箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ18号 KHR 標的235『修行開始』

2009-03-28 03:08:04 | 雑誌[J]

# 2009.03.29 修正

10年後のディーノのアップと、跳ね馬のムチを持ったディーノのコスプレを
しているリボーン、そして、きょとんとした表情で兄弟子を見やるツナが表紙の今号。
本編アオリの「弟分(ツナ)の力となるため 遠路はるばる登場!!」という
言葉がよいです。

さて本編。

たてがみと尻尾、そして膝に該当する部分から下の足に炎を纏った
匣兵器である馬に跨ったディーノからスタートです。
手綱捌きも慣れたもののように見受けられます。

ディーノ:『元気してたか?』 『弟分』
ツナ:『!!』 『ディーノさん!!』

リボーンを師とする、この兄弟弟子はよいですね。
特にディーノが、常に「兄貴分」「弟分」と意識してくれてるのが嬉しいです。
そして、馬上からかけられた声に、立ち上がり左手を大きく上げて
驚きつつも嬉しそうに名を呼ぶツナが可愛いです。
いきなりのお馬さんの登場に目を見開いているバジルと山本との
ギャップがなんともいえません(笑)。

山本:『すげー! 馬乗ってるぜ』
獄寺:『オレンジの炎…大空の匣兵器だな』

珍しく唖然と言った感じで山本が感想を述べていますが、
馬に乗ってること自体が凄いのか、「室内で」馬に乗っていることが凄いのか、
自分達がバイクに乗ろうとしているときに敢えて馬に乗ることが凄いのかは
敢えて触れずにおきます。

ディーノの属性は大空とのこと。
個人的意見ですが、ボスポジションのキャラ全員の属性が大空というのは、
正直あまり歓迎していません。
ですのでこの展開は、妥当だと思うのと同時に、少し残念でもあります。

ディーノ:『しっかし ハハハッ』 『10年前のお前らは本っ当ガキだなっ』
獄寺:『何!』

ムカッとする獄寺ですが、ここで不意に『いったい何時だと思ってんだ?
もうガキは寝る時間だぞ』と言いながら、リボーンとジャンニーニがやってきます。
一昔前は「オレの眠りを妨げるヤツは死ぬ」と言っていた赤ん坊ヒットマンですが、
だいぶ丸くなったようですね。
そして、リボーンにガキと言われても、誰一人反論しないのは流石です。

ディーノ:『また会えるとはな…』 『我が師リボーン…………』
リボーン:『なんだ その面は』 『10年たってもヘナチョコが消えねーな』

「我が師」という台詞には少々違和感を感じますが、この時代のリボーンが居ないことを
知っているからでしょうか。切なげな目でリボーンを見るディーノですが、それにも関わらず
平然と言葉を返すリボーンは、やはりディーノにとって師匠なのですね。
そんなリボーンに、『ちぇっ 何年たっても子供扱いかよ』と破顔したディーノは
『よっ』と鐙(あぶみ)に力を入れ馬から降りようとしますが、ドッテーンと
ズリ落ちてしまいます。

ディーノ:『いでっ』『いっつつ』

地面に座り込み、頭を手で押さえ痛みを堪えるディーノの姿に

ツナ:『え!?』
山本:『ドッテーンって…』
獄寺:『おい』 『もしかしてよお…』

目を丸くするツナに、呆気に取られる山本に、嫌な予感に青褪める獄寺。

ディーノ:『おっかしーなー… 今日はやけに転ぶっつーかドジるっつーか…』
     『1kmも離れてねー場所から ここに来るのに 3時間も かかっちまったし…』

頭を抑えながら、そう一人ごちるディーノに、ツナが恐る恐る尋ねます。

ツナ:『あの…ディーノさん』 『部下の人は?』
ディーノ:『ん?』 『3時間前に ロマーリオは草壁と飲みに行かせたぜ』

その言葉に、

(やっぱり……)(10年たっても 部下の前じゃないと力が出せない体質なんだ――――!!!)

ガーンとなるツナたちの衝撃の受け方が楽しいです。
究極のボス体質は、10年後も健在なのですね。何故かほっとしました。

それにしてもディーノは、3時間前にロマーリオと別れた時点から、ずっと馬に
乗っていたのでしょうか;途中で乗ったとしたら、よく一人で乗れたなと思いますし、
ずっと乗っていたのだとしたら、ボンゴレアジトの入り口とかエレベータとかに
よく突っかからなかったと思います。
そして、ロマーリオと草壁も、変わらず飲み友達なのが嬉しいです。

こうして、10年後のディーノと再会を果たしたツナたち。
やがて迎えた朝。6時に起床した京子とハルは、早速家事を行なうべく
動き出します。

ハル:『今日は歓迎会の片付けからですねっ』
京子:『うん!』

台所へ向かう二人ですが、そこには既に先客がおり、カチャカチャという物音が
聞こえてきます。

ハル:『誰かいますね…』
京子・ハル:『あ』
クローム:『!』

そこに居たのは、クロームとイーピンでした。
二人は、一足先に台所の洗い物をしていたようです。
泡のついたスポンジと皿を持ったまま、顔を赤くして振り向いたクロームは
今度は逃げずに、ちゃんと話しかけます。

クローム:『…ご』 『…ごめんなさい』
     『あの…』 『私 もっとちゃんと…』

慣れない言葉を一所懸命紡ぐクローム。
そんなクロームの手を、笑顔の京子とハルの両手が包み込むのを、
スポンジを預かったイーピンが、にっこり笑って見守っていました。

眩い朝日が差したのも束の間、薄暗くなった空は、ポツポツと雨模様の天気へと
移ったようです。その雨音とリンクするように、ボロボロボロボロという音が響く食堂。

その音を完全に無視しているビアンキと、思わず箸が止まっているフゥ太。
驚いた表情で固まっているクロームとイーピン、そして、ちょっと冷汗を流したまま
その音の発信源を見るツナと、動じてない様子のリボーン。
全員の視線の先にいたのは、もちろん、食べ物を机の上に零しまくっているディーノでした。

エンツィオを肩に乗せたまま、『なんだよ お前ら』と笑うディーノの姿。

『部下を連れていないディーノさんはやっぱりスキだらけだったけど…………』
『10年前と同じ 親しみやすいディーノさんでホッとしたんだ!』

というツナの気持ちがよく分かります。
しかし、この状況でいくと、ディーノは準備された食事の何割口に入れられるのかが心配です。

場面変わり、レーサーバイクの置いてある部屋では、
ツナたちと対面するように、ディーノが陣取っていました。

ディーノ:『よしっ そろったな』 『今日から 本格的な匣兵器の修行だが』
     『リボーンの 一番の教え子であるオレが』 『全体を仕切る家庭教師をすることになった』

ディーノの背後には、エンツィオを頭に乗せたロマーリオと、もう1名の部下の姿が見えます。
『よろしくな』というディーノに対し、

獄寺:『ヘナチョコの あいつなんかに つとまるんスかねー』
ツナ:『でも ディーノさん 部下の前だとすごいし…』

普通の声で話す獄寺に対し、ヒソヒソ声で返すツナ。
こういう部分に性格が表れててよいですね。

リボーン:『ちなみに今回 オレはその上の役職"家庭教師の精"だからな』
ツナ:『妖精になっちゃったよ!!』 『ワイヤーでつってる!!』

天辺に鉛筆のモチーフの付いたチューリップハットのようなものを被り、
本の衣装に魔法の杖を持ったリボーンの姿にガーンとなるツナと
困ったようなディーノ。やはりこの兄弟弟子はよいです(←2回目)。
それにしても、久々リボーンのこんなコスプレを見ました。

リボーン:『ディーノがヘボい時は オレが制裁をくだすから安心しろ』
ディーノ:『いでで』 『やめろってリボッブッ!!』

既にガスッガスと頬に蹴りを喰らわせるリボーンに、
ディーノが大変なことになっています;

