まいにち が SUNDAY     

(こまっち)の 出雲弁日記。

くすー(薬)2

2006年12月20日 | 仁多弁日記

おぞーて、おかしい話し

『「ああそげだった。あの話しのー、ありゃ、こげだった。えまの話しの娘がのー、あさまおきーとから、やれえたしや、カボチャがえたてえけのわてて、はいごんしちょうだけん、
「お前なにはいごんしちょーかえ?」てて聞いたとこめが、
「くすーをさがえちょうわね、おとさんしらん?」
「おん、そこね富山のくすーやの、かんぼくろがあーしぇんか、」
「えまごろ、かんぼくろやなんかえじゃないけんねー」
なんてて、こりくついいながら、あっちこっち、さんごーして
「ああ、あったあった、これこれ」
ちいで、はやはやでのんで出らえましたわ。
あとー見りゃー、なんだいかんだい、ちらかしっぱなしだがね。あーあ、わけーもしめが、こげんことじゃーえけんがのー、ともえながら、ひょっと袋を見たわ、そげしたら、なんと!おべたよ!賞味期限じゃーなかった、使用期限から5年もたったもんをのんじょったが。

くーまを運転しとーね、しぇわなかったかえなと、しんぱえでえけんもんだけん、勤めさきえ電話してみたわ。
「おまえしぇわねーか?」
「なんがね」
「なんがねてて、おまえ、使用期限が5年もたったものーのんどったがね」
「あら、ほんだ?うち、えまはもうハツラツ印だよ」
「あいけー、こな子わ、おやねしんぱえかけとえて、ハツラツ印もねもんだわ。そーねしても、あぎゃんくすーがきいただのー、きくともーてのみゃー、きくちーことかのー」』

共通語で
『「ああそうだった。あの話しねー、あれは、こうでしたよ。今も話した娘がねー、朝の起きがけから、ああ苦しい、頭が痛いと、騒いでいるので、

「お前、なんで騒いでいるの?」って聞いてみたら、
「薬を探しているところ、お父さん知らない?」
「うん、そこに富山の薬屋の紙袋があるでしょう、」
「今頃は、紙袋なんかじゃーないからね」
などと、小理屈を並べ乍ら探して
「ああ、有った有った、これだこれだ、」
と言って、すぐに飲んで出かけました。
出た後を見れば、何もかも、散らかしてそのままですわ。あーあ、若い娘が、こんなことじゃー駄目だなーと思いながら、ひょっと袋を見ました、そしたら、なんと!吃驚しましたよ、保管期限から5年も経ったものを、飲んでましたよ、車を運転してるのに、大丈夫だったろうか、と心配になったものだから、勤め先に電話してみました。
「お前大丈夫か?」
「何が」
「何がって、お前、使用期限から5年も過ぎた薬を飲んでいたよ」
「あら、ホント?私、今はもう元気だよ」
「まあ、この子は、親に心配をさせといて、ハツラツ印も無いものだ。
それにしても、あんな薬が効いたんだねー、効くと思って飲めば、効くんだねー」』
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