箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ44号 KHR 標的259『川平のおじさん』

2009-09-29 00:56:50 | 雑誌[J]
諸事情により、簡易感想で参ります。

ラーメンを何より愛していそうな川平のおじさんが、今ツナたちを追っている真6弔花が
ザクロであることも知っていることに驚きました。
しかも、10年前の姿を見ても、いつもラーメンを届けてくれるイーピンだと
ちゃんと分かっているのが凄いです。
股旅物に登場しそうな格好をしていますが、懐古趣味なのでしょうか。

そして今更ですが、最早10年後のこの世界の情報を今のツナたちに教えることに
なんら制約がなくなってしまっていることが気になります;
最初の方は、リボーンもあんなに気を付けていたのに…。

半ば無理矢理に、川平のおじさんの家に匿われたツナたちは、
川平不動産の店の中に身を隠します。
扉を閉め、ラーメン鉢を片手に持ったまま、右手中指のリングの力を
解放する川平のおじさん。どうやら、ヘルリングのようですね。
骸と同じく霧属性の使い手である彼は、やはり幻覚を得意とするようです。

リングの力により、人っ子一人いなかった道に大勢の通行人の姿を作り出し、
ツナたちの気配を消し去った川平のおじさんのもとへ、ザクロが降り立ちます。
が、『空から人が飛んでくるなんて!』と焦る川平のおじさんは、
かなりの演技派です。しかも、『ガキの集団が逃げてこなかったか?』 というザクロの問いに
『しっ知りませんよ!』 『あたしはここにずっと立ってましたが、そんな子達は!』 と答える
川平のおじさんは、とっても演技派です。凄まじい演技派です(←そこまで…)。

マフィアの抗争に第三者が巻き込まれることを嫌うユニが、
一般人の盾となり命を絶つことを防ぐため、白蘭は真6弔花に
大掛かりな殺戮は控えるようにとの通達を出しているそうです。
そのため、『一軒ずつ燃やしてあぶり出すしかねーか』
ザクロがリングに炎を灯しますが、

『なんですって!?』 『燃やすって あーた!!』

言いながらわざとつんのめり、手からすっぽ抜けたラーメン鉢を
ダイビングキャッチし、ラーメンの汁をザクロの額につけることに成功した
川平のおじさんは、そのラーメンの汁に向けて箸で『人(じん)』という字を描きます。
と、不意に複数の殺気を察し、店の外へと飛び出すザクロ。

(かすかだが まだ感じるぜ… かなりのスピードで移動している… 飛んでやがんのか…?)
『まちやがれ バーロー!!』


激しい炎と共に、飛び去るザクロ。そして川平のおじさんは、その姿を静かに見送ります。

『富士山まで飛んでらっしゃい』 『実体のない 殺気を追って』

どうやら彼は、人の気を操作できるようですね。
ザクロが去ったことが、どこか信じられないようなツナと
川平のおじさんが一体何者かということに疑問を感じるリボーン。
川平のおじさんのポジションが大変気になります。

一方並盛中学校校舎では、デイジーとディーノが戦闘中でした。
『オエー』と吐いているデイジーに、鞭を構えたまま『降参しとくか?』
問うディーノですが

『ぼっ…ぼぼっ…僕チンはユニ様の居場所を知りたいんだ…』
『居場所を吐けば許してあげてもいいよ…』

と、デイジーはあくまで強気です。

開匣し、太陽サイ(リノチェロンテ・デル・セレーノ)を出すデイジーと
同じく開匣し、『駆けろ スクーデリア!!』 と天馬(カヴァッロ・アラート)を出すディーノ。

天馬が太陽サイの頭に前足をかけると、その部分から一気に太陽サイの全身が石化します。
更には、ヒバリのバリネズミが球状になり激突することで太陽サイは粉砕されてしまい、
デイジーは座り込み、呆然としています。

ヒバリ:『僕のエモノに手を出さないでくれる?』
ディーノ:『オレに向かってきたんだから しょーがねーだろ?』 『正当防衛だ』

という二人の会話がよいです。

ロマーリオ:『楽勝だな』
草壁:『ツートップです 当然でしょう』

という二人の会話もよいです。

あくまで降参しろと勧告するディーノですが、デイジーには全くその気はないようです。

デイジー:『ぼっ…僕チンは ユニ様の居場所を知りたいんだ…』
     『ワープしてすぐにお前達を見つけて嬉しかったから手加減してたけど…
      居場所を教えてくれないなら 僕チンだって怒るよ』

フラフラしつつも、ぬいぐるみだけはしっかり抱えて立ち上がるデイジーの言葉に
ヒバリは疑問符を浮かべ、ディーノは 『手加減とは 言ってくれるじゃねーか』
彼の言葉の信憑性を疑っているようです。ですが。

デイジー:『だってそうでしょ?……たったそれだけの力で……』
     『チョイスでも思ったけど ボンゴレの連中は弱すぎるよ』
ディーノ・ヒバリ:『!!』

思わぬデイジーの言葉に、ムッとしたような顔のヒバリと
単純に驚いたような顔のディーノに対し、デイジーは続けます。

デイジー:『匣もうないし 僕チンが一番にこの力を使うことになっちゃったけど…』
     『おまえ達に修羅開匣を見せるのは これが最初で最後になると思うよ…』

修羅開匣という耳慣れない言葉に戸惑うロマーリオと草壁。

デイジー:『白蘭様は言うよ』 『僕ら真6弔花は―――』 『人間を越えた存在だって!!』

4人の目の前で、いきなりシャツの前部分を引き裂き、心臓部分を露出させるデイジー。
彼の左胸には、ミルフィオーレの紋章がデザインされた匣が埋め込まれていました。

デイジー:『ユニ様はどこなの?』

リングに炎を灯し、白目を剥いて少々ヤバい顔つきとなった状態でデイジーは
胸の匣にリングを嵌めます。
開匣と同時に、デイジーを中心として並盛中学校の校舎よりはるか高い位置までを半径とした
大きな光が彼らを包んだところで以下次号!!