ディーノ:『ってことで始めるが…』 『その前にクローム』
     『意思確認だ』

リボーンに蹴られた左頬を押さえながらディーノが発した言葉に、顔を上げるクローム。
左肩にはムクロウがしっかり乗っています。

ディーノ:『お前はボンゴレ守護者であると同時に 骸の一味でもある』
     『ミルフィオーレとの戦いには 味方として数えていいのか?』
クローム:『………』

ディーノの真剣な眼差しを受け止めるクロームの様子を、そっと見守るツナ。
やがて、クロームは決意の表情と共にコクと頷きます。

クローム:『私 もっとちゃんとして…』 『強い人になりたい…』
     『それが…』 『過去に帰ることにつながると思うから……』

骸、犬、千種の顔を思い浮かべながらそう告げたクローム。
ツナはそんな彼女を見て、少し心配そうです。

ディーノ:『よし 頼んだぜ』 『それと ランボにも本格的な修行をしてもらう
      白蘭を倒すには守護者全員の力が必要だ』

床でゴロゴロして一人遊んでいるランボを見て、ツナは(本当に仕方…ないのかな?)と
浮かない顔ですが、とうとう雷の守護者も本格参戦となるようです。

ディーノ:『オレは この時代のツナに聞いて』 『おまえ達のボンゴレ匣のことを多少は知ってる』

10年後のツナが、こうなることを見越してディーノに情報を渡していたのか、
それとも匣バトルが本格化した際に、たまたまボンゴレ匣について話をしたのかは
定かではありませんね。

ディーノ:『それから考えて それぞれに違う修行をしてもらうつもりだ 』
     『ちなみに雲雀恭弥は オレとの修行をもう開始させている』
ツナ:『えっ!?ヒバリさんと!? っていうかヒバリさん!!見つかったんですね!!』
ディーノ:『あいかわらず かわいくねーじゃじゃ馬だけどな』

丸っきり行方不明者扱いされているヒバリに涙を禁じえませんが、
どうやら彼も単独で修行中のようです。

ディーノ:『じゃあ沢田綱吉!お前から修行内容を言ってくぞ』
ツナ:『あ…』 『はい!』

ツナをフルネームで呼ぶディーノは珍しいですね。
ここが、家庭教師の統括としてのけじめでしょうか。

ディーノ:『お前は 正しく開匣できるまで一人だ』
ツナ:『え!?…一人って』 『一人ぼっち…?』

青褪めるツナ。彼の家庭教師に誰も付かないというのは予想外でした。

ディーノ:『正確には匣と一緒だ 匣兵器にトラブルが起きた時は』 『使い手がずっと一緒に匣のそばにいてやることだ』
ツナ:『…それだけ』 『…ですか?』
ディーノ:『今のがヒントだ』
ツナ:『えっ?』

ディーノの言葉だけ見ると、なんだかとても寂しがりやな匣兵器な気がしてきました。
バリネズミとヒバリのように、またはナウシカの姫姉様のように、
匣兵器と心を通わせることが必要なのでしょうか?

ディーノ:『次に獄寺隼人』
     『お前は 匣初心者である笹川了平と』 『ランボの面倒をみてやってくれ』
獄寺:『なにっ!? 』
   (ディーノのやろ~!!てめーで家庭教師やるっつっといて人まかせかよ!!
    しかも生徒が バカの極限野郎と アホ牛とはどういう了見だ
    ぜっっっってー断る!!!)

ディーノに与えられた修行内容に、一人悶々とそんなことを考えていた獄寺ですが、

ツナ:『すごいね獄寺君』 『もう 教える立場なんて』
獄寺:『えっ!?』『……すごい…!?』

ツナの尊敬の眼差しと賞賛の言葉に、たちまち赤くなり

獄寺:『いえいえいえ もったいないお言葉!!自分なんて まだピヨッ子です!! 』
   『ですが お役に立てるのなら 力の限りやらせていただきます!!』

ドンッと胸を叩き、頼もしい言葉を吐きます。素晴らしいです。これでこそ獄寺です(笑)。
ツナが笑ったまま固まり『ピヨ?』と口にしてるのも可愛いです。

了平:『オレは嫌だぞタコヘッドの指導なんぞ』 『極限にクサクサする!!』
ランボ:『ランボさん あの愚か者嫌~い』

了平がクサクサしている姿は初めて見ました。
獄寺に指導されると聞き、やる気が失せた感のある二人ですが、
燃えてる獄寺は止められません。

獄寺:『何とでも言えっ!!オレは10代目にまかされたんだ!!』
   『ひきずり回してでも教えこむからな!!』
ツナ:(オレ まかせてないー!!)

ガーンとなりつつも、内心のツッコミを口に出さないツナ(笑)。
この二人の主従関係もよいですね。これでこそ獄寺!

ディーノ:『次にクローム髑髏』
     『お前は匣兵器強化のためにも 半分の時間を アルコバレーノ マーモンの残した幻覚強化プログラムで修業し』
      残りの時間を 格闘能力アップに使うんだ… あそこの二人に 手伝ってもらってな』

ディーノの示した先には、イーピンを抱っこしたビアンキがいました。
どうやら、格闘能力アップのためのパートナーは、ビアンキとイーピンのようです。
ひらひらと手をふるビアンキとイーピンを、嬉しそうな顔でみるクロームの表情がよいです。

ディーノ:『そして 山本武』
山本:『うす!』 『待ってたぜ!!ディーノさん!』『何やんだ?』

笑いながら、両手を頭の後ろで組み、楽しみで仕方ないといった表情の山本に
なにやらディーノは思うところがあるようです。

ディーノ:(幻騎士にコテンパンにされてヘコンでると思ったが…明るいまんまじゃねーか…)

メローネ基地での戦闘結果のことも、ディーノは既に掌握済みのようです。

内心少し戸惑ったような雰囲気なディーノですが、やがて困ったような笑みを浮かべ、
山本の修行内容を言い渡します。それは。

ディーノ:『おまえはパスだ』 『待機』
山本:『へっ?』
ツナ:『パ…パス!?』
獄寺:『ナイス!!』

その言葉に、気が抜けたような山本。ツナもビックリしていますが、
獄寺だけは悪戯っ子のような笑い顔をしています。

ディーノ:『つーか お前には手ーだせねーんだ』 『お前に ヘタなこと教えれば あいつにぶっ殺されるからな』
山本:『…?』 『あいつ?』
ディーノ:『お前の才能の 一番の理解者は本気(マジ)だぜ』
     『今回の修行で山本武』 『お前すげーことになるかもな』

ディーノの知り合いで、山本の才能の一番の理解者ときたら、2代目剣帝しか思い浮かびません。
こういう修行の場ではよくあることですが、山本はなにかと優遇されている気がしますね。
メローネ基地突入までのリボーンとの修行のときもそうでしたが、山本が「ボンゴレにおいて
唯一無二の存在になる」と評されることが多々あると思います。

結局、アルコバレーノの秘密も彼だけが知っている状況ですし、穿った見方かもしれませんが、
なんだか獄寺の不遇っぷりが際立つ感じがします。
ディーノのいう「すごいこと」が、山本自身の成長のことではなく、
家庭教師の暴挙によって、山本がズタボロにされる…というのなら話は別ですが。

場面変わり、太平洋。
雷も鳴り響く大時化の中、大漁丸という漁船が荒波に揉まれつつ航行しています。
どうやら、天候が荒れている原因は、台風16号が接近しているからのようです。

船長:『サトルの奴 ホンマに雨男やな~~~』
船員:『スンマセン』
船員:『船長も 救命胴衣 着とき』

…いきなり登場したおっちゃんたちに、頭がついていっていません;
とりあえず。
嵐の中進む小さな漁船が舞台ですが、そこにいきなりドオンッという音と共に、
大きな衝撃が襲います。

船長:『なんや 今の衝撃は!?』 『横っ腹に なんかぶつかったで!!』
船員:『横…?』

船員が外を覗くと、そこには甲板に陣取った、背びれにうっすらと炎を纏った
大きな鮫がいました。
雷に照らされた刹那のその姿に、思わず叫ぶ船員。

船員:『はうっ』 『はうあっ』 『フカ…フカだ~!!!』
船員:『腰抜かすほど でかいフカがおりますかい』 『ジョーズやないんやから』

フカという表現に大笑いしてしました。
目がこんな状態(εε)のおじいさん船員がそう言いつつ外を覗き、
やはり雷に照らされた瞬間の、大口を開けた鮫のその恐ろしい姿に
『ひゃあ!!!』と叫び腰を抜かします。

と、そこへ、いきなり扉にかけられた手。
次に響いたのは

『この船は日本行きだな』 『乗せてけぇ』

唐突にそう告げる声。船長の『ど…どこから……?』という尤もな問いを
その人物は華麗にスルーします。

『山本武』 『あのガキィ…』

水に濡れた刃。その持ち主はもちろん。

スクアーロ:『敗けたとは』『どおいうことだぁ!!!!』

頭半分ほどにファーのついたフードを被り、漁船に乗り込んだスクアーロが叫んだところで以下次号!!

