武内宿禰に関する伝承は記紀にはあるものの、奈良時代に編纂された『風土記』にその名は
見当たらないため実在性は少ないとされているが、記紀に記されることもない地方に、その
子孫という興味深い伝承があるので紹介したい。
1996年に宮崎県南郷村における『シンポジウム’96in南郷村ー百済王族伝説の謎を解
く』での講演をまとめた『百済王族伝説の謎ー日向・百済・飛鳥はトライアングルだった』
(荒木博之編・ . . . 本文を読む
2010年もあと40日あまりとなった。NHKの大河ドラマ「龍馬伝」は身分に左右され
た武士の世から、能力重視の近代日本へ脱皮したいと願う若者たちの熱い魂のドラマであっ
た。龍馬は33歳、志なかばで暗殺されるが、その想いを共有した青年たちが明治政府を立
ち上げ近代日本を築きあげていったことに驚嘆する。
このような変革期には少なからぬ血が流されているが、日本の歴史を知れば知るほど皇位を
めぐる骨肉の . . . 本文を読む
表題からかなり離れてしまいました。この謎解きの初めからの経緯を振り返っておきます。
『万葉集』巻八に載る山上憶良詠<秋の七草>歌は日本の成立に係わった7つの民族名を
伝えようとして残された暗号歌であると私は唱えているが、この憶良の想いのつまった暗号
を後の世に伝えようと密かに行動をおこしたのは、大伴家持である。そしてこの伝えは心あ
る歌人たちによって確実に伝承され、約200年後『古今和歌集』が . . . 本文を読む
<サザキ>と<(ミミ)ズク>の名前を交換したもう一方の当事者は大臣・武内宿禰(たけ
しうちのすくね)である。歴史上の人物の中で明治生まれの母の世代の人々にとっては、大
変重要視されており、その肖像画がお札に用いられていたほどであるが、現在は伝承上の人
物とみなされ話題にされることもなくなった。たしかに300年近く生きていたとする記紀
の記述を鵜のみには出来ないが、武内宿禰の子孫と伝わる多くの氏族が . . . 本文を読む