念願の伏見稲荷大社の参拝を果たしたので、伏見稲荷神符の謎解きをスタートした
い。この神符の存在を知ったのは「古代からの暗号」の前シリーズ<古今伝授・稲
負鳥>が<稲荷鳥>では?と思いつき、稲荷神について調べ始めた中の一冊、吉野
裕子著『狐』であった。
神符とは御札・護符とも言い、多くは紙片に神仏の名号や形像、呪文、密教の種子
真言、神使とされる動物などを書いたもの。神仏の加護や災厄除けに、家 . . . 本文を読む
2001年、当時所属していた炸短歌会の全国集会が奈良で開かれた折に、京都駅
で途中下車し伏見稲荷大社に参拝した。
伏見稲荷については松前健編『稲荷明神』(1998年筑摩書房)吉野裕子著『狐』
(1980年法政大学出版局)大森恵子著『稲荷信仰と宗教民俗』(1994年岩田書院)
山折哲雄編『稲荷信仰事典』(1999年戎光祥出版)などの本で様々な情報を得る
ことが出来たが,実際に自分の目で見てみたいと思 . . . 本文を読む
古代の山城国で秦氏が斎き祀り、秦氏の氏神と思われている稲荷神社、賀茂神社、
松尾神社の祭神はいずれも出雲系であった。
これは何を意味するのであろうか?
あの『山城国風土記』逸文の稲荷縁起
を前に<出雲の国譲り神話の天つ神からの伝承では?>と推量したが、その可能性
が出てきたのだ。
つまり、<共に弓矢の伝承を持つ稲荷神社、賀茂神社、松尾神社の祭神は、秦氏が
射ち滅ぼした出雲系の神々と思われ、そ . . . 本文を読む
古代の渡来氏族の秦氏が斎き祀る松尾大社の祭神の大山咋神(おおやまくいのか
み)は、古事記に大年神の神裔として「大山咋神、亦の名は山末之大主神。この神
は、近つ淡海国の日枝山に坐し、また葛野の松尾の坐して、鳴鏑を用つ神なり」と
記されているが、鳴鏑とは何であろうか?
鳴鏑とは矢の先端につける発音用具。木・鹿角・牛角・青銅などで鏑(蕪の古名)
の形に作り、中空にして周囲に小穴を穿ったもの。矢につけて . . . 本文を読む
古代の渡来氏族の秦氏の斎き祀る稲荷神社の縁起には<餅を的に矢を射る>説が、
賀茂神社の縁起には<丹塗矢>の聖婚説話が語られているが、『古事記』の神武天
皇段にも<丹塗矢>が登場する。
三島溝咋(みぞくひ)の女、名は勢夜陀多良比売(せやだたらひめ)、其の麗
しい容姿を三輪の大物主神が見初めて、その比売が大便をする時に、丹塗矢と
化して溝を流れ下り、比売の冨登(ほと)を突いた。その矢を持 . . . 本文を読む