近頃、あの原発事故以来、節電・暑さ対策をどうするかで、いろいろと言われていましたが、我が家では
約60年くらいも前からでしょうか?ずいぶん永い間、父が母のためにと、夏になれば「へちまと夕顔」を育てていました。
母は夏の暑い日でも、西日のあたる部屋で機織をしていましたからねえ。
「おまえ、のくとこで、しごとしとってだが。ふよけなと、こっさえてごさか」
「お前、そんな暑いところで仕事をしているけど。日除けでも作ってやろうか」
「えんや、そげん、じぇにのかかーやなこと、してもらわえでもえーわね。2じかんか、3じかんほどこらえりゃーしんことだわね」
「いいえ、そんなお金のかかるようなことを、してもらわなくてもいいですよ。2~3時間我慢してやればいいですよ」
「そーがえらえわな、えたしんでもなりゃ、どげしーちーこともねー。そーね、じぇねやなんかえ、かかりゃしぇんよ」
「それが大変だよ、病気にでもなったら、どうするんだ。それに、お金なんか掛からないよ」
ということで、面積にして二坪(約7.0㎡) ぐらいの「へちま」の棚を作りました。
その下では趣味の夕顔づくりです。
自称「夕顔づくりの名人」というだけあって、毎年、それはそれは見事な花を咲かせていました。
よその地区の人が、作り方を教えてくれと来られたこともありましたねえ。
その当時の大きな鉢が、今も物置のなかで眠っています。
「へちま」のほうは、途中で「へちま水」を採り、実では「たわし」を作って使っていましたねえ。
入浴のときにも使っていましたが、あれは擦ると痛いので(こまっち)は使いませんでした。
一方「へちまの水」のほうは、美容にいいからと、しきりに家の女性達に薦めていたようですが、ついぞ、家の女性達が
使用しているのを見たことがありませんでした。
「へちま」の棚の効果は?
「たなー、こっさえてもらーてから、だえぶ、らくねなったわね。だんだん」
「棚を拵えてもらってから、だいぶ楽になりましたよ。有難うね」
とは、母から父への感謝の言葉でした。
30℃
翻訳する前に。
昔、大人たちが、よくこんなことを言っていました。
諺とでも言うのでしょうか。
「きこーじんわ、たけこーじんよーも、もちかしーけん」
「木荒神は、竹荒神よりも、扱いにくいからねー」
「きこーと、はーこわ、はりゃー、はーほどえー」
「頑固と張子は張れば張るほど強くなる」
意味はそんなところじゃあないでしょうか?
では昨日の出雲弁の部分です。
「この間、大変おそくまで、会合があったらしいですが、疲れがでませんか」
「はい、終わったのが夜中の2時頃でしたかねえ。ほんとに疲れましたよ」
「それで、話の結論が出ましたか」
「いいえ、あの頑固な人が、なにもかも引っかき回して、いい返事をしないので、結論は出ませんでしたよ」
「あの人も、そんなに頑固にならずに、みんなに協力する、と言う気になれないもんですかねえ」
「どうしてどうして、あなた、あの人の頑固さは、一筋縄ではいきませんよ」
「あんなに、自分の都合のいいようにばっかり主張していると、次に逆の立場になったとき、どうなるのか考えて見た事はないだろうかね」
「そんな事を考えるような人なら、皆がこんなに苦労しませんよ」
「今はあの人も、若くて勢いがいいからだけど、年寄りになって、一人にでもなれば、そのときに判るでしょうよ」
「それが判った時には、もう遅いわねえ。・・思えば気の毒な人ですねえ」
35.5℃
「こなえだ、おまえはんちゃ、えらえおそまで、くゎえがあったさーで、くたーべがじゃーしぇんかね」
「おん、しんだえちが、よなかの2じごーだったかえのー。よーねくたーべたわ」
「そーで、はなしゃ、しんだかね」
「えんや、こな、きこーじんが、なんでもかんでも、こでくーまわえて、うん、てわんだけん。はなしゃめげてしまったわね」
「こなしーも、そげね、きこはらしこね、みんなねきょーりょくしー、てーきねならんもんかえのー」
「なんがなんが、こなまえさん、こなの、きこーは、ふととーりのもんじゃねわね」
「あげん、がよくなことばっかえっとーと、こんど、さかしの、たちばねなったときね、どげんなーか、かんがえてみたこた、ねーだらか」
「そげなこと、おもーやなにんげなら、みんながこげね、やんこたねわね」
「えまわ、こなもわかて、げんきがえーだども、としとって、ふとーねでもなりゃ、そんときねわかーわな」
「そーじゃ、もーおしぇわの。・・かんがえりゃ、きのどくなしーだのー」
34.0℃
「まーじけー、しめちめのわりーもなーえけんなー。 おまえしぇんどごろ、かまーさげてじょったが、どこえやっちょえたの」
「まあ、後始末のわるい者は駄目だなあ。 お前このあいだ、鎌を持って出たけど、どこえおいといた?」
「あら!えちもしまっとく、こやの、はものーかけーとこね、あーしぇんかね」
「はあ!いつもしまっておく、小屋の刃物を掛けておくところに、ありませんか」
「そーが、ねーけんのことだわな、はものやなんかえ、どっこでもかしこえでもなげちょきゃ、あぶねーことだじ。
そーね、ふとが、ちかわーともーときね、まねわたらんがな。はや、さがえてこえ」
「それが、探しても見当たらないからだよ、刃のついたものなんかを、どこにでもほったらかしておいたら、危ない事だ。
それに、ほかの人が使おうと思っても、使えないじゃないか。すぐに探して来なさい」
やんがて、わけもんが、かまーさげてもどーましたわ。
まもなく、息子が鎌を持って帰りました。
みりゃ、えなげな、ちかえかたしたさーで、はがえっぱえこげて、ちかえもんねなーましぇん。
見れば、使い方がわるかったらしく、いっぱい刃こぼれがしていて、使い物になりません。
ありゃ!
こりゃー、どこだえのそーりだいじんも、えっしょなやなことーしちょってだねー。
「しめちめがわりーねえ」
あれ!
これは、どこやらの総理大臣も、同じようなことをやってますねえ。
「締め詰め、が悪いですねえ」
この、 「締め詰め」 については、こまっちが推量をしたものです。
24.0℃