現時点で白蘭を相手にするのは分が悪いということもあり
チョイス終了時にはこうするしか仕方がなかったとは言え、
やはりツナたちが逃げた場所は、害を被りますね;
校舎が心配で見に来たヒバリですが、彼がここで戦闘を始めなかったら
並盛中学校校舎が危険に晒されることもなかったのでは…なんてことは
言っちゃだめですかそうですか。

それにしても、チョイスの時に「弱い」と感じたデイジーですが
流石は真6弔花ですね。まさか「ボンゴレは弱い」と感じていたとは思いませんでした。
「人間を超えた存在」という言葉の真意についても、色々と勘繰ってしまいます。
マグマ風呂に入ったり死にたいけど死ねないという時点で、一般的な「人間」の定義に
当てはまらない存在だというのは分かるのですが(ぉ)、
人間だけど"人間を超えた存在"なのか、"人間を超えた存在"=人間ではないという意味なのか、
果たしてどちらなのでしょう。

10月は、XANXUS、ツナ、リボーンの誕生日があるからか
4週連続でカラーだそうです。凄いですね!
キャラクター人気投票の結果発表も楽しみです。
メディアミックスの展開も目白押しとのこと。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ43号 KHR 標的258『脱出』

2009-09-22 00:49:54 | 雑誌[J]
強大な炎を全身から立ち上らせながら、ボンゴレアジト内に姿を現したザクロから
スタートの今号。
『バーロー みっけたぜ』 『ユニ様』 と言いつつ
冷たい目でユニを見るザクロと、その視線に射竦められ、息を呑むユニ。

獄寺:『マグマ野郎!!』
ツナ:『た…たしか ザクロって奴だ!!』

ツナの方が、しっかり名前を覚えているのが意外でした。
とはいえ、獄寺は仮に覚えていたとしても、素直に人の名前を呼びそうにないですね。

フゥ太:『どーやってこのアジトの場所を!』
ジャンニーニ:『しかもこれほど簡単に侵入を……!!』

これは、いかに真6弔花が凄いかという描写と受け取ってよいのでしょうか。
間違っても、ボンゴレのセキュリティレベルが低いわけではないのですね?
焦るフゥ太と青褪めるジャンニーニの疑問を耳にしたから…ではなさそうですが、
ザクロは隊服の上着ポケットからジャラ…と部品らしきものを取り出します。

ツナ:(……?)
ザクロ:『転送システムがぶっこわれて 外へ吹っとばされ』
    『無線もレーダーも粉々になった時は どうなるかと思ったが…』
    『ん~……』

ポロポロと機器の残骸を掌から捨てつつ、不意に言葉を区切り抜けた顔をしたザクロは、

ザクロ:『ふ…』 『ふぁ~あ』 『バーロ~~』
    『なんとか なるもんだな』

涙が出るほどの大あくびをして、目をしぱしぱさせながらそう言い放ちます。
それにしても、真6弔花の内で彼が真っ先にボンゴレアジトに辿り着いたことは偶然なのでしょうか。
他の4人も「なんとかなる」のでしょうか。

獄寺:『野郎 ふざけやがって!!』
山本:『変な奴だな』

いきり立つ獄寺と、戦う気満々の山本がリングに炎を灯します。
その二人の前にスッと腕を出して制したのは、同じくリングに炎を灯したスクアーロでした。

スクアーロ:『てめーらじゃ役に立たねぇ』 『ユニをつれて さっさとここから去れ!!』
獄寺:『!!』
山本:『スクアーロ!!』

左手で剣を構えつつ、視線だけはザクロから放さずにそう告げたスクアーロに
ツナは戸惑い、『ええ!? 去れって……』 『でも… 一人で!?』 と声をかけますが

スクアーロ:『わかんねーのかぁ!!』
      『すでにお前らは』 『攻撃されてんだぞぉ!!』
山本・獄寺:『!!』

スクアーロの言葉を受けて目を凝らす獄寺と山本。
ザクロのマーレリングから放出された巨大な炎と、それを防ぐバリアーのように
スクアーロが放出している炎とが確認できます。

バジル:『目に見えない嵐の炎!!』 『スクアーロが 雨属性の鎮静の炎で相殺している!』
リボーン:『スクアーロがいなきゃ オレ達はとっくに灰だったな』 『さすがヴァリアークオリティーだ』

リボーンは冷静ですね。これもヴァリアークオリティーですか!
「目に見えない炎」ということは、これは感じ取っている描写ということでよいのかな?(←聞くな)

山本:『オレも残るぜスクアーロ!』
スクアーロ:『うぜぇ゛!!』
山本:『!?』
スクアーロ:『まだオレのことが わかってねぇーなぁ…!』

山本の申し出を一刀両断するスクアーロ。そして

スクアーロ:『そろそろ 一人でゆっくり 静かにひっそり』 『暴れてぇーんだぁ!!!』

ビキッと青筋を立てて叫ぶスクアーロに、呆気に取られる山本、ツナ、獄寺。
プッとふきだすリボーンは貴重だと思います。
それにしても、かなりフラストレーションが溜まっていたんでしょうか、スクアーロ。
静かにひっそり暴れるとはかなり難しそうですが、ヴァリアークオリティーで
なんとかなるのでしょう(笑)。

山本:『ハッハハ!!』 『そーいや そーだな♪』
獄寺:『サメは動き続けないと 死んじまうって言うしな』
リボーン:『今それカンケーねーぞ』
獄寺:『なっ』

獄寺には容赦ないですねリボーン先生。

山本:『いこーぜ ツナ!』 『スクアーロが大丈夫ってんなら大丈夫だ』
ツナ:『わ…わかった!!』 『じゃあみんな…アジトから出ようか…?』

スクアーロには絶対の信頼を置く山本の言葉を受け、アジトから出ることを決めたツナに従い、
入江とラルを運び出す役割を確認しつつ走り出すメンバーたち。
そんなツナたちに炎を放つザクロですが

ザクロ:『おおっと』
スクアーロ:『お゛ぉっと』

匣兵器の暴雨鮫を背後に従え、間に立ちふさがるスクアーロ。

ザクロ:『ちっ バーロー』 『いちいち じゃまするヤローだぜ』
ランボ:『シャケ?』
ハル:『サメです!!』

気の抜ける会話再びですね。5歳児のランボを小脇に抱え走るハルは
案外逞しいのかも知れません;

ツナ:『あっ』 『ユニ!?』

立ち止まり、背後を振り返っているユニに気付いたツナが声をかけますが、
それには答えず、スクアーロに向けて一所懸命にお礼の言葉を叫ぶユニ。

ユニ:『スクアーロさん!!』 『ありがとう!!』
スクアーロ:『……』 『さっさと行けぇ』

物言いはともかく、結果からみればツナたちが逃げる時間を稼ぐために
スクアーロは一人ザクロに立ち向かっているのですね。

ツナ:『ほら早く!!』
ユニ:『はい』

必死に手招きするツナと、それに従い踵を返したユニを見送りつつ
ザクロがスクアーロに話しかけます。

ザクロ:『わかってねーなーバーロー』 『お前はオレにゃあ 勝てねーんだぜ』
スクアーロ:『う゛ぉ゛おい 変わった遺言じゃねえか』

互いににらみ合う二人。

一方ツナたちは、廃工場の出入り口から脱出したようです。
そして、リボーンとラル、ユニはジャンニーニから新しく貰った
非7^3線(ノン・トゥリニセッテ)対策カバーのお陰で、7^3線の影響を
受けずに済んでいるようです。

ジャンニーニ:『幸いなことに メローネ基地がなくなってから かなり非7^3線は弱まっています』
       『このレベルなら その対策カバーで99%近く 遮断できるはずです』
ツナ:『と…とりあえずよかった…』 『これなら リボーン達も町を移動できるね』

三人のおしゃぶりがカバーで覆われていることから、7^3線の影響を受けるのは
主におしゃぶりのようですね。そしておしゃぶりの受けた影響が、
アルコバレーノの体へと反映されるということでしょうか。
あれ?だとしたら、リボーンのあのスーツはなんだったのでしょう;

リボーン:『だが アジトに戻るのは危険だし 町にはすでに何人かの真6弔花がいると考えた方がいい』
     『どーやって ユニを守るんだ ツナ』
ツナ:『えっ』 『どっ どーやってって…!!』

ギクッとするツナ。この家庭教師は、常にツナに考えさせようとさせていますね。
すべてをツナに丸投げしているように見えるだなんて思ってませんよ?

