マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

坊ちゃんと雪化粧

2007-11-25 | 愉快な仲間たち

 ドイツ最果ての東の村 ザイフェナースドルフ
徒歩でチェコに行けるくらい思いっきり東に位置する。
ニワトリやアヒルのほうが人間よりも遙かに多い村。
鉄道も廃線になってしまったちょっと寂しそうな村。
そんな小さな村にドイツを代表する立派なピアノ工場がある。

カミマエダ氏はその最果ての村に奥さんと暮らし、黙々とピアノ作りをしている。
ピアノ作りに飽きたらず、畑で野菜作りにも精をだしている仙人のような友人だ。
先週彼から小包が届いた。「ピアノ部品ちょろまかし」を頼んだ記憶もないし
はてなんやろ? 小包は手応えのある重さだった。

完全無農薬の雪化粧と坊ちゃん
坊ちゃんカボチャって言う名前は聞いたことあったけど 雪化粧は初めて。
勿論、食するのも初めて。

 
 さて、どのように調理しよう? 
ーまーピアノ工房特製 坊ちゃんカボチャのグラタン風のできあがり
やっぱり季節物〔旬〕、今年の豊作をお祝いするということで 
ボジョレー ヌーボはベストコンビネーションやね。

 
 
慌ただしい季節の中ちょっとした息抜きができました
カミマエダ夫妻 ダンケ! メルシー! ありがとう!



   ーまー

?室内楽?

2007-11-21 | ピアノ技術者の仕事

 リハーサル前の調律のためにステージに上がるやいなや、予定されていたピアノじゃないことに気付いた。
演奏者の嗜好もあるし、「きっと斬新的な演奏者やな」と
立ち会いする前のピアノ選びの時点から好感が持てた。

2台のピアノを選んで演奏できる環境があること自体すごいことなんやけど、
意外な選択にちょっと驚いたりした。
そこにあるピアノを時間内で最高の状態に仕上げるのが僕の仕事。
できたてホヤホヤのピアノを選んでくださったおかげで仕事量が増えただけ。


リハーサル風景

 確かに興行的には大成功やった
音響効果抜群のホールはどんな小さな音も拾う。(残響が多いのではない)
さすがに一流の演奏家は繊細な小さな音も確実に表現し、パフォーマンスも完璧。
演奏される曲目も吟味され、観客のマナーも良い。
(若者がほとんどいなくて、ご老人が大半を占めているのが残念ではあるけれど…)
それでも満員御礼。立派のものです。

 日本の演奏会でもそうやけど、室内楽(弦楽四重奏とかピアノソナタとか)を大きなホールで演奏するのってどうよ?
時代がすすむにつれ楽器や建築の発達もあり、今の時代に見合った演奏会の開催方法に変化してきたんやと思う。
でもなぁ、確かに屋内ではあるけれど大き過ぎるやろ? 室内楽には!
やたらに会場が広過ぎて室内楽って言う雰囲気がない。緊張感がない。
いくら音響が優れていても臨場感が伝わってけえへん。
演奏者の息遣い、興奮、思い入れとかが直に感じられる空間ではないわなぁ?

「私は、XX君が好きなんよーーー!」って広い海に向かって絶叫している髪の長い女の子の心情をちょっと離れた風上の堤防からぼーっと眺めて入るような感覚ですわ。
やってることはよく理解できるけど「頑張ってるねー」って心の中で拍手するだけな感じ。 
もっと近くで叫んでくれたら、XX君への想いを共感できるかも知れんのになぁ。
 
 ちょっと変な例えやったかなぁ。

取りあえず、週末の仕事をひとつ終えました。


ーまー

季節が変わり風も変わる 冬は嫌いやねん

2007-11-18 | ピアノ技術者の仕事

 外気温3℃ 急に冷え込む
「はい、今からーまーさんは風邪ひきです!」 
ある一瞬を境目として のどの痛みを覚えた。

風邪は精神力で治すもんやと豪語したけどほぼ1週間モゴモゴしてた。
でも 寝込むわけにはいかんのでね、この季節は…

演奏会のお仕事がピークに達しています。
音楽関係者の仕事量が増える季節です
おかみさんもちょっとカリカリしてきたね、いつもはすっごい優しいのに……?

「忙しい」という言葉を使うのはあまり好きではない。
この言葉を使いすぎると効率よく仕事ができないのだと自分で公言しているみたいやん?
みんなそれぞれ忙しいけれど、何とかいろいろ試行錯誤して生活してるわけですからね
まあ「慌ただしい、時間がない シャイセ!(ドイツ語)」と言わせていただこう

この季節、何がいやって 週末がほとんど仕事でつぶれるんですね。
週末って1週間に1回しかないんですよ!
土日の演奏会が特に増えるので、休めないんですね、遊べないんですね。
平日に休めば?と言われるんですがそれもまたやっぱりできないんですね。
ありがたいことやん! って言われるし、自分でもそう思うんですけれど、
やっぱりいやなんですね。 何年もこの仕事をしていますけれど何年たっても
馴染めない季節なんですね。

とかいいながら 土曜日の夜にこんなこと書いてると、説得力がないわいな


ーまー

わがままデビルマンとのバトル

2007-11-14 | ピアノ技術者の仕事

 なんやて? 3日後に船便のコンテナを出すから修理したグランドピアノを木枠梱包して持ってこい?
そんな滅茶苦茶なこと急に言い出されても困るわー 木枠梱包なんて話は全然聞いてへんし!
ピアノの修理見積もりを出した時点からあんたは「ワガママなお客様」やと思てました。
修理した後、南アフリカの転勤先にピアノを運びたいという、
あんたの名前は「デビルマン」(仮名ですが実名にめちゃ近い)

