ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

最終回

2019-12-15 | ほとほと日記
今日も仕事はお休みでした。


夜6時から、『いだてん』最終回を観ました。

視聴率の低さばかりが話題になったドラマでしたが、私は再放送を入れると9割方観ました。

基本的にはいつも面白く観ていました。


視聴率が振るわなかったのは、金栗四三などオリンピック関係者のパートと、古今亭志ん生を中心とした落語パートとが二重構造になっているのが効果的でなかったためだと思います。

来年の東京オリンピックを見据えて「近代オリンピックと日本人」をテーマに企画されたドラマなのですから、真正面からそれだけを描けば良かったと思います。

その部分は十分に面白く感動的でした。


ところが、途中で落語パートが入ると観ている側のテンションが明らかに下がってしまい、感情移入が出来なくなってしまいます。

結局、1年間それの繰り返しでした。


ちなみに私は落語は小学生から好きで、『いだてん』に出て来た志ん生も円生も志ん朝もたくさん音源を持っています。

もちろん「富久」を初めとしたドラマ内で使われた古典落語は全て良く知っています。

オリンピックなどのスポーツ観戦も落語も好きな私をして、今回の作劇術は効果がなかったなあ…と感じるのですから、落語に詳しくない人なら「わけが分からない」と感じると心配しながら観ていました。


とは言え、オリンピック関係者のドラマ部分は素晴らしいものがたくさんありました。

東京オリンピックで金メダルを取った「東洋の魔女」女子バレーチームと大松博文監督の物語などはとても感動的でした。

大松監督を演じた徳井義実さんはとても良い演技をしていました。

ビートたけし氏の演技よりずっと良い…とすら思いました。


宮藤官九郎氏の異才ぶりは疑うべきもありません。

とても良い物語をたくさん観させて頂いてありがとう…と言いたいです。

ただ、大河ドラマと言う大舞台に力が入って、やや「自分流」に拘り過ぎたきらいはあったかなあ…と思います。

『いだてん』の前に「ほとんど観た」大河ドラマは三谷幸喜氏作の『真田丸』でしたが、三谷幸喜氏は『真田丸』ではいつもの「凝り過ぎのシチュエーション作り」はやめて、シンプルな見やすい脚本にして成功したように思います。


繰り返しますが、『いだてん』で1年間楽しませて頂いた宮藤官九郎氏を始めとした関係者には、お礼を言いたいです。