ツナ:『こ…この場合…とにかく…ユニを安全な所に隠さなきゃいけないんじゃ…』
ビアンキ:『正解だわ』
ツナ:『で…でも そんな場所……』 『…あ! オレん家とか…?』
入江:『君達の自宅や黒曜ランドはもう ミルフィオーレのリストにのってる』 『危険すぎるよ』
ツナ:『やっぱりー』

頭を抱えるツナに対し、電球が輝く「ひらめいた!」という表現を使われた獄寺が
『でしたら ヴァリアー戦の時使った』 『中山外科医院はどースか!?』 と進言します。が。

入江:『あの病院は 2年前にとりこわされて』 『今は 駐車場になってるんだ…』
ツナ:『え――!!もうないのー!?』

ガーンとショックを受けるツナと獄寺。
と、

ハル:『あっ』 『でしたら ハルにいい考えがあります!!』

ぽんと手を打ち、突然発言したハル。

ハル:『ハルの知り合いに 不動産屋のおばあちゃんがいるんです!』
   『「隠れ家」にいい物件があるから 家出する時は言ってね!ってよく言われてました!!』
ツナ:『不動産屋―――!?』 (なんか…ノリが庶民的―――!?)

笑顔で告げるハルに、よく分からないツッコミのツナ(ぉ)。

リボーン:『案外盲点でいいかもしんねーな』
ツナ:『いいのかよ!!』

リボーンのお墨付きを貰い、ヤッター♪と喜ぶ京子とハルが可愛いですが、
緊張感0ですね;

ツナ:『じゃ…じゃあ…みんなで…その………』 『不動産屋へ行こうか……』

よく分からない話の流れに敢えて逆らわず、そのまま流されていこうとするツナに
ビアンキが待ったをかけます。

ビアンキ:『でも この人数で移動しては目立つわ』 『何グループかに別れた方が…』

ビアンキの言葉が終わらないうちに、ゴンゴンゴンゴンと鳴り響く音。
そして、ゴゴゴゴという音と共に震える地面。

『地響き?』
『これって…』
『アジトの出口からです!!』
『伏せろ!!』

一斉に地面に伏せるツナたちの背後で、脱出時に使用した小屋が大爆発を起こします。
爆風の中、状況が分からず戸惑うツナたち。

ツナ:『ひいぃ!!どーいうことー!?』 『アジトが爆発でもしてるの?』
獄寺:『あいつら どんな戦い方をしてやがんだ!』 『なにが ゆっくり静かに戦いてえだ!!』

悪態を吐く獄寺ですが、不意にツナのヘッドホンから『うお゛ぉ゛い!!』という
声が聞こえます。

山本:『!』
ツナ:『スクアーロの声だ!』
スクアーロ:『ハァ…』 『ゼェ…』 『思ったより早くケリがつく…』

右手で左腕を押さえながら、荒い息でそう告げるスクアーロの言葉に
ハッとする山本・ツナ・獄寺。

スクアーロ:『ユニを連れて アジトから少しでも遠くへ…』 『逃げろぉ…』

そこには、左腕の肘から先、義手部分をもぎ取られ、口から血を流し片膝をついている
スクアーロの姿がありました。
その後ろには、傷だらけになった暴雨鮫が仰向けに転がり、
前には、義手に括り付けられている剣が地面に突き刺さっています。

スクアーロ:『この…』

睨みつけるスクアーロを、見下すような目で見るザクロ。

スクアーロ:『クソがぁ!!』

次の瞬間、ドドドォッという爆音を轟かせ、廃工場のあちこちから炎が噴き出します。

ジャンニーニ:『炎が上がってるのは全て ボンゴレアジトにつながっている通気口です!!』
       『やはり内部で大きな爆発が起こっているとしか…』
ツナ:『逃げろって…まさかスクアーロ…!』
山本:『……』 『やっぱ オレ…戻るぜ!』

青褪めるツナに、そう告げる山本ですが

リボーン:『バカ武め』

リボーンにビンタを喰らいます。
「バカツナ」以外にバカを付けて名前を呼ぶことは珍しい気がします。
そういえば獄寺は、あまり下の名前で呼ばれませんね。

リボーン:『スクアーロの稼いだ時間を 無駄にする気か』
山本:『……小僧…』
ツナ:『リボーン……』

その言葉に、ツナは次の行動を決めたようです。

ツナ:『ハ…ハル!!』 『その不動産屋は どこにあるんだ!?』
ハル:『5丁目なので このすぐ近くです!!』 『先の商店街を 右に曲がった所に!!』
ビアンキ:『グズグズしてられないわ!!』 『行きましょう!!』
ツナ:『わ…わかった!!』 『走ろう!!』

駆け出した一同の背後では、ドドドオとより激しい炎が立ち上ります。
この分だと延焼しそうですので、10年後の消火技術に期待したいです。

必死に走るツナたちですが、暫く経ったときにボウッと音を立てて
遥か後ろの廃工場から、炎を放出しつつ何かが飛び出します。

ツナ:『ひいいっ』 『なんか飛んだ!!』
ハル:『こっちです!』 『右に曲がった所にある 川平不動産です!!』

全員を誘導するように叫ぶハルの言葉にハッとするツナ。

ツナ:(カワヒラ…? どっかで聞いたことあるような…)

イーピンがよく言っていた「川平のおじさん」と同じ名前ですね。
それを暗示するかのように、イーピンの走る姿が描写されています。

ハル:『ありました!』 『ここです!』

おばあちゃんが一人でがんばっている不動産屋さんは、凄くレトロな感じのするお店でした。
お店の扉を開けようとしたハルですが、どうやら鍵がかかっているらしく、
ドンドンと扉を叩きます。