太平洋のどこら辺か分かりませんが、船旅は結構時間がかかるんです。
スクアーロは間に合うのでしょうか(笑)。

それにしても、スクアーロはここまでどうやって移動してきたのでしょう。
暴雨鮫の背中に乗って、海を渡ってきたのかな?暴雨鮫は空を泳げますから、
わざわざ海の中を移動したとは考えられません。
空中を移動していたけれど、台風の影響で仕方なく漁船に不時着した感じでしょうか。
…普通に不法入国する気満々ですね。

スクアーロが山本の家庭教師をしてくれそうなのは楽しみなのですが、
できれば他のヴァリアーメンバーにも再登場して欲しいです。
また、スクアーロの登場で、幻騎士再登場の期待が高まりました。
今度こそ本気の幻騎士とスクアーロが戦うのか、それとも、山本がリベンジを果たすのか、
どちらも面白くなりそうです。

今号ではクロームの、周囲に対する第1歩が感じられ、
ツナたちもようやく修行のスタートラインに立ちました。
ディーノはもちろんですが、スクアーロやヴァリアーにもチョイスは参加して欲しいです。
バジルの修行はどうするのかというのも気になりますが、とりあえず今回の修行では
ツナの死ぬ気丸は減らずに済みそうで安心しました。
残りの粒数を把握していないのではと思うと、少し不安です。

また、ディーノは総括の位置付けですが、個人的にはヒバリの家庭教師をするということでよいのでしょうか。
リボーンは、今回は全然手を出さないつもりなのかというのも気にかかります。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

# 気付けばかなりの長文となりました。申し訳ないです。


WJ17号 KHR 標的234『怪物』

2009-03-26 00:47:39 | 雑誌[J]
センターカラーの今号は、ライダーススーツに身を包み
レーサーバイクに跨ったツナが表紙です。
まだちょっと慣れていないような表情が新鮮に感じられますが、
こういうときのツナの服装は、獄寺が普段身にまとっていそうな
デザインのが多いですね。
それにしても、ちゃんと足が届いているようで安心しました(笑)。

さて本編。

前号のラストでツナの部屋へ駆けつけた守護者たちが見たもの、
それは、「ギャオオオ」という雄叫びを上げながらツナへと襲い掛かる
膨大な炎に包まれた鋭い牙を持つ何かと、中空でその鼻先を押さえ、
その攻撃を押し留めている超死ぬ気モードのツナの姿でした。

了平:『なんだ!!あの炎のかたまりは!?』

部屋の外にいても、炎から発せられる激しい熱風に
腕で顔を庇いながら叫ぶ了平ですが、ここでバジルが
開匣されたボンゴレ匣に気付きます。

バジル:『沢田殿の足元に!!』
    『ボンゴレ匣!!』
獄寺:『ってことは10代目の匣兵器!!』

そこでようやく匣兵器に注目する彼らですが、
鋭い牙に釣りあがった目、複数の瞳をもつその風貌は
今までの匣兵器とはあまりにかけ離れたものでした。

山本:『あれが匣兵器?』
獄寺:『どう見ても怪物だぞ!!』

その異様さに驚きを隠せない山本たちに気付いたツナが叫びます。

ツナ:『危険だ 下がってろ!!』

そう告げた次の瞬間、匣兵器の鼻面を抑えていた手を離し
身をかわすツナ。
しかし、匣兵器はすぐさまツナの方へと向きを変え
再度襲い掛かります。
闘牛士のように、その突進を避けたツナは、両手の炎の力を利用し
体を回転させて、匣兵器へと蹴りを喰らわせます。

吹っ飛ぶ匣兵器ですが、その体から迸る炎がツナを取り囲み、
まるでツタのようにツナの両手足を絡めとり、動きを封じてしまいます。

そしてまたもや襲い掛かる匣兵器。
焦るツナですが、

ツナ:(なんてパワーだ ほどけない!!)

拘束された状態で避けることも出来ず、突進してきた匣兵器の直撃を
腹部に受けてしまうツナ。

ツナ:『がっ』

激しい勢いそのままに、匣兵器はツナごと壁を突き破っていきます。

獄寺:『10代目!!』
山本:『ツナ!』

叫ぶ獄寺と山本ですが、ツナからは『ぐあっ…』という苦悶の声しか
返ってきません。
いつも思いますが、守護者が守護者ではないですね;
下手に手を出すのも、互いに危険を増すのだということも
わかるのですが…なんとなく釈然としません。

獄寺:『のやろ!!』
バジル:『待ってください!!』

ツナを助けるため、リングに炎を灯し開匣しようとする獄寺を
バジルが止めます。

バジル:『獄寺殿の嵐の匣兵器の特性は"分解"!!』
    『ヘタをすれば 沢田殿の匣兵器を傷つける恐れがあります!!』
獄寺:『だったら どーしろっつーんだ!!』『これ以上 苦しむ10代目を見てらんねー!!』

苛立ちを隠さずに叫ぶ獄寺に対し、バジルが冷静に応じます。

バジル:『拙者が静めます』
    『皆さんは下がっていてください』

和服姿でリングに炎を灯し、取り出した匣を片手にツナの方へと
走り出すバジルですが、その後姿が日本昔話を髣髴させるなんて
言ってないですよ言ってません。

バジル:『いくぞアルフィン』 『開匣!!』

CEDEFという文字が装飾された匣を開匣したバジル。
リング争奪戦のときから雨属性と判明していた彼の匣兵器は
雨イルカ(デルフィーノ・ディ・ピオッジャ)でした。

流線型のフォルムに円らな瞳が可愛らしいです。

バジル(アルフィン…あれでいこう)
雨イルカ:『キュイッ』

どうやら、脳内会話ができるようですね。
バジルが思ったことを、雨イルカはちゃんと指令として受け取っているようです。
脳の描写はちょっとビックリしました。イルカの脳が少し小さ過ぎる気もしますが、そこは触れないでおきます。

そして放たれた技は「ドルフィンエッジ」。
左右のヒレから放たれたブーメランのような形状の炎が、ツナの匣兵器を直撃します。

匣兵器:『ギャアア!!!』
獄寺:『……!!』 『怪物が苦しんでる…』
バジル:『ドルフィンエッジは 体内をえぐる雨の沈静の炎の刃』
    『いわば 対匣兵器用の麻酔弾です』

と、そのとき、ツナを押さえ込んだままの匣兵器が雨イルカをギロッと睨み、
体から炎の槍のようなものを繰り出し、雨イルカを攻撃します。
次々に消されていくドルフィンエッジ。

バジル:『!!』(効いていないのか!?)

未だ麻酔効果の現れない匣兵器に驚くバジルですが、
やがて、炎の槍が大きさを増し、雨イルカへと襲い掛かります。
ドルフィンエッジを突破され、無防備な状態の雨イルカに焦るバジル。

バジル:『しまった!!』(予想した力をはるかに上回っている!!)

