# 2009.03.29 修正
10年後のディーノのアップと、跳ね馬のムチを持ったディーノのコスプレを
しているリボーン、そして、きょとんとした表情で兄弟子を見やるツナが表紙の今号。
本編アオリの「弟分(ツナ)の力となるため 遠路はるばる登場!!」という
言葉がよいです。
さて本編。
たてがみと尻尾、そして膝に該当する部分から下の足に炎を纏った
匣兵器である馬に跨ったディーノからスタートです。
手綱捌きも慣れたもののように見受けられます。
ディーノ:『元気してたか?』 『弟分』
ツナ:『!!』 『ディーノさん!!』
リボーンを師とする、この兄弟弟子はよいですね。
特にディーノが、常に「兄貴分」「弟分」と意識してくれてるのが嬉しいです。
そして、馬上からかけられた声に、立ち上がり左手を大きく上げて
驚きつつも嬉しそうに名を呼ぶツナが可愛いです。
いきなりのお馬さんの登場に目を見開いているバジルと山本との
ギャップがなんともいえません(笑)。
山本:『すげー! 馬乗ってるぜ』
獄寺:『オレンジの炎…大空の匣兵器だな』
珍しく唖然と言った感じで山本が感想を述べていますが、
馬に乗ってること自体が凄いのか、「室内で」馬に乗っていることが凄いのか、
自分達がバイクに乗ろうとしているときに敢えて馬に乗ることが凄いのかは
敢えて触れずにおきます。
ディーノの属性は大空とのこと。
個人的意見ですが、ボスポジションのキャラ全員の属性が大空というのは、
正直あまり歓迎していません。
ですのでこの展開は、妥当だと思うのと同時に、少し残念でもあります。
ディーノ:『しっかし ハハハッ』 『10年前のお前らは本っ当ガキだなっ』
獄寺:『何!』
ムカッとする獄寺ですが、ここで不意に『いったい何時だと思ってんだ?
もうガキは寝る時間だぞ』と言いながら、リボーンとジャンニーニがやってきます。
一昔前は「オレの眠りを妨げるヤツは死ぬ」と言っていた赤ん坊ヒットマンですが、
だいぶ丸くなったようですね。
そして、リボーンにガキと言われても、誰一人反論しないのは流石です。
ディーノ:『また会えるとはな…』 『我が師リボーン…………』
リボーン:『なんだ その面は』 『10年たってもヘナチョコが消えねーな』
「我が師」という台詞には少々違和感を感じますが、この時代のリボーンが居ないことを
知っているからでしょうか。切なげな目でリボーンを見るディーノですが、それにも関わらず
平然と言葉を返すリボーンは、やはりディーノにとって師匠なのですね。
そんなリボーンに、『ちぇっ 何年たっても子供扱いかよ』と破顔したディーノは
『よっ』と鐙(あぶみ)に力を入れ馬から降りようとしますが、ドッテーンと
ズリ落ちてしまいます。
ディーノ:『いでっ』『いっつつ』
地面に座り込み、頭を手で押さえ痛みを堪えるディーノの姿に
ツナ:『え!?』
山本:『ドッテーンって…』
獄寺:『おい』 『もしかしてよお…』
目を丸くするツナに、呆気に取られる山本に、嫌な予感に青褪める獄寺。
ディーノ:『おっかしーなー… 今日はやけに転ぶっつーかドジるっつーか…』
『1kmも離れてねー場所から ここに来るのに 3時間も かかっちまったし…』
頭を抑えながら、そう一人ごちるディーノに、ツナが恐る恐る尋ねます。
ツナ:『あの…ディーノさん』 『部下の人は?』
ディーノ:『ん?』 『3時間前に ロマーリオは草壁と飲みに行かせたぜ』
その言葉に、
(やっぱり……)(10年たっても 部下の前じゃないと力が出せない体質なんだ――――!!!)
