マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

緊急のお知らせ

2006-08-31 | 笑い
 こんなプライベートなことをブログで公表するのはよくないかもしれん。
せやけど書かんと自分の気持ちの整理付けへんから…
ちょっと長くなるけど読んでみて。もちろん途中で嫌になったら辞めてもええし。

今日お客さんとこでピアノの調律してたらおかみさんからSMSが送られてきた。
SMSって日本で言う携帯メールのこと。

ps. watashitachi konyaku simashita! yoteiha mattaku miteidesuga...
 
???
ボクの記憶違いやなかったら、たぶん今おかみさんはボクと結婚してるはずや。
何でいまさら婚約やねん? 
婚約するんやったら結婚してたらでけへんやん? 順序ちゅうもんがあるし。
要するにボクに黙って結婚したい人ができて、とりあえず婚約したってことか?
こんな重大なこと携帯メールで軽くしてくるか? 
まぁ、言い出しにくいことやろうけどな。
いったい、「私たち」ってだれのことやねん? 僕の知ってる奴なんか? 
ボクの知らん間にそんな奴おったんか? 
この前、人前で仲ようピアノ連弾して見せたんはやっぱりカモフラージュやったんか?
何で今まで気いつけへっんかったんやろ! 
そら僕の至らん点も仰山あるよ、せやけどなんでやねん?
Psってどういうことなん? 今までの生活はここまで。ところで私たち婚約してん。ってか?
わかった。向こうがそう出てくるんやったらこっちにも考えあるわい! 
サトチンかてもう大人やから一人で何とか生活できるやろ。
お互い新しく第二の人生を始めようやないか!!!

いろいろ深く考えながら車運転して帰って来てん。
「メール読んだ?」
早速きた! 向こうは結構強気やな ここは落ち着いて話さなあかん。
「だッ だ 誰のことかわかれへんわ! あぁ あんな書き方したら」
あかん焦ってる、とりあえずトイレにいて体制整えよ。

トイレから出てきたら敵はこう切り出してきよってん。
「月曜日に観た演奏会の記事が新聞に載ってたから、しほさんにメール書いたの、
奇麗な写真だったし。そしたらすぐメール返ってきて、ビックリ。しほさん婚約したよ!
そのまま返信したけど読まなかったの?」

『なんや、しほさんが婚約したんかいなぁ。いろんなこと考えてしもたがな!
もらったメールそのまま転送しても携帯の場合、差出人はあんたや! あんたが主語や!』

おかみさんの婚約と違ごた。せっかく描いた第二の新しい人生もないってことや。
      
  安堵 and 落胆  

そしてしほさん……


この演奏会の始まる前に指輪もろてんて! 奇麗に写ってる素敵な写真やね。
婚約者のスベちゃんの右手だけ写ってるとこがまたええわ。
予想通り会場の音響の悪さでのクリティックが目立つ記事やけど、お二人さんにはええ記念になったね! 丁度指輪見せて弾いてるみたいやんか! 
僕ら二人みたいに末永く仲ようやっていきや! ほんまに!

PS. 8月31日 20時から、ワインキャットにて親方さんはしほさん&スベちゃんと乾杯します。もし時間ある人は一緒に乾杯しませんか? 婚約解消したおかみさんも立ち寄る予定です。
 

  『しほさんおめでとう!』のクリックはここ

―まーでした。 ふぅ 長っがー

 

知ってた?

2006-08-30 | そのほか
 たまに「詩」なんか書いたりすることもあるんですけど、
キャラクターに合わないらしく、「くっさいから止めときーな!」て言われたりします。
関西語は柔かくておっとり聞こえるけど、「臭い」と言うのに「っ」というグサリと突き刺さる小さな言葉がひっつくと、残酷な言語に早変わりです。


 「この詩はめちゃ心に響く、ええ詩やなぁ」て言う詩に初めて出会ったのはいつですか? そしてそれは誰の作品ですか?