匣兵器の炎の槍が、今にも雨イルカに突き刺さろうとしたその瞬間。

「ザッ 」という音と共にその場に介入したのは大量の水。
驚くバジルたち。そこに現れたのは雨燕(ローンディネ・ディ・ピオッジャ)。
山本の匣兵器でした。

雨イルカの後ろに陣取った雨燕の援護をもらった雨イルカは
ツナの匣兵器の攻撃を受けずに済んだようです。

山本:『お前だけが雨属性じゃないぜ』
バジル:『山本殿!!』

バジルを庇うように、彼の一歩前に立つ山本。
やがて、雨イルカと雨燕の力により、『ギャアアア』と叫び声をあげて
匣兵器が匣へと戻りました。

バジル:『助かりました!!』
山本:『協力プレーだな!』

こちらも匣兵器を匣へと戻し、一息つく雨属性の二人。
天然コンビののんびり会話が可愛いです。

あたり一面水だらけとなった部屋の隅、ツナは壁にズズ…ともたれかかりながら
座り込んでいました。足元には匣兵器が転がっています。

ツナ:『うう…』

そんなぐったりしたような様子のツナを見つけた仲間たちが
ツナの元へと駆け寄ってきます。

獄寺:『10代目ぇ!!』
了平:『大丈夫か沢田!?』
ツナ:『みんな…ゴメン…』

超死ぬ気モードから戻ったツナの開口一番の台詞は謝罪でした。

バジル:『やはり今のは沢田殿の匣兵器…………』
ツナ:『う…うん…』『普通に炎を注入したつもりだったんだけど…』
   『いきなりあんなのが飛び出してきて…』

バジルに答えるときの、ちょっと情けないような表情は可愛いですが、
匣兵器については、恐ろしさと驚きででしょうか、強張った表情で話すツナ。

バジル:『ですが おかしいです!』『匣は全て 地球上の生物を模しているはず!』
獄寺:『…………!!まさかっ』 『入江の奴が不良品を!!』
ツナ:『そんなぁ!?』

やはり、あの匣兵器の姿はイレギュラーなのですね。
それにしても、何はさておいてもツナが一番の獄寺が、
物事の原因をすべて他者に求めるのを見るのは、結構楽しかったりします。

と、不意に新たな人物の声が響きます。

『いいや 今のは ツナが悪いぜ』

その声と共に現れたのは、炎を纏った動物の長い足。

『あれは おまえの匣兵器本来の姿じゃない』
『特に 大空の匣はデリケートなんだ』

手綱を持った手。ピンと立った耳を持つその動物は

ディーノ:『こんな 開匣をくり返していたら 使いものにならなくなるぞ』

匣兵器である馬に乗った10年後のディーノが登場したところで以下次号!!

いつから居たのかとか、一人で大丈夫なのかとかも気になりますが、
それ以上に、何故馬に乗ってるのかが分かりません。
地下に存在するボンゴレアジトの中で、戦闘中だというわけでもないのに
わざわざ匣兵器を出す必要性を感じませんが、敢えて乗り物に乗ってのご登場です。
しかも馬(笑)。

跳ね馬の二つ名を持つ彼のことですし、ヒバリと邂逅した際にも
馬のデザインの匣を持っていたので、匣兵器が馬というのは予測済みですが、
何故ここで…と思うとやはり可笑しいです。
しかもなんだかキラキラしていますね、本当に「王子様」という称号が相応しい方です。

たてがみの量が多くて、こんもりした頭をしているこの馬ですが、
属性はまだ分かりません。手綱は最初から装備されているのでしょうか?(←聞くな)
それにしても、ディーノはツナの匣兵器の本来の姿を知っているようですね。
かといって、簡単には教えてくれそうにはありませんが。
やはり、ツナの匣兵器の正体については少しお預けかもしれません。

それにしても、ロマーリオたちやヒバリも今どうしているのでしょう。
ツナたちも、破壊されまくっただけでなく水浸しになってしまった部屋の後片付けとか
大変そうですし、びしょぬれになったツナの着替えとか、みんながこれから普通に寝れるのかと
いったことも心配です。
あれだけ騒いだのですから、女の子たちの部屋には影響がなかったのかも気になりますね。

ようやくディーノがツナたちと合流してくれましたので、
彼からどんな情報を得られるのかも期待したいと思います。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ16号 KHR 標的233『バイク』

2009-03-14 02:04:05 | 雑誌[J]
前回ラストで登場したバイクと、それを見つめるツナが表紙の今号。
パーカーを着ていることから、本編の流れとは関係のないイラストのようです。

さて本編。
いきなり現れたバイクに驚くツナたち。
バララッというエンジン音が響く中、キャラララという音が乾式クラッチのものだと
わざわざ補足されています(笑)。

ジャンニーニ:『このマシンは私も敬愛するレーサーレプリカですが、
        最新のテクノロジーで ちょっとイジってありましてね』
       『燃料には チャージした死ぬ気の炎が使われ最高出力もアップしています
        更に 対炎レーダーの対策も ステルス性能を持つマモンチェーン素材が
        カウルとエンジンカバーに使われバッチリです!!』

カウルとは、車体およびライダーを覆う風防部品のことだそうです。<出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』:カウル>

リボーン:『いいか お前ら』 『匣兵器だけじゃなく こいつも白蘭との戦いの前に 乗れるようにするからな』

後部座席部分に陣取ったリボーンの台詞に、『なんでバイクが白蘭との戦いと関係あるんだよ!?』と
反論するツナ。

リボーン:『正一の情報により 白蘭との戦いが うっすら見えてきたからだ』
ツナ:『!!』 『あの"チョイス"っていう?』
リボーン:『戦場となるフィールドの広さは直径10km』 『機動力がものをいうんだ』

リボーンの説明に、獄寺は驚き、山本は『広(ひれ)~っ』と嬉しそうにしています。
了平は『ボクシングのリングだとすると……極限な広さだ!!』と
独特の理解の仕方をしているようです。

獄寺:『ですが リボーンさん』 『オレ達ならともかく すでに10代目はすばらしい機動力をお持ちですよ』

なんというか、常にツナを立てる獄寺に何故かほっとします。
しかし、獄寺のその言葉に、人差し指を立てて『チッチッチ』といいながら振る
リボーンとジャンニーニ。口を尖らせる表情といい、仕草といい言葉といい、
息がぴったりです。

獄寺:『な…なんスか!!』
ジャンニーニ:『恐らく10代目のグローブの炎をはじめとする死ぬ気の炎は レーダーで探知されます』
       『炎を探知されない移動手段も視野に入れる必要があるのです』

その言葉に『なるほど~』と納得する獄寺。

ツナ:『だからってオレ達中学生だぞ!?バイクなんて乗ったらケーサツに捕まっちゃうよ!!』
リボーン:『10年前の世界ならな』
ツナ:『………?』

今回は白目状態で若干青褪めた表情のツナが盛りだくさんです。
久々、日常編のノリのようで楽しいです。

リボーン:『この時代では お前達は プラス10歳なんだ』
     『ちゃんと こいつが 発行されてんだぞ』

そういってリボーンが差し出したのは4枚のカード。
その場に居た全員がそれぞれ受け取り、覗き込んだそれは

ツナ:『う…運転免許証~~!!?』
リボーン:『実際 この時代のお前達が使ってた正真正銘の本物だからな』

了平は、10年後の自分の部屋で自分の写真を見ていますが、これでツナ・獄寺・山本も
未来の自分の顔を見たことになりますね。
バイクの免許取得年齢を仮に16歳とすると、初回更新が3年後、次回から5年後ですから
19歳もしくは24歳の時の写真が使用されているものと思われます。

ちゃんと全員免許を取得していたのですね。
バイク以外にも、自動車免許なども取得済みなのかが気になります。
自動車免許も取得しているとなると、顔写真の年齢が変わってきますしね。

しかし、10年後の免許証を持っていたとしてもケーサツに捕まったら
顔写真違うし、アウトなんじゃないかと思うのですが、そこは敢えて触れないでおきます。

そして、ただ免許をもっているだけでは当然バイクは運転できません。

ジャンニーニ:『ただし周りに 迷惑をかけないためにも
        教習所で習うことはみっちり学んでもらいますよ』
       『トレーニングルームには簡単なコースも作りましたので』

仕事が速いです。ジャンニーニは、バイクがあること前提で
コースを作ってからこの部屋へと来たのでしょうか。
そして、学科の勉強はスルーなのかな?
チョイスが、一般市民の居ない場所で行なわれるのならよいでしょうが、
普通の市街地が選ばれた場合、信号や踏み切りで引っかかるのは
どうなのかと思ってしまいます。

ツナ:『ちょっ ヤダよオレ~!!』 『バイクなんてムリムリムリ!!』

免許証をリボーンに返すかのように差し出しながらそう叫ぶツナに
『本当にダメツナだな ふつう大喜びするとこだぞ』と慣れた様子で呟くリボーン。

リボーン:『考えるより感じろだ』 『とりあえず またがってみろ』

いい笑顔での家庭教師の言葉に、とりあえずNSR 250Rに乗ってみるツナ。
結構かっこよく見えます。ノーヘルなのは、まだ走らせるつもりがないからでしょうか。

獄寺:『決まってますよ10代目!!』
リボーン:『よし んじゃ 左手のクラッチを握ったまま
      左足を蹴ってギアを一速に入れてみろ』
ツナ:『え…』 『こう?』

