オトナになって
初めて
バス旅行に
行ってきました
スーパーの
お客さまご招待
日帰りバス旅行
というモノ
四十にして
こんな
ワタシタチが
最年少かしらん
という雰囲気で
バスが
出発した瞬間
あらゆる
乾き物の
匂いと
佐世保弁の
さらに
多様な方言が
入り混じった
不思議な会話が
あちらこちらから
飛び交うのでした
目的地が
近づくにつれて
空も明るく
澄み渡り
愉しみにしていた
柳川に
到着する頃には
まさに
川下り日和
揺れる柳の下
照り返す水面に
目を細め
大好きな
写真家
荒木経惟氏の
東京日和の
有名な
一コマ
愛に埋め尽くされた
陽子さんが
どんこ舟に
横たわり
眠る様を
思い浮かべたり
していました
みんなで
ワイワイも
活気があって
イイけれど
大切なヒトと
ゆるやかな
舟の行き交う様は
まさに
人生みたいだねぇ
とか
微笑み合いながら
身を委ねてみるのも
ステキでしょうね
きっと
美味しいモノを
たくさん
いただいて
バスにまた揺られ
守られた心地で
浅い眠りにつくと
もう
見慣れた景色が
目の前に
子どもの頃は
あんなに
哀しかった帰路が
いまは
こんなに
胸弾むモノなんて
それを知るのも
オトナ旅の
醍醐味かもしれません
キミの
気配が
ゆうげの匂いみたいに
しゅんしゅんと
漂ってくる
この街が
やっぱり
たまらなく
スキだ
旅に出て
気付く
帰る場所が在るコト
還る場所はキミだと
いうコト
そんな
尊き日常