での戦いは』『こうして幕を閉じたんだ…』

しかし、すぐにスゥ…と文字が消えてしまいます。
棺桶の上に置かれた2冊のノート。開いたものと、その下に置かれた"2-A 沢田綱吉"と書かれた表紙のものを見下ろす
10年後のツナの足元の描写で以下次号!!

未来編完結です。

文字が浮かんで消えたことは、歴史の修正の結果かと思わないでもないですが、
棺桶が変わらずそこにあることに一抹の不安を感じずにはいられません。
一体どのような修正が行なわれたのでしょうか。
すべてがなかったことになったのであれば、棺桶もなくなっていて欲しかったのですが
そういう問題ではないのでしょうか。

10年後ツナの顔は登場せず仕舞いでしたし、川平のおじさんとチェルベッロについては
次章以降へ持ち越しとなりました。
マーレリングを手に入れなかったとしても白蘭がマフィアを目指し
ファミリーを結成する可能性は0ではありませんし、今の世界に不満を持つ真6弔花が
この未来とは別の行動をとる可能性もある訳です。

パラレルワールドという厄介な世界観のお陰で、まだ頭の整理ができていませんが、
次号からはすっぱりと舞台を変えて、新たな物語が始まるようです。
長い長い未来編でしたが、終わってみるとやはり楽しかった感がありますね。
できれば、フランの戦う姿を見たかったという心残りはありますが、
真ボンゴレリングを手に入れた守護者たちの戦いは今後のシリーズで
お披露目がありそうですから、期待したいと思います。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ15号 KHR 標的281『残されたもの』

2010-03-14 11:12:00 | 雑誌[J]
取り急ぎ、簡易感想にて参ります。

ふんわりとしたワンピースに身を包み、柔らかい笑みを浮かべたユニが表紙の今号。
ツナが人を消すことはやってほしくないと綴りましたが、
どうやら見事に白蘭を消滅させてしまったようです。
歓声を上げるボンゴレの面々の中、ふらついたツナを両脇から支える獄寺と山本が印象的です。

一人残った桔梗から語られたのは、世が世なら各分野で天下を取った人間であるにも係わらず
不運によりそれが叶わなかったそうです。その憤りを力に変えてくれたのが白蘭だったと。
そんな桔梗の側頭部を撃ち抜くXANXUS。命はルッスーリアが繋ぐそうですが、XANXUS自身フラストレーションが
溜まっていたのでしょうか、容赦ないですね。

あまりに多くの犠牲が払われたこの戦いでの勝利に、果たして意味があったのかと呟くツナに応えたのは、
「大ありに決まってんだろコラ!!!」というコロネロの言葉。
5人の赤ん坊、アルコバレーノの姿がそこにありました。
彼らは、炎を通じてユニから事情を教えられていたそうです。

風:『白蘭が倒れ マーレリングの力が無効化されることにより』
  『白蘭がマーレリングによって引き起こした形跡は 全パラレルワールドの過去に遡り 全て抹消されます』
コロネロ:『つまり白蘭のやった悪事は』 『過去から跡形もなくなるんだぜコラ!!』

ミルフィオーレに殺された人たちも、恐らく死んだこと自体がなかったことになるだろうと
言うコロネロの言葉に大喜びするツナたち。
その方法でいくと、ユニやγもまた、死んだこと自体なかったことになるのでしょう。

となると、白蘭がパラレルワールドで入手したワクチンで助かった幻騎士は、
この世界では命を落とすことになるのかと思うと少し複雑です。
白蘭がいたからこそ、ツナは成長することもできたし、得がたいものをも得たと思っています。
過去に戻っても、ボンゴレⅠ世が解放した真のボンゴレリングや、この時代で得た知識や経験が
引き継がれるのか否か、まだ分かりませんね。

入江:『ちょっ…ちょっとゴメンよ水をさすつもりはないんだが…』
   『そんな時空の法則を無視したことが起こりうるのかな…計算があうのかな?なんて…』

アハハハハと乾いた笑いを浮かべる入江は、ある意味読者の気持ちを代弁してくれていますが、

ヴェルデ:『愚か者め 7^3の起こす現象は人知を遥かに超えているのだ』
     『人間がコンピューターでピコピコ計算している内は 答え合わせなど無意味なのだよ』
     『7^3を語るに限っては 現在の我々の持ち合わせる言葉では』 『「奇跡」か「何者かの意思」が いまだ適当なのだ』

ヴェルデに一蹴されました。
なるほど、なんでも自分たちの物差しで計れると思うなということのようです(←そうか?)。

しかし、白蘭の悪事が消えてもマーレリングがある限り、第2、第3の白蘭の登場を危惧するツナに
風がそれを防ぐためにユニは命をかけたのだと告げます。
ユニは、10年前のツナたちの時代のマーレリングを封印させるための奥義を
アルコバレーノに託したのだそうです。

命がけで永遠の平和をつくろうとしたユニの想いに応えるべく、
「過去へ帰ろう!!」と力強く宣言するツナで以下次号!!

ツナの頭にリボーンが乗っているのが、可笑しくもあり嬉しくもあります。

結局、守護者たの活躍が見れないまま収束しそうですね。
折角真の姿を取り戻したボンゴレリングの力やフランの匣を使っての戦いが見れず仕舞いなのは本当に残念です。
新たに「何者かの意思」というキーワードが登場した未来編の謎の解明は、
新章へと引き継がれることを期待します。

それにしても、封印はそれを守ることが重要となります。
アルコバレーノがどのような封印を施すのかは分かりませんが、それが破られないことと
仮に7^3の力が必要になったときにちゃんと封印が解けるのかが気になります。

ツナたちがどのような手段で過去に戻るのか、その前日はこの世界で集結した仲間たちとどのように過ごすのか、
色々と置き去りにされてる感は否めませんが、駆け足でエンディングを迎えそうな未来編のラストが
待ち遠しいです。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ14号 KHR 標的280『最後の一撃』

2010-03-09 22:25:01 | 雑誌[J]
前回の感想が未だ綴れておらずに申し訳ないですが、
ひとまず今号の感想に参ります。
あまりに怒涛の展開過ぎて、色々と思うことがありますが、
とりあえずは思いつくままに綴ります。

超死ぬ気モードで、傷だらけのまま前を見据えるツナの横顔が
表紙の今号。アルコバレーノ復活のためにその身を捧げ
服を残して消えたユニとγ、そんな二人を言葉を失ったまま見つめる
ボンゴレサイドの面々からスタートです。
京子やハルが涙を流していることよりも、珍しいリボーンの表情が印象的です。

ツナ:『γ!!』 『ユニ―――!!』

名を叫び、先ほどまでユニが居た場所へと降り立った後、
残されたおしゃぶりを手に取り、呆然と『ユニ…』 と呟くツナ。
ユニの命と引き換えに復活するはずのアルコバレーノが未だその兆しを見せないことに
フゥ太が触れますが、リボーンによると炎はちゃんと注入されているものの
まだ時間がかかるそうです。

ですが、そんな彼らをよそに、この展開に納得のいかない人物が一人。

白蘭:『ねえ ちょっと…』 『何してくれてんのさ?』

ツナの背後に降り立った、赤黒い羽を生やした白蘭が静かに語りかけます。
今まで見たことのないような、「何もそこまで…」と言いたくなるくらいに
分かりやすい悪い顔をしています(笑)。

白蘭:『やっとみつけたパズルの最後の一ピースが死んじゃったよ……』 『すべて おじゃんじゃないか…』
   『7^3を覚醒させ 時空を超えた覇者になる僕の夢は…』 『君達のくだらないお友達ごっこのせいで散ったんだ…』
   『この意味が…』 『わかっているのか!!!』

そう激昂した瞬間、ツナの体からドンッと音を立てて放たれたプレッシャーにより
吹き飛ばされる白蘭。『ぬっ』 『ぐあっ』 という彼の声は新鮮ではありますが、
バトルとしては一方的な展開になってきたかな?

体から放たれる炎の圧力の中心に立ったツナが、白蘭に答えます。

ツナ:『誰がユニを殺したと思っているんだ』
   『お前がこんな世界にしたから…』 『ユニは…』 『死んだんだ!!』
   『オレはお前を許さない!!!』 『白蘭!!!』

目に涙をため、激しい炎を拳に宿らせたツナですが、白蘭はその言葉にも『んー?』 『許さない?』
なんの感慨も見せません。それどころか、『ほほーう』 『ぷくく!!』 と笑い出します。

白蘭:『ハハハ ナンセンスだよ!!』 『君という人間はなんて茶番なんだ!!』
   『あの娘に装置しての強烈な意味を見出すのならわかる!!』
   『なんせユニは 僕が全知全能フルオプション付きの神になるための』 『アイテムだったのだからね!!』

白蘭オンステージです。今号だけで、今まで見せたことのない顔やポーズ、
そしてテンションを披露してくれています。

白蘭:『だが ユニをあたかも1人の女の子として扱い 尊び』
   『ヒューマニズムで僕に楯突こうなんてのは 一時のホルモン分泌に踊らされた陶酔だよ』
   『人のつくる利己的な社会に生きる子供の答えとしては』 『5重ペケさ!!』
   『寄せ集めの偽善より個人のドス黒い欲望や執着の方が強い』 『この世界はそうできてる!!』

マーレリングの力を使い、自らの足から根のようなものを出し地面に突き刺した白蘭は、
強大な一撃を放つために体を固定します。この一撃で決めるつもりの彼に対し、
ツナもX BURNERで迎え撃つつもりのようです。

白蘭:『まったく無意味なことをしてくれた!!』 『あの おしゃぶり付きの人形は 僕に最高のオモチャを与えてくれたのに!!』
ツナ:『それ以上ユニを侮辱するな!!』 『白蘭 お前だけは!!』

