50年生きてきて蜂に刺された経験は無かったのだけれど、
蜂に刺されたんやと瞬時にわかった。
グリム童話「いばら姫」で有名な城跡に立ち寄ったものの改装工事中で見学できず、
城跡の一角のホテルでトイレを拝借し、工事中の城壁を撮影して
カメラをバックに収めようとしたその時やった。
まさに蜂に刺されたような激痛(こう表現するしかない)が
右手親指の付け根の一番柔らかいところから肘まで走りぬけた。
痛みをこらえながら老眼を酷使して突き刺さった針を抜き取り
刺された場所を口で吸う。アンモニアが良いと聞いていたが、
さっきオシッコしたとこやし… きっと効き目なんてないやろうし……
結局、いばら姫を助け出すこともできず、人沙汰離れた山の中から逃げ去るかように
片手運転で下り、薬局を探す。
刺されたショックとキャッチャーミットのように腫れあがった
吾が親指を見るとますます痛みが増すように思う。
薬局で消毒をしてもらい、虫刺されの塗り薬を買って一安心。
ま、ちっこいミツバチにさされただけやし、アレルギーも出なかったので
チクリとするひと夏の体験をさせてもろたっちゅうことですゎ。
35度を越す真夏のGöttingenで、ちべたいロゼを堪能できるまで回復した
からええとしよっ。
翌日はうって変わって気温17度。
心から敬愛する小川さんの生家を訪ねる。
もし会えれば彼のチェンバロ調律でもさせてもらおうかと考えてはいたが、
案の定、不在。夏休みやから実家に帰ってはると思ったんやけどね。
今回で2度目の訪問。博物館になっている母屋に繋がるモダンな建屋が増設され
彼の作品の解説が充実している。
小川さんの銅像、いや金像を見て笑う。
洋服のボタンを掛け忘れてるのか、ぷっくりお腹で閉まらないのか
ボタン2つ外れたままで偉そうにすまし顔なところがリアルなんやな。
みんなはどんな夏をすごしましたか? -まー