リボーンの言葉どおりに操作するツナ。

リボーン:『よーし 右手でアクセルをぶん回せ!!』
ジャンニーニ:『ええ?』

ジャンニーニの疑問の声は無視して、リボーンの指示どおりアクセルを
全開にしたツナは、『今だ!!クラッチをパッと放せ!!』という言葉に
左手のクラッチをパッと離します。

その瞬間。
ギョキャッという派手な音がし、前輪が大きく浮いたウィリー状態になり、
ツナはその場に、ガシャーンという音と共にこけてしまいます。

ひっくり返った状態でピクピクしながら『う…う~ん…』と唸るツナの元に
全員が駆け寄ってきます・

ジャンニーニ:『リボーンさん!!なんで間違った運転方法を教えるんですか!?』
       『クラッチを急にはなしたりしたら…!!』

盛大にコケるのですね;

リボーン:『最初に 怖さを知っといた方がいい』 『これがオレの教え方だ』

その言葉にガーンとなるツナと、『なんてお方だ…』と青褪めるジャンニーニ。

ジャンニーニ:『というか 大事なバイクですよ!!』
リボーン:『どうだ楽しかったか?ツナ』

どこまでもマイペースな家庭教師の姿も、久々に見た気がします。

ツナ:『……あの…』 『この際白状するけど……』

仰向けに倒れたまま、そう切り出すツナ。

ツナ:『オレ…小五になるまで 補助輪ないと自転車に乗れなかったんだ…』
   『どう考えても バイクなんて乗れっこないよ…』

ちょっと困ったような諦めたような表情の弱気な生徒を
『チャリンコとバイクってのは別もんだ』と一刀両断するリボーンがよいです。

リボーン:『第一 人間どこに才能がねむってるかなんて案外わかんねーもんだぞ』
ツナ:(…こいつ絶対やらす気だ…)

その予想通り、朝からバイク練習の日になった休日2日目。
獄寺とバジルは、大型バイクの運転までマスターし、
山本も、あっという間に自分の手足のようにバイクを操れるようになったそうです。
獄寺が乗っているのはネイキッドですね。
やはり、何種類かバイクは揃えてあるようです。

了平も、何度も転びつつもめげずに、独自のライディングを完成させていき、
ドリフトまでこなすようになっていました。
そしてツナも、なんとか転ばずに乗れるようになったようです。

バイクから降りヘルメットを取った後、『も~ヘトヘト~』と倒れこむツナに
『すばらしい上達ですよ10代目!』『やるじゃねーか ツナ』とジャンニーニとリボーンが
声をかけます。横になったまま『よく言うよ…』と答えるツナ。

ツナ: 『山本なんて ウィリーとかしてるのに』
リボーン:『あいつは ボンゴレトップの運動神経を持ってんだ あれが普通だ』
     『それより 小四まで自転車に乗れなかった奴が 1日でこけずにバイクを乗れるようになった方がすげーぞ』

珍しく素直にツナのことを褒めるリボーン。その言葉を受け入れたツナが
『………たしかに…こんなに早く上達できたことなんて人生初めてかも…』と
頑張った自分を認めたことを「ニッ」と笑いながら見やるリボーンがまたよいです。

とそこへビアンキが入ってきます。

ビアンキ:『さあ あなたたち』 『今夜は歓迎会よ!』

そしてその夜は、了平とバジルの歓迎会が盛大に開かれた模様。
挨拶の場で、うっかり『打倒白蘭!!打倒ミルフィ…』と叫んだ了平を
ホールドして力尽くで黙らせる獄寺。

獄寺:『女子供には 血生ぐさいマフィア絡みの話は言わねーよーにしてんだよ!!』

と小声で注意された了平は、慌てて誤魔化します。

了平:『おっ…おっとしまった!!10年前の相撲大会の話をしてしまった!!』

絶対に相撲大会なのですね(笑)。
それを楽しそうに見ている京子やハルたち。

そして、2日間の休みはあっという間に終わり…

寝る準備を整え、自室のベッドに横になったツナは、
明日からの修行に思いを馳せます。
最初は獄寺と2段ベッドでしたが、いつの間にか個室になっています。

ツナ:(いよいよ明日からは匣を使った修行か……)

寝転がったまま、右手の中指に嵌めたボンゴレリングをかざすツナ。
2日前は疲労が濃く、灯らなかった死ぬ気の炎ですが、
流石に充電できたのでしょう、ボウッと音を立てて炎が灯ります。

ツナ:(よし…これなら…)

と決意を新たにしたツナですが、このとき、不意にサイドテーブルに置いた
ボンゴレ匣がコト…と音を立てます。それに驚くツナ。

ツナ:『今…動いた!?』

バッと起き上がり、ボンゴレ匣を見ますが、物音一つせずしーんとしています。

ツナ:(ま…まさかな… 炎を注入してないのに…)

そう思いながらも、もう一度ボンゴレリングに炎を灯してみると
またもや匣がコトトと音を立てて動きます。

ツナ:『ひいっ』 『やっぱり動いてるー!!』

目を丸くしたまま、動き続ける匣を見るツナは、若干パニクっているようです。
死ぬ気の炎に反応しているようですが、匣が勝手に動くことがあるのですね。
それともこれは、ツナの匣が特別なのでしょうか。

ツナ:『なにこれ!?』 『早く中から出たがってんのか!?』

今度は、リングの炎が消えてもコトコトと動き続ける匣。

ツナ:『ひいっ』 『ム…ムリ!!ダメだって!!』
   『明日まで開匣しないってみんなで決めたんだ………』

その言葉が聞こえたのかどうか、動きが止まり再度しーんとなる匣ですが、
またすぐにカタタタと動き出してしまいます。
その様子に、『うーん…』とどうすべきか悩んでいたツナですが、
やがて匣を手に取ります。そして、

ツナ:(もし匣の中がすごくキュウクツで息苦しかったら…
    ちょっと様子を見るくらいなら…みんなもわかってくれるよな…)

そう考えながら、いまだ動き続ける匣を左手に持ち、ボンゴレリングに炎を灯します。

ツナ:『よし!』

カチッと音を立て、ボンゴレ匣に炎を注入するツナ。

ツナ:『…………………』 『こんな感じかな?』
   『っていうか何が出るんだ…?』

ドキドキするツナ。フオオという音と共に匣が光りだし、やがてカッと
辺り一面を閃光が覆います。同時に起こる大爆発。
その轟音に、2段ベッドの上で寝ながら本を読んでいた獄寺、
その下で既に就寝していたらしい山本、トレーニングをしていた了平に、
着物姿で、昔の武士のような方法で武器の手入れをしていたバジル、
そしてなにやら作業中だったらしいジャンニーニとリボーンが驚きます。

ドガガッという爆音は、鳴り止むどころかさらに激しさを増していきます。

山本:『なんだよ今の!?』
獄寺:『知るかよ!!』

駆けてくる山本と獄寺。
更に手前の部屋からバジルが飛び出してきます。

バジル:『沢田殿の部屋の方向です』
獄寺:『なに!!』

そして更に手前の部屋から顔を出したのは了平でした。

了平:『何のさわぎだ!!』

と、不意に了平の目の前で、爆音と共に壁が吹き飛びます。
『ぬおっ!!』と叫び、右手で顔を覆う了平。

突如ツナの部屋の壁に開いた大きな穴。
そこから見えたのは、釣りあがった目を持ち、たくさんの鋭い牙を
むき出しにした動物の影。
そして、一直線に襲い掛かってくるそれを、超死ぬ気モードのツナが
必死に押し留めている姿でした。

ツナ:(こいつ…オレを殺す気だ!!)

ボンゴレ匣から出現した「何か」とツナが対峙したところで以下次号!!

