マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

城塞跡のピアノ

2011-04-30 | ピアノ技術者の仕事


  

 ウィーンのピアノメーカ「悪い村人」を綺麗にする仕事を承りまして候。
なるべく軽快なタッチに仕上げるため、磨くところは磨き、
鍵盤の裏側もサラサラお肌に仕上げ候。 

 

 

昔々、城塞があった小さな街。 城塞の塔を文化施設として使っている。
塔の中に入ると石造りの狭い螺旋階段がある。それを上りきったところに小さな音楽会を開くスペースがある。



今回の仕事で、ピアノの鍵盤やアクションを運び上げるにも息絶え絶えになったのに、
よくもまあ、この重いグランドピアノを運び込んだものだと感心した。
運送時に作ったであろう当て傷がピアノのあちこちにあり、苦労の跡が伺われるのですが、ちょっと残念。

 石造りなのに残響ほどほどによろしく、良い感じに響く会場。
さらにロケーションが粋で、独特の雰囲気で音楽が楽しめる空間を素敵だと思った。
演奏会を楽しむにはこの螺旋階段を克服する基礎体力が必須なのですが…

ーまー 


春、まっさかりなう

2011-04-21 | そのほか

 ♪ ルールル ルルッルー 今日はいい天気ィー ♪
サザエさんのテーマソングのような陽気が続いています。
しっぺ返しが来て、寒くてうっとおしい雨の連続がやってきそうで
怖いのですが、とりあえず 高気圧万歳のイースターです。




ライン川岸の羊たちを観に行きました。
でもね、 羊は遠くから眺めているのが一番です。
近づくと思いもよらず キチャナイし クチャイし…









休日なのでお店は閉まってます。ウインドー越しから
派手なアクセサリーを着けたのんきそうなえっちゃんに似たカエルと 
冷めないように紅茶をお腹の中で守ってくれるけなげなウサギを眺める。





おっと、 ボトルを並べた新しいお店を発見しました。
工房近くにこんな店を作っちゃいけません……
誰と一緒に行こうか悩むやんか。


 
明日もいい天気ィー -まー
 

はてな?の電球A

2011-04-16 | 笑い

 我が家の電球は省エネ型。通常の明るさになるまでしばらく時間がかかる。
けれども何せ省エネやから少しは我慢しよう。

電球B君、C君は我々の命令どうり毎日正常に作動している。
ところが電球A君は一日おきについたり消えたりする。
今日は消える日。何度スイッチを入れなおしても消えたまま。
きっと明日は正常についてくれるはずだ。
日本の原発事故以来この状態が続いている。

自発的に計画停電を続ける電球A君へ
節電に協力してくれるのはありがたいことやけど、
ここはドイツやから、ちゃんと普通に仕事してくれてええねんで。
ありがとさん

ーまー

少しでもええから…

2011-04-08 | そのほか

 阪神大震災があった時(1995年)、情報はテレビ、ラジオ、新聞くらいからしか
得ることはできませんでした。
インターネットなんて普及してなかったから、情報不足でヤキモキしたものです。
あれから16年、情報社会は進化し、リアルタイムにいろんなことが伝わってきます。
(ゆがんだ報道もあるのですけれど…)
 知人のボランティアの一環で、乳幼児用のパンパースを青森を経て気仙沼に送ったおかみさん。
ネットで輸送状況を追うことができ日本に荷物が無事に到着したかどうかも確認できます。
このパンパースたちはドイツからの贈り物としてテレビ放映されたといいます。



 少しでも役に立てたかなという小さな達成感と裏腹に更なる追い討ちをかけ、
大きな余震が続いてやってきています。  
恐怖におののきながらもじっと耐え、倒されても立ち上がるしかない被災者の人たち。
気の毒でたまらないのだけれど、今はただ エールを送るしか方法は見つからない。
僕があまり好きではない言葉「がんばって」しか出てこないのがやけに悔しい。

 我々海外組みも少しでもええから支えになれるよういろんなところで動いています。
今日は音楽関係者の義援活動のひとつを紹介しましょう。
デュッセルドルフにあるお寺 恵光ハウス(独日文化交流施設)
で行われたチャリティーコンサート。

集まった募金は僕たちの元気と一緒に 宮城方面に届けられるそうです。

最近 涙もろくなったのは 単に年齢からくるもんなんやろか … ーまー

また 来はってん

2011-04-03 | ピアノ技術者の仕事

やっぱりテレビ向きの人間やないな、僕。

特に今は日本の事情もあるので 注意深くお願いしますって念を押したけど、
外国で頑張る外国人をポジティブに紹介することが目的ですので
絶対にネガティブな取材はしないと約束してくれた。



はじめは調子よかったんやけど、でもインタビューされるのがやっぱり苦手。 
ドイツ語云々の次元ではなく、まず作業しながら質問に答えるという複雑な行為ができない。
質問の答えも イエス ノーだけではだめ、なにかぐっと来ることを短く話せといわれましてもねぇ。 
ピアノ弾いても ひどい調律とたどたどしいろれつの回らない演奏。
不細工に昼飯食べてるとこや、靴脱ぐシーンまで撮らされた。
どこがポジティブなんよ。
前回の最悪な取材と変わらん位の達成感のない気分。



この撮影チーム 500キロ南からわざわざ僕を取材するためだけに来て、
八時間取材、それから編集に何時間もかかって最終的にたった四分の番組枠やってさ。
なんか申し訳なくなってねぇ。こんなんでえええの? 

いつの日にか ドイツ全国のお茶の間に恥をさらしてしまう僕なのである。
知人みんなスルーしてくれれば良いのになぁ…     ーまー