 『鉄腕アトム』
これが僕の始めて出会った強烈な詩、物心ついた時に洗脳された詩ですわ。
詩というより歌詞ですけれど、「ぼくは鉄腕アトムやでー 強いでー ちゅうしゃなんかこわないでー」
なんでも我慢できるんですね、あれを口ずさむと。 
「キュ キュッ」ってほんまに音出して歩けてたし、足の先からジェット噴射して空も飛んでたよ、ボク。
「科学のこー」だけ意味が分かれへんかったけど、あのあたりの高い音はちゃんと裏声出して歌ってたよ。

この詩(歌詞)を作った人が谷川俊太郎さんやったって初めて知ったのは去年。
へー あの頃からおせわになっててんなぁーって驚いたもんですわ。


鉄腕アトムの詩を書いた人は谷川俊太郎さんやった。
  
 へー 知らんかったわーって言う人は 
    このボタン→をクリック
 
そんなん知ってるわ! って言う方は
    このボタン→をクリック

 そのことについてコメントしたい方は
 ....↓( )内の数字をクリックしてください        -まーでした。  ↓ここらへんか?

Konzertina

2006-08-27 | ピアノ技術者の仕事

. 職業柄、ピアノ以外の楽器にも興味があるんです。
どうやって音が出るんやろ?
どんな材料がつかわれてるんやろ?
どこで作られたんやろ?
どんな構造になってるんやろ? 珍しい楽器を見ると知りたいことが増えてくるなぁ。

『コンチェルティーナ』を覗いてみよか?
そのうち解体して中の構造の画像も載せるけど、ちょっと待っててね。
なんせピアノの仕事もやらんと生きていかれへんからな。 


Konzertina (Concertina)
アコーディオンとか足踏みオルガン、ハーモニカなんかのリード楽器族。
タンゴ音楽に出てくるバンドネオンが形として一般に知られてるよね。
ドイツの東の端、あと半歩ほど歩くとチェコにいけるようなへんぴなところがこの楽器の故郷。
ケミニッツ、マルクノイキルヒェン、カールスフェルドは昔も今も楽器製造の村。
1つのボタン鍵盤で押し弾き違う音がでてややこしそうやけど、楽譜が読めんでも弾けるようになってる庶民派楽器やった。それで、ルール工業地帯あたりの炭鉱夫たちの余暇でバンドを組んだりしてけっこう流行ってたらしい。
クレッフェルド(デュッセルドルフから25キロほど北)の楽器屋、Bandさん(坂東さんちゃうよ)がコンチェルティーナのボタン部分を改造して作らせた楽器がBandonion 『バンドネオン』。
たぶん „Band Union“ とか言うネーミングを意識しはったらしい。1850年頃のお話ですわ。

 その頃アルゼンチンに移住するドイツ人も多く、簡単に運べる楽器バンドネオンがアルゼンチンに上陸して、タンゴに取り入れられるようになったんやて。
なにやら、娼婦宿に行く金がなかったドイツ人が質屋でバンドネオンを流し、アルゼンチン人の手に渡ったんが始まりやって伝えられてるそうですわ。(当時から助兵衛なドイツ人はおったんですよ!)

          

1920年あたりから、アルフレッド アーノルド(AA)製のバンドネオンが
ごっついええ音する言うて有名になってんて。
ピアソラとかが魂丸出しの演奏してるのもその楽器ですわ。
欲しいゆうて探しても最近はなかなか手に入れへんのですけどね。

これがコンチェルティーナの簡単な歴史やけど、 
まあ、タンゴに使われるバンドネオンはドイツで生まれた楽器やって覚えといてください。


楽器提供はピアノ工房-まー御用達、『ワインキャット』のオーナーです。
不思議やろ?