二人が溜める強大なエネルギーは、彼らを隔てている強固な大空の結界を破るほどに膨れ上がります。
そして。

白蘭:『消えろ!!!』
ツナ:『くらえ!!』

白蘭:『らああああ!!!』
ツナ:『うおおおお!!!』

同時に放たれた白蘭とツナの炎。真正面からぶつかったそれは、初めこそ拮抗していましたが、
やがてツナの炎が攻撃諸共白蘭を飲み込みます。

白蘭:『うぎゃあああ!!!』

炎に包まれ、身を焦がしながら目を見開いた白蘭は、マーレリングを手に入れたときのことを
回想します。それは、彼の元に、フード付きのローブを身にまとった、シスターのような
二人組がやってきたことから始まりました。

『やっと見つけました 大空のマーレリングの適応者』
『あなたこそがこの世の至宝 世界を駆けるマーレリングの保持者にふさわしい』
白蘭:『君達…誰?』
『我々はあなたの人生に訪れた「ある思考」です』
白蘭:『ふ』 『アハハハ』
『何がおかしいのです』
白蘭:『やっときたと思って♪』

大学の構内の一角でしょうか、人気のない場所で突如現れた得体の知れない人物相手に
屈託のない笑みを見せる白蘭。人懐っこい一面が垣間見えた気がします。

白蘭:『こんなバカげた出来事をまってたんだよ この現実世界なんてとっくに信じてないからね』
  『生まれてこのかた 人間やってんのに違和感ありまくり』
  『右を見ても左を見ても人も社会もどこもかしこも』 『僕には景色に見えるだけ』
  『そこにきて先日パラレルワールドへ飛べちゃって確信したんだ』 『僕はゲームにとりこまれた「意識」にすぎないってね』

大学の講義を退屈そうに聞く白蘭は、常々自分という存在に疑問を抱いていたようですね。
「ゲームに取り込まれた『意識』」とは、また面白いキーワードが登場したと思います。
誰がプレイしているゲームなのか、どんなゲームなのか、想像が膨らみます。
そんな彼に、淡々と応じる来訪者。

『考え方は自由です』
『あなたにマーレリングを手に入れる覚悟はありますか?』
白蘭:『もっちろん♪』 『この世界をより楽しむキーアイテムなら ぜひ欲しいね』

アルコバレーノのおしゃぶりは、どのように出現するかはまだ謎ですが、その時々のアルコバレーノ達が、
ボンゴレリングはボンゴレファミリーが保持していました。同様に、マーレリングはジッジョネロファミリーが
代々保持していたものだと思っていたのですが、違うのでしょうか。
それとも、ジッジョネロに保管されているマーレリングに対し、彼女たちは適応者がいることを
突き止めたのでしょうか。

白蘭:『ところで 僕はそのアイテムでできる目一杯のこと………んーできるなら
   大量殺戮やら戦争やら世界征服なんてナンセンスなこともやるかもしれないけど』
  『君達からお咎めはあるのかな?』

さらりと言ってのける白蘭は、現在の残忍性が芽生えていますね。
世界征服はナンセンスという見解は、10年前の骸と一致しているということが少し可笑しかったです。
それにしても、世界征服の手段になぜマフィアを選んだのでしょう?(←聞くな)

『我々があなたに手を下すことは一切ありません』 『ただし あなたのいうゲームに例えるのれあれば……』
『そのリング以外に2つの大空… つまり あと2人のプレイヤーが在ることをお忘れなく』

そう告げる二人組は、どうやらフードの下だというのに更に目元を隠しているようです。
どう考えてもチェルベッロですね。彼女たちの衣装の豊富さにも驚きます(笑)。

白蘭:『そりゃいいや!』 『ライバルくらいいないとゲームになんないからね!』

弾けるような明るい笑顔。白蘭がツナをライバルと思っていたとは意外でした。
そして彼はこの状況を、本当に楽しんでいるのですね。しかし。

白蘭:『うぎゃああ!!!』

今現在の彼は、もう一人のプレイヤーにより、炎に包まれその身を焦がしていました。
徐々にその形を失っていく自分の手を見つめながら、彼の独白が続きます。

 別に人間が嫌いなわけじゃない…
 人と接して 胸がくすぐったくなったり ジーンと熱くなったりもできるんだ…

 後ろ向きなわけでもないよ……
 面白いこと探すのは得意だし 楽しいことには全力でがんばっちゃうからね…

 ……でも…
 なんか この世の中は しっくりこないんだ…

 わかってくれるよね…
 ここ… 気持ちわるくない?


ツナをじっと見つめる白蘭。しかし、彼の目に飛び込んできたのは、
自分をしっかりと見返すツナの強い眼差しでした。

 ハハハッ
 その目は そんなことこれっぽっちも思ってないな…

 まったくまぶしいったら……


完全にかき消された白蘭の手から零れ落ちるマーレリング。そして

 完敗だよ

穏やかに笑った白蘭が、X BURNER の直撃を喰らいかき消されたところで以下次号!!

なんともあっけないというか、早い決着だったと思います。
前号から今号にかけて、怒涛の展開ですね。
白蘭の悲鳴も、なんだかものすごいとか思ったなんて言ってませんよ言ってません。

最後の最後で、白蘭の想いが描かれたことで、彼に対する見方が変わりました。
残虐な、子供のような王様かと思いきや、もしかしたら白蘭が一番、自分自身を
持て余していたのかもしれませんね。
世界征服、ひいては世界を創りかえることで、何かが見えてくると思っていたのかなと、
そこでようやく自分らしく在れるようになると思っていたのかと考えてしまいました。
だから、今のこの世界に生きて、精一杯行動しているツナが眩しかったのかもしれません。

チェルベッロに言わせれば、ツナやユニも白蘭と同じ『意識』であり、『プレイヤー』だそうです。
ユニが言った「ツナと白蘭は同じ」という言葉の真意も、ここに繋がるのでしょうか。
7^3に関わる出来事にチェルベッロが関わっている気もしますが、
それだとリボーンが彼女たちのことを知らないはずはないとも思いますので、確信が持てません。
いつか、彼女たちがツナに接触してくる日が来るのでしょうが。

今回炎に飲まれた白蘭ですが、ツナが「殺す」という行為をするようには思えませんし、
して欲しくありません。ただ、まともに喰らっていますので、今後が大変気になります。
また、白蘭を倒すという当初の目的が達せられた今、まだまだ残っている多くの謎の回収が
どうなるのか、新章に引き継がれるのかも気になります。

ビアンキが獄寺に話したいといっていた父親のこと、アルコバレーノの秘密、
川平のおじさんやデイジーが今どうしているのかということ、
桔梗以外の真6弔花の生死、そういえばレオくんもどうなったのでしょう。
アルコバレーノが本当に復活するのか、その後ツナたちがどのようなアクションを
起こすのか、次回に期待が膨らみます。

余談ですが。
先週から始まった『詭弁学園、四ツ谷先輩の怪談。』ですが、
前に掲載されていた読み切りでの「先生」の設定を「先輩」にしたのですね。
『保健室の死神』と被るからでしょうか。
ところどころ、どこか『ムヒョとロージー』を彷彿させるカットがある感はありますが、
注目している作品です。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ12号 KHR 標的278『「海」「貝」「虹」』

2010-02-24 02:29:34 | 雑誌[J]
ボンゴレを創った男、プリーモが表紙の今号。
ストライプ地のスーツにマントを羽織り、死ぬ気の炎を額に灯した臨戦態勢なのを見ると、
やはり彼も「戦士」だったのかと改めて思います。

さて本編。

ツナと向き合う形で現れたボンゴレⅠ世。
笑顔で『何の遊びだい?綱吉クンのソレは』 『誰なのかな その男は?』 と問いかけた白蘭に、
『ボンゴレファミリーの初代のボス』 『ボンゴレⅠ世(プリーモ)』 と答えたのはユニでした。

白蘭:『Ⅰ世(プリーモ)? ハハハ からかうのもいいかげんにしてくれる?』
   『そんな大昔のご先祖様を ホログラムで投射するなんて 悪趣味にも程があるよ』
ユニ:『ホログラムではないです』 『あなたもそう感じているはずです』
   『これは7^3(トニリセッテ)の中でも あなたのマーレリングにも私のおしゃぶりにも起きない』
   『ボンゴレリングの"縦の時空軸の奇跡"』
白蘭:『縦の時空軸の…』
骸:『奇跡?』

流石に骸も、この現象についての知識はなかったようですね。
XANXUSも、ボンゴレに関する聞き慣れない言葉に反応しています。

産まれた時から自分の記憶に焼きついている詩について話すユニ。

  海はその広がりに 限りを知らず
  貝は代を重ね その姿 受け継ぎ
  虹は時折現れ はかなく消える

 マーレとは「海」
 ボンゴレとは「あさり貝」
 アルコバレーノは「虹」
 そう…この詩は7^3のそれぞれの大空の在り方を示しています

 どこまでも広がる「海(マーレ)」は横の時空軸
 すなわち 平行に広がる平行世界(パラレルワールド)に生き
 代を重ねる「あさり貝(ボンゴレ)」は縦の時空軸
 すなわち過去から未来への伝統の継承に生き
 そして「虹(アルコバレーノ)」はどこにも とどまらず
 その両方に線ではなく 点として存在するものということです

ユニ:『つまり白蘭がパラレルワールドから知識を得られる能力をもつのと同じように』
   『沢田さんには 沢田さんが受け継ぐボンゴレの「時間」があるのです』

その言葉にツナは、ボンゴレの証を継承したときのことを思い出します。
確かにあのとき、「リングに刻まれし我らの時間」という文句が出てきましたね。

この性質は大空のみの特性ということらしいですが、ユニが精神だけでも
パラレルワールドへと逃れられたのはマーレリングのお陰と考えてよいのでしょうか。
それとも、縦と横の時間軸、その両方に存在できるアルコバレーノの大空の性質として
それをなしえたのでしょうか。