修理内容から修理期間、引取りの時間指定から値引きまで、いろいろ譲歩してきましたわなぁ。
もちろん一度OK出したからには納品期日も守ります。一応僕もプロでっさかい。
でもな、更に納品期日を2週間独断で勝手に早めて、突然三日後に搬入? 
おまけに船積みの木枠梱包? 魔術師やあるまいし無理に決まってるやろ
まぁね、修理はきっちり終わってピアニストのユキちゃんにも試弾してもろたから技術面はOKや。
せやけど梱包は見積もりにもなかったし僕らの管轄外やね。

何? 間に合わんかったら修理代は払えへん?
おぃおぃ、ほぼ脅迫やんか デビルマン!
知る限りのピアノ専門運送業者に問い合わせましたよ ! おかげで半日潰れたやんか! 

オウ! 3日後に運べる奇特な業者見つけたで! デビルマンよ、でや!!

何? 朝の8時に持って来い? 
お宅まで50キロ以上離れてるし、いろいろ他のお客さんをキャンセルしたり
苦労して時間調節して、12時までなら何とかなるって運送業者さんはゆうてはります。
妥当な段取りやと思いますよ。
(結局、1時間遅れでコンテナに積み込んだ運送業者は偉い)

何? 僕が見積もった梱包費と請求額が100ユーロ違うから差し引いて振り込む、
これがフェアーってもんでしょっ てか?
ええ加減にせえよ、デビルマン! 
ここまで来てまだ自分よがりな解釈すんな!
と、心で叫びながらもきっちりと請求金額をお支払いいただくよう丁寧な請求書の解説文を書きましたよ。
(サトチンに添削してもらいましたので大丈夫! か??…)

いやぁ、お客様は神様やって三波春雄さんは言うてはったけど、悪魔の場合もありますぜ。

せっかくいい感じでピアノを仕上げて悦に入ってたのに
ゴリ押しデビルマンの連日電話攻撃で一気に興ざめや

  
飲まなやってられへんわ! 南アフリカのワイン(安物)で心のお清めしとこ。
しかしまあ 「!」 の多い文章やこと

ーまー

マルチン祭

2007-11-11 | そのほか

 〔マルチン祭〕とはどんなお祭りか解らん人は 〔ここ〕に飛んで再び戻っておいで

 提灯持った子供たちは一般の家だけでなくお店も襲撃する。
一曲(もちろんマルチン祭のヒット曲)歌えばお菓子がもらえるし、
商店はそれを見越して多くのお菓子の準備をしている。 
ピアノ工房もおかみさんが←(誰が買ったかを強調せな文句言われる)チョコレートを買って
子供たちの襲撃を待つことにした。

マルチン祭の頃は不思議なことにいつも天気が悪い。寒くて暗くて大抵は雨が降る。 
今年も子供たちは商店でしこたまお菓子を獲得するやいなや、
雨降る中、疲れた顔して足早に家路を急ぐ。
商店が立ち並ぶ場所からすこし離れたところにあるピアノ工房は素通りで無視される。 

案の定 訪問者数  0 (去年同様)

にんまりと喜んだのは カナッペ 
好物のチョコを独り占めできると計算したようだ
 
ほれ、食べる前に歌わんかい!

ーまー

レポート提出

2007-11-08 | そのほか

  「この前は、カナッペ2号が大変お世話になりましたね!」
ハイスクールにて、音楽会で使うピアノの調律を終え、
モダンな校舎の廊下を「ハー 疲れたどー」とだらだら歩いていると
事務局の中からおばさん(先生!?)が声をかけてきた。

もう一月半にもなるかね、カナッペ2号が職業体験で工房に来たのは…

さすがにしっかりした学校だけあって、体験レポートを書かされる。
大抵の生徒はポスターを作製するらしい。
レポートにするとたくさんの文字を書く必要があるので敬遠されがちなのだそうな。 
なるほど、当然 楽なほうがええわなぁ。

貼り出す準備中のポスターを
秘かに見せてもらった。 秘かに写真を撮った。 堂々とブログに載せた。

         

「カナッペ2号は僕の優秀な弟子の一人やったから、
一番いい点数つけといてくださいよ!」って催促しときました。

ーまー

松井のバット欲しいねん

2007-11-02 | 愉快な仲間たち

 げっ! とかなんとか言いながら ちょっとした野暮用でヌーヨークまで行ってしまうAkkochan
やんちゃなお土産の催促メールを書いた。
 
「松井選手のバット」 無理難題、洒落のつもりやった。
 
そういえば以前ヌーヨークに住む友人にも同じ催促をしたことあるねぇ。
松井のバットは無理なので ジュリアード音楽院のバレエ練習所で使っていたバーを持ってきてくれた。
「青竹踏み」として愛用している

野暮用で駆け回るAkkochanはわざわざ時間を作って
テーシャツやらマウスパットやらマグカップやら
数々のヤンキーズグッズをプレゼントしてくれた。
なんか童心に戻ったような錯覚を覚える嬉しさを感じた。

お土産いただいて気がつきましてん。 松井選手って背番号55なんや!
実はな、僕ヤンキーズファンでも松井の大ファンでもないねん。
Akkochan ほんまに堪忍な! 
僕がほんとうに欲しい物はイチロー選手が使ってた手袋やねん。 
次回野暮用でシアトルに行かれる際はこれを是非お願いしときますわ。


 ーまー