「なるほど勉強になったかも」の認印お願いします。


 -まーでした

タネも仕掛けも……

2006-08-24 | 笑い
 あーあ、やっぱり一緒に買いもんについてけえへんかったらよかったわー
いつもの井戸端会議が始まってしもた。あのおばちゃんら二人に捉まったら会議は長なんねん。
買い物籠を左腕に挟んで、右手で口をふさぐようにして話ししはんねん。
「いやっ! ほんまにぃ」「おくさん ちょっと聞いてえなぁ」ってな。
3人向き合って同じ格好してるなぁ。三つ巴のポーズやんか。
何でそんなに話することあるんやろ。 ちょっとは待ってる人の気持ちになってーな。

買いもんに付いていく→ 途中で「ママ、のど乾いた」の連呼→ パン屋の前あたりで歩く速度を落とす→ ため息混じりにコーヒー牛乳を買ってもらう。
これがボクのささやかな作戦やったけど今日はあかんわ。家でレゴしてたらよかった。
まだゲラゲラ笑ってはるわ。これからがまた長いねん、ほんまに。

たいくつやなー てもちぶたさんやなー

と思いきや、ポケットの中でなんか小さいもん発見!
鉛筆のおしりについてる消しゴムや。おととい、消しゴムをちょっとひっぱったらちぎれてしもた。わざとやったんちゃうよ、「ふほんい」ってゆうやつや。
どうせそのうち見つかって怒られるけど、今すぐに怒られたないからとりあえずポケットに隠しといてん。
ちょっとこれで暇でもつぶそか。

―― たねもしかけもございません ここにあるのはかってにちぎれたエンピツのおしりについてたけしゴム これをあっというまにはなのあなにいれてみせましょう 
チチンプイプイのプイ!  ほら、ごらんのとおりすっぽりはいりました
ごあんしんください  「フン!」 はなからいきをはくと、ほらポコッとでてきます
もういっかいやりますよ!
チチンプイプイのプイ! さっきよりもっとおくにはいりましたです
ごあんしんださい  「フンッ!…」 でませんねぇ 「フンッ!!…」 あれ?
こういうときはひとさしゆびではなくそをほじるように…… 
さきっぽにはさわってるんねんけど、
こゆびのほうがちいさいから……  あかん、どんどんおくにはいってく! 
どないしょー  ――

これはもうボク一人では出されへんわ。 
鉛筆の消しゴムちぎったんもばれるし、「あほやなぁー!」言われてもしゃあないな。

「あんなー」 買い物籠を引っ張って声かけたけど、
3回うなづいて「わかってる!」やて。
きっとわかってもろてへんと思うわ、この苦しみと不安な気持ち…

ああー なんかだんだん痛くなってきた感じや、大丈夫かな、むずむずするなー

「ハックショイッ!!」     をっ!

ぶじにでてまいりました!  たねもしかけもございません!

   ーまー丁稚、鼻の穴の大きさが左右違うのは数十年前の手品の名残です


「出てきてよかったなぁ」の認印はこちら
  

ーまー でした

楽しい夏休みももう終わりや!

2006-08-20 | 愉快な仲間たち
  んー なんか物足りん。結構長い夏休みやったのに…
サッカーワールドカップで盛り上がり、イタリア旅行も堪能した。 
せやけどまだすっきりせえへん。 

よっしゃ! 工房パーチーしよ。
------------------------------------

「夏休みの友」完成記念、マイスター取得15周年記念、夏のお別れ会。
テーマはいつでもいろいろ思いつくわな。
みんなにメールして、樽ビール、箱ワインを買いに行って…
ここら辺の段取りはテキパキできる。




修理したピアノが完成したからって、毎回こんなことするわけではないけれど、
演奏者からのアドバイスを受けたりするといろいろ勉強になるからね。
音楽仲間に演奏をお願いしてみました。
快く引き受けてくれたというよりも本当に楽しそうに演奏が続き、終わるところ知らず。

            




これで今年の夏とも心残りなくお別れできそうですわ。 
あとは働くのみか? いやいや なかなか   


親方とおかみさんの余興もありました
恥ずかしいのでプチ画像ぢぁ!
                             