白蘭:『悪いけどユニちゃん その話に信憑性はないなあ』
   『だって僕が初めてパラレルワールドを意識できた時 僕はまだマーレリングをもっていなかったんだよ?』
ユニ:『それはあなたが』 『リングに選ばれた適応者だったからです』
   『ボンゴレⅠ世(プリーモ)と同じように』

意地悪そうな笑みでユニの言葉を否定する白蘭に対し、冷静に返すユニ。
その言葉に何を思うのか、Ⅰ世は少しの間を置いて、ツナに話しかけます。
それにしても、ボンゴレⅠ世がボンゴレリングを手に入れた経緯が気になりますね。

Ⅰ世:「さあⅩ世(デーチモ) おまえの枷をはずそう」

実はユニの話が終わるのを待っていたのかとか、思ってはダメですかそうですか。
思いがけないⅠ世の言葉に驚く獄寺たち。
ツナと向き合う形で静かに話すⅠ世によると、今のボンゴレリングは仮の姿だそうです。

Ⅰ世:「ボンゴレリングはある時より厳格な継承をするために 2つに分割し ボスと門外顧問の2人が保管することとなった」

リング争奪戦でのハーフボンゴレリングが、まさにこの形状ですね。

Ⅰ世:「だが 分割できる構造を保つために 同じ7^3のマーレリングやアルコバレーノのおしゃぶりに比べ 炎の最高出力を抑える必要があった……」
   「しかしもうその必要もない おまえになら このリングの本当の意味とオレの意思をわかってもらえそうだからな」

厳格な継承が必要とされるようになったポイントとは何でしょう。
何か大きな出来事があったのだろうとは思いますが。
また、Ⅰ世はずっとリングの中で、ボンゴレリングの継承に携わってきたのでしょうか。
ボンゴレリングの炎の最高出力を抑え、ハーフボンゴレリングへと形状を変えたのも
Ⅰ世の力だったということでしょうか。

今ここでその枷を外すということは、この戦いが終わった後、もしくは
ツナがボスの座を退くときには再びハーフボンゴレリングへと姿を変えるのか、
もしくは、Ⅰ世の意志を酌んだツナが、リングに対しなにかアクションを起こすのか
気になるところです。

Ⅰ世とツナの甲が合わさり、激しく炎が迸ります。
それはツナのグローブだけでなく、6人の守護者のリングも同様に光り、
一回り大きくそして豪奢なデザインとなったボンゴレリングが姿を現します。

ツナ:『!』 『これが原型(オリジナル)のボンゴレリング!!』

ボンゴレリングを見つめるツナの右肩に、「Ⅹ世(デーチモ)」 という声と共に
Ⅰ世の右手がポンと置かれます。

Ⅰ世:「マーレの小僧に 一泡吹かせてこい」

ツナの肩を抱き、白蘭に対し不敵な笑みを浮かべたⅠ世は、さすが
白蘭を小僧呼ばわりできるだけの組織の創始者としての貫禄がありますね。

フッと姿を消してしまったのが残念でなりません。

白蘭:『ハハッ』 『相当ふざけたご先祖だね!』

笑いながらそう言った白蘭の背中に突如加えられた攻撃。
ツナが放ったⅩ BURNER が、見事に白蘭の背後を捕らえていました。
そのあまりの早さに、何が起こったか分からず驚くベル、犬。
一瞬、ツナが本当のことを言われて怒ったのかと思ったなんてことは全然ないですよありませんよ。

結界の端まで吹き飛ばされた白蘭ですが、

白蘭:『ふーん…』 『少しはできるように』 『なったのかな!?』

すぐさま白龍と共にツナ目掛けて突撃してきます。

ツナ:『ナッツ!!』

ツナの声と同時に形状を変え、白蘭の攻撃を受け止めるナッツとツナ。
先程までの一方的な展開と違い、すさまじいパワーのぶつかり合いとなっています。
その変貌ぶりに驚いたのか、白蘭も目を見張りますが
瞬時にナッツの形状を変えたツナは攻撃の手を緩めません。

ツナ:『バーニングアクセル!!』
白蘭:(切り返しが早い!!)

白拍手を繰り出す白蘭の手から噴出す血。それだけツナの攻撃が強かったということでしょうが
ここに来ても白蘭は余裕です。

白蘭:『ハハッざーんねん♪』 『ここまで僕はまだ8割しか力をだしてないよ』
ツナ:『オレは5割だ』

…パワー出力数字の自慢は、子供の喧嘩に発展しそうでドキドキしますね(ぉ)。

再び白蘭の背後に回り込み、背中へと強烈な一撃を放つツナ。
流石に『ぐわあ』 と声をあげた白蘭の翼を両手で掴み、体を回転して
脳天に踵落としを喰らわせたお陰で、白蘭の顔が大変なことになりました。

文字通り翼をもがれた白蘭は、蹴られた勢いそのままに地面へと激突します。
ツナの強さに驚く面々を前に、ツナは宙から白蘭に声をかけます。

ツナ:『どうした白蘭』 『翼がなければ ただの人か?』

それに応えたのは「プハーハハハ ヒヒヒヒヒ アハハハッ」という笑い声でした。
血まみれで大笑いする白蘭。

白蘭:『すごいよそこの綱吉君』 『君は無数のパラレルワールドの中で 唯一僕に血を吐かせた個体だ!!』
   『いやあ うれしいなあ』 『こんな日がくるとはねー』

クククと笑い続ける白蘭は、本当に嬉しいのでしょう。その理由は。

白蘭:『何がうれしいって…』 『生まれてはじめて』
   『全身の力を』 『使い切ることができるよ!!』

炎の翼が生えていたであろう部分から血を迸らせ、
今度は紅い翼を生やした姿で笑う白蘭で以下次号!!

前回Gに許しを貰い、自分でもそう宣言したとおり、
やりたいようにやった感がありますⅠ世ですが、ここまで彼自身に
スポットライトが当たったのは初めてではないでしょうか。
彼がでてくるとテンションが上がります(笑)。

ボンゴレリングとマーレリング、そしてアルコバレーノのおしゃぶりが
最初に歴史に登場したときのことや、Ⅰ世がそのリングを手にした経緯、
初代ボンゴレファミリーの話、そしてボンゴレの継承が厳格化された理由など、
気になることがたくさんあります。
また、今回は解説役すら初代に奪われてしまったツナ以外の面々についても、
まだまだ戦闘の見せ場が欲しいと思います。

ところで、チェルベッロ機関やデイジーは今どこで何をしているのでしょう?

3月4日発売の最新刊の表紙は獄寺&Gということで、こちらも楽しみですね。
密かに、今回どれだけの修正が盛り込まれているかも気になっていることは秘密です。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ11号 KHR 標的277『不運』

2010-02-13 14:48:36 | 雑誌[J]
ボンゴレリングを右手の中指にはめ机に向かって勉強しているツナに
銃を向けたリボーンが表紙の今号。
「出会った時から変わらぬ関係!スパルタ教師×ダメダメ生徒!」というアオリが
なんとも言えず素晴らしいですね。
日常編では当たり前の光景だった怯えた顔のツナと、ポップな雰囲気なロゴが可愛いです。

さて本編。

大空の結界の中でリボーンの言葉を聞きとがめた白蘭。
ハルや京子も、ようやくこの場へと到着したようです。

白蘭:『!!』 『綱吉クンが』 『僕を倒すと言ったのかい?』
リボーン:『そうだ』
白蘭:『何を見てたの?リボーンクン』 『綱吉クンは今 完全に壊したよ!』

小馬鹿にしたように一笑に付した白蘭に、リボーンは激昂するでもなく、淡々と告げます。

リボーン:『ツナの死ぬ気をなめんじゃねぇ』 『第一 勝てるかどうかなんて言ってんじゃねーぞ』
     『ツナ お前は白蘭を倒さなきゃなんねーんだ』

倒れ伏している生徒を信頼しての言葉。それがツナに届いていると疑わないリボーンに
ただ一人10年後の存在である骸は(あの頃と同じですね…)と思いを馳せます。
骸にとってリボーンは (必ず沢田綱吉のピンチに現れて 導こうとする家庭教師リボーン) という
認識のようです。

白蘭:『ぷっ』 『アッハハハ ビックリだな!』
   『何を言い出すかと思えば このご時世に「ねばならぬ」のド根性精神論かい!?』
リボーン:『これがオレのやり方だ』
     『いいか ツナ』 『死ぬ気で戦ってんのはお前だけじゃねぇ』
     『ユニもお前達を平和な過去に帰すために』 『命を捧げるつもりなんだぞ』

リボーンの言葉に驚く山本や太猿たち、γだけは目を伏せていることから、
彼がリボーンに一人伝えられたのは、このことだったのかもしれませんね。
アルコバレーノの復活は、世界の秩序を取り戻すだけではなく、ツナたちを
平和な過去に戻すためにも必要不可欠なことなのだそうです。
そのために、ユニは命を賭けるつもりだと。

『え?』 『そうだったの?』 という白蘭が妙に楽しそうなのは、
それを知った以上、ユニを止めればよいだけだと思っているからでしょうか。

ユニ:『おじさま…それを知って…』
リボーン:『あたりめーだ それくらいの見当はつく』
     『お前は 死んだばーちゃんのルーチェにそっくりだからな』

ルーチェは完全に死亡していて、今はユニが大空のアルコバレーノであるが故に
彼女は復活はしないのですね。

白蘭:『ふーん』 『そんなバカげたこと ますますやめさせなきゃね』
   『ユニちゃんの命は』 『僕のためにあるんだもん♪』

笑みを浮かべてユニへ向き直った白蘭が『さあ』 と声をかけた次の瞬間。
『げほっ』 という声が響きます。

ツナ:『がはっ』 『うう…』

荒い息を吐きながら、僅かながら体を起こしたツナに、『沢田さん!!』 と叫ぶ
ユニの表情が印象的です。

白蘭:『アハハ 綱吉クンてば 本当にリボーンクンの叱咤激励で起きちゃったよ』
   『すごいコンビだなあ君達』
ツナ:『ユ…ユニは…』 『お…お前に…わたさ…ないぞ…』

