マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

やっぱりサファリ(南ア)

2012-04-27 | 南アフリカ物語

 大喝采の中、2回目のコンサートも終わり。
いよいよ合宿生活も幕を閉じようとしています。 
本当に楽しかったけれど、みんなそれなりに疲れは出ていると思う。
息つく暇もなく、ドイツ組7名はせっせと荷物を詰めます。
翌朝、念願のサファリに出発なのですが、復路のスケジュールがタイトだということも
ひとつの理由なんですけれど、
あらかじめ空港ホテルに1室を取り、そこを荷物置き場にしました。
大切な楽器もあるので単なる荷物預かりでは不安でしょ。
なるほどね、KM3636の経験からくるこの判断が大正解だと僕たちが気付いたのは
サファリに到着してからでした。


 
 日本組みを含めてみんなでサファリに行きたかったのですが、学校の入学式や始業式が
数時間後に迫っているとのこと、彼らにとってはぎりぎりの南ア滞在期間でした。
彼らに別れを告げ、(アフリカ式握手がいまや僕のお気に入り。)
僕たち音楽家とKM3636 計8名がサファリに向け出発します。



 ヨハネスブルグから北東に350キロ、リンポポ州にある小さめの野生動物保護区。 
南アには50以上の野生動物保護区があるそうだ。
クルーガー国立公園が壮大で有名なのだけれど時間的にしんどいので
比較的近く、でもサファリっぽいところを選んでもらった。
おんぶに抱っこの野生生物観光の始まりじゃ。

目的地に近づくにつれ 道路の舗装状態が悪くなってくる。
そのうち舗装していない道に入る。
かなりの揺れ。なんだかワイルドさが出てきた。



 サファリのゲートで、ホテルのジープに乗り換える。
「ライオンに食べられても保障しませんぜ!」みたいな誓約書にサインをする。 
なんか緊張するね。
 ホテルまでジープでさらに30分。 もうサファリは始まってます。
険しい一本道はガタガタを極めてる。
もし旅行用トランク(ワイン在中)や楽器を持ってきていたらホテルに着いたときには
きっと悲惨な状態だったに違いない。 
乗用車では絶対無理、四駆ジープがうねるように走る。
僕たちは揺れに身を任せ、飛び跳ねながら、それでも一生懸命動物を探す。

 キリンが正座してお出迎え。


画像真ん中に動物がいるのわかりますか? 




揺れに揺れてはいるけれど楽しいサファリの始まりです。 
 



 先ずはホテルでのウエルカムなんちゃらが待っていた。 
見た目よりあまり美味しいものとは思わなかったのは僕だけかもしれない。 
正直者 ーまー

さぷらいず いん さうすあふりっか(南ア)

2012-04-21 | 南アフリカ物語

1体35ランドの手彫り人形を 一対35ランドで買う。要するに半値やね。
値切るのは、なにわ商人の十八番。ディープな交渉術はアフリカでも通用する。



売るほうも流石に心得ていて、露店での買い物はとにかく楽しい。
ちなみに 35ランドは350円です。 安いです。


 演奏会の練習所として利用させてもらう日本人学校体育館に音楽家達を送り、
残りのみんなでスーパーに買出しにでかけた。
スーパーは日本ともドイツとも全く変わらない様子。何でもあります。 
すべて英語表示なのと、たまに得体の知れない野菜などがあって、これまた楽しい。



ただ、じっくり見て回る時間があまりないのよね。
合宿生活のイベントのひとつ『オトコの料理対決』の仕込があるしね。

カズビーFBから無断拝借

 男性5名で料理を作って女性8名に判定してもらうというもの。
ビール片手にわいわいと男子厨房に入り浸る。
サーモンの漬け、鳥手羽の酢醤油煮、アフリカ風お好み焼き、ハンバーグなど
ごちゃごちゃっと出来上がる。 
洋平君のワイルドなハンバーグはやはり自他共に認めるくらい圧倒的に美味い。
南ア料理長の座をみごと手に入れたようや。若い女性の心までは奪えへんかったけどね。