「音楽はたのしいなぁ」の認印お願いしときます
  
     
 -まー でした

グルメのばんさんかい

2006-08-18 | ピアノ技術者の仕事
 
 このブログによくコメントを書いてくれるmimiさんに、この前あるホテルのレストランで仕事(ピアノ調律)してるところをガラス越しに覗き見された。
どこで誰が見てるかわかれへんねぇ。ほんま、悪いことでけへんなぁ。
と言うか、悪い事してる時でなくてよかったわぁ。
、、、、、、、、、、、、

レストランでピアノを使用するというのはたいてい結婚式とか、ディナーのBGMとか、そういった演出のひとつに他ならない。雰囲気を盛り上げるための装飾的な意味合いが多い。
たとえピアニストがどれだけ感性豊かに弾いたってほとんど誰も聴いてくれてないようで、
演奏のし甲斐のないお仕事のことが多いと思う。

今回、このホテルのレストランでもたぶんディナーの余興かなんかで使うのだろうと高をくくってた。―白いピアノやし―
ピアノニストが寺田まりさんって聞いてビックリした。
ちょっと待てよ? きっと彼女のことやからなんか特別VIPな連中のディナーかもなぁ、なんていう直感は大当たり。


      

メニューを見せてもらった。西暦1248年から続いているグルメの会の晩餐会。
13世紀言うたら、藤原のなんたらかんたらが摂政関白で…言う時代。
そんな頃から続いてるグルメ会。(当時いったいなに食べてたんな?)
フルコースの各コースの料理とワインにあったピアノ曲を寺田さんが選んで演奏するという特別企画。
10分くらいのピアノ音楽を先ずじっくり聴き、そのあとに料理とワインが出てくる。それをフルコース(6回)繰り返す。
聴覚、視覚、嗅覚、味覚、を駆使してディナーを楽しむのだそうな。
面白そうやなあ。でも疲れるやろなぁ。

グルメの方たちはきっと彼女の音楽を心置きなく堪能したやろうとは思うけれど、
10分弾いて引っ込んで、待ち時間30分…また10分弾いて退場して…… 
演奏した当の寺田さん、毎回の仕切り直しによる細切れの緊張をどのように克服したんやろ。
ピアノ音楽に似合った料理とワインの味も知りたいけれど、彼女のマインドコントロールの方法も是非知りたいと思った。

←ここをクリックすると今何位になっているかひと目で分かります。
おおきに


ーまー でした



おまけ Lago2006

2006-08-16 | Lago物語
 
 イタリアのオジェビオ村、オーケストラ講習会は無事今年も終わり、朝食会のあと解散となりました。
このまますんなりデュッセルドルフに戻ってしまうひ弱なピアノ工房御一行様ではありませぬ。
イタリアの友人宅を尋ねたり、バイオリン製作の街クレモナでストラディヴァリを指くわえて眺めたり… 去年はアルザスにワイン買出しに立ち寄ったっけ。何年か前はそのままフィレンツェまで足を伸ばしたけどさすがに運転がしんどかった。

今回はドイツのヴァイオリン製作の街Mittenwaldをひやかして帰ることに決定。
イタリア、スイス、リヒテンシュタイン、オーストリアそしてドイツ、5カ国をまたにかけての ―旅のおかわり― と相成りました。

Mittenwald ミッテンヴァルド「森の真ん中」書いて字のごとく山に囲まれた街。

  
冬はスキー、春夏はハイキング、サイクリングや登山で賑わう、観光地。
一山超えればインスブルック。 親方は3回目の訪問ですわ。

かれこれ20数年前にバックパックかついで旅して回ったことを思い出したよ。
ほぼ毎日ソーセージ食べてたなぁ。
南田辺商店街の肉屋のソーセージは嘘物やと初めて気付いた旅やった。

今日もそれを頼んでみよ。きたきた!
  