ガーンとなるツナたちの衝撃の受け方が楽しいです。
究極のボス体質は、10年後も健在なのですね。何故かほっとしました。
それにしてもディーノは、3時間前にロマーリオと別れた時点から、ずっと馬に
乗っていたのでしょうか;途中で乗ったとしたら、よく一人で乗れたなと思いますし、
ずっと乗っていたのだとしたら、ボンゴレアジトの入り口とかエレベータとかに
よく突っかからなかったと思います。
そして、ロマーリオと草壁も、変わらず飲み友達なのが嬉しいです。
こうして、10年後のディーノと再会を果たしたツナたち。
やがて迎えた朝。6時に起床した京子とハルは、早速家事を行なうべく
動き出します。
ハル:『今日は歓迎会の片付けからですねっ』
京子:『うん!』
台所へ向かう二人ですが、そこには既に先客がおり、カチャカチャという物音が
聞こえてきます。
ハル:『誰かいますね…』
京子・ハル:『あ』
クローム:『!』
そこに居たのは、クロームとイーピンでした。
二人は、一足先に台所の洗い物をしていたようです。
泡のついたスポンジと皿を持ったまま、顔を赤くして振り向いたクロームは
今度は逃げずに、ちゃんと話しかけます。
クローム:『…ご』 『…ごめんなさい』
『あの…』 『私 もっとちゃんと…』
慣れない言葉を一所懸命紡ぐクローム。
そんなクロームの手を、笑顔の京子とハルの両手が包み込むのを、
スポンジを預かったイーピンが、にっこり笑って見守っていました。
眩い朝日が差したのも束の間、薄暗くなった空は、ポツポツと雨模様の天気へと
移ったようです。その雨音とリンクするように、ボロボロボロボロという音が響く食堂。
その音を完全に無視しているビアンキと、思わず箸が止まっているフゥ太。
驚いた表情で固まっているクロームとイーピン、そして、ちょっと冷汗を流したまま
その音の発信源を見るツナと、動じてない様子のリボーン。
全員の視線の先にいたのは、もちろん、食べ物を机の上に零しまくっているディーノでした。
エンツィオを肩に乗せたまま、『なんだよ お前ら』と笑うディーノの姿。
『部下を連れていないディーノさんはやっぱりスキだらけだったけど…………』
『10年前と同じ 親しみやすいディーノさんでホッとしたんだ!』
というツナの気持ちがよく分かります。
しかし、この状況でいくと、ディーノは準備された食事の何割口に入れられるのかが心配です。
場面変わり、レーサーバイクの置いてある部屋では、
ツナたちと対面するように、ディーノが陣取っていました。
ディーノ:『よしっ そろったな』 『今日から 本格的な匣兵器の修行だが』
『リボーンの 一番の教え子であるオレが』 『全体を仕切る家庭教師をすることになった』
ディーノの背後には、エンツィオを頭に乗せたロマーリオと、もう1名の部下の姿が見えます。
『よろしくな』というディーノに対し、
獄寺:『ヘナチョコの あいつなんかに つとまるんスかねー』
ツナ:『でも ディーノさん 部下の前だとすごいし…』
普通の声で話す獄寺に対し、ヒソヒソ声で返すツナ。
こういう部分に性格が表れててよいですね。
リボーン:『ちなみに今回 オレはその上の役職"家庭教師の精"だからな』
ツナ:『妖精になっちゃったよ!!』 『ワイヤーでつってる!!』
天辺に鉛筆のモチーフの付いたチューリップハットのようなものを被り、
本の衣装に魔法の杖を持ったリボーンの姿にガーンとなるツナと
困ったようなディーノ。やはりこの兄弟弟子はよいです(←2回目)。
それにしても、久々リボーンのこんなコスプレを見ました。
リボーン:『ディーノがヘボい時は オレが制裁をくだすから安心しろ』
ディーノ:『いでで』 『やめろってリボッブッ!!』
既にガスッガスと頬に蹴りを喰らわせるリボーンに、
ディーノが大変なことになっています;
ディーノ:『ってことで始めるが…』 『その前にクローム』
『意思確認だ』
リボーンに蹴られた左頬を押さえながらディーノが発した言葉に、顔を上げるクローム。
左肩にはムクロウがしっかり乗っています。