 ほどほどに酔っ払っていたら、突然、なにやら改まったカズビーのお話が始まった。
我々KM3636夫妻とピアノ工房夫妻の結婚25周年を皆でお祝いしてくれたのじゃ。



カズビー、ゆきこさん、洋平君らはプレゼントまでしっかり用意してくれていて
大人になってこんなに驚きの嬉しさを味わったのは初めてかもしれん。
なんとまあ、重くてかさばるのにわざわざドイツから持ってきてくれはってん。




で、重くてかさばるのにわざわざドイツに持って帰らんならんプレゼントは無事再帰国し、
みんなからの優しい気持ちを感じながら大切に使い続けられていったとさ。



感謝 ーまー

合宿生活(南ア)

2012-04-19 | 南アフリカ物語

 KM3636家族5名、仁君、ピアノ工房夫婦2名、音楽家チーム5名
合計13名の合宿が始まった。



演奏会の合間を縫って音楽家の練習はもちろんあるけれど、やっぱり観光もしたい。
スーパーで買い物することにも興味がある。ワイン買出しも欠かせない。
観たいものやりたいことがいっぱいあって、合宿の4泊はすぐに過ぎ去りそう。





ミニバスを2台チャーターしてもらっているが、結構予定を立てるのに悩むのですよ。
13名が同時に移動することもあるし、途中で別行動をとる必要も出てくる。
とにかく各自の希望になるべく応えるべくタイムテーブルを練る。 
なんやかんやと言いながらこれも楽しみのひとつ。







ライオンパーク、アパルトヘイト博物館、スウェート(黒人居住区)見学などは一緒に出かけることができた。
Kids(学生)達はKM3636の秘書さんのご好意で、公共外科病棟の見学、土地開発関係の施設、
黒人居住区で実際に住居内見学など、一歩踏み込んだ社会科見学ができたようだ。
将来の専門分野へのモチベーションアップになったんやないかなぁ。 衝撃的な体感もしたようですよ。



 皆で外食もする。KM36363宅で『オトコの料理対決!』なんて楽しい競技もした。
この旅の途中、25回目の誕生日を迎える女性2名。結婚25周年を記念する老夫婦2組
なんだか毎夜、宴会モードだったような気がする。希望し、想定していたことなんですけどね。


でもね、予期せぬサプライズが待っていたんですね、 驚きましたねこれには…… ーまー

音楽隊登場 (南ア)

2012-04-16 | 南アフリカ物語

 音楽家が到着するその夜と中2日開けて4日目にもう一度、
合計二回の演奏会があります。

 
 
 音楽家5名は遅れることなくヨハネスブルグに到着してくれました。
この旅で、一番心配していたのが彼らの定時到着でした。
これでプランBは実行する必要がなくなったね。
ちなみに プランBとは、飛行機が遅れたり欠航したりして音楽家がコンサートに間に合わなくなった場合を想定して作った別プランのこと、要は保険をかけておくわけですな。
保険(プランB)の内容は、ピアニストのゆきこさんに1日前倒しで飛んでもらい、
先行して銀婚観光真っ最中のおかみさんのバイオリンとのデュオで
その場をしのごうとする計画。
ところが、前倒しの航空券が満席で取れず、ゆきこさんは従来通り他の4名と共に飛ぶしかなかった。
プランBは自滅したものの、それでも最悪の場合を想定して保険はかけておく必要があるため、
おかみさんが一人でヴァイオリンを弾いてごまかしてもらう裏プランBが浮上。
ソロで1時間以上、観光でぼやけきった体とモチベーションで弾けるわけねーだろって、
ほとんど『なんちゃって保険』なんやけど、万が一に備えて、はい、バイオリン用意してました。
掛け捨て保険でほんと良かったと思います。 