白蘭の軽口には応じずそう答えるツナですが、

白蘭:『ハハッ』 『震えてんじゃん!!』

白蘭の言うとおり、ツナの体はガタガタと震えています。
怪我のせいかと思いきや、どうやら白蘭にコテンパンにされた恐怖を体が忘れられずに
怯えてるようです。更には、

ディーノ:『まずい…ツナの死ぬ気モードがとけている…』 『とても戦える精神状態じゃない!!』

ディーノの指摘どおり、超死ぬ気モードではないツナでは、白蘭に対応する術などないでしょう。

白蘭:『こんな恐しい状況で目覚めちゃうとはアンラッキーだったね
    あ! でも綱吉クンの場合 中学生になってから不運の連続か~』
   『君のことは よく知ってるんだよ』

あくまで強者の笑みを浮かべたまま、調べ上げたツナの情報を並べる白蘭

白蘭:『君は 勉強も運動もダメで不登校な ただの中学生だったのに
    ある日突然 すご腕の殺し屋がやってきて 巨大マフィアのボス候補だと告げられ
    恐ろしい裏社会に放り込まれてしまう』

初期の頃の本作の纏めでしょうか。ツナは不登校でしたっけ?(←聞くな)
この頃の裏社会も確かに恐ろしいですが、トマゾファミリーを見る限り
別の意味の恐ろしさだと思います。

白蘭:『それからは命懸けだ 争い事なんて大嫌いなのに 抗争やらボスの座の争奪戦に巻き込まれちゃうんだからね』

黒曜編とリング争奪戦は1行で片付きました(笑)。
それにしても、リング争奪戦はボンゴレ内部の話だと思っていたのですが
案外筒抜けなのですね。これもチェルベッロ機関からの情報でしょうか。
「守秘義務」なるものを教えてあげたい彼女達の正体が明かされるときはくるのでしょうか。

白蘭:『そして 最大の不運は』 『この時代に来ちゃったことだよねー』
   『こんなところに連れてこられなければ こんなひどい目に遭わなかったって』
   『自分の運命を呪っちゃうだろ?』『んね♪』
ツナ:『…………』

楽しそうに笑いながらツナの前に立って話しかける白蘭に、震えながらもツナは答えます。

ツナ:『いいや…』 『それは…少し…ちがう気がする…』

思いがけない返答に、思わず動きの止まる白蘭に、
ユニ、リボーン、京子とハルがツナの言葉を待ちます。

ツナ:『…そりゃ…たしかに…』 『未来は…恐くて…痛くて…不安ばかりで 心から嬉しい時間なんてほんのちょっとだったけど…』
   『…今なら…』 『今なら少し…わかってきた気がするんだ…』
   『…いいとか悪いとかじゃない…』 『…未来(ここ)でのことは……』
   『全部 大事なオレの時間だって…』

ぐっと拳を握り締めてそう告げるツナをじっと見る獄寺とヒバリ、山本は何を思うのでしょうか。

白蘭:『ヘー 君は変わった物事の捉え方をするねー』 『でも よーく考えてみてほしいな』
   『殺されちゃったら』 『そんなの 負けおしみだよ♪』

言いながらキュオオと音を立てマーレリングに炎を灯した白蘭は、やはり笑みを崩しません。
まずい状況とわかっていても、結界に阻まれ止めることすらできない守護者達。

白蘭:『んん そーだなあ』 『今の綱吉クンなら』 『ミニ白竜を心臓に一突きすれば』 『十分♪』
ツナ:『ひぃっ』 『まっまって!!』
白蘭:『またないっ』

…何故でしょう、そんな状況ではないとわかっていても、このやりとりは和みました(笑)。
ドスッと心臓に突き刺さったミニ白竜の一撃に、どっと仰向けに倒れるツナ。
必死に叫ぶユニと獄寺、山本。京子とハルにいたっては、目に涙を浮かべています。

白蘭:『さあユニちゃん』 『君の救世主はいなくなったよ』

嬉々として両手を広げてユニへと向き直る白蘭ですが、『いっ…』 『いってー!!』 という声に
流石に驚いた様子です。

ツナ:『ガハ ゴホッ』

息を荒げながらも身を起こしたツナは、なにを思ったかビリッと自分のシャツを破きます。
毛糸の手袋着用したままやるとは、なかなか器用だとか言ってはダメですかそうですか。
シャツの下から見つけたものを、掌にのせたツナ。それは

ツナ:『こ…このリングは!!』 『……ランチアさん!!』
白蘭:『!』 『首にまいたリングに助けられただって?』

10年前に ランチアがツナに贈ったリング。それをツナは首に提げていたのですね。
回想シーンとは言え、久々にランチアが登場したことは嬉しいです。
なんだか髪の毛が増えたような気がするなんて言ってません。

ツナ:『…やっぱり…そうなんだ…』 『オレは全部に支えられてる…』
白蘭:『?』

ツナの独白を、リボーン始め仲間達がじっと聞いています。

ツナ:『この未来にきて なくてよかったものなんて1つもないんだ』
   『つらいことも…』 『苦しいことも…』 『楽しかったことも…』 『そしてみんながいたから』
   『オレは…ここにいるんだ……』
   『未来(ここ)で手に入れた』 『技も』 『武器も』
   『ただ じっとしてたら完成しなかったし……』 『みんながいなきゃ完成しなかった…』
   『オレ…不運どころか…』 『ついてるよ……』

   『みんなと未来(ここ)にいた時間は…』 『オレの宝だ…』

ボロボロの格好で、そういって笑うツナを、白蘭は冷ややかな目で見下ろしています。

ツナ:『オレの炎は……』 『お前が支配する この時代だからこそ生まれた』 『みんなの炎だ!!』
   『むやみに人を傷つけたために倒されることを』
   『後悔しろ!!』

ツナの言葉と想いに応えるように光を放った手袋はⅩグローブへと姿を変え、
ツナ自身もまた、超死ぬ気モードとなり額とボンゴレリングから炎を放ちます。

そのツナの姿に歓喜の声をあげる京子とハルとユニ。

骸:『…ですが…』
白蘭:『ハハハ!! いい気分のところ悪いけど 何の解決もしてないよ綱吉クン!!』
   『結局 僕と君の力の差は 君が倒された時から何も変わってない!!』

一人冷静な骸が浮かない顔で懸念したとおり、白蘭の圧倒的な力の差は明らかです。
それが分かっているのでしょう、大口を開けて笑う白蘭ですが、

『どうだろうな』

不意に響いた声に目を見張ります。
と、それぞれの守護者のボンゴレリングが光を放ち、じっと見つめる各守護者の目の前で
プロジェクターのように人物を映し出します。
獄寺たちが、リングを見てたり投影された姿をみていたりするのは
深読みするようなところではないのかな。

初代雷の守護者:『あの子 言ってる事がボスと同じだ』
初代雨の守護者:『血は争えないでござるな』
初代晴の守護者:『究極にいい奴ではないか』
初代霧の守護者:『残念です… ボンゴレに不要な軟弱な思考ですよ』
初代雲の守護者:『興味ないな』

初代の守護者達それぞれが交わす会話。
それらの総意をまとめるかのように、一人無言だった存在が口を開きます。

初代嵐の守護者:『……』 『てめえの好きにすりゃあいいさ いつものようにな』

『そうだな……G(ジー)』

再び響いた声に、『なんだ?』 とうろたえる白蘭。
そんなことには構わず、一際光るツナのボンゴレリング。

『X世(デーチモ)よ…お前の考えにオレも賛成だ』

『どこだ!?』 『誰の声だ!?』 と辺りを見渡す白蘭に
ユニはそれが、ボンゴレの創始者達、初代ボンゴレファミリーのものだと分かったようです。

『オレの真の後継者に力を貸してやりたいが あいにくそれは できない』

『そのかわり――――』

浮かび上がるボンゴレの紋章。
その向こう側に現れた、ツナと似たグローブを嵌めた人影。

I世:『枷を はずしてやろう』

ボンゴレの紋章を挟むように対峙したI世ツナ。互いのグローブのエンブレムを向かい合わせにした状態で
見つめあう二人と、その間で大きく歪むボンゴレの紋章で以下次号!!