ディーノ:『お前はボンゴレ守護者であると同時に 骸の一味でもある』
『ミルフィオーレとの戦いには 味方として数えていいのか?』
クローム:『………』
ディーノの真剣な眼差しを受け止めるクロームの様子を、そっと見守るツナ。
やがて、クロームは決意の表情と共にコクと頷きます。
クローム:『私 もっとちゃんとして…』 『強い人になりたい…』
『それが…』 『過去に帰ることにつながると思うから……』
骸、犬、千種の顔を思い浮かべながらそう告げたクローム。
ツナはそんな彼女を見て、少し心配そうです。
ディーノ:『よし 頼んだぜ』 『それと ランボにも本格的な修行をしてもらう
白蘭を倒すには守護者全員の力が必要だ』
床でゴロゴロして一人遊んでいるランボを見て、ツナは(本当に仕方…ないのかな?)と
浮かない顔ですが、とうとう雷の守護者も本格参戦となるようです。
ディーノ:『オレは この時代のツナに聞いて』 『おまえ達のボンゴレ匣のことを多少は知ってる』
10年後のツナが、こうなることを見越してディーノに情報を渡していたのか、
それとも匣バトルが本格化した際に、たまたまボンゴレ匣について話をしたのかは
定かではありませんね。
ディーノ:『それから考えて それぞれに違う修行をしてもらうつもりだ 』
『ちなみに雲雀恭弥は オレとの修行をもう開始させている』
ツナ:『えっ!?ヒバリさんと!? っていうかヒバリさん!!見つかったんですね!!』
ディーノ:『あいかわらず かわいくねーじゃじゃ馬だけどな』
丸っきり行方不明者扱いされているヒバリに涙を禁じえませんが、
どうやら彼も単独で修行中のようです。
ディーノ:『じゃあ沢田綱吉!お前から修行内容を言ってくぞ』
ツナ:『あ…』 『はい!』
ツナをフルネームで呼ぶディーノは珍しいですね。
ここが、家庭教師の統括としてのけじめでしょうか。
ディーノ:『お前は 正しく開匣できるまで一人だ』
ツナ:『え!?…一人って』 『一人ぼっち…?』
青褪めるツナ。彼の家庭教師に誰も付かないというのは予想外でした。
ディーノ:『正確には匣と一緒だ 匣兵器にトラブルが起きた時は』 『使い手がずっと一緒に匣のそばにいてやることだ』
ツナ:『…それだけ』 『…ですか?』
ディーノ:『今のがヒントだ』
ツナ:『えっ?』
ディーノの言葉だけ見ると、なんだかとても寂しがりやな匣兵器な気がしてきました。
バリネズミとヒバリのように、またはナウシカの姫姉様のように、
匣兵器と心を通わせることが必要なのでしょうか?
ディーノ:『次に獄寺隼人』
『お前は 匣初心者である笹川了平と』 『ランボの面倒をみてやってくれ』
獄寺:『なにっ!? 』
(ディーノのやろ~!!てめーで家庭教師やるっつっといて人まかせかよ!!
しかも生徒が バカの極限野郎と アホ牛とはどういう了見だ
ぜっっっってー断る!!!)
ディーノに与えられた修行内容に、一人悶々とそんなことを考えていた獄寺ですが、
ツナ:『すごいね獄寺君』 『もう 教える立場なんて』
獄寺:『えっ!?』『……すごい…!?』
ツナの尊敬の眼差しと賞賛の言葉に、たちまち赤くなり
獄寺:『いえいえいえ もったいないお言葉!!自分なんて まだピヨッ子です!! 』
『ですが お役に立てるのなら 力の限りやらせていただきます!!』
ドンッと胸を叩き、頼もしい言葉を吐きます。素晴らしいです。これでこそ獄寺です(笑)。
ツナが笑ったまま固まり『ピヨ?』と口にしてるのも可愛いです。
了平:『オレは嫌だぞタコヘッドの指導なんぞ』 『極限にクサクサする!!』
ランボ:『ランボさん あの愚か者嫌~い』
了平がクサクサしている姿は初めて見ました。
獄寺に指導されると聞き、やる気が失せた感のある二人ですが、
燃えてる獄寺は止められません。
獄寺:『何とでも言えっ!!オレは10代目にまかされたんだ!!』
『ひきずり回してでも教えこむからな!!』
ツナ:(オレ まかせてないー!!)
ガーンとなりつつも、内心のツッコミを口に出さないツナ(笑)。
この二人の主従関係もよいですね。これでこそ獄寺!