ハル:『開けて下さい!!』 『おばあちゃん!! ハルです!!』

しかし、その呼びかけに応える気配はありません。
し~んとした静寂に『つぶれちゃったんじゃないの…?』 という声すら聞こえます。

ハル:『そんな!!』 『おばあちゃん!!』

諦めず、ドンドンと扉を叩き続けるハルですが、いきなりガラッと引き戸が引かれ
『はひっ』 と声を上げて店の中へと倒れこんでしまいます。

『おっと』 『ラーメン危ない』
ハル:『きゃ』
京子:『ハルちゃん!!』

ラーメン鉢を持ったまま、ハルをかわした人物のせいで
盛大に転ぶハルとそれを心配する京子。

ハル:『はへ~~~』
京子:『大丈夫?』

目を回しているハルに、内側から扉を開けた人物は話しかけます。

『スマンけど』 『君の言ってたおばーちゃんは3年前に』 『ポックリ逝ったよう』
ツナ:『え!?』

驚くツナに、ハフハフとラーメンを冷ましながら

『ああでも』 『超ハッピーにポックリ逝きやがったから』 『同情はいらないけどねえ』

と言葉を続けた人物の持つラーメン鉢には、楽々軒の文字がありました。

ツナ:『そ……そんなー!!』 『頼みの綱が 死んじゃったなんて!!』
ハル:『ど~しましょ――!!』

パニック状態になり、青褪めながら叫ぶツナとハルですが、
ラーメン鉢を持ったその人物はチュルルとラーメンを食べながら更に続けます。

『何をボンヤリつったってんの君達』
『早く入んなさい』 『追われてるんでしょう?』

眼鏡をかけ、少しボサボサな頭をしつつラーメン鉢は手放さないその男性が
山盛りのラーメンをすすりながら口にした意外な言葉に驚くツナたち。

京子・ハル:『え?』
ツナ:『なぜそのことを?』
男:『ほらほら』 『真6弔花は おじさんが何とかするから』
ツナ:『なっ!?』
男:『ささ早く』

獄寺だけは胡散臭そうな目で見ていますが、驚きを隠せないツナたちを促す謎の男の眼鏡のアップで以下次号!!

意外な人物の登場に、拙管理人も驚きを隠せません。
書生を思わせる出で立ちで、たすきをかけ「川平」の名前入りの印籠をぶら下げている人物は
やはり10年後イーピンのアルバイト先である楽々軒の常連である、"川平のおじさん"でしょうか。
思ったよりも若いですね。自分の事を「おじさん」と呼ぶところに惹かれました(笑)。
右手中指にも指輪があることから、マフィアの闘争にも無関係ではなさそうです。
しかし、真6弔花の存在やツナたちのこと、そしてツナたちが今置かれている状況を把握している程、
深く関わっているとは思いませんでした。

どうでもよいですが、現在入れ替わり中のイーピンの代わりに、
一体誰がラーメンを配達したのでしょう?(本当にどうでもよい)

今回ザクロ相手にピンチに陥ったスクアーロですが、
「いい感じに挑む」→「結構ボコボコにされる」という流れが
なんだかミルフィオーレのアジトでの白蘭VS骸を彷彿させます;

また、6割完成しており、コレクションルームなども完備していたボンゴレアジトが
ほぼ壊滅という状況はあまりに気の毒なので、白蘭を倒して未来が修正された暁には
ボンゴレアジトも元通りになってるとよいなと思います。

ますます先が読めない展開となってきましたが、
この分だとその内トマゾファミリーも登場したりするのでしょうか。

なにはともあれ、次回も楽しみです!
# 次回の更新は、諸事情により27日の夜以降になります。

WJ42号 KHR 標的257『並盛』

2009-09-12 15:08:53 | 雑誌[J]
トンファーを手に立つヒバリと、背中合わせに立つ鞭を持ったディーノが表紙の今号。
その後ろには匣兵器の天馬とボンゴレ匣Ver.のバリネズミとが控えていますが、
バリネズミはこんなに体がふわふわだったんですね。背負っているものの凶悪さはさておき、可愛いです。

さて本編。

並盛町上空に出現した転送システムから光が放たれ、
ボンゴレの基地ユニットが並盛神社境内へと到着します。
前号のラストにあったとおり、ツナたちは森へと落ちたようです。

ツナ:『いつつ』 『や…やった!!』 『並盛に…転送(ワープ)できたぞ!!』

逆さ吊りのまま感想だけ述べた後、ドサッと地面に頭から落下するツナ。

ツナ:『で!!』
獄寺:『10代目!!大丈夫っスか!?』
ツナ:『う…』

思わず呻くツナですが、宙吊りの彼を下から見上げていた獄寺もバジルも、
この危険な着地方法を見ているだけで、受け止めることすらしませんでしたね;
ツナの頭は石頭という、間違った信頼があるのでしょうか。

『そうだ!!基地ユニットの中の みんなは!?』と見上げるツナの視線の先にある
ボンゴレ基地ユニット内では、正座したユニがランボに膝を踏まれていました。

ユニ:『ふんじゃってごめんなさい』
ランボ:『今度はランボさんがふんじゃうもんね!!』

ほのぼのしたユニと、目が釣りあがっているランボとの会話は和みます。

スパナ:『大丈夫か?正一』
入江:『ああ…』 『それよりユニさん』
ユニ:『?』
入江:『あの 超炎リング転送システムは』 『他にもあるのかい?』
ユニ:『いえ』 『たしか あれ1つです』
入江:『よしいいぞ!! すぐに転送システムを破壊するんだ!!』 『そうすれば 敵は追ってこれないはずだ!!』

変わらず寝かされたままの入江ですが、なぜか眼鏡のダメージが減っている気がします(笑)。

獄寺:『でしたら10代目!!オレにまかせてください』
ツナ:『獄寺君!』

入江の言葉を受け、リングに炎を灯した獄寺は、何故か真っ先に瓜を出し、
次に匣兵器、赤炎の矢(フレイムアロー)を出します。

獄寺:『炎が吸収されるんなら 新兵器の実弾を使います!!』

赤炎の矢に、特殊な弾を込める獄寺。
肩にちょこんと乗っている、気が抜けたような表情の瓜が可愛いです。

獄寺:『ターゲットロック!!』 『果てろ』 『赤炎の弾(フレイムミサイル)!!』

コンタクトを使って照準を合わせた獄寺が発射した弾が命中し、
転送システムの一部が破壊されます。

ツナ:『すごい 当たったよ!!』
獄寺:『マ…マグレッス♪』

ど真ん中ではないとはいえ、とりあえず当たったことを褒めるツナも結構酷いと思いますが、
謙遜とはいえマグレを主張する獄寺もどうかと思うなんて、言ってませんよ言ってません。
緊張感のない一コマですね。

黒煙をあげて墜落していく転送システム。

ジャンニーニ:『民家のない山へ落ちます』
リボーン:『これで時間が稼げたな』
ツナ:『よかったー』

ふーっと一息つくツナたちと、ほっと顔を綻ばせるユニとビアンキ。
もの凄くいい笑顔をしたジャンニーニが疑問を投げかけます。

ジャンニーニ:『これで一安心ですね~~』 『…ところで 我々は今までどこにいたんでしょう?』

ボンゴレ基地ユニットには、位置確認機能は付いていなかったんでしょうか。

ユニ:『チョイスが行われていたのは』 『無人島です』
ツナ:『え!?』 『島?』
ユニ:『白蘭は 誰にも発見されてない無人島を改造して アジトの一つにしたんです』
  :『日本(ここ)からは ずっと遠くにあります』
ツナ:『まだ見つかってない島があったなんて…』
バジル:『恐らく 白蘭の能力を使ったんでしょう』