初代がツナを真の後継者と認めていることは嬉しいですね。
初代が今ツナに力を貸せない理由、そしてツナの「枷」が気になります。
しかしそれ以上に、なんだか最終回のような様相を呈していて戦々恐々としています。
全員がリングに囚われているのかと思うと少々複雑ですが、
初代ファミリーの登場は素直に嬉しいです。

「ござる」には敢えて突っ込みませんが、裏切り者とされている霧の守護者が
一番「ボンゴレ」という組織の一員としての発言をしていることに驚きました。
『興味ない』と言いつつも、わざわざ出てきた雲の守護者にも驚きました。
付き合いがよいですね(笑)。
少々、大人ランボも久しく見ていないなと懐かしく思いました。

それにしても、今回は桔梗とヴァリアーの面々の影も形もなかったのは寂しかったです。

アルコバレーノの復活には、大空のアルコバレーノが命を懸ける必要があるのは
分かりましたが、それが命と引き換えかどうかは分かりませんね。
ましてや、何故ツナたちが過去へ戻るのに、アルコバレーノの存在が必須なのかも分かりません。
大空のアルコバレーノが失われた場合、他のアルコバレーノは復活できないとなると、
常に大空のアルコバレーノは存在していないとならないのではないでしょうか。
今更ながら、アルコバレーノはどのように選ばれ、どのように生まれるのかが
気になります。

また、今話で益々10年後の世界で得た知識や技などを、過去に戻ったツナたちが
保持し続けるのかが謎になりました。
白蘭の居ない世界が創られるならば、時間軸が一度リセットされることになるのでしょうか。
とはいえ、この辺りは、素直に展開を見守るしかなさそうですね。

ツナの反撃が始まりそうな雰囲気ですが、アニメの初代編への期待も高まりました。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ10号 KHR 標的276『共鳴』

2010-02-07 22:25:51 | 雑誌[J]
背中から大きな羽を生やしツナの背後から首を絞める白蘭と、
身動きできないツナからスタートの今号。

白蘭:『ハハハ綱吉くん!!』 『なんて君は非力なんだろう』
   『こんな細い首カンタンに折れちゃうよ♪』
ツナ:『ぐあっ』

笑みを浮かべた楽しそうな顔で、ググググと力を込める白蘭に苦悶の声を上げるツナ。
白蘭の腕を引き剥がそうと、首に回された腕を掴みますが、力が入らないようです。

白蘭:『もう少しいい勝負になると思ったんだけど つまんないなあ』
   『リングから放たれる炎の大きさは覚悟の大きさだよ』
   『君の みんなを過去に帰そうとする覚悟はこんなものかい?』
ツナ:『ぐっ』

まるで煽るかのような白蘭の言葉に触発され、『みんなで過去へ帰る』という決意を込めたツナに
ボンゴレリングの炎が応えます。しかし、

白蘭:『うーん』 『少し炎圧が上がったかな?』
   『じゃあ僕も♪』

マーレリングの炎圧を上げる白蘭。それに対応するため、更に炎圧を上げたツナに
白蘭は『うんうん その調子』 と満足そうです。
ゴオオオと音を立てて放たれる、強大な炎。

桔梗:『何とすさまじい』 『炎の応酬!!』
ベル:『やんじゃんボンゴレ』 『負けてねーぜ』
骸:『この底力こそが』 『沢田綱吉です』

ベルと骸が、何気にツナを認めているのが嬉しいですね。
そしてやはり、骸は多分、ツナのことを誰よりも信頼しているのではないかと思ってしまいます。

ギョアアアという音を立て、留まることなく上がり続ける大空のリングの炎圧。
と、不意にカアアアンという音が響きます。

白蘭:『きた♪』
ツナ:『!?』

ツナと白蘭のリングから鳴り響く音。
この音を待ち侘びていたかのような白蘭と、状況を理解していないツナを中心として、
膜状になった炎が彼らを覆います。
なにが起こっているのかとまどうボンゴレですが、ディーノの『…共鳴…?』 という呟きが
どうやらその答えのようです。

一方、戦場から離れた場所でも、同じようにカアアンという音が鳴り響き、
ユニの大空のおしゃぶりが炎と光を発していました。
何が起こったのか分からないユニたちですが、彼女だけはすぐにその原因に思い当たったようです。

ユニ:『おしゃぶりが…沢田さんと白蘭の大空のリングに…共鳴してる…?』
リボーン:(7^3(トゥリニセッテ)の大空同士が……呼応してんのか?)

と、不意に炎の結界に包まれたユニは、彼女を取り巻く球状ごと浮いてしまいます。
問答無用で移動を開始してしまった彼女を、ハルや京子が追いかけます。

リボーン:『待ちやがれ!!』
フゥ太の肩からリボーンも飛び出しますが、大空の炎が作った強力な結界の前に弾き返されてしまいます。
どうでもよいですが、リボーンの『ぐわっ』 という声は初めて聞いた気がしますね。

一方、ツナと白蘭のいる地点でも、二人の結界がどんどん広がっていました。
吹き飛ばされないよう距離をとる彼らの前に、やがて中にユニが居る結界が近付いてきます。

レヴィ:『自ら白蘭に接近するとは』 『あの娘 何を考えとるんだ!!』

この発言、レヴィがまともに見えました(ぉ)。
(バカな!!) と焦るツナに対し、白蘭は『僕と綱吉くんに呼ばれてきたんだよ』 と余裕です。
彼がツナを煽ったのは、これが目的だったのですね。

骸:『ボンゴレリングにマーレリングにアルコバレーノのおしゃぶり…』
  『7^3(トゥリニセッテ)のそれぞれの大空が集結しようとしている』
  『リングへの炎の過負荷により』 『引力が発生しているのか?』

骸は物知りで助かります。
それにしても、ほぼ0距離地点にいる白蘭とツナを包み込む結界が、二重ではなく
彼らを中心とした磁界のような形になっているのは何故なのでしょう?

ユニの結界が白蘭の結界の合流しそうなことに焦るボンゴレサイド。
それを止めるため、獄寺と山本が結界を壊そうと攻撃を加えますが、
強力な結界を破ることができません。

山本:『ダメだ!!』 『結界が破れねえ!!』
獄寺:『ちきしょう!!これじゃ中にも入れねえぞ!!』 『こんだけ頭数いんのによお!!』

獄寺の言葉ももっともですね;

ユニ:『沢田さん!!』
ツナ:『ユニッ』 『…来ちゃ…ダメだ…』
白蘭:『まってたよユニちゃん』

やがて3つの結界は完全に合流し、羽交い絞めにされたツナの目の前に降り立ったユニを白蘭が迎えます。
白蘭:『7^3(トゥリニセッテ)の大空は とてつもない炎を放出しあうとこんな特別な状態になるんだ』
   『これで 誰にも邪魔されない3人だけの舞台ができたね』 『7^3の大空だけが存在できる スペシャルステージだ』
白蘭:『といっても 綱吉君にはもう用がないから』 『すぐに 僕とユニちゃんだけの2人っきりの舞台になるけどね』
ツナ:『ぐあ…』

グギギと音を立てツナの首を潰そうとする白蘭に、思わず『やめて!!』 と叫ぶユニに対し、
『んー?』 『今更やめてなんて』 『どの口が言ってるのかな?』 と壮絶な笑みで返す白蘭。

白蘭:『自分を守らせるために ボンゴレの連中に命をかけさせたのはユニちゃんじゃないか』
   『相手は 絶対に勝ち目のない僕だと 最初からわかってたはずだよ?
    何のあてもなく逃げまくって やみくもに犠牲者を増やすだけの逃走劇を仕組んどいて』
   『自分勝手にもほどがあるよ♪』

にっこり笑ってそう非難をする白蘭に、ユニは返す言葉を持ちません。

白蘭:『結局は 自分のために多くの人間が動く姿を見てみたかった』
   『そんな興味本位から 逃げてみようなんて考えたんじゃないのかい?アルコバレーノのお姫様』

その言葉を受けてか、不意にユニのマントの内側から光が漏れます。
それを見つけた白蘭の指摘を受けたユニは、『ダメです…』 『まだダメ……』 と言いつつ
マントの前身ごろをあわせますが、その努力も空しく、隠そうとしたものは、もぞもぞ動いた後に
ゴトトッと音を立てて落下します。

それは、5つのアルコバレーノのおしゃぶりでした。
しかも、すべてのおしゃぶりから、何かがとびだしています。

1つは、マーモンのフードが。
1つは、ヴェルデの眼鏡が。
1つは、コロネロのバンダナが。
1つは、スカルのヘルメットのシールド部分が。
1つは、風の三つ編みが。
それぞれおしゃぶりから生えていました。

リボーン:『アルコバレーノの肉体の再構成がはじまろーとしてんな』
獄寺・フゥ太:『再構成!?』
リボーン:『わかりやすく言えば』 『復活(リ・ボーン)だ』
桔梗:『復活!?』
ディーノ:『最強の赤ん坊達が生き返るのか!!』

その前に、もっと重要なことを確認したいのですが…
風の三つ編み以外も、肉体の一部なんですか?
あまりの目の悪さに「眼鏡も体の一部」と言ってしまうとか、そういう次元の話ではない気がします;
そして、ここの描写のおしゃぶりは、とっても目玉のおやじを連想させますね。

リボーンの言うことには、大空のアルコバレーノの力をもってすれば
仮死状態のアルコバレーノを生き返らせることができるそうです。
アルコバレーノとしての、ヴェルデや風の姿を見れたのは嬉しいですね。
できれば、相棒ペットも一緒に登場して欲しいです。
ベルの『っつーことは』 『マーモンも生き返るのかよ』 という台詞も

なんだか嬉しいです。

桔梗:『!!………まさか…』 『ユニ様の逃亡の狙いは最初から…』
骸:『そうです』 『ユニはミルフィオーレの謀略により抹殺されたアルコバレーノの復活の時間をつくるために』
  『沢田綱吉に自分と仲間のおしゃぶりを守って欲しいと 懇願したのです』

骸は、本当に何でもよく知ってま(略)。

了平:『だ…だが…』 『コロネロ師匠を含む赤ん坊…』
   『アルコバレーノが復活すると』 『どうなるというのだ!!?』

解説を促してくれる了平のこの叫びが、毎回ありがたいと同時に切なくなります。

ラル:『奴らが戻れば この時代の7^3の秩序 すなわち世界の秩序が回復するだろう…』
   『それ以前に 奴らは強い!!!』

そして、毎回了平の叫びを受けて解説してくれる人が居ることもありがたいです。
ラルの言葉の裏を返せば、現在の世界は秩序が失われているということですね。

ラル:『完全(フルパワー)なアルコバレーノと沢田が組めば』 『白蘭を倒せるかもしれぬ!!』

ラルの言葉を、白蘭は目を開けてじっと聞いています。

白蘭:『うーん たしかに ここにはアルコバレーノ殺しの非7^3線装置もないし』
   『今この中で復活されると面倒くさそーだなー』
   『でも その様子じゃ』 『アルコバレーノが復活するのには へたすりゃあと1時間はかかりそうだね』
ユニ:『!!』