大空のボンゴレ匣に入っていたのは動物のようですが、
顔のシャープさから察するに、ライオンではなさそうです。
実在する動物とは思えない牙をもっていますし、また膨大な死ぬ気の炎を
全身に纏っているようにも見えます。
雰囲気としては、狼のような感じがしますが、ぱっと見、なんの動物か
判別できないのは、かつてないことかもしれません。

このボンゴレ匣の正体と併せて、何故ツナを襲ったのかも気になります。
流石に、ボンゴレ継承の儀式のときのヒバリと同じように、
一番最初に試練を与え、それを乗り越えた者にのみ従うということは
ないかなと思っています。
# もしそうだとすると、まるでポケモンの第1話のようですね(笑)。

それにしても、リボーンが持っていたツナたちの免許証ですが、
いつからあのアジトで保管していたのでしょう。
普通、免許証は持ち歩くことが多いと思うのですが…。
10年バズーカで入れ替わる前に、免許証だけは置いていたとなると、
それを指示できたのは10年後のツナくらいだと思います。
磨き上げられた超直感の成せる業なのでしょうか;

ところで、髑髏とランボの移動手段はどうなるのでしょう。
それ以前に、ランボの持つ雷のボンゴレ匣は、日の目を見るのでしょうか;
今のままでは、20年後ランボも登場しそうにありませんので、それが不安です。

今話は、久々にリボーンとツナの絆が見れて嬉しかったです。
深い信頼関係で結ばれているのだと再認識しました。
また、超死ぬ気モードでない、普段の表情のツナも多く、
それだけに、彼の成長が窺えたのもよかったです。
もちろん、ラストのツナはかっこよかったですが(笑)。

バジルの匣や、他のボンゴレ守護者の匣、ディーノの匣も
早く出てきて欲しいですし、入江やスパナにも早く合流して欲しいと思います。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

# 諸事情により、次回の感想は23日以降の更新となります。

#00000 -ultra black- ~ウルトラブラック : 如月芳規

2009-03-11 22:36:23 | 漫画[少年]
月刊ZERO-SUMにて連載中

現在2巻まで刊行。4月25日3巻発売予定。

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施設育ちの実虎を、ずっと援助し続けてくれた謎の人物が里親になってくれる。
夢のような申し出にワクワクしながら訪れたそこは、人を援助することが
できる人物がすんでいるとは思えないほどボロボロのビルだった。
しかもそこは会社で、彼らは物流の仕事をしているという。
気が付かないうちに、そこの社員と呼ばれる実虎。
とまどう彼に更なる追い討ちが!

そこはただの物流の会社ではなく、持っていることで持ち主に影響を与え、
時には持ち主を化け物に変えてしまうような品物を扱う会社だった…。

理解できない世界に唖然とする実虎。唯一彼が心を許していたのは、
幼い頃から持っていたひとつの本。
それにはキリーという謎の生き物がついており彼を励ますのだった…。
実虎の新しい環境での生活は、一体どうなってしまうのか?
<一迅社WEB|月刊コミックZERO-SUM>
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久々に手にしたZERO-SUM本誌に掲載されていた10話(2巻収録)が衝撃的で、
そこから入った作品。「#000000」は、#RRGGBB形式で黒を表す色指定値。
なお、上記サイトでの作品解説では「キリー」となっているが、正確には「キリィ」。

伏生 実虎(ふき さねとら) をずっと支援し続け、里親として彼を引き取ったのは、
口が悪い若い青年、獅堂 鼎(しどう かなえ)だった。
リサイクルショップ、有限会社ラフワーカーズの社長でもある彼の元、中学生ながら社員として、
副社長で最年長の司馬 瑛秀(しば えいしゅう)
実虎と同じく施設で育ち、獅堂に引き取られた紅一点、烏丸 寧(からすま ねい)
そして、常に表情が硬めな年長組の暴走ストッパー 相坂 戌彦(おうさか いぬひこ)と共に
新生活をスタートさせた実虎は、今まで知らなかった「能力者」の世界に足を踏み入れていく。

作品のキーワードとなるのは、11年前に起きた東京大消失
これにより、東京という都市とそこに居たほぼすべての大人の命が失われ、
生き残った子供達も、それまで自分を取り巻いていた環境および自分自身の記憶、
そして、それらを失ったという感覚すら喪失していた。

何を失ったかは知らなくとも、失ったものの大きさは知っている…
彼らはロストチルドレンと呼ばれる。

+ + +

登場人物の中では、マスコット的な存在のキリィと獅堂が魅力的。
実虎が昔から持っている手帳に住み着く小さな生物キリィは、実虎にとって
大切な友人であり、よき相談相手であり、いつでも自分を励ましてくれる存在。
また、実虎が危険な目にあった際には、その能力を駆使して彼を守ろうとする
頼れる相棒でもある。

2巻の、まさしく10話でその正体が明らかになるのだが、それになにより驚いた。
しかし、それを念頭に最初から読み返してみると、より彼の言葉の真意を感じられる。
2巻冒頭、寧を一喝するシーンなどは、特に彼の愛情が込められているのだと思う。

一方の獅堂は、寧に対しては割と率直に思っていることをぶつけたり、
保護者としての顔を見せたりする。司馬とは共に悪ノリしたり、戌彦ともそれなりに
認め合ったりしているようなのだが、何故か実虎には素直になれず、
一歩ひいて接してしまう不器用さを併せ持っている。
それでも作品を読み進めていくと、彼が実虎に対して深い愛情を持っていることを
窺わせる描写が増え、実虎を大切に想っていることが否が応でも伝わってくる。
しかしそれは、実虎にとっては大変に分かりにくい部分ではある。

また彼は、実虎が施設に居た頃、クリスマスなどには実虎だけでなく
施設の子供全員にプレゼントを贈るという気遣いをみせたり、
突き放したように接してしまった実虎のことをそっと窺う様子を見せるなど
優しく繊細な一面をも持っている。

獅堂は、顔の右側の半分が潰れており、前髪で常にその部分を隠しているが、
何時何処で何故その傷を負ったかは不明。
彼が、寧や実虎を引き取った経緯も明らかになって欲しい部分である。
特に付き合いが長いらしい司馬とは、互いのことをよく分かり合っている
感があるので、彼との馴れ初めも気になるところ。
11年前の事件には、ラフワーカーズのメンバーが関わっているのかな?

某所で同梱されていたペーパーには、留学経験があることなど
獅堂の経歴が細かく記載されていた。
飛び級していることから、頭のよい人物でもあることが窺える。
瞳の色がアイスブルーとのことなので、生粋の日本人ではない模様。
それにしても、身長172cmで体重50Kg前後って、華奢というより痩せ過ぎだと思うのだが;

絵は綺麗で、キャラ同士のやりとりも軽快で楽しい。
獅堂と司馬、そして獅堂と戌彦が、息の合った言動を見せるのがまた楽しいし、
寧に対してのみ時折諭すような口調になる獅堂も、見ていてよいなと思う。
# そういえば、前作『水の旋律』は、ストーリーに惹かれなかったため
  数話見ただけで終わっているが、当時から絵は綺麗だったことを覚えている。

作品自体のテンポはよいのだが、11年前の描写が時折入るので、
若干目まぐるしさを感じるかもしれない。
話は、作りながら連載しているのかと勘繰る程度のブレが、若干あるように思える。
まだまだ謎も多いが、これからの展開を見守っていきたい。

巻末のオマケ漫画や、カバー下にこっそり連載されている『黒き花園(その)のアンチテーゼ』が
また面白く、これも密かな楽しみである。


 『嬉しいことがあったら 心から喜ぶだけで良いんだ
  それが 今お前が出来る一番の恩返しだ!』
―――――――――――――――――――――――――――
 『オマエが勝手に無力だと思っているオマエ自身の能力が
  たとえ 本当にこの場では無力なのだとしても
  何故オマエは 何もしようとしない?』

WJ15号 KHR 標的232『チョイス』

2009-03-07 03:25:13 | 雑誌[J]
学校の廊下に一人佇み、静かにドアの窓越しに教室の中を
見つめているような超死ぬ気モードのツナが表紙の今号。
4月3日に発売予定の最新刊の表紙は、10年後ヴァリアーという
情報も載っていました。ヴァリアー全員登場するのでしょうか。

