【座談会】女装という人生を生きる①

2015年8月にアップした書き込みです。
過去ログを読んでいたら、見つけました。
日本女装史の参考資料にもなるかと思いますので、
2020年7月の現在、再アップします。
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1990年代末だったでしょうか。
別冊宝島で「変態さんがいく」という特集があり、
そこには女装者の座談会が掲載されていました。
このブログでもかなり前に引用紹介した記憶があります。
そして、このお盆休みにでハートディスクを処理していたら、
この座談会の記事が出てきました。
女装の歴史と時代を知るということで、再録してみます。
オールドファンは昔の女装をなつかしんでください。
若い女装子さんは女装の昔を知ってください。

引用者注：座談会の出席者の名前は引用原本とは異なります。
引用者の判断で仮名に置き換えております。ご了解ください。


【座談会】女装という人生を生きる　　　（司会：北原童夢）

究極の女装は
女になった自分を見ながら
オナニーすることだ
女になりたいのでもなく、
男が好きなわけでもない「彼女」たち。
でも女装なしで生きていけない。


八月の末、アマチュア女装マニアの殿堂、神田の「エリザベス会館」で、現役バリバリの女装者たちの声を聞いた。彼ら（いや、彼女たちか？）は、何を考え、どのような社会生活をおくっているのか？彼女たちは期待以上に饒舌に語ってくれた。

－－まず、皆さんに自己紹介も兼ねて、女装の道に入ったキッカケ、そして女装する時、どのような女になることを目指しているのかを語ってもらいたいんですが？

アキ　始めたのは中学の時ですね。どうしてもスカートをはきたくて、それで母の着古しのワンピースを着たんです。 初めてお化粧したのは高校一年、母のを持ち出して、ただ塗っただけ。顔が真っ白になっちゃって（笑）。こういう女性になりたいっていう具体的なものはなくて、もし私が女として生まれたらこうなるかなあというのを目標にしています。
（中略）

－－まさか、家でも女装してるとかは、ないですよね？
アキ　いきなり、核心に入りましたね（笑）。じつは、家族も私が女装してること、知ってるんですよ。

－－それは意識的に話したんですか、それともエラーでばれてしまったんですか？
アキ　エラーですね。ただー意識的なエラーかもしれない。だって、同じ屋根の下に住んでいて、女装したまま眠っちゃったら、やはりばれますよねぇ（笑）。もめましたよ。皆で家族会議開いて、本音はやめてほしいんでしょうけど、好きなものは仕方がないと．．．．。
その時、うちの母が言ったのは「洗濯物があったら出しなさい。丸めてしまっておくような汚い真似はよしなさい」って。
それが二年前で、今では皆、慣れちゃった。本音はいつ飽きるかと思っているんでしょうけど。
－－なるほどねえ。皆さんのなかで、家族とかに女装がばれている方は、いるんですか？
（全員、首を左右に振る。どうやら、公認はアキさんだけのようだ）

－－理佐子さんはどうですか？
理佐子　五年目です。意識したのは十四、五年前で、男であることに不快感を覚えたんですね。
それで社会人になってから、外見からでも女に近づきたかったんです。
着る物は、デパートなんかで気に入ったのがあったら、まず買います。今シーズンだけで四着ほど買いました。



別冊宝島「変態さんがいく」（宝島社刊）から引用