にっこり笑ってそう告げた白蘭に、はっとして青褪めるユニ。と。

白蘭:『図星だ』
ツナ:『がっ』

ツナの首へまわした腕に力を込める白蘭。ゴキャッと音がした瞬間、血を吐いたツナは
どさっとその場へ崩れ落ちます。
額の死ぬ気の炎がシュウウと音を立てて消え、Ⅹグローブも毛糸の手袋へとその姿を変えます。

獄寺:『10代目!!』
山本:『ツナ!』
ユニ:『沢田さん!!』

うつ伏せに倒れたまま動かないツナに、獄寺たちが悲痛に呼びかけますが
白蘭は当然のことながら、そんなことにはお構い無しです。

白蘭:『誰が復活しようと僕は負けないけど』 『時間がもったいないだろ?』
   『もう誰もこの結界には 絶対入ることはできない』 『これで君は僕のもの♪』
ユニ:『…………!!』

楽しそうなその宣言に身を竦めたユニに対し、白蘭は笑顔で続けます。

白蘭:『泣いても叫んでも無駄だよ』 『もう アルコバレーノも僕を倒してはくれない』
リボーン:『その通りだ』
白蘭:『!』
ユニ:『!』

白蘭の言葉を肯定したのは、意外にもリボーンでした。
思わず、フゥ太の肩に陣取ったリボーンへと視線をやる白蘭とユニに、リボーンは力強く告げます。

リボーン:『お前を倒すのはアルコバレーノじゃねぇ』 『オレの生徒―――』
     『ツナだ』

リボーンの言葉の真意を測りかねているかのような、骸・ヒバリ・桔梗・XANXUS、そして白蘭の
それぞれの表情と、倒れ伏したまま動かないツナの姿で以下次号!!

ここにきて、匣兵器アニマルの存在が薄れていることが少し寂しいです。
ボンゴレ匣の力についても、まだ全員のすべての力が発揮されたわけではないと思っているのですが
今後登場してくれるか、微妙なところですね。

それにしても、アルコバレーノ復活の真っ最中のおしゃぶりでも、白蘭の目的のために使用できるのでしょうか。
そもそも、彼がユニを手に入れようとした目的は、アルコバレーノのおしゃぶりを操ることの出来る
大空のアルコバレーノという存在が必要だったからだと思うのですが、
ガス欠揃いのボンゴレサイドの面々を前に、彼女もろとも自分を大空以外のボンゴレリング、
ひいては同じく大空以外のマーレリングから隔離する理由がわかりません。

7^3が目的と言いつつ、彼がそれを得るための行動をしているように見えないのは、
私がなにか見落としているからかな?
ユニの精神を壊してしまえば、永遠に自分の目的は果たせないことも分かっているはずですが、
白蘭はユニをこれからどうしようとしているのでしょうか。

今話のラストでは、久々に家庭教師から生徒への信頼の言葉が聞けたのが
嬉しかったです。こういうときのリボーンの「オレの生徒」という台詞は、
結構重みがあるように感じます。
今回のツナは、死ぬ気丸によって超死ぬ気モードになっているため、
小言弾と違い小言は聞こえていないと思います。
それ以前に、意識があるかも怪しいですが;
それでも、力強い家庭教師の想いが届いているとよいなと思います。

白蘭が次にどのような行動に出るのか、ツナは反撃ののろしを上げることができるのか、
リボーンを始めとした結界の外にいる面々は動くことができるのか、
京子やハルたちもこの場に集結するのか、復活したアルコバレーノの姿を見ることはできるのか
などなど、気になることが盛りだくさんですね。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ09号 KHR 標的275『沢田綱吉 vs 白蘭』

2010-01-31 04:12:55 | 雑誌[J]
一対の翼を背に、そこから迸る無数の炎の軌跡に照らされ
禍々しい笑みを浮かべる白蘭が表紙の今号。
この羽は、炎の具現化ということなのでしょうか?
それとも有幻覚のようなものなのでしょうか。

さて本編。

ツナ:『ぐっ』
白蘭:『大丈夫ー?』

膝をつくツナと、それを見下ろす白蘭からスタートです。
GHOSTが、白蘭様にとっての炎収集装置だったと気付く桔梗。
『他人の炎を 触れることなく間接的に移動するなど』 『聞いたことがない!!』 と食い下がるディーノに白蘭は、
彼が他のパラレルワールドに存在したもう一人の自分だと笑顔で告げます。

白蘭:『彼は僕にはない炎を吸収するという特異体質である上に』
   『その炎エネルギーを僕と共有できるという素晴らしい才能を持っていてね』
   『ま それもこれも』 『結局 僕の才能なんだけどさ♪』

壮絶な笑みを浮かべる白蘭ですが

了平:『何を言っとるのだ…』
山本:『さっぱりだな』

この二人の反応に和みました(笑)。

骸:『一つ言えるとするなら』 『白蘭が 沢田綱吉をはぶく我々全員の』 『死ぬ気の炎を手にいれたとなれば』
  『その炎の総合量は』 『計りしれない』

どうやら骸も、了平と山本に噛み砕いて説明することはしないようです。
それが、彼自身の理解が追いついていないのか、彼ら二人に説明する時間を惜しんでいるのかは不明ですが。
それにしても、プロセスはどうあれ、今現在の白蘭の状況について事実を端的に説明するあたり
やはり彼は面倒見がよいのだなと思います。

ちなみに白蘭の羽は、高濃度の炎ということのようです。ただし。

白蘭:『あー』 『この翼はただの炎じゃないよ』 『象徴ね』
   『僕が人間を超えた存在であることの象徴』 『証明だよ♪』

ということは、自分でわざわざ炎で翼を形作っているということなのでしょうか?
…少し痛い気がしてきました…なんてことは胸に仕舞っておきましょう。

ディーノ:『何言ってる!!』
スクアーロ:『自分が神だとでもいいてぇのか!!』

相変わらず、スクアーロに肩を貸したままにディーノと借りているままのスクアーロ。

桔梗:『ハハン 神?』 『白蘭様は むしろ崇拝すべき悪魔』
白蘭:『エヘ』

あれだけの目にあっても、桔梗の白蘭に対する想いは変わらないのですね。
寧ろ、白蘭の恐ろしさを知っているからこそ、忠誠を誓っているのでしょうか。
桔梗の言葉に、満面の笑みを浮かべている白蘭からは、子供のような無邪気さが窺えます。

ツナ:『関係ない』

はるか上空の人影を見上げ、言葉を紡ぐツナに意識を向ける白蘭。

ツナ:『お前が何であろうと』 『どんな手段を使おうと』 『ここでぶちのめすだけだ』
白蘭:『その意気だよ 綱吉クン』 『せっかく闘いにきてあげたんだから』

ツナのボンゴレリングと白蘭のマーレリング、それぞれから発せられる炎が激しさを増します。

ベル:『うわっ やる気じゃん』
フラン:『空気がビリビリしますー』

ドウッと地を蹴ったツナは白蘭の体に連打を浴びせますが、白蘭は表情を崩すことすらなく
『くすぐったいよ 綱吉君』 とまで言います。
ビクともしないばかりか、まだリングの炎圧が上がっていくことに目を見張るツナに
『僕のペットと遊んできなよ』 と白蘭が出したのは匣兵器「白龍(しろりゅう)」でした。
「はくりゅう」だとラーメン屋さんかと思っていたところだなんて言ってませんよ言ってません。

ガオッと襲い掛かる龍に対し、とっさにボンゴレ匣を開匣するツナ。
『ナッツ』 の声と共に飛び出した瞬間、とっさにマントに形態変化し、
白龍の攻撃を防ぎます。
しかし、白龍の攻撃の凄まじさに、白龍が一旦引いた直後に元の姿でツナの肩に乗り、
息を荒げるナッツの消耗も激しいようです。。
『大丈夫か!?』 と声をかけるツナがよいですね。

白蘭:『龍の匣兵器なんてすごいでしょ?僕専用の1点物なんだ』
   『これでも かなり力を抑えたんだよ?』
ツナ:『!!』
白蘭:『次は 突き破るよ』

ぐっと構えるツナとナッツの元に、再び白龍が襲い掛かります。

ナッツ:『ガル!!』
ツナ:(挑発にのるなナッツ)

ナッツを諌めたツナの元に迫る白龍。直撃したかのように見えたそれは、
ツナが指先で触れると同時に零地点突破 初代(ファースト)エディションで凍らせたようです。
白龍の動きが止まった好機に、腕に抱えたナッツに声をかけるツナ。

ツナ:『いまだ ナッツ!!』 『形態変化 攻撃モード(カンビオ・フォルマ モード・アタッコ)!!』

"攻撃モード"があるということに驚くバジルや山本に説明をしたのはディーノでした。

ディーノ:『Ⅰ世(プリーモ)がその昔 全身の炎を拳に集中させた究極の一撃を放った時』
     『グローブの形態も変化したという』

ボンゴレの歴史にやたら詳しいキャバッローネファミリーのボスが居てくれて助かりまし…
何故そんなことまで御存知なのでしょう;
いくら懇意にしているとは言え、ボンゴレⅨ世に聞かされたとしても、リボーンに聞かされたとしても
問題大有りのような気がするのですが、些事なのでしょうか。

究極の一撃と聞き、X BURNERと同等の威力をもつツナのフルパワーの拳が繰り出されることを悟る
獄寺・山本・ラル。
彼らの目前で、ツナの右手のグローブがⅠ世のエンブレムが付いたものへと変化します。

Ⅰ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)!!!

しかし、それを見た白蘭は余裕の表情です。

白蘭:『へえ 面白そうだ』 『これで綱吉君の実力がわかる』
ツナ:『!』 (よけないのか?)

避けられたら避けられたで困るのではなんてツッコんでは負けですか;
笑っている白蘭を、(ふざけやがって) と睨みつけるツナは、右手に巨大な炎を集め、
特大の一撃を放ちます。

ビックバンアクセル!!!