基地ユニット内外で会話を続けるツナたちですが、突然転送システムが
ジジジジジと音を立て始めます。
そして、光を放った後、パッとその姿を消します。

ツナ:『き!』 『消えた!!』
獄寺:『どーいうことだ!?』
ディーノ:『白蘭の元へ戻ったな』 『破壊できていなかったのか…』

ディーノの方を振り向きつつ声を荒げる獄寺。お門違いとか言っちゃダメですね。
でも、破壊できていなかったとは…あまりに可哀想な獄寺の活躍のなさっぷりに
涙を禁じえません。

リボーン:『マズイな』 『またすぐに敵を乗せて 戻って来るかもしんねーぞ』
ツナ:『そんなっ』 『すぐ来ちゃうのー!?』
リボーン:『あまり時間はねえ』 『どーするか決めろツナ』
ツナ:『そんなこと言われても!!』

冷静なリボーンに対して、ツナは頭を抱えて叫ぶだけなのが少し残念な気がします。
パニックになる気持ちも分からなくはないですが。

と、不意に『みなさーん!!』という声が響きます。

草壁:『無事に帰ったということは』 『勝ったのですね!!』
ツナ:『地面から草壁さん――!?』

地面からいきなり、ぐっと親指を立てイイ笑顔で登場したのは草壁でした。
にょきっと生えてきた彼は、いつでも葉っぱを咥えることは忘れないのですね。

ツナ:『あっ』 『そっか!!』 『神社の地下って ヒバリさんのアジトだった!!』
草壁:『祝杯をあげましょう!』

よっこらせという感じで地面へと上がってきた草壁に、青褪めた顔で状況を説明するツナ。

ツナ:『いや……今それどころじゃないんです!!』 『ヤバイ敵が追ってきてて!!』
草壁:『てっ敵!?』
草壁:『事情はわかりませんが ひとまず 地下のボンゴレアジトに戻られてはいかがでしょう』
   『ここからもアジトへつながっています!!』
ツナ:『そっそうだ!!』 『ボンゴレアジトなら安全だ!!』

10年の年の差は差し引いても、草壁がツナの右腕でよい気がしてきました;
周囲との調整役もこなし、的確な進言もできるとは、ヒバリはよい部下を持っていますね。

とピシャッという閃光とともに再び姿を現す転送システム。
相変わらず黒煙をあげているものの、その機能はしっかり稼動しているようです。

獄寺:『転送システムが戻ってきやがった!!』
ツナ:『ええ――!!もお――!?』

ツナたちが見守る中、ドシュッという音を立てて四方八方に飛び散る塊。

山本:『四方に何か散ったぜ!』
ツナ:『来た―――!!!』

頭を抱えて叫ぶツナですが、次の瞬間ドォンという音と共に転送システムが空中分解を起こします。

バジル:『転送システムは 壊れる寸前だったんだ! だから 着地に失敗して 四方に散ったのかも』
リボーン:『どっちみち 奴らは来たぞ』
ツナ:『ヤバイよ!!』 『どーしよー!!?』

青褪めるツナですが、急にヒバリがバッと身を翻し、駆け出します。

草壁:『恭さん!!』 『どちらへ!!』
ヒバリ:『一つ並中の方に落ちた』 『見てくる』

涼しい顔でそう告げるヒバリに、(この人 あくまで学校が一番なのね――!!)と
真っ白になるツナと獄寺と山本が楽しいです。

草壁:『私も行きます!!』
ディーノ:『恭弥っ』 『オレも行くぜ!!』
ツナ:『なっ』 『ディーノさんも!?』

続いて走り出す草壁とディーノに、ツナも焦りますが、

ディーノ:『どのみち戦う相手だ』 『分散している方が倒しやすい』

ディーノはこの場を後にすることを決めてしまっているようです。

ツナ:『ディーノさん!!』 『あの…オレは…どうしたら!?』
ディーノ:『お前はまず ユニを安全なアジトへつれていけ!!』

あくまでツナの自主性を重んじる家庭教師と異なり、兄弟子は
パニックに陥っている弟弟子へとアドバイスを送りましたね。
これは、常に同級生が傍に居るツナと違い、大人に囲まれて育ったディーノだからこそでしょうか。

ディーノ:『……そして あの感じじゃ 必ず白蘭もくる』
     『ここをうまく凌げば奴を倒すチャンスも きっとあるぜ』
ツナ:『え!!』

その言葉に青褪め、ドキンとするツナ。白蘭と闘うことの恐ろしさを感じているのでしょうか?
ディーノの言う「ここを凌ぐ」というのがどういう意味かが分かりません。
白蘭が追ってくるのは確定事項として、今は闘うなということでしょうか?
とりあえず策を練る必要があると暗に言っているのかとも思いますが、
それはつまり、今は勝ち目はないということなのかな…。

ディーノ:『だがまずは ユニの安全の確保だ!!』 『後で 会おうな!!』

そう言って、再び走り出すディーノですが、目の前の階段で早速足を踏み外します。

ツナ:『あっ』
ディーノ:『ぐっ』 『がっ』 『つっ』 『ぐへっ』

長い長い長い階段を、駆け下りる草壁を追い抜きつつ転がり落ちたディーノは、
便を持ったロマーリオの足元に頭から着地します。
ヒバリはもう姿が見えませんね。流石です。

ツナ:『ディーノさん!?』
山本:『相変わらず 部下の前じゃねーと シマんねーのな』
獄寺:『超ダセー…』

この三人の反応もいつもどおりですね。

ロマーリオ:『なんだボス 戻ってたのかよ』
ディーノ:『……ロマーリオ…』

草壁と飲む酒買ってたんだ、というロマーリオの反応もいつもどおりです(笑)。
落ちた姿勢のままプルプルしていたディーノですが、部下の姿を目にした途端、
ばっと身を起こし鼻血を拭って…鼻血出してたんですね;
顔が泥だらけですが、流石は頼りになるキャバッローネ10代目ボスです。

ディーノ:『こーしちゃいられねー』 『並中へ行くぞ ついてこい!!』
ロマーリオ:『ういっ』

再び駆け出すディーノと、酒抱えたまま彼に続き走り出すロマーリオ。
ロマーリオは、10年経っても若いですね。マフィアは体が資本なのでしょうか。

ツナ:『オ……オレ達も急いで』 『ユニを 地下のボンゴレアジトへつれていこうか……』

ディーノたちを見送ったツナがそう言うのを見ている獄寺と山本が妙に印象的です。

獄寺:『了解っス』
山本:『オッケ』
リボーン:『奴らへの対策は アジトで練ればいいしな』
ツナ:『う…うん』 『ラルにも状況を伝えなきゃ…』
スクアーロ:『通信室をかせ!!』 『クソボスに報告して救援を頼む』

それぞれやるべきことを確認し、ボンゴレの地下アジトへと移動したツナたちは
とりあえず落ち着いた様子を見せます。
入江は、真っ先に医務室にでも運んだのでしょうか?