 音楽家の到着が絶対に遅れてはいけない理由は、到着直後の演奏会にあったのです。
国の大使レベルの人たちや大手企業のVIPを招いた音楽会だったからです。
「実はぁ、演奏家がこれなくなっちゃって……」なんて洒落にもなりませんからね。



 僕はピアノ調律でお手伝いするだけなのに、なぜでしょう、その後の会食にまで招かれ、
絶対に場違いやと思っているのです。偉い人たちと英語話しながらご飯なんて喉と通れへんし、
きっと美味しいワインなんてゴックンしたらあかんねんやろなぁと、いろいろ緊張の真っ只中やったんです。
テーブルには名札が並んであって、座る場所も決まってる。

 案ずるより生むが易し っていうけれど、その通りでした。
音楽に興味のある方々が隣に座られたので比較的リラックスしてお話できました。
左隣はオーストリア大使閣下でしたのでドイツ語で大丈夫でしたし、
もうお一方のKM3636の上司様(イギリス人)はピアノを趣味で弾く方でしたので
ピアノメーカの話などをさせていただいてお茶を濁すことができたのでございます。
ごきげんよう。



 2回目はKM3636の会社の社員家族を招待するコンサート。ゴルフ場の大きな会議室で行われました。
アフリカ人のノリのよさに圧倒されるすばらしいコンサートとなりました。



南アフリカの人たちは国歌を非常に大切にしていると聞いていましたので、
アンコールで国歌を演奏してもらいました。
もちろん皆さん即座に起立、大きな声で歌っておられます。
その姿がとても素敵でねぇ、 国歌を起立斉唱するよう条例で約束させなきゃやらない
公務員がいる国をなんだか恥ずかしく思ったりしました。



二つの演奏会は今までの作戦会議の蓄積と、音楽家の皆様のすばらしいパフォーマンスと
KM3636の日ごろの行いの良さでつつがなく終えることができたのです。
ほっとしています。 
コンサートにこられた方々は大変気に入られたようで、CDを作れと催促されております。
実際にCD作成の計画はすでに進んでおりますぞ。   ーまー

アーティスト (南ア)

2012-04-14 | 南アフリカ物語




Stellenboschのワイナリー ロッジ前の夕暮れ近く。



 広がる大地に一人静かに佇んでいる青年がいる。
もうかれこれ20分は同じ姿勢だ。まるで心に響く音楽に聴き入るように。
今、この瞬間、体に受けているいる空間に存在するすべての「すっげー」出来事を濃縮させて
魂の奥のほうに流し込んでひとつずつ積み上げているようにも見える。

   

彼の名前は 『仁』 
仁友堂でペニシリンを作っていた 仁(南方)先生やないよ。
造形美術を志す若手アーティスト。
橋本仁(アーティスト名)は サトチンや光君、ナツシノの
はとこグループに属する。いわゆる親戚ね。

         

 ひょっこり今回の旅行に同行してきたのではなく、ちゃんとした目的がある。
自分の作品を在南アフリカ日本大使館に寄贈したいとのこと。
機内持ち込みでダンボール入りの10キロ以上ある作品を持ってきた。
旅のスケジュールの関係でこの重い荷物を常に持ち歩くことになった。
鉄でできているので多少の衝撃には耐えるのだろうが、
飛行機の荷物検査で必ずひっかっかる。
そのたびに「僕はアーチスト!」って言わなきゃならんのだが、どういうわけか
自分でアーチストを名乗るのが小恥ずかしいらしく はにかんじゃってました。


   

彼のHPを紹介しよう。 

特にこのユーチューブは必見。

さて、 ぼちぼち ヨハネスブルグに戻りましょうか?
音楽家5名のお出迎えもありますし。 
賑やかになるぞー  きっと。    ーまー


やっぱりこれだけは外せませんねん(南ア)