その炎の塊が目前に迫ったとき、目を閉じて『ん~~~』 と唸っていた白蘭が
『ハイッ♪』 と手を叩いたその瞬間。
白拍手という技が発動し、ツナの放った炎が一瞬でかき消されてしまいました。
衝撃のあまり声を失うボンゴレサイドに対し、白蘭は本当に楽しそうです。

白蘭:『ハハハッ』 『ボンゴレ匣』 『やぶれたり~♪』
ディーノ:『掌(しょう)の圧力で…』
スクアーロ:『かき消した…だと…!?』

今起きた出来事が信じられないディーノたちに対し、白拍手はどんな攻撃も絶対粉砕する無敵の防御技だと説明する白蘭。

白蘭:『どうだい綱吉君? いまだかつて これほど圧倒的な力の差を感じた戦いはないんじゃない?』
   『…怖いだろう?』

冷酷な目で、青褪めたツナへ視線をやった白蘭は、ここから攻撃へと転じます。

白蘭:『マフィアのボスといってもまだ中学生なんだもん』 『別に恥じることはないよ』
   『ここでちびったっていい』
ツナ:『がっ』

マーレリングに炎を灯し、ツナの元へと一気に迫った白蘭からの一撃を回避できず
まともにくらったツナは地面に叩きつけられます。

白蘭:『死んだって』
ツナ:『うっ』

グッと堪え、更に加速してくる白蘭をなんとか体を起こして捕捉しようとするツナですが、
彼が視線を上空にやったときには、既に白蘭はそこには居ませんでした。
四つん這い状態のツナの背後に降り立った白蘭の気配に驚くツナ。

ツナ:『!?』
白蘭:『いいんだよ♪』

背後からツナの首を、裸絞めでもするかのように潰す白蘭に、
衝撃に目を見開いたまま吐血するツナで以下次号!!

やはりというか、一方的な展開になってきました。
今のところ、白蘭に対する有効な攻略法が見付かりませんね。
方法があるとすれば、吸収した炎を枯渇させることでしょうか。
以前、コメントを戴いて思い出したのですが、白蘭と骸が対峙したときに
骸が「恐ろしい力」と評していた力のことも気になります。

それにしても、白蘭の7^3が目的とすれば、ここでボンゴレリングを奪うことも
あるのでしょうか。
その際には、ボンゴレ側の守護者6人の相手もすることになるでしょうが、
白蘭にとってはとるに足らない相手という意識なのかな。
仮に、白蘭がユニの元へたどり着いたとして、リング争奪戦のXANXUSと同じように、
7^3発動にはボンゴレリング・マーレリング・アルコバレーノのおしゃぶりに
認められなければいけない…ということはないのかなとか、色々考えます。

しかし何よりも、「ボンゴレは一つ」と豪語したXANXUS率いるヴァリアーや
ボンゴレⅩ世の守護者達には、ボスを守るという使命を早く思い出して欲しいです。

今回は、ディーノとスクアーロが妙に息が合っていましたのが印象的でした。
ギャラリーが圧倒的に多いので、なかなか全員を描くのは大変かと思いますが、
できるだけたくさんのキャラに登場してほしいと思います。

窮地に陥ったツナが気になるため、次号が待ち遠しくて堪りません。
とりあえず、守護者が守護者らしくボスを守る姿を見たいと思います。切実に。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ08号 KHR 標的274『炎の行方』

2010-01-24 19:32:33 | 雑誌[J]
吸収 対 吸収の勝負となったツナとGHOSTの激突からスタートの今号。
『あっ』 『あ゛あ゛あ゛!!!』 と苦悶の表情で叫び声を上げるGHOSTに対し、
ツナは『はああ!!』 と更にその威力を強めます。

互いが発動する吸収の力の大きさに、その場に居た全員にもまた、
吸い込まれそうになるほどの影響が発生していました。
遠く離れた地点に居るユニや京子・ハルたちにも目視できる程の
強大な炎の収束。ユニを中心にして、全員が固まって見ているのですが、
『なんかすごいことになってる!!』 という台詞があまりに的確過ぎて、
笑ったことは秘密です。

心配そうなユニの(沢田さん…)という言葉が聞こえたわけではなさそうですが、
くわっと目を見開いたツナの一押しにより、とうとうGHOSTからツナへ炎が流れていきます。
『ぼあ゛あ゛あ゛!!!』 と声を上げるGHOSTが、ブルーベルと同じように
みるみる内にミイラのようになっていき、やがて。
ズボッという音と共に、完全にその姿を消しました。

目の前の光景に驚く、骸とヒバリ、ディーノに桔梗。
呆然と見つめる彼らの目の前の空間に、体を回転させたツナがタンッと着地します。

フラン:『ほほー』
ベル:『GHOSTって炎の塊かよ』
獄寺:『さすが…』 『10代目!!』
ラル:『沢田…』
山本:『すげっ』

感心するヴァリアーに対し、嬉しそうな獄寺とラルと山本の表情が印象的です。
そして、いつのまにか松葉杖を持った了平が、『極限によくやったぞ!!沢田!!』
ツナのもとへと駆け寄ろうとしますが、

ツナ:『くるな』
了平:『なぬ!?』
獄寺:『え!?』

それを静かに押し留めたツナに、驚く了平と獄寺。

スクアーロ:『おかしい…』
ザンザス:『………………』
骸:『ええ』

なんとなくスクアーロの物言いの方が、彼らしくなくておかしいと感じたなんて
言ってませんよ言ってません。

ディーノが口にした、10年後組が感じていた違和感。それは、零地点突破改が
敵の炎を吸収し自分の炎に変換する技であるにもかかわらず、GHOSTの炎を吸収し
強大化するはずのツナの炎がほとんど変化していないということ。
真6弔花とボンゴレサイドの面々から奪った、とんでもない量の炎。
それがどこに行ったのか訝しむツナの耳に不意に飛び込んだのは
『いやあ すごいすごい!!』 という声。

はっとして見上げた中空にいたのはもちろん、白蘭でした。

白蘭:『GHOSTを倒しちゃうなんてさ♪』

ようやく姿を見せた白蘭に、桔梗はやはり嬉しそうですね。

白蘭:『そうそうたる顔ぶれで嬉しいなあ』
   『キャバッローネファミリーのボスに』 『ボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアー』
   『門外顧問や骸君のお仲間に』 『ボンゴレの守護者達』
   『そして ボンゴレ10代目』
   『イタリアマフィア ボンゴレファミリーの主力メンバー勢揃いだ』

ツナとディーノ、そしてXANXUS以外の全員は、かなり息が上がっているようです。
そして逆蘭がわざわざ着替えてきた洋服は、背中がかなり開いているように見えますね。
T.M.Rを彷彿させますが…"ignited"か"HOT LIMIT"か…だったかな?(懐かしい)

上から見下ろしたまま、白蘭の話は続きます。

白蘭:『それにしても綱吉君』 『君は物好きだなあ』
ツナ:『!』
白蘭:『骸君にXANXUS君 かつて君の命を消そうとした者を従えてるなんて』 『正気の沙汰じゃない』

その言葉に思うところがあったのは、どちらかというと犬や千種、スクアーロのようですが

XANXUS:『おいカス』 『言っておくがオレは沢田に』 『従っちゃいねえ』

言葉と同時に強大な炎の攻撃を打ち出したXANXUS。白蘭の元に一直線に届いたその炎に
桔梗が思わず『白蘭様!!』 と声を上げますが、そこに骸が『クフフまったくだ』 と同調します。

骸:『僕の言動や行動を』 『額面通り受けとるのは』
  『無知な生娘か 愚かな少年だけかと思いましたが』 『まさかマフィアとひとくくりにされるとは』
  『心外です』

最後の言葉と共に、ヘルリングからの激しい攻撃を繰り出す骸。
それはXANXUSからの攻撃への追い討ちとなり、白蘭を襲います。
ところで。言動とは、「言葉と行い」を指す言葉だったと思うのですが
なぜわざわざ「行動」と言ったのでしょうか。なんてことは些事ですのね。
それよりも、「生娘」という言葉にツッコみたいです。

白蘭:『そっかー ゴメンゴメン』

バキャンという音がして、骸が繰り出した暗器の集合体の攻撃が打ち砕かれます。
現れた無傷の白蘭の姿に、流石のXANXUSと骸も驚きを隠せないようです。
どうでもよいですが、何故かこのコマのXANXUSは、少女漫画の1コマのように見えま(略)。

白蘭:『それにしても 君達 相当疲れているみたいだね』
   『なんだい?このヘナチョコ弾は』

GHOSTに死ぬ気の炎をほとんど吸われ、ガス欠だからムリもないと笑う白蘭に、
図星だからか黙ってしまうXANXUSと骸。と。
彼らの前に、彼らを庇うように静かに出された右手。

ツナ:『お前達はさがっていろ』 『こいつの相手はオレがする』

白蘭を睨み、右手で拳を握りそう宣言したツナを無言で見やるXANXUSとヒバリ、骸の胸中は
いまいち量れませんが、白蘭は一人楽しそうです。

白蘭:『アハハ』 『何で僕が今頃ここに寄ったかわかるかい綱吉君?』
   『やっと準備が出来たからさ♪僕の心と体のね』

体はわかりますが、心の準備も必要だったのでしょうか。
彼なりに、気合を入れている…といった感じは見受けられないのは
読みが浅いからかな?