ツナ:『ここまでくれば安心だよ!』
ジャンニーニ:『我々のアジトは 敵から発見されにくいですし
       万が一発見されても 堅牢なセキュリティで簡単には侵入できませんからね』

リボーン:『自分家だと思ってくつろいでいいからな』
ユニ:『すみません……』 『みなさんに迷惑をかけます…』

すまなそうに伏目がちになったユニですが、

ツナ:『そっ』 『そんなこと気にしなくても……』
ハル:『そーです!!女の敵は私達の敵です!!』
京子:『うん!』

クロームに抱きかかえられたイーピンにまで励まされ
『ありがとうございます』と眩しいほどの笑顔を見せます。

ビアンキ:『とりあえず みんな 着替えたらどうかしら?ずっと正装では肩が凝るわ』
ツナ:『そ…そうだね』
ビアンキ:『ユニの服も探しましょうね』
ユニ:『はい!』

場面変わり、通信室では、スクアーロがルッスーリアと会話をしていました。
なかなかに行動が早いですね。

スクアーロ:『そぉだぁ!!』 『腕の立つ奴を すぐに日本へ送れぇ!!』
ルッス:『そんなこと 急に言われても―――ん』

小指を立てたままのルッスーリアの反応がいまいちなことに苛立つスクアーロ。

スクアーロ:『敵の主力が この並盛に集まって来てんだぞぉ!!』
ルッスーリア:『それはとってもソソる話だけど――』
       『ヴァリアーは今 各地で行われた ミルフィオーレとの戦いの後始末やら残党狩りで てんてこまいなのよ』
スクアーロ:『んなの後回しにしろぉ!!』 『フランはどーした!!』 『奴の幻術は必要だぁ!!』
ルッスーリア:『フラン…?え――っと』 『あの子たしか 女の所へ行くっていってたわねぇ』
スクアーロ:『女だぁ!?』

ルッスーリアの言葉に激昂するスクアーロが面白いです。
それにしても、ボンゴレにはヴァリアー以外の特殊部隊や暗殺部隊はいないのでしょうか。

ルッスーリア:『名前はなんて言ったかしら』 『たしか ダブリューダ…』

「W」が2回続く言葉から、もしかしてと思い当たるのは「M.M」です。
もしかして彼女なのでしょうか。だとすれば、やはりフランは骸と繋がりがあるのかと
わくわくしてしまいます。

スクアーロ:『あんのクソガキィ』
ルッスーリア:『ん…』
スクアーロ:『いいから つれてこぉい!!』
ルッスーリア:『あら?』

作戦隊長の言うことなど少しも聞きゃしないルッスーリアと、
フランに怒り心頭のスクアーロとの会話は、いきなりの通信回線の不調から
突然途切れてしまいます。

スクアーロ:『うお゛おい!ルッスどおしたぁ!?』

映像も音声もブツッと切断されたモニターに向かい、叫ぶスクアーロ。
同時刻、ランボとイーピンを交えた女性陣が着替えをしていましたが
突然警報が鳴り響き、通信室のモニターに『EMERGENCY』 と表示されます。

動きの止まるユニたち。別の部屋で私服に着替えていたツナ、獄寺、山本も
ヴーッという音が鳴り響く中、『何だ!?』 と驚いています。

そして、ドオンという音に続き、ドドオッという爆音が響き渡ります。
柱の間から白煙が噴き出すアジトの一角。壁に亀裂が入った場所もあります。

京子:『ツナ君!!』
ビアンキ:『何なの?』
ツナ:『わからないよ!!』

ただならぬ状況に、全員が部屋から飛び出し廊下で一堂に会します。
そして通信室からスクアーロも合流します。

スクアーロ:『うお゛ぉいっ!!何事だぁ!!』
ツナ:『スクアーロ!』

と、スクアーロの背後でドウッという音を立て、壁が破壊されます。

スクアーロ:『!!』
ツナ:『あっ』

目を見開き振り向いたスクアーロ、顔を庇うように腕を上げたツナ、獄寺が見たものは、
破壊された壁の前、炎に包まれながら一際激しい炎を右手のリングに灯した人影。
絶望的な顔のユニの見る先、無言で立つザクロらしき男の姿で以下次号!!

ユニの着替えだけが終わらないまま、早々とアジトへ侵入を果たしたばかりか
ユニの元へと辿り着いた真6弔花。
ジャンニーニの言った「セキュリティ」を問い質したい気持ちでいっぱいです。
ルッスーリアとの通信が切れたのも、敵の侵入に因るものだったのでしょう。
となると、通信システムや破壊されたであろうその他のシステムの復旧が急がれますね。

休む暇どころか、ユニや骸から情報を聞き出す間もなく追いつかれましたが、
これは仕方ない気がします。
ボンゴレアジトなら安心と慢心している感は拭えませんでしたし、
あまりに緊張感がなさ過ぎて違和感を感じるほどでしたので。
ただ、これが幻覚なら面白いのにとも思いました。

畳み掛けるような展開で、次がどうなるのかが全く予測できない状態ですが
次回への期待が膨らみ、楽しいです。
暫くは、ヒバリとは別行動のまま話は進みそうですね。
このままだと結局ヒバリのスーツ姿は見れないままっぽいのが残念です。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

WJ41号 KHR 標的256『欲望』

2009-09-05 23:51:51 | 雑誌[J]
ボンゴレユニットの前のツナとクロームより一歩前に出た鞭を構えたディーノ。
さらにその前に立ち、三叉槍を手に迫り来る白蘭を迎え撃つ骸からスタートの今号。
カッコよい構図です。

ツナ:『む』 『骸―――!!?』
クローム:『骸様の…』 『有幻覚…』
ツナ:『あれが!?』

いきなりの骸の登場に驚き叫ぶツナに対し、クロームも驚きつつ嬉しかったのでしょう、
頬を染めたままツナの疑問に答えます。

白蘭:『あれれ?』

言いながら、リングに炎を灯した白蘭は、勢いそのままに骸へと突っ込みます。
それを三叉槍で受け止めた骸は、『クフフフ』 と笑いながら目の数字が一へと変わり
地獄道が発動します。踏み込んで骸への一発を繰り出している白蘭の足元に地割れが起り、
激しい火柱と、それに絡みつくようない巨大な蓮の花と蔓とが出現します。

ツナ:『ひいい』 『スゲ―――!!』

強烈な幻術に、思わず腰を抜かして叫ぶツナ。一方の骸は、穏やかな笑みを浮かべつつ

骸:『お久しぶりです 沢田綱吉』

と冷静です。10年前のツナたちがタイムトラベルして来ているという情報を
ヴァリアーに流したのは骸ですから当然かもしれませんが。
リング争奪戦のときもそうでしたが、彼はツナに対しては
「お久しぶりです」の挨拶を欠かさないですね(笑)。