さて本編。
チョイスの説明からスタートです。

チョイスとは

2軍に分かれ それぞれ兵士ユニットをチョイス(選択)し チームを作り
戦う土地(フィールド)をチョイス(選択)し
本陣となる 基地ユニットとその配置をチョイス(選択)し
戦闘を行い 勝敗をつける

勝者は報酬として
敗者の所有物から欲しいものを何でも一つチョイスして(選択)奪うことができる


入江:『そんなゲームだよ。』

勝者が敗者からなにか一つ奪うというシステムは、花いちもんめを彷彿させます。
違うのは、チョイスは決着がつくまで戦い、勝者と敗者が決するのが1度だけらしい
ということでしょうか。
白蘭が勝利した場合は、当然ボンゴレリングを要求してきそうです。
ツナたちが勝利した場合は、過去に戻ることを要求しそうですが、
それは「物」ではありませんよね。
それとも、そういう装置があるのでしょうか。

リボーン:『思ったよりシンプルだな』
入江:『ま…まぁね~』 『もともとは 僕と白蘭サンが暇つぶしで作ったボードゲームだからね』

暇を持て余すような時間を、共に過ごしていたということのようですが、
入江と白蘭の最初の接点が未だに見えません。

ゴホンと咳払いをしつつ、ちょっと恥ずかしそうな顔で『と…ところが…』と
続ける入江。

入江:『ぼ…僕がのめりこんでしまい できることや設定を増やしたためにコンピュータゲームになって…』
   『更に自由度を上げて どんどんアップデートしていった結果』
    ゲーム末期には 自走する巨大要塞が 画面(ディスプレイ)の中を走り回ったりしてたかな…アハハハッ…』

乾いた笑い声をあげる入江に、リボーンが『趣味悪ーな』とツッコみます。
『だからさあ~ ぼっ 僕も若かったんだよ!』と反論する入江も、多少なりとも
自覚はあるようです(笑)。
でも、そんな彼もまだ20代です。まだまだ若いです。

リボーン:『で白蘭は"現実に"これをやると言っていたぞ』 『どう考えればいいんだ?』

リボーンのその言葉に、入江も思うところがあるようです。

入江:『…そこなんだ』 『ゲームであるチョイスを"現実に"なんてできるわけない!!』
   『……だが 白蘭サンのことだ…』

その言葉を聞いたリボーンは、『もっと細かいルールを教えろ』と要求します。
そして明らかになる更なるルール。それは。

兵士ユニット数は開戦直前に話し合いで決めるが、
両軍が同じ数であるなら どれだけ武装してもいい
数が揃わなければ負け

土地(フィールド)の場所も 開戦前に話し合いで決める
ただし フィールドの広さは直径10kmと決められている

基地ユニットは 50㎥(立方メートル)以下であれば 自分でプログラムして設計したものを
費用を使い 戦闘前に作って使う事ができる


50立方メートルは、かなり小さいですね。
一辺5m、天井の高さが2mの部屋と同等です。
入江の回想で出てきた、自走式の巨大要塞は既にアウトです。

入江:『これを現実に当てはめると…』

まず 兵士ユニットとなるのは リングとボックス兵器で武装したツナたち。
フィールド直径10kmというのは、ちょうど並盛町がすっぽり入る広さということだそうです。

リボーン:『なるほどな まさに戦争で言うところの"局地戦"を再現して行う感じだな』

局地戦とは

全面的な戦争を避け、外交手段や限定的な軍事力を用いることによって
政治目的を達成する戦争の形態

<出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』:戦争>


であり、

「一定地区の戦争」,つまり限られた範囲の戦いをいう。
<出典:ランチェスター戦略>


のだそうです。
この戦い方には次のような利点があるそうです。

弱者は広い地域で戦っては,少ない兵力を分散させてしまい,ますます勝つ見込みが
なくなってしまう。逆に狭い地域の戦いであれば,強者は強者たる力を発揮できないため,
弱者にも十分勝つ可能性がある。

<出典:ランチェスター戦略>


リボーンが示した「局地戦の再現」という言葉に『ああ そうだね』と返す入江。

入江:『そして問題は…』
   『宿泊施設でもあり 時には攻撃要塞ともなる基地ユニットが 僕らにはないってことだ』

それ以前に、絶対的人数不足の方が問題だと思います。
話し合いで人数を決めるとのことですが、ボンゴレの10代目ファミリーとヴァリアー、
そして若干名の協力者を合わせても、ミルフィオーレの要する3万607人とは雲泥の差です。
下手すれば、開戦前に負けます。とはいえ、そういう展開は白蘭も望んでいないでしょう。
逆に、ミルフィオーレ側の3万600人は不要なのではという感じですね。

ジャンニーニ:『え!?ま…まさか…』
       『実際に現物で 基地を用意しろっていうんですか!?』
入江:『何度も考えてみたんだけど そう考えるのが自然だよ…』

ジャンニーニの言葉に、入江は爪を噛みながらそう答えます。
ジャンニーニも、この会議に参加していたのですね。

ジャンニーニ:『そんなこと急に言われても無茶ですよ!!人手も時間も足りません!!』
スパナ:『それに10kmって相当広い…』 『機動力のある兵器が欲しいとこだな』

白蘭が、メローネ基地をテレポーテーションさせたのは、
入江から、基地ユニットとなりうるものを遠ざけたかったのかとも思いましたが、
入江の反応を見る限り、そうではなさそうです。
しかも、戦闘開始前の「兵士ユニット数」「土地」の話し合いも終了していないのに、
10日後には戦いが始まることが前提なのですね。

リボーン:『基地ユニットはつくれねーし 機動力もねえ』
     『どうするつもりだったんだ?正一』
入江:『ぐ……』

若干青褪めた顔で言葉に詰まる入江。ぎゅるるるとお腹が鳴っています(笑)。

入江:『だから困ってるんじゃないか!!』『僕だって 考えるたびに 冷や汗ザーザーだよ!!』

『わぁ~っ』と頭を抱えてしゃがみ込んでしまった入江に、追い詰めた本人であるリボーンが
『まぁ落ち着け』と声をかけます。

リボーン:『ここには ボンゴレの天才発明家と 元ミルフィオーレの天才メカニックがいるんだ』
     『きっと優秀な方が 何とかしてくれるぞ』

その言葉に反応し、動きの止まるジャンニーニとスパナ。そして、

ジャンニーニ:『と 当然ですよ!!』
       『天才ジャンニーニ!!スパナより優れた解決法を考えてみせますとも!!』
スパナ:『ウチだって ジャンニーニより いいアイデアを考える』 『安心しろ正一』

イヤホン越しにバチバチッと火花を散らすジャンニーニとスパナ。
しかしその言葉は、正一にとって大きな力になったようです。

リボーン:『心強いな 正一』
入江:『う…うん ありがとう!』
   『僕も いくつかのプランは一応 考えてはいるんだ…』
   『とにかく今度の戦いは綱吉君達だけの戦いではない―― 』
   『僕ら技術屋の戦いでもあるんだ!!』

もう一つの戦いに挑む正一、ジャンニーニ、スパナの顔がとても頼もしいです。
入江は、あくまで技術・戦略のサポートに徹するつもりなのかな?