んー 懐かしい味。デュッセルドルフの肉屋のソーセージもニセモノかも知れんな。
パホッて皮がはじけるように歯の間で割れて、香辛料がジューシーな肉汁と程よくマッチしてる。べっちょりしたオイリーな感触とちゃうね。甘めのマスタードが決めてヤネ。
パンがまたぎっしり重量があるのに柔かくて香ばしい!焼きたてでまだ暖かい。
極めつけはここのビール! ヤッホー おおきに!! 
喉越しすっきり、口の中の肉汁がすっきりと一瞬でなくなる感じ。何杯でも入るわ! 
地元のおっちゃんたちの体型が納得できるおいしさやね。

そう、バイオリン製作の街。ドイツ唯一の製作学校があって、ドイツ人はもちろん日本のヴァイオリン製作者もここ出身の人が沢山いらっしゃる。
彼らもここのビール飲んで育ったんやね。
      
ヴァイオリン製作博物館に行こう。ここは必見!(と言うか見るとこはここぐらいしかないねん) 最近新しく改装されたらしく、田舎に似合わん近代的な博物館に変わってた。
ビデオを見たり、塗料の匂いを嗅ぐこともできる。楽器好きな人は勉強になるよ。
Mittenwaldはクロッツ家のヴァイオリンが特に有名やけど、自然に恵まれた土地やからこそ木で作られた楽器製作が発達したんやろね、きっとええ環境なんですわ、ビールもうまいし……


ということで今年の楽しくて短かったLago物語はこれでおしまい。

みんなはどんな夏休みを過ごしてはるんやろ? 

ーまー でした


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職人の「夏休みの友」5

2006-08-14 | ピアノ技術者の仕事
 日本ではお盆休みに入り、帰省されている方も多いと思います。 
お盆休みも返上で労働に勤める方もいらっしゃることでしょう。
ピアノ工房もそのひとつ。といっても一足先にしこたま遊んでたから極めて普通のこと。ただ「日本がお盆休みやのになんで僕は休まれへんの、ずるいなぁ!」ってワガママなだけです。こういうことを「へんねし」とか「幼稚子敵討ち(おさなごのかたきうち)」って言いうそうです。
・ ・・・・・・・・・・・・

グランドピアノはほぼ完成に近づき最終仕上げに入っていますがしばらくおあずけ。
アップライトピアノの鍵盤修理をしましょ。
      

鍵盤はテコの原理で動いています。支点、力点、作用点って理科で習ったよね。
支点(バランスピン)をガイドする場所はブッシングクロスといって1.3ミリ厚くらいのカシミアが貼られています。
力点の鍵盤前の裏にも同じようにカシミアが貼られていて鍵盤が真直ぐに下りるようガイドしています。この2箇所のクロスは長年の使用で磨り減っているので交換します。
古いクロスを剥がすには蒸気の熱で接着剤(ニカワ)を溶かし緩めピンセットで摘まみとります。
クロスを帯状に切ってひとつずつ貼り付けていきます。
                
いったいどのような方法でこの細いところに貼り付けるんやろねぇ? 考えてみて!

戦前のピアノは象牙鍵盤に変わり新しい素材が開発されました。
Elfenitといってセルロイドの鍵盤チップがよく貼られています。セルロイドは経年変化で収縮し、ひび割れが起こります。
これを剥がして、アクリル製に張り替えます。
貼りつけるよりも剥がすほうが一苦労します。なかなか奇麗にはがれてくれないんですよこれが・・・


貼り終わると(早いなぁ)やすりで鍵盤にあわせて削っていきます。
鍵盤を取り付けながら新しいクロスを特殊プライアで圧縮させたりして(「殺す」と言う物騒な名前の作業)鍵盤の動きを調節し、鍵盤の間隔もガイドピンを左右に曲げて揃えていきます。
奇麗になってきたやろ?
                                  