ツナ:『か…髪が伸びてる!!』 『10年後の骸!?』
   『でも…ケガとか大丈夫なの?』

驚いた直後に骸の心配をするのが、なんともツナらしいですね。

白蘭:『綱吉クンの言う通りだよ』 『骸クン』
クローム:『!』
ツナ:『ひっ』
ディーノ:『効いてない!』

炎の柱の中に居て、それに飲み込まれることもなくそこに佇む白蘭。
グロ・キシニアと同様、どうやら骸の強力な幻覚を打ち破っているようです。
火柱の中と外で穏やかに会話をする二人は、互いに余裕を感じさせますね。

白蘭:『僕の部下に憑依した君は あの時 精神ごと消したはずなんだけどな』
   『少なくとも こんな幻覚は もう つくれないほどにね』
骸:『クフフフフ』 『たしかに あなたの策略にはまり
   密閉された 空間に閉じ込められた時は もうダメかと思いましたよ』
  『一人でしたらね』
白蘭:『ん』 『あっ』
   『そっか――』 『お仲間に 外から穴を開けてもらったのね』

見下すような視線で、笑みを浮かべながらそう言う白蘭に、骸も笑みを浮かべたまま答えます。

骸:『アレは僕の仲間というには』 『出来の悪すぎる 子供ですが』

骸が、仲間というものを認めた発言を自らしたことが嬉しかったです。
クロームにも心当たりのない"子供"とは、もしかしてみー君でしょうか?
黒曜編のラストに出てきた男の子は、クロームと違い、ランチアと同じように憑依されている間
記憶がないのだと思っていました。
仮にそうだとしても、骸は複数人に憑依することが可能ですので、問題はないですが。
…あれ?憑依弾なくても憑依できるのだったかな?

同じ幻術使いのフランが師匠の存在を匂わせていたので、骸が彼の師匠で
穴を開けて骸を助けたというも面白いと思います。が、もしフランが勝手に
ミルフィオーレに潜入していたら、他のヴァリアーメンバーが黙ってはいないでしょうね;

骸:『どちらにせよ あなたにもらったダメージは とても大きかったですよ』
  『つい先刻まで こんなことは できなかったほどにね』

直後、白蘭を直撃するように八方から吹き出る火柱。そして、白蘭自身を
ギュルルルと蔓のようなものが巻きつき、拘束します。

ツナ:『ひゃあ!!』
白蘭:『ハハハ』 『ダメダメ骸君』
骸:『!』
白蘭:『これじゃ 僕に勝てないよ』

余裕の笑みを崩さない白蘭ですが、次の瞬間には冷酷な眼差しを骸へと向けます。

白蘭:『いくら本物に近い幻覚とは言っても 所詮君は ニセの作り物だ』
   『僕に勝ちたいんなら 少なくとも』
   『復讐者(ヴィンディチェ)の牢獄から抜け出して』 『君自身の肉体で戦わないとね』

復讐者の牢獄、最下層に囚われている骸のイメージは、かなり痛々しいものですね。
手には傷を手当てしたかのような形跡も見えますし、髪も10年間ずっと伸ばしっぱなしという
訳ではなさそうですが、たまには水牢から出されることもあるのでしょうか。
その際、骸自身の意識があるか否かはさておき…ですが。

白蘭のその言葉を、無言で聞いているヒバリ。辛そうな顔のクローム。
そして、ツナも青褪めています。

ツナ:(本当に骸は… 10年間ずっと復讐者(ヴィンディチェ)の牢獄に…)

ですがそんな彼らを余所に、何故か骸は余裕です。

骸:『クフフフ ご心配なく』 『僕が自らの手で 直接あなたを倒す日も遠くはない』
クローム:『!!』
ツナ:『!!』
白蘭:『ん!?』

静かに宣言した骸の言葉に反応するクロームたち。
骸は穏やかに続けます。

骸:『我々は すでに動き出している』 『…とだけ 言っておきましょう』
ツナ(我々…!?)

骸の言う我々とは、先に出てきた「出来の悪い子供」はもちろん含まれているとして、
やはり千種・犬のことでしょうか。他にも協力者がいたら面白いですね。
そして、グイド・グレコの安否も気遣われます。

骸:『それに 今この場では足止めさえできれば』 『僕の勝ちですよ』
ツナ:『!』
骸:『さあ 大空のアルコバレーノを並盛町へ連れて行くのです』 『沢田綱吉』
ツナ:『骸…!』

笑みを浮かべ白蘭と対峙したまま、背中でそう告げる骸に思わず叫ぶツナ。
ですが、ディーノが『ツナ』 『ここは 骸にまかせた方がよさそうだ』 と行動を促します。
『でも…』 『骸様!』 と心配そうに叫ぶクロームの姿を見たツナは、
暫く無言の後、意を決したように骸へ呼びかけます。

ツナ:『骸!!』 『また会えるのか!?』
骸:『当然です』 『僕以外の人間に 世界を取られるのは 面白くありませんからね』

ツナの方へと顔を若干向け、蓮の花をバックにクフフと笑いながらそう告げた骸ですが、
かつてないほど綺麗な笑顔で驚きました。
そして、そんな彼を白蘭は冷たい目で見つめます。

骸:『いいですか?』 『沢田綱吉』
  『絶対に 大空のアルコバレーノ ユニを』 『白蘭に 渡してはいけない』

ツナへと視線をやりながら忠告をする骸の顎がもの凄く尖ってて驚いたなんて
言ってませんよ言ってません。
なまじ、今までかなり綺麗な顔で描かれていた分、違和感がありました;

白蘭:『黙って♪』
骸:『ぐっ』
クローム:『いや!!』
ツナ:『あ!!』

左手を伸ばし、骸の体へと突きたてる白蘭。
その攻撃が体を貫通し、思わず呻き声をあげた骸に、クロームとツナも青褪めますが

骸:『……さあ早く 転送システムに炎を』

サァアアと後頭部から姿が霧散していきながらも、骸はツナを促します。
一人10年後の存在だからかもしれませんが、なんだか彼が一番頼りになる
守護者らしい気がしてきました。

ツナ:『わ…わかった……』 『クローム!み…みんな!!』

ツナに続いて、獄寺、山本、バジル、了平、クローム、ディーノが
リングに灯した炎が、ボンゴレ基地もろとも彼らを包み込み、
そして転送装置へと一気に集約されます。
光り輝き、作動する転送装置。その姿がフッと消えるのを見送る白蘭と骸は、
先程までと同じく、地上で対峙したままです。