2012-04-12 | 南アフリカ物語

 西暦1650年ころ、オランダ人がはじめてワイン用のぶどうを栽培し、
フランスの技術が投入されて開発されたのが南アフリカのワインの始まり。
ワインぶどうの栽培に適した気候であったってところがほんとにラッキーですね。



 結局、2日間で4件のワイナリーに赴き、テイスティングを愉しんだ。
高校生のしのちん(KM3636の次女)には退屈そうで申し訳なかってんけど、
昔から慣れっこやね、だめな大人を許してね。





 西ケープ州のStellenbosch地域を攻めた。
工場を見学させてくれたり、チーズの試食付きと言うのもある。
イメージとしてダイナミックな香りと味を想像しそうですが、
かなり繊細な感じで丁寧に作ってるようです。
そのうち、フランスワインなんて…… と言う時代が来るかもしれませんよ。



 KM3636はテースティング終盤、いつの間にかおつまみのチーズとハムを注文しはった。
ここで飲み会を始めてしまおうとする確固たる決意を感じた。 同種族にはすべてお見通しさ!
ちびちびテースティングより、ちゃんと気兼ねなく「ごっくん」したくなったのね。 
わかるわかる。
しかし
直売はしているけれど、買ったワインをこの場で開けて飲む事は
ライセンスの関係でNG。 せっかくおつまみ出てきたので
あくまでもテースティングですよといいながら多めに注いでくれたソムリエ様。ありがと

数本買って(部屋のみ用)、宿泊所に向う。



宿泊所って言っても 小さなワイナリーが経営してる素敵なロッジ。
広大な敷地に圧倒される。








大地を感じながら 落ちてゆく夕日を眺めながら  宇宙を感じながら
南十字星とミルキーウエィに憧れを描きながら
至福のひと時を共に過ごし、ワインボトルはいつものように空いていくのでした。 -まー

青い海 青い空 (南ア)

2012-04-11 | 南アフリカ物語
 

 
 遠くから見ると頂上が平らに見える標高1000メートルの山
テーブルマウンテンから見下ろす。



   

頂上からはケープタウンの街、大西洋が一望できる。 
360度、どこを眺めても絵になる。 地球の大きさを体感できる。
はるばるここまで来て良かったと心から思い、幸せを感じる。

それに、こんなかわいい動物もいる。



ケープハイラックス(イワタヌキ目)ちょっと原始的な動物らしいよ。
カワイイ、カワイイ と連呼されながら一日のほとんどを日向ぼっこに費やしている。
かなりうらやましい奴。生まれ変わったら絶対こいつになろうと心に誓った。
(その手始めとして 僕のPCの背景画をこの画像に変更したぜ)


喜望峰、ケープポイントに向う。青、蒼、藍…… いつまで見ていても見飽はしない。
世界自然遺産と聞いて頷ける。


   

 いよいよペンギン村に着いたよ。たくさんいるねぇ。
僕たちひヒト科の動物の存在をほとんど気にしていない奴ら。好きやなー この性格……
ペンギンだけで200枚以上写真を撮っちまっただよ。 




  


丸一日外で遊んだので少し疲れたかな、 ぼちぼちワインでも飲みにいくよー

南アのワイン、こいつがまたすごいのよ 万歳!  ―まー

治安は悪いの? (南ア)

2012-04-10 | 南アフリカ物語

 南アフリカ共和国はアフリカ大陸の最南端にある。
南半球にあるのは承知のこと。季節が北半球の逆になる。春なのに秋なのね。 
バスタブや洗面台の排水溝の水の渦巻きは反対に回るって聞いたことはあると思うけど、
時計も反対に回るってことを知る人は少ない。(そんなアホな!)