久しぶり!  ドイツ語ワンポイント講座!
 ピアノのアクションを「調整する」は業界専門用語で「整調(せいちょう)する」(夏休みの友4参照)
ドイツ語では 「regulieren」 カタカナで書くと「レグリーレン」ですが
(r)と(l)の発音がめちゃめちゃ難しい!(re)はヤクザの巻き舌 (li)はイを強調するとなんとなく格好だけは付くけど未だに何度も言い直さんとドイツ人に通じへんことがあります。
ほぼあきらめ状態です。 あきらめも肝心です。
日本人的発音で思いっきりドイツ人に笑ってもらいましょう。
Mit fleundlichen Glüßenってわざと言うとウケまっせ!


           
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ーまー でした。

黒板の落書き Lago 2006

2006-08-12 | Lago物語
 
 音楽をベースにイタリアでぼけーっと休暇、なかなか趣があって楽しいよ。 

とうとう締めくくりの演奏会。
激しい夕立に見舞われて、あまりお客さんは来ないだろうと思ってたけど、ほぼ満員。
小さな村やから楽器を持ち歩いてるだけで宣伝効果は抜群。村役場がポスターを作ってくれた。
「おお、またあのオーケストラが来てるよーやね」「楽しみやね」
村には遊ぶところがないのでこういったイベントには皆喜んで参加するみたい。
素朴な人たちなんですよ。 



前日のゲネプロでは ― ヲイヲイ 大丈夫かぁ?― なんて思われる音程やリズムがあったりしてひやひやしたけど、本番では ― オー、ちゃんと弾けるやん!― たいしたたまげたが続出。アマチュアのパワーは怖さ知らずで恐ろしい。
趣味で楽器やってる人たちやけど、音楽に対する情熱には脱帽しますね。
若者も入ってるけれど、大半が年配の方。わざわざ北ドイツから何回も電車を乗り継いでこの講習に参加しに来る人もいる。毎年少しずつ上達してやって来るところが頼もしい。
技術や音楽性のレベルの差がある彼らをたった1週間でまとめてしまうMAの指導力もあっぱれですわ。
演奏会後の達成感あふれる笑顔がみんな奇麗でかっこいい。



そんなアマチュアたちの奏でた音が素朴な村人に伝われへんはずないやん。
「ブラビー グラッチェ!! 2007年にまた逢おう」
小さな黒板に書かれた粋なメッセージがそれを物語ってる。
来年もまた聴きたいって思わせるんやからね。
音を楽しむ『音楽』ちゅうもんはこういうことやねんやろなぁ。


演奏会は夜の9時から始まった。終わったのは11時過ぎ、これから隣町のレストランで打上げがある。
恰幅がええイタリアかあちゃんが偉大な音楽家たちを自慢の魚介料理で待っている。
イタリアの夜は長い。
 

ーまー
          

いつもありがとうなぁ 恐縮もんですわ
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おおきになぁ

夕暮れにふと思う Lago2006

2006-08-10 | Lago物語
 
 ぼちぼちイタリアでの休暇も飽きてきたんとちゃう?
9日間も同じ場所でぼけーっとする遊び方なんか慣れてないと退屈するかもね。
それは君がどっぷりと日本人やからです。

ドイツ人は休暇を大切にしてる。
一生懸命働いてそのあとは思いっきりゆっくり遊ぶ。
頭の中を空っぽにして、仕事や日常生活から完璧に離れてリフレッシュ。
そうすると新しく物事が考えられて次のステップが踏める。理想的な生活環境やね。
生活するために働く多くの日本人から見るとちょっと贅沢すぎる。「羨ましい」と思うかも知れへん。

現実はちょっと違う。(以下、一般論でっせ)

生活を活性化させるためにあるはずの『休暇』がその中心で叫びすぎていて、
休暇=生活、まるで休暇を待つために仕方なく働いているかのよう。
その働き方が手抜きに見える。手を抜いても休暇は必ずやってくるから。
ほんまは勤勉なドイツ人やのに休暇に守られ甘えすぎて傲慢になってしもたような気がする。
おまけに休暇手当てなんて出る会社もあって、有給休暇+ボーナスなんて生温い極楽パラダイスですよ!
個人経営している人たち(親方を含める)の辞書にはもちろん有給とかボーナスなんて文字は初めからないけれど…… 
まだまだドイツは平和な国や。そのうちボッコーッて頭打つんちゃうかなぁ


などと思い巡らしているうちに最終日の演奏会プログラムも発表され、終盤に入ってきたよ。
                 

なんやかんや言うても、思いっきり働いて思いっきり遊ぶのは大賛成!
残り少ない休み。とことん遊んでみるか?!