白蘭:『うまく逃がしたつもりだろうけど 意味ないな 骸クン』
   『綱吉クン達の寿命は ほんのちょっと伸びただけだよ』

徐々にその形を失っていく骸に対する白蘭の言葉に、骸もまた穏やかに応えます。

骸:『僕はボンゴレファミリーを助けたかったわけじゃありませんよ』
白蘭:『ん?』
骸:『大空のアルコバレーノが あなたの手に渡らなければ』 『充分です』

口元のみですが、笑みを浮かべて勝ち誇ったような口調でそう告げる骸。
それを冷酷な目で見る白蘭。

白蘭:『わかってるような口ぶりだね』
骸:『クフフ』
白蘭:『まっいいや』

目を閉じ、静かに笑うだけの骸に、これ以上何を問うても無駄だと悟ったのでしょうか。
一転、笑顔で白蘭は話を打ち切ります。

白蘭:『ユニちゃんは どんな手を使っても手にいれるから』 『君の嫌いな マフィアらしいやり方でね』

コオオオと大空のマーレリングが光った次の瞬間、ボンッと音を立て
形作っていた霧が中心から一気に爆発したように、骸の姿が掻き消えます。

白蘭:『バイバイ』

未だ微かに漂う霧に向こう、消えた骸に別れの挨拶をする白蘭のところに、
真・6弔花が空から集まります。

桔梗:『白蘭様 お怪我は!?』
白蘭:『ないない』 『ちょっと口寂しいけどね』
桔梗:『申し訳ありません!!我々がついていながらユニ様を……』
白蘭:『いやー あの娘には してやられたよね』

タタンと着地し、片膝をつく桔梗たちに、白蘭がちょっとぼやいているのが面白いです。

白蘭:『こんなことなら 素直にチョイスの再戦うけときゃよかったかなー』
   『といっても ユニちゃんは断るの予知(みとお)してやってんだろーし ムリか』

γの回想時にも語られていましたが、やはりユニは予知の力を持っているのですね。
しかし、その能力の及ぶ範囲(逆に言えば制限)や、予知以外の力についてもまだ謎が
残っていると思うので、今後彼女の掘り下げも楽しみです。

一人反省し、一人で納得する白蘭の傍にきたのは、お菓子の袋を持ったブルーベル。

ブルーベル:『びゃくらんなんかブゥーだ!!』
白蘭:『ん?』
ブルーベル:『なんで ユニなんて人形娘に振り回されてんの!?』
      『殺しちゃえばいいのに――!!』

まさしく子供のように叫ぶブルーベルに、白蘭は笑顔で応えます。

白蘭:『やだなーブルーベル ユニちゃんを殺すなんて』

にっこり笑ったまま、ピッと手を動かした白蘭は、動けずにいるブルーベルの首に
自分の右手を当て、指をクニ…と食い込ませます。
まるで、少しでも力を入れればそのまま首をはねることができると脅しているかのようです。

白蘭:『次 言ったら』 『殺す』

笑みを消し、冷酷な顔でそう告げる白蘭に、驚き尻餅をつくブルーベル。
すぐ傍に控えていた桔梗にすがり付いたブルーベルを腕で抱え込む桔梗は、
さすが真・6弔花のリーダーですね。

桔梗:『失礼しました 白蘭様』
   『できれば我々にも ユニ様を追う理由を お教え願えないでしょうか?』
白蘭:『………』 『言ってなかったかい?』

白蘭は、ここ以外のほとんど全てのパラレルワールドで 7^3をコンプリートしているが
どの世界で集めた7^3も、新しい世界の創造主にしてくれるほどの偉大な力は発揮していないのだそうです。

白蘭の言葉に、静かに聞き入る桔梗とザクロ。
彼らは、古い知り合いだったりするのでしょうか。

白蘭:だが それがなぜなのか 今日見た 目の眩むような おしゃぶりの輝きで 確信したよ
   7^3(トゥリニセッテ)を覚醒させるために必要なのは 魂をともなったユニだ

7^3の運用に、特別な権限の与えられているという大空のアルコバレーノ。
その存在のみが、アルコバレーノのおしゃぶり・ボンゴレリング・マーレリングの
すべての力を引き出すことができるのでしょうか。
また、「魂をともなったユニ」ということは、他のパラレルワールドでも
ユニを利用し、彼女の魂を破壊してきたのでしょうか?
一瞬、そもそもボンゴレリングの存在しない世界だとどうなるのかと思いましたが、
世界創世の原点が7^3とするならば、あり得ない話ですね。

白蘭:『彼女を手に入れ 7^3のナゾがとければ この世界だけじゃない』
   『全パラレルワールドの扉は開かれ』 『僕は 超時空の創造主になれるんだ』

白蘭は、7^3の謎を解いてはいないのですね!そこに驚きました。
それでも、7^3の謎が解けた場合の結果の予測ができていることにも驚きました。
何故そう言い切れるのかが謎です。
そして、彼が「超時空の創造主」にどんな意義を見出しているのかも不明ですね。
デスノートの月も「新世界の神になる」と宣言していましたが、これはやはり
自分がこのような願いに価値を見出せないから、理解できないのでしょう。
そういう欲望を持つ人が世の中には居るのだという認識しかできません。

白蘭:『この際 なぜユニの魂が ボンゴレなんかを頼りに 今この世界に
    ひょっこり戻ってきたかなんて どーでもいいや』

彼にとってどーでもよいことが、とても気になります(笑)。
言いながらズボッとマお菓子の入った袋に手を突っ込む白蘭ですが、
いつの間にブルーベルから受け取ったのでしょう。早業です。
マシュマロを鷲掴みして握れるだけ握った白蘭は、それをそのまま口へと運びます。

白蘭:『欲しい… あの娘が…』

ばくっと食いついたお菓子をモグモグと食べる白蘭。そんな彼を、無言で見つめるデイジー、桔梗、ザクロ。
白蘭は、前回に引き続き危ない発言をしてらっしゃいます。
食べるという行為は、なにか欲求不満な事項があるときによく見られる行動だった気がします。
直接解消できる訳ではないのですが、お腹を「満たす」ことで自分の欲望を「満たす」と
すり替えているということを聞いたような…うろ覚えですが。

白蘭:『わかったら さっさと追おうね♪』
   『彼らに 休む暇など 与えるな』

白蘭の言葉と同時刻。ボンゴレ基地内で、着陸の衝撃でランボの上に
腰掛けるように尻餅をついたユニと、華麗に着地したリボーン。
そして、高い樹の枝に足が引っかかって逆さ吊りになってしまったツナと、
そんな彼を助けようとわたわたしている獄寺とバジルの描写で以下次号!!

今話も大変面白かったです。
骸が、一体いつからこの状況を把握していたのかが気になりますし、
どこまで詳細な情報を知っているのかも気になります。
今回、またもや一旦退場してしまった彼の再登場が今から待たれます。

ユニのこと、そして『大空のアルコバレーノ』の果たす役割なども、
骸は知っているのでしょうか。もしかしたら、7^3の謎も把握しているのかな?
そして、哀しいくらいにチェルベッロが放置されていることには
触れてはダメですかそうですか。

並盛に戻ったツナたちですが、白蘭も即、本気で追っ手を仕掛けてきそうですね。
彼の言う「マフィアらしいやり方」がどのようなものか、考えるのも恐ろしいです。
ツナたちと、ヴァリアーやブラックスペルの面々、そして骸との絡みに関しては
期待が膨らみます。
フランと骸とが師弟関係だとしたら面白いなとか勝手に想像していますが、
骸は「幻術を見破るのも結局最後は勘」なんてことは言いそうにない…かな?

なにはともあれ、次回も楽しみです!