     

 僕たちが観光するときは車が唯一の移動手段だといって良い。
観光用のミニバスをチャーターし、ドライバー兼ガイドさんが様々なことを教えてくれた。
アパルトヘイトのこと、黒人居住区のこと、経済のこと、気候のこと……。 
南アの消費税は14パーセントなのよ、ドジョウさん。


 
 治安が悪いといわれている。
白昼、複数の悪漢に首を絞められお金を盗られる観光客への被害が多いと聞く。
たとえばヨハネスブルグの中心地はゴーストタウンのようになっているらしく、
かなり危険らしい。
そういうところにどうしても行きたいのなら地元の護衛(ドライバー兼ガイドさん)をつけることになる。
個人では行動するなってこと。
でも白昼、無差別に包丁で切りつけるような人がいる日本の都会より安全かもよ。
少なくとも南アの強盗はお金を奪うというはっきりとした目的があって
人に迷惑をかけることへのポリシーがしっかりしてるもん。



 さて、腕利きのドライバーさんに連れられて一番の観光名所ケープ半島を回ってみることにしよう。 
世界自然遺産だぜ。
天気はこれ以上望めない絶好調、苦しゅうない! 


どういう心情なのか、
僕の頭の中はケープ半島と言うとペンギンなのね。
行くと決まったそのときから僕のPC背景はこの通り。
かなりテンション上がってました。

念願のペンギン村に行けるのか!  ーまー 

いよいよ旅立ちか!? (南ア)

2012-04-09 | 南アフリカ物語
さてぼちぼち出発したいところやけど、そう簡単にはいかへんねん。

 まず、KM3636の三兄妹のうちの長女次女「なっちん&しのちん」(略、ナツシノ)は
6年ぶりの懐かしいデュッセルドルフを見るべく先行二日前にドイツに到着した。
二泊した後ピアノ工房夫婦と一緒にヨハネスブルグに向う計画。
仕事の関係で旅行には残念ながら参加できない仲良しサトチンと二日間遊ぶ。 
Wiiでも遊ぶ… 6年ぶりの再会でも仲が良くて微笑ましい光景やった。



 お慶はんと長男の光君、そしてアーティスト仁君(のちに紹介予定)の3人は
直接成田から南アフリカへ向け飛び立つ。
そしてKM3636が待つ僕たちの拠点ヨハネスブルグ空港で総勢8名が二時間差で集合し、
更にご一行様はケープタウンへ(2時間の飛行)。そこで2日間の観光をするという算段。
 そのまた二日後にドイツから音楽家5名がヨハネスブルグへ向い、われわれと合流する。
総勢13名で4日間の合宿生活が始まるのだが、想像するだけで賑やそうやなぁ。

 僕たちが利用する飛行機の一機でも大幅な遅れなどで到着がずれ込むと、
全員が観光できなかったり、演奏会に間に会わなくなって取り返しのつかないことになりかねない。
これだけは避けたいのだけれど、日頃の行いを信じ定時到着を祈るしか方法はないようや。



 デュッセルドルフからヨハネスブルグまでが9000Km、飛行時間10時間。
日本からは直行便は出ておらず、香港やシンガポールで乗り継ぎになるらしい。
15000Km 合計17時間飛行ですかね、トランジットを含めるとかなりの時間がかかるよね。
ナツシノの帰路はお慶はん達と一緒に日本に帰ることになるので
大きな地球を横切り縦に飛んで斜めに帰る「地球三角飛び」の大技をすることになる。
スケールが違うなぁ、若いのに……

さぁ、南アフリカに出発するぞ

ところで、みんなは南アフリカってどんな国やと想像してますか?   ーまー

別件の準備に手こずる(南ア)

2012-04-08 | 南アフリカ物語
銀婚旅行を計画しているさなか、別の流れが生まれた。

 KM3636 (MK3636じゃなかったので訂正) の会社は日本企業なんやけど、
南アフリカ部署の本社はドイツにあるんやて。
あまりにも大きな会社のことなので僕にはようわからんのですが、
とにかくそういうことらしい。
ドイツと日本と南アフリカの更なる融合、連携、親睦を深める企画として、
彼の会社が主催でクラッシックコンサートを二回開催する案が持ち上がった。
日本人とドイツ人の音楽家を揃え、会場のピアノの状態を調べて欲しいなどと、
音楽事務所のようなお手伝いを依頼されました。