君はどう思う?

ーまー  

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読書そして買い物 Lago2006

2006-08-07 | Lago物語
 
 ほら、まだ君はイタリアのマジョーレ湖、Oggebio村で一緒に休暇してるんよ!

オーケストラ講習会参加メンバーはそれぞれの合同練習や個人練習の合間を縫って、湖に泳ぎに行ったり、ハイキングしたりして休暇を楽しんでるみたい。
その間、僕と君はかなり暇!と言うかいっぱい時間あるよ。山登りしようと考えてんけど、3歩ほど歩くと汗が出て、散歩などしようものなら汗が噴き出してくる。別にここまで来てつらい思いせんでもええやん?
こんな日は木陰に入ってゆっくりと本でも読んでましょか。湿度が少ないからカラッとしてて気持ちいいね。
今回用意したんは 
村上春樹 「中国行きのスロウ・ボート」
重松清 「小さきものへ」
片山恭一 「空のレンズ」
谷川俊太郎 「夜のミッキー・マウス」
地球の歩き方 「スコットランド編」 いかがなもんでしょうか?
ガーデンチェアに寝転がって、青空がバックスクリーン、遠くに聞こえる小さなボートの水を切る音がBGM。
時々吹く風が柿木をゆっくり揺さぶると、ふわっと意識が遠のいていく。
ええ気持ちやなぁ……

のんきな読書に飽きたらちょっと大き目の隣町に買出しや! いってきまーす


    
ただいまー!
おもしろいもん見つけたで! ぺちゃんこの桃。その形から「土星」って名前付いてるわ。サクッとした歯ごたえでそれほどジューシーなことないけど甘いよ。癖になるね。
ここの果物と野菜は、不細工で汚いけど格別に美味い。

       
イタリアのビール。これだけ日中暑いとどうしても欲しくなるけど。
デトレフはビール派やからしかたなしで買ってきたってん。まぁ、付き合いっちゅうもんがあるから一緒に飲んだるけど、そんなにおいしいもんでもないような…ごにょごにょ…

                
高価なワインなんて全く必要ない。その場の雰囲気でいくらでも美味しくいただけるもんです。
右の白ワインは今晩の「アンチョビとアンティチョークのスパゲティー」と一緒に呑む分。(今日は僕が作るからね)
他の2本は赤の発砲ワイン。
1本は食後に月見草がパコって音を出して咲く瞬間を見るとき用。
もう1本はもっと暗くなって星空を眺めるとき用。 
このように常に用途に合った飲み方せなあかんよ!
親方風健康飲料のいただき方、ちょっと一緒に試してみる?

ーまー
      

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職人の「夏休みの友」4

2006-08-05 | ピアノ技術者の仕事

 休暇の余韻にどっぷり浸かってるだけではいけませぬ。
メリハリのある生活をしましょう。
Lago物語はまだまだ「書くこと多し」ですが、「夏休みの友」を再開している職人の優等生振りを主張しとこ!
それでもなかなかエンジンはかかりませんが、残された時間が少なくなってきたのでやるしか仕方ありませんね。
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ハンマーの整形。
長年使われたハンマーは弦に叩きつけられた跡がくっきりと付きます。ひどくなると傷口が深くなりハンマーの形が悪くなります。サンドペーパーで削り、形を整えます。
音色に直接関係する作業なので慎重に削ります。
この楽器のハンマーは何度も整形修理されかなり小さくなっていて、交換ぎりぎりの状態ですがあえてもう一度整形して使うことになりました。
昔のフェルトの材質は優れたものが多く、この楽器も柔かいけれど芯のしっかりした弾力ある音色がします。(コシのあるうどんのような感じ、スパゲッティーのアルデンテ!)