ディーノ:『次にクローム髑髏』
『お前は匣兵器強化のためにも 半分の時間を アルコバレーノ マーモンの残した幻覚強化プログラムで修業し』
残りの時間を 格闘能力アップに使うんだ… あそこの二人に 手伝ってもらってな』
ディーノの示した先には、イーピンを抱っこしたビアンキがいました。
どうやら、格闘能力アップのためのパートナーは、ビアンキとイーピンのようです。
ひらひらと手をふるビアンキとイーピンを、嬉しそうな顔でみるクロームの表情がよいです。
ディーノ:『そして 山本武』
山本:『うす!』 『待ってたぜ!!ディーノさん!』『何やんだ?』
笑いながら、両手を頭の後ろで組み、楽しみで仕方ないといった表情の山本に
なにやらディーノは思うところがあるようです。
ディーノ:(幻騎士にコテンパンにされてヘコンでると思ったが…明るいまんまじゃねーか…)
メローネ基地での戦闘結果のことも、ディーノは既に掌握済みのようです。
内心少し戸惑ったような雰囲気なディーノですが、やがて困ったような笑みを浮かべ、
山本の修行内容を言い渡します。それは。
ディーノ:『おまえはパスだ』 『待機』
山本:『へっ?』
ツナ:『パ…パス!?』
獄寺:『ナイス!!』
その言葉に、気が抜けたような山本。ツナもビックリしていますが、
獄寺だけは悪戯っ子のような笑い顔をしています。
ディーノ:『つーか お前には手ーだせねーんだ』 『お前に ヘタなこと教えれば あいつにぶっ殺されるからな』
山本:『…?』 『あいつ?』
ディーノ:『お前の才能の 一番の理解者は本気(マジ)だぜ』
『今回の修行で山本武』 『お前すげーことになるかもな』
ディーノの知り合いで、山本の才能の一番の理解者ときたら、2代目剣帝しか思い浮かびません。
こういう修行の場ではよくあることですが、山本はなにかと優遇されている気がしますね。
メローネ基地突入までのリボーンとの修行のときもそうでしたが、山本が「ボンゴレにおいて
唯一無二の存在になる」と評されることが多々あると思います。
結局、アルコバレーノの秘密も彼だけが知っている状況ですし、穿った見方かもしれませんが、
なんだか獄寺の不遇っぷりが際立つ感じがします。
ディーノのいう「すごいこと」が、山本自身の成長のことではなく、
家庭教師の暴挙によって、山本がズタボロにされる…というのなら話は別ですが。
場面変わり、太平洋。
雷も鳴り響く大時化の中、大漁丸という漁船が荒波に揉まれつつ航行しています。
どうやら、天候が荒れている原因は、台風16号が接近しているからのようです。
船長:『サトルの奴 ホンマに雨男やな~~~』
船員:『スンマセン』
船員:『船長も 救命胴衣 着とき』
…いきなり登場したおっちゃんたちに、頭がついていっていません;
とりあえず。
嵐の中進む小さな漁船が舞台ですが、そこにいきなりドオンッという音と共に、
大きな衝撃が襲います。
船長:『なんや 今の衝撃は!?』 『横っ腹に なんかぶつかったで!!』
船員:『横…?』
船員が外を覗くと、そこには甲板に陣取った、背びれにうっすらと炎を纏った
大きな鮫がいました。
雷に照らされた刹那のその姿に、思わず叫ぶ船員。
船員:『はうっ』 『はうあっ』 『フカ…フカだ~!!!』
船員:『腰抜かすほど でかいフカがおりますかい』 『ジョーズやないんやから』
フカという表現に大笑いしてしました。
目がこんな状態(εε)のおじいさん船員がそう言いつつ外を覗き、
やはり雷に照らされた瞬間の、大口を開けた鮫のその恐ろしい姿に
『ひゃあ!!!』と叫び腰を抜かします。
と、そこへ、いきなり扉にかけられた手。
次に響いたのは
『この船は日本行きだな』 『乗せてけぇ』
唐突にそう告げる声。船長の『ど…どこから……?』という尤もな問いを
その人物は華麗にスルーします。
『山本武』 『あのガキィ…』
水に濡れた刃。その持ち主はもちろん。
スクアーロ:『敗けたとは』『どおいうことだぁ!!!!』
頭半分ほどにファーのついたフードを被り、漁船に乗り込んだスクアーロが叫んだところで以下次号!!
太平洋のどこら辺か分かりませんが、船旅は結構時間がかかるんです。
スクアーロは間に合うのでしょうか(笑)。
それにしても、スクアーロはここまでどうやって移動してきたのでしょう。
暴雨鮫の背中に乗って、海を渡ってきたのかな?暴雨鮫は空を泳げますから、
わざわざ海の中を移動したとは考えられません。
空中を移動していたけれど、台風の影響で仕方なく漁船に不時着した感じでしょうか。
…普通に不法入国する気満々ですね。
スクアーロが山本の家庭教師をしてくれそうなのは楽しみなのですが、
できれば他のヴァリアーメンバーにも再登場して欲しいです。
また、スクアーロの登場で、幻騎士再登場の期待が高まりました。
今度こそ本気の幻騎士とスクアーロが戦うのか、それとも、山本がリベンジを果たすのか、
どちらも面白くなりそうです。
今号ではクロームの、周囲に対する第1歩が感じられ、
ツナたちもようやく修行のスタートラインに立ちました。
ディーノはもちろんですが、スクアーロやヴァリアーにもチョイスは参加して欲しいです。
バジルの修行はどうするのかというのも気になりますが、とりあえず今回の修行では
ツナの死ぬ気丸は減らずに済みそうで安心しました。
残りの粒数を把握していないのではと思うと、少し不安です。
また、ディーノは総括の位置付けですが、個人的にはヒバリの家庭教師をするということでよいのでしょうか。
リボーンは、今回は全然手を出さないつもりなのかというのも気にかかります。
なにはともあれ、次回も楽しみです!
# 気付けばかなりの長文となりました。申し訳ないです。