場面変わり、ツナサイド。どうやらご飯の準備中のようです。

フゥ太:『じゃあツナ兄達』 『メローネ基地にお弁当だけ置いて帰ってきたんだ』
ツナ:『うん』 『入江君もスパナも 何か真剣にやっていて
    とても話しかけられる雰囲気じゃなかったからね』

配膳を手伝いながらそう答えるツナですが、いつの間に入江を
「君」呼びするようになったのでしょう。

リボーン:『なーに お前達もすぐに死ぬほど忙しくなるから心配すんな』

その言葉に、ツナと獄寺と山本の3人はギクッとして固まってしまいます。

ツナ:『なんで休み中にそういうこというかな…』 『やな感じ…』

ジト目でぼやくツナを華麗にスルーして、リボーンは続けます。

リボーン:『お前達夕飯食ったらちょっとつきあえよ』
ツナ:『え゛…』 『ちょっとって何だよ…(すごい嫌な予感がする…)』

ビクッとするツナがとても可愛いですが、ふと彼は、席が1つ空いていることに気付きます。

ツナ:『そういえば 席が空いてるけど誰の席?』
ハル :『クロームちゃんです…』 『帰ってから 一回もごはん食べてないんです』
ツナ:『えっ』 『でも ごはん食べれるぐらいに回復したって…』
京子:『お部屋の前にごはん… 置いてきたんだけど』

心配そうなハルとツナ。京子も、クロームに対しどう接したらよいのか
若干戸惑っているような感じがします。
同年代の女の子ということで、逆に気遣いすぎているのかもしれません。

そしてクロームの部屋では、黒曜の制服を脱ぎ、タンクトップ1枚で
ベッドに横になっているクロームが居ました。

京子やビアンキ、そしてハルの顔を思い浮かべて、カァァァっと赤くなったクロームが
ごろんと寝返りをうったとき、ふと部屋のドアが開きます。
どうやら鍵をかけ忘れたようです。

バッと振り向き、『…誰?』と声をかけたクロームの目の前に居たのは、
了平に貰った師匠の人形を背負ったイーピン。
なにか言いながらペコリとお辞儀をしたイーピンは、唐突にほかほかのあんまんを
取り出しました。

ホクホクしたそれに、フーと息を吹きかけ少し冷ました後、
パクと頬張るイーピンの行動がよく分からず、クロームは見守るしかできません。

やがて口にした分を飲み込んだイーピンは、クロームに向かってなにか話します。
そして最後に

イーピン:『お…い…しー!』
クローム:『日本語…話せたの…?』

頬を赤くしたままのクロームのその反応に、ピョンと飛び上がりクルクル回転しながら
クロームの傍にポフンッと陣取ったイーピンは、自分が口をつけていない部分を千切り
クロームに差し出します。

クローム:『…私に?』
イーピン:『お…い し~~!!』

イーピンの笑顔とホクホクのあんまんに食欲が刺激されたのでしょうか、
ぐるるとお腹が鳴り、カアアと赤くなるクローム。
とても恥ずかしそうな彼女ですが、イーピンはプイッとそっぽを向き、
知らないふりをします。なんだかとても漢前です。

もぐもぐと2口目を頬張りながらも、変わらず千切ったあんまんを
差し出し続けるイーピン。そして、やがてクロームは手を伸ばし、
彼女がくれたあんまんを口に入れます。
もぐもぐと食べる二人。

クローム:『…おいしい』

その言葉を受けて、今度はイーピンが赤くなるのが可愛いです。
もぐもぐと頬張りながら、更にあんまんを千切り、またもやクロームに差し出す
イーピンの姿に、『…ありがとう』と呟くクロームの表情がなんとも言えません。
これがきっかけでクロームが、ツナの周りにいる人たちとも打ち解けていって
くれればと思います。

場面変わり、ボンゴレアジト内の廊下。

ツナ:『なんだよリボーン こんなとこ連れてきて』

どうやら食事も終わり、リボーンがツナ・獄寺・山本・了平を連れ出したようです。

獄寺:『一体 何の部屋スかね…』
リボーン:『思ったより早く機動力対策はできそうだな』
ジャンニーニ:『ハイ!』 『スパナなんかに負けられませんからね』

向かった先の部屋の入り口に居たのはジャンニーニでした。

ジャンニーニ:ここはこの時代の10代目のコレクションルームの1つですよ』
獄寺:『!』
ツナ:『コレクション!?』

何故か獄寺が嬉しそうですが、10年後のツナは、そんなにたくさんの
コレクションルームを保持しているのですか。
他にどんな部屋があるのかも気になりますが、彼の生活の拠点が
果たしてボンゴレアジトだったのか、それとも並盛の自宅だったのかも
気になるところです。

ジャンニーニ:『ちょっと失礼しますよ10代目』

言うなりしゃがみこみ、メジャーを取り出してツナの足の長さを測るジャンニーニ。

ジャンニーニ:『やっぱり短いですね 足』
ツナ:『なっ!?』

その言葉にちょっと引いたツナを見て、山本は楽しんでいるようです。
獄寺はジャンニーニを睨みつけていますが、睨まれた本人は気付いていません。
一言言わせて貰うと、ツナは足が短いというよりも身長が低いのですよね。

ツナ:『何なの一体!?』
ジャンニーニ:『やはりサイズ的にもヴィンテージのアレがいいでしょうね』

そう言うと、『待っててください すぐ用意しますんで』と部屋の中へと入っていくジャンニーニ。
スパナに負けないと豪語した天才発明家は、発明品ではなくアイデアと
10年後ツナのコレクションでスパナと勝負をするつもりのようです。

ツナ:『わけわかんないぞ!リボーン!!』
リボーン:『1日早い 課外授業ってやつだな』
ツナ:『な?』
リボーン:『白蘭に勝つには リングと匣だけじゃダメだってことだ』

食って掛かるツナを、笑顔でかわす家庭教師は流石です。
久々のこの師弟のこのノリが、懐かしいような当たり前の風景のような気がしています。

と、いきなりコオオという爆音が鳴り響きます。

ツナ:『鼓膜が破れるよ!!』 『何これ!!?』

耳を押さえながら叫ぶツナ。あまりの音の大きさに、空気がビリビリと振動しています。

ジャンニーニ:『すばらしい』『ガソリン燃料と まったく同じレスポンス』
       『これなら いけそうです!!』

ジャンニーニが部屋の中で準備していたもの、それはレーサーバイクでした。
HONDA と書かれた、2人乗り用の車体。
ホンダのNSR250Rが姿を現したところで以下次号!!

ツナのコレクションということですが、彼はバイクが趣味だったのでしょうか。
まったく想像がつきません。
ヴィンテージもののバイクなら、今のツナの身長でも大丈夫と判断されたようですが、
未来の方々はそんなに背が高いのでしょうか。
ジャンニーニは、メカニックということで、メンテナンスなどを担当していたのかな?
でないと、ボンゴレボスのコレクションを勝手に触ったりはしませんよね。

また、ヴィンテージバイクと言っていますが、アオリでは「死ぬ気仕様」となっています。
いつの時代から、死ぬ気仕様の乗り物が登場しているかは分かりませんが、
このバイクに限って言えば、形だけがヴィンテージもの…ということなのでしょうか?
マフィアの抗争で死ぬ気の炎がメジャーになっていることは見てきたとおりですが、
世間一般にもその存在が知られているのかが分かりません。

バイクに乗る際に重要なのは、運転操作はもちろんですが、バイクが倒れたときに
1人の力で起こせるかだと聞いたことがあります。
250ccクラスのものならば、ツナでも対応可能なのかもしれませんね。
1日早い課外授業ということですから、これから練習するのでしょうが、
守護者やバジルなど、他のメンバーもバイクに乗るのでしょうか?

バイクに関しては、ヒバリは操縦経験者ですし問題ないとは思います。
ただ、公道を走る場合、現在の法律だと普通自動二輪車の運転免許(過去の中型免許)が
必要となりますが、それの取得資格が16歳以上という条件には触れてはダメですかそうですか。

後は、ツナのコレクションであるヴィンテージバイクが、
再び無事にコレクションルームに戻ってくることを祈るのみです。

先週末登場したディーノと、彼と対峙したヒバリは、
今話は影も形もありませんでした;
ということは、あの後ヒバリとディーノは既に修行に入っている可能性もありますね。
あの二人にはツナたちと早く合流して欲しかったのですが、放置されたようです。

そして、こちらも放置されている白蘭の能力ですが、入江が把握しているということは
彼もユニのことを知っているのでしょうか。
この、ゲームを模した戦いが終わる頃、彼女とγたちの関係が昔のように
なっていることを願います。

戦いが始まる前に行なわれるであろう、兵士ユニット数や土地を決めるための
話し合い。それがどのように行なわれるのかも気になります。
基地ユニットがないという問題に対し、どういう解決案が出てくるのかも楽しみです。
そして「宿泊施設」と聞くとRPGで出てくる「宿屋」が思い浮かびます。
1晩泊まるだけで体力回復とか素晴らしいと思います。

今話は、イーピンとクロームのエピソードがとても温かかったです。
入江たちの白い丸い装置を隠す作業の進捗具合も気になります。
バジルとディーノとヒバリにも、もっと話に絡んで貰いたいのですが、
入江たちにも、早くツナたちと合流して欲しいです。

なにはともあれ、次回も楽しみです!