 演奏会のタイミングを僕たちの記念旅行にぶつければ一石二鳥の楽チン企画やん?
なんと安易な考えやったんやろぅ。 
音楽家の希望者は比較的すぐに募れたのだけれど、当初考えていた軽いノリではなく、
各国の代表や大会社のVIPを招く正式な会に変身していることに気付く。

 

 話が進むにつれ流石のKM3636にもなんとなく焦りが出だしているなと感じた。
計画が難航した場合を想定してBプラン(別案)を準備して保険をかけたりもした。
そう、僕の弾丸視察も決行された。



年末年始から出発間際まで、打ち合わせの数が増えたのは、決して飲み会を開きたかったからではなく、
皆のモチベーションを高めるためのKM3636と僕のきめこまやかな作戦やったんです。(ほんまやで)

さて、 いよいよ未知の国に出発しますか?  ーまー 


南アフリカ物語 序章

2012-04-07 | 南アフリカ物語

  彼らがデュッセルドルフに来たのはかれこれ10年位前のことかな。
日本からやってきたこの家族の主人をMK3636と名付けることにしよう。
(MK3636とは本来彼が当時ドイツで乗っていた自家用車のナンバーのこと。)
僕たちピアノ工房夫婦にとって彼らは単なる海外赴任家族ではない。
実はMK3636の奥さん、お慶はんはおかみさんの従姉妹に当たる。
幼少の頃(鎌倉時代)から付き合いが深く、まるで中の良い姉妹ように過ごしていたのだそうな。
日本から遠く離れたこの土地で、おまけに鍋の冷めない距離(三軒隣)で近所付き合いできたのは
偶然な出来事ではないように思う。
 
 僕たちとMK3636夫婦は年齢がみな同じ、さらに結婚したのも同時期なこともあり、
タイムラインが似ている同士ですぐに仲良くなった。
もちろん僕とMK3636は血は繋がってない赤の他人なのだけれど、
血より濃いお酒でまったりと繋がった友人。時間のある週末はたいてい彼と呑んでた。
日曜の昼ごはんもよく「納豆と卵がけご飯」を共にし、そのまま夜の部に流れていったもんや。

 楽しい時間はいつでもすぐに過ぎていくもの 
彼らのドイツ赴任生活は瞬く間に終わり4年後に彼らは日本に帰国した。
とても寂しいことやった。
でも我々はひとつの固い約束をしていたのでその寂しさはどうにか乗り切ることができた。
でもね、残念なことに僕は実際に約束したことをあまり覚えてへん。
何しろ彼らに会う時はいつも酒が入っているんやから。
酒の契りなんて所詮こんなもんや……



 どうやらその約束は、我々の結婚25周年を共に一緒にお祝いしようと言うことやったらしい。
日本やドイツではなく、どこか異国に集まって優雅に飲もうやないかいと、約束したらしい。
そのおぼろげな記憶の約束は僕にとって望むところやし、苦しゅうないことなので
なんとか実現させるために半年くらい前から計画は始まった。

 半年前の状況はというと、
我々ピアノ工房夫婦は相変わらずデュッセルドルフで霞を食いつづけている、
MK3636は南アフリカのヨハネスブルグに単身赴任中、
お慶はんは東京で子供3人(大高中揃い組み)の家庭を守っている。 
それぞれ仕事を持つ夫婦二組が同時に休みを取れるのは容易なことではない。 
あれこれとスケジュールをすり合わせなんとか 7日間は一緒に行動できることになった。
場所はどうする? 
MK3636が優雅さうえに少しさびしい単身生活を送る南アフリカで再会しよう! 即決やね。


 
これが僕たちの南アフリカ物語のはじまりや。  

この物語はとめどなく続きそうな気がする   ーまー