まいにち が SUNDAY     

(こまっち)の 出雲弁日記。

「へちま」と「夕顔」。

2011年07月30日 | 仁多弁日記

近頃、あの原発事故以来、節電・暑さ対策をどうするかで、いろいろと言われていましたが、我が家では
約60年くらいも前からでしょうか?ずいぶん永い間、父が母のためにと、夏になれば「へちまと夕顔」を育てていました。

母は夏の暑い日でも、西日のあたる部屋で機織をしていましたからねえ。

「おまえ、のくとこで、しごとしとってだが。ふよけなと、こっさえてごさか」
「お前、そんな暑いところで仕事をしているけど。日除けでも作ってやろうか」


「えんや、そげん、じぇにのかかーやなこと、してもらわえでもえーわね。2じかんか、3じかんほどこらえりゃーしんことだわね」
「いいえ、そんなお金のかかるようなことを、してもらわなくてもいいですよ。2~3時間我慢してやればいいですよ」

「そーがえらえわな、えたしんでもなりゃ、どげしーちーこともねー。そーね、じぇねやなんかえ、かかりゃしぇんよ」
「それが大変だよ、病気にでもなったら、どうするんだ。それに、お金なんか掛からないよ」

ということで、面積にして二坪(約7.0㎡) ぐらいの「へちま」の棚を作りました。

その下では趣味の夕顔づくりです。
自称「夕顔づくりの名人」というだけあって、毎年、それはそれは見事な花を咲かせていました。
よその地区の人が、作り方を教えてくれと来られたこともありましたねえ。
その当時の大きな鉢が、今も物置のなかで眠っています。

「へちま」のほうは、途中で「へちま水」を採り、実では「たわし」を作って使っていましたねえ。
入浴のときにも使っていましたが、あれは擦ると痛いので(こまっち)は使いませんでした。

一方「へちまの水」のほうは、美容にいいからと、しきりに家の女性達に薦めていたようですが、ついぞ、家の女性達が
使用しているのを見たことがありませんでした。

「へちま」の棚の効果は?

「たなー、こっさえてもらーてから、だえぶ、らくねなったわね。だんだん」
「棚を拵えてもらってから、だいぶ楽になりましたよ。有難うね」

とは、母から父への感謝の言葉でした。

 30℃


きこ・きこー。(翻訳版)

2011年07月15日 | 仁多弁日記

翻訳する前に。
昔、大人たちが、よくこんなことを言っていました。
諺とでも言うのでしょうか。

「きこーじんわ、たけこーじんよーも、もちかしーけん」
「木荒神は、竹荒神よりも、扱いにくいからねー」

「きこーと、はーこわ、はりゃー、はーほどえー」
「頑固と張子は張れば張るほど強くなる」

意味はそんなところじゃあないでしょうか?

では昨日の出雲弁の部分です。


「この間、大変おそくまで、会合があったらしいですが、疲れがでませんか」

「はい、終わったのが夜中の2時頃でしたかねえ。ほんとに疲れましたよ」

「それで、話の結論が出ましたか」

「いいえ、あの頑固な人が、なにもかも引っかき回して、いい返事をしないので、結論は出ませんでしたよ」

「あの人も、そんなに頑固にならずに、みんなに協力する、と言う気になれないもんですかねえ」

「どうしてどうして、あなた、あの人の頑固さは、一筋縄ではいきませんよ」

「あんなに、自分の都合のいいようにばっかり主張していると、次に逆の立場になったとき、どうなるのか考えて見た事はないだろうかね」

「そんな事を考えるような人なら、皆がこんなに苦労しませんよ」

「今はあの人も、若くて勢いがいいからだけど、年寄りになって、一人にでもなれば、そのときに判るでしょうよ」

「それが判った時には、もう遅いわねえ。・・思えば気の毒な人ですねえ」

 35.5℃


きこ ・ きこー。

2011年07月14日 | 仁多弁日記

「こなえだ、おまえはんちゃ、えらえおそまで、くゎえがあったさーで、くたーべがじゃーしぇんかね」

「おん、しんだえちが、よなかの2じごーだったかえのー。よーねくたーべたわ」

「そーで、はなしゃ、しんだかね」

「えんや、こな、きこーじんが、なんでもかんでも、こでくーまわえて、うん、てわんだけん。はなしゃめげてしまったわね」

「こなしーも、そげね、きこはらしこね、みんなねきょーりょくしー、てーきねならんもんかえのー」

「なんがなんが、こなまえさん、こなの、きこーは、ふととーりのもんじゃねわね」

「あげん、がよくなことばっかえっとーと、こんど、さかしの、たちばねなったときね、どげんなーか、かんがえてみたこた、ねーだらか」

「そげなこと、おもーやなにんげなら、みんながこげね、やんこたねわね」

「えまわ、こなもわかて、げんきがえーだども、としとって、ふとーねでもなりゃ、そんときねわかーわな」

「そーじゃ、もーおしぇわの。・・かんがえりゃ、きのどくなしーだのー」


 34.0℃


しめちめ。

2011年07月07日 | 仁多弁日記

「まーじけー、しめちめのわりーもなーえけんなー。 おまえしぇんどごろ、かまーさげてじょったが、どこえやっちょえたの」
「まあ、後始末のわるい者は駄目だなあ。 お前このあいだ、鎌を持って出たけど、どこえおいといた?」

「あら!えちもしまっとく、こやの、はものーかけーとこね、あーしぇんかね」
「はあ!いつもしまっておく、小屋の刃物を掛けておくところに、ありませんか」

「そーが、ねーけんのことだわな、はものやなんかえ、どっこでもかしこえでもなげちょきゃ、あぶねーことだじ。
そーね、ふとが、ちかわーともーときね、まねわたらんがな。はや、さがえてこえ」
「それが、探しても見当たらないからだよ、刃のついたものなんかを、どこにでもほったらかしておいたら、危ない事だ。
それに、ほかの人が使おうと思っても、使えないじゃないか。すぐに探して来なさい」

やんがて、わけもんが、かまーさげてもどーましたわ。
まもなく、息子が鎌を持って帰りました。

みりゃ、えなげな、ちかえかたしたさーで、はがえっぱえこげて、ちかえもんねなーましぇん。
見れば、使い方がわるかったらしく、いっぱい刃こぼれがしていて、使い物になりません。

ありゃ!
こりゃー、どこだえのそーりだいじんも、えっしょなやなことーしちょってだねー。

「しめちめがわりーねえ」

あれ!
これは、どこやらの総理大臣も、同じようなことをやってますねえ。
「締め詰め、が悪いですねえ」

この、 「締め詰め」 については、こまっちが推量をしたものです。

 24.0℃