ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

中庸の徳

2015-03-26 | ほとほと日記
今日は仕事はお休みでした。

それでも、午後から職場に行きました。
体調を崩して今月で退職することになった事務員さんが、しばらくぶりに挨拶に来る日だからです。
彼女は私と同じく、9年前の4月にホームが開設した時のメンバーです。
創設期からの苦楽を共にした仲間ですから、やはり格別の感慨がありました。

昼の一時を過ぎて私が職場に着いた時には、すでに彼女は来園していました。
スタッフ一人一人への礼品を用意していて、いかにもだな…と思いました。
会うのは約二か月半ぶりでしたが、やつれもなく変わらない姿に安心しました。

彼女の挨拶がひととおり終わって、さあ、記念の写真を…というとき、あるご入居者に急変が起きました。
救急対応となり、写真を撮るどころではありません。
残念ですが、救急対応もホームの日常の一面です。
私は彼女と職場を離れ、駅近くの喫茶店に入りました。

改めて感じたのは、彼女のバランス感覚の良さでした。
決して安易に「職場内世論」に同調しない。
批判の流行の尻馬に乗って他者を責めない。
場から弾かれそうになった人に温かな目を注ぎ、静かに声を掛ける。

そんな彼女の佇まいを慕って弱音を聞いてもらったスタッフや入居者、家族はたくさんいました。
私もまたその一人です。

と言って彼女は「特別な人」ではありません。
彼女のように中庸の徳を身に付けた人は、ところどころにいます。
それこそが、日本の社会が長く安寧を続けてきた理由のひとつだと思います。
でもそれは、少子化が進む今後はとても貴重な美質になる…とも感じます。

喫茶店でしばらく話し合ってから、駅で彼女を見送りました。
午後からの暖かい陽気の中で、お互いの今後の健康を祈り、声を掛けあいました。





















価千金

2015-03-25 | ほとほと日記
今日も仕事です。

今朝もとても冷え、朝5時に目を覚ましてからもしばらくグズグズしていました。

肩や腰などの関節も痛いし、半分泣きたいような気持ちでした。

それでも何とか朝食を済ませてシャワーを浴びました。

そして、冷気対策のために下ろしていた雨戸を開けると、とても爽やかな朝の陽光に包まれました。

やはり太陽光は価千金ですね。

それまで陰鬱だった気分がかなり楽になりました。

とにもかくにも、今日一日。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で暮らせますように。
友人たちが無事に仕事を終えますように。
お祈り致します。

最後の冷え込み?

2015-03-24 | ほとほと日記
今日と明日は仕事です。


昨日、東京で桜の開花が発表されたそうですが、今朝はかなり冷え込んでいます。

北陸や東北、北海道では今日一日で五、六十センチの積雪があるとか。

東京なら年に1度の五センチの積雪でも大騒ぎなのに、この時期にそんな大雪なんて、雪国の人は大変だなあ…と改めて思います。

でも、今週の末からは全国的に気温が上がり、一気にポカポカ陽気になるとか。


今日はホーム会議があるのでいつもより帰りが遅いのですが、何とか頑張って行こうと思います。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で暮らせますように。
友人たちが無事に仕事を終えますように。
お祈り致します。

物語の意味

2015-03-23 | 独居中高年
今日は仕事はお休みでした。


今日は午後から、郵便物と写真の整理をしました。
と言って、どちらもささやかな分量しかないのですが…。


郵便物はほとんどが年賀状で、平成18年以降のものしかありませんでした。
平成18年といえば、今勤めている会社に就職した年です。
それ以前にも少ないとはいえ年賀状交換をしていたはずですが、全くありません。

平成19年の1月に、私は今のマンションに引っ越してきました。
四十代半ばまでの私は、「心機一転!」とか言って、発作的に身の回りのものを棄てていました。
もしかすると、引っ越した時に廃棄をしたのかもしれません。


写真も、自分が考えていたよりずっと少ない枚数しか持っていませんでした。
ほとんどがカトリック教会の友人たちに撮ってもらったものです。
平成19年に今のマンションに移ってからは教会の人たちとの交流が減っていますので、ここ数年分は僅かしか残っていませんでした。

前の職場の写真や、1990年代前半に通っていた精神療法サークルの友人たちとの写真などもかなりあったはずなのに、一枚も保存していませんでした。
今や覚えていませんが、恐らく「これは自分にとって良くない遺物だ」と、荒んだ判断をした瞬間があったのでしょう。
それは、私のここ数年の生活を象徴的に表しているように思いました。


歳を取った時に、生きていく上で大切なものがいくつかあります。
まずは、健康です。
それから、お金もとても大切です。
もちろん、家族や古い友人などとのかけがえのない繋がりも。
そして「自分は良い人生を送ってきた」という「物語」もまた、とても重要な要素だと思います。

私の前半生は、物事を悲観的、批判的に見る傾向が強く、それが生活の質を貧しくして来たナ…と思っています。
ここにきてようやく、自分の過去も含めて、出来るだけ肯定的に受けとめようと思いを定めました。
良い物語を紡いで行こう…と。

今日の整理で、改めてその思いを強くしたことでした。








開花前線

2015-03-22 | ほとほと日記
今日は仕事です。

昨日、鹿児島と名古屋で桜の開花が発表されたそうです。

東京でも今週中には開花があるとのこと。

歳時音痴で季節の移り変わりなどにも無頓着に生きて来ましたが、ホームに勤めるようになって、少しは気にかけるようになりました。

もしかすると、今年が最後の桜になる…という方がいるかも知れない。

そういう感覚が身に付いて来たのかも知れません。

とにかく、今日一日です。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で暮らせますように。
友人たちが実りある休日を過ごせますように。
お祈り致します。