ツナ:『オレはとっくに』 『できている』

言いながら高速移動で白蘭の背後をとったツナはそのまま回し蹴りを首辺りに叩き込みます。
もしかしたら、また顔を狙ったのでしょうか;
XANXUSやディーノが驚くほどの速さのまま、白蘭の頭を鷲掴みにして膝蹴りを喰らわせるツナは
割と容赦してないようですね。ひたすら顔狙ってそうなことは黙っておきます。

ラル:(いつのまにこれほど強く…)
骸:(これが過去から呼ばれ いくつもの戦いを経てこの「時代(みらい)」に鍛え上げられた沢田綱吉)

静かに戦いを見守る仲間達の前で、強大な炎を宿した拳で追撃する最中、
ガッという音に目を見開くツナ。
そこにあったのは、白蘭の右手の人差し指だけで、ツナの拳が止められている光景でした。

ラル:『!?』
スクアーロ:(止められたぁ!?)
ツナ:(何だこの力は!? ピクリとも動かない…!!)

険しい表情のツナに対し、あくまでにこやかな白蘭。

白蘭:『あれ どーしたの?』 『君の精一杯(フルパワー)はこんなもんかい?』
   『じゃあ僕の番だ♪』

マーレリングが光り、放たれた攻撃、『白指(しろゆび)』 は、ツナを軽々と吹き飛ばし
森の中へと叩き落しました。
人一人が落ちただけとはとても思えないほどの衝撃が辺りを襲い、桔梗ですら驚いています。
山本が『ツナ!!』 と案じているのがよいですね。

白蘭:『これくらいで まいってもらっちゃ困るよ』
   『まだGHOSTが吸収した炎の一割の力も使ってないんだから』

嬉しそうな白蘭。それとも楽しんでいるのでしょうか。
白蘭の言葉の真意が分からず、問い質すバジルたち。

白蘭:『んー?わかんないかなー』 『GHOSTは ここにいるみんなの炎を奪っただろ?』
   『その炎はぜーんぶ』 『僕の体の中にあるのさ♪』

背中から生えた一対の翼。そして、そこから溢れ出る圧倒的量の死ぬ気の炎。
心底楽しそうな白蘭と、その姿を睨むツナで以下次号!!

あっさりとGHOSTが退場してしまいましたが、白蘭 対 ボンゴレサイド全員の
戦いになっていくのでしょうか。
GHOSTが消えた今、匣兵器を出してもよさそうなものですが、
白蘭自身もGHOSTと同じ能力を持っているとすれば、結局は
対峙できるのはツナしかいないということになってしまいますね。

白蘭が繰り出す攻撃から、死ぬ気の炎を充填して戦うか、
それとも初代エディションで凍らせるのか。
今更ですが、ボンゴレリングが7つ揃ったときに新たなボスに授けられるという力は
ここでは登場しないのでしょうか。
川平のおじさんの登場も近いのかなどと、色々考えてしまいます。

4月からのアニメでは初代編が始まるということで、こちらも期待が膨らみます。

なにはともあれ、次回も楽しみです!


蛇足ですが、諸事情により、詳細に綴る時間を取ることが
難しくなりました。そのため、暫くは簡易感想にて参ります。
大変申し訳ないですが、御容赦ください。
時間が確保できた際には、詳細感想を綴りたいと思います。

WJ07号 KHR 標的273『吸収』

2010-01-18 01:03:08 | 雑誌[J]
諸事情により、簡易感想にて参ります。

白蘭とツナ、そしてリボーンが本誌の表紙を飾った今号ですが、
この三人の個別の構図は過去に見たことがある気がします。
特にツナは、スパナと共にメローネ基地内を移動していたときと
被っている感がありますね。気のせいかも知れませんが。

そして、<夢の対決部門>の結果発表を兼ねたCカラーでは
第1位となった『超ツナvsボンゴレⅠ世(プリーモ)』が
拳を交えています。
必死な顔をしたツナに対し、流石Ⅰ世は余裕のようです。
スーツ姿のⅠ世が、なんだか嬉しそうな楽しそうな顔なのが
印象的です。今まで勝手に冷静沈着なイメージを抱いていましたが、
案外好戦的な一面を持ち合わせていたのかなと想像が膨らみました。

第2位は、大人リボーンvs10年後ツナ。
第3位はヒバリvsディーノ
第4位はツナvs獄寺で、第5位がヒバリvs風でした。

意外だったのは、チェルベッロ機関vs沢田奈々が第7位、
ルッスーリアvsグロ・キシニアが第14位だったことでしょうか。
案外上位に食い込みましたね。

さて本編。

仲間のところへ行く覚悟を決め、超死ぬ気モードになったツナに
リボーンは用心するようにと、ユニは仲間を頼むと、言葉をかけます。
同じように、引き止めたい気持ちを必死に抑え『いってらっしゃい』
微笑む京子とハル、そして、その二人の気持ちがわかるからこその
ツナの表情が切ないです。
背中を向けたツナの『ユニを頼む』 という言葉に
『まかせとけ』 と答えるリボーンがまたよいですね。

一方、GHOSTの居る地点では、ザクロが餌食になってしまいました。
炎を吸われるため、匣兵器アニマルを匣に戻す中、
獄寺が桔梗にGHOSTに問いかけます。

獄寺:『おい桔梗!!』 『あいつは何者なんだ!!』
桔梗:『!!』
獄寺:『てめえ 味方だろーが!!』 『何でてめーまで襲われてんだ!!』

その言葉に思い出すのは、白蘭から聞いたGHOSTの正体。
それは、他のパラレルワールドにいた白蘭自身でした。

ただ、それは大失敗だったらしく、彼のいた世界を一つ潰してしまったそうです。
何とか届いた人間の形をした生き物らしき「彼」は、意志をもたず
あたりかまわず死ぬ気の炎を吸いつくすミュータントだったと。
そして、GHOSTの能力テストで沈めた地中海沖の戦艦3隻に乗っていた、
"善良なる"マフィア関係者が犠牲になったことが、彼が復讐者に捕らえられた
理由だそうです。

意志はなくとも白蘭の言うことは聞くのですね。
そういう風にインプットされているのでしょうか。

白蘭:『テストでさぁ 彼には愛すべき才能があることがわかったんだよ』 『それってつまり…』
   『僕の能力なんだけどね♪』

つまり白蘭は、GHOSTをテストすることで、自分でも気付いていなかった才能に
目覚めたということでしょうか。
その場では桔梗には明らかにされなかったGHOSTの才能。
それが、炎を吸いつくすことかと悟った桔梗ですが、
ならばなぜ真6弔花までをも巻き込むこのタイミングで投入されたかまでは
分からないようです。

実体攻撃はすりぬけ、炎だけどんどん吸収されるこの状況に
体力を奪われ息を乱すバジル、ベル、フラン。

レヴィ:『このままでは全滅だ!!いったん引くか!!』
獄寺:『ダメだ!!』 『あのヤローはまっすぐユニの元に向かってやがる!!』 『くい止めねーと!!』

この二人の掛け合いが見れるとは思いませんでした。
結構楽しいです。

そんな会話をしている最中、不意に了平と獄寺の元に触手が伸びてきます。
とっさのことに動けずにいた二人を襲うそれを防いだのは、
時雨金時を携えた山本でした。
ディーノと、彼に肩を借りたスクアーロ、そして草壁も合流し、
これでほぼ全員が集結したことになります。

傷だらけで登場したスクアーロに対し、ザクロが何故トドメを刺さなかったか疑問ではありますが、
生きていてよかったと思うので触れないことにします。

XANXUS:『おせーぞ』 『カスが!!』
スクアーロ:『……ぐっ…』 『すまねーなあ!!』

スクアーロがくることを疑わなかったようなXANXUSに頬が弛みましたが、
彼の息も上がっていることに少し驚きました。
「まってたのよー」というルッスーリアに対し、レヴィとベルが
本気でスクアーロの生存を残念がっているのが面白いです。

やがて、GHOSTの電撃が激しくなったことに「まずい!!」と警告を発する骸。
やはり彼が一番頼りになる気がします。

骸:彼はここへ いきなり現れた』 『まるで 瞬間移動(テレポテーション)でもしたかのように』
  『吸収した炎エネルギーを使い再び高飛びする可能性があります』

敵味方 全ての炎を吸収したGHOSTのエネルギーがハンパないはずだと
危機感を募らせる一同。とそこへ響いたのは力強い声。

『それはさせない!!』

思わず声のした方をみるXANXUS、獄寺、了平、ヒバリ、ラル。
その視線の先にいたのは、激しく炎を噴射させながら向かってくるツナでした。

山本:『!!』 『あれは』
獄寺:『オレ達のボス!!』
桔梗:『ボンゴレ…』 『Ⅹ世(デーチモ)』
骸:『沢田綱吉』

まだまだ距離があるというのに、炎がすわれていくことに静かに驚くツナ。
そしてスッと繰り出した構えはやはり、敵の炎を奪い取る「死ぬ気の零地点突破改」でした。

その構えのまま、GHOSTへ突っ込んでいくツナ。
吸収 対 吸収の技の激突。
ユニが異変を感じる中、GHOSTを囲む球体にツナが接触した直後に発生した
ドンッという大爆発で以下次号!!

今更なんですが、ツナは対炎製のスーツを着たままのほうが
よかったのではないでしょうか。
普段着だと燃えないのかなとか、余計な心配をしてしまいます。

白蘭のGHOSTに対する扱いについては、いくらパラレルワールドの存在とはいえ
自分自身すら道具と見ているのか、それとも意志がないことを割り切っているのか
判断しかねるところです。
それにしても、GHOSTを攻略することで、白蘭攻略もやりやすくなったりは
しないのでしょうか。
それとも、「GHOSTよりも強力」とか「それ以外にも能力がある」といった
付加価値がつくのでしょうか。

折角メンバーが揃ったことですし、やはり共闘する姿を見てみたいと思ってしまいます。
フランの開匣も、現在見れず仕舞いですしね。

なにはともあれ、次回も楽しみです!


余談ですが、黒子のバスケにとうとう木曜日担当のキャラ登場で
驚いていました。黒子にもよい影響を与えてくれそうで楽しみです。
そして、壁にぶち当たってそうとはいえ、普段の黒子らしい姿にほっとしていました。