        
グランドピアノのダンパーフェルトの交換。
これが部品交換する最後の工程。
4種類の形の異なるフェルトをひとつずつ接着します。丁寧にね。


        
接着が終わると本体に取り付けて整調作業に入ります。
ピアノの各部品(打鍵機構と鍵盤)が理想の動きをするよう調整します。
高いものは低く、少ないものは多く、深いものは浅く、短いものは長く、左に向いているものは右に… 
「根気」という言葉がよく似合います。「意地」かもな。

この作業のことを業界用語で 「整調(せいちょう)」といいます。
何で「ちょうせい」って言わんと「せいちょう」って言うのかはわかりません。
昔の親方が「せいちょう」言うてたから「整調」でええねん! わかったか!!

調律数回を途中に加えながらこの作業は3、4回繰り返され、動きの精度を高めていきます。 

あともう少しや がんばろ! 肩こるでー

ーまー


      「わー、肩凝ってきた」の認印お願いします。
           

顔見世 Lago2006

2006-08-04 | Lago物語
 
朝ですよー ええ天気になりそうやでー

早朝ジョギングのついでに朝食用のパンを買ってくるのがバーバラ嬢の日課。
汗いっぱいの爽やかな顔で戻って来た。
彼女がシャワーしている間に、紅茶、コーヒーを作り、朝食の用意しとこぅ。

ドイツの管楽器族3人(バーバラ、デトレフ、コジマ)とピアノ工房御一行様、計6人で貸し別荘を借りているから自炊ができるんよ。 
「チーズが嫌い」、「この野菜は食べれない」なんて好き嫌いが多すぎるデトレフとコジマにはちょっとうんざりすることもあるけど、和気藹々とした共同生活ができるよ。
お互いの生活のスタンスを分かり合える仲間やからね。


朝食のあとはいよいよオーケストラ講習会の初顔合わせや。一緒に行きましょ。



今回は18名(ヴァイオリン8 ビオラ2 チェロ4 オーボエ1 クラリネット1 ホルン1 トロンボーン1)
それに加えてピアノを弾く人2名が、最終日の演奏会に向けていろんな組み合わせでアンサンブルする計画を練ってるみたいやね。
皮膚科、精神科のお医者さん、Web関係、学校の先生、家具職人、学生、定年退職者など様々な環境からの参加者。潜水艦に乗って海底を調査した元研究者なんて特殊人間もいらっしゃる。
ドイツ、スイス、日本と多国籍な仲間たち。

親方にとって一番心配なんは2年ほったらかしのピアノ。
想像したよりは悪くない状態でちょっと安心。
この練習の後とりあえず調律させてもらおぅ。

調律は2時間くらいで終わるから、それまで湖で泳いで待っとって! 
今日の湖水はきっとそれほど冷たくないと思うよ。



ーまー 

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着いたで! Lago2006

2006-08-02 | Lago物語

 車での長旅はやっぱり疲れるね。
せやけど君がウトウトしている間にもうイタリア
デュッセルドルフから900キロくらいの距離。ご苦労さん、もうすぐやからね。


     
「世界チャンピオン」って書いてある。
サッカーの06年ワールドカップ優勝国、イタリア。
未だに過去の栄光に酔いしれてるんかいなぁ、君ら!?
勝ちゃぁええっちゅうもんやないやろ! きたない試合しやがって!
なんて考えてるうちに Oggebio村に到着。

今日はもう遅いから村一番のレストランで食べよか。(一番言うてもひとつしかないけど…)
湖を展望できる広いバルコニー席とダイナミックなめちゃうまピザがこのレストランの自慢!
マジョーレ湖の夕焼けを見ながら飲むワインも最高やね。長旅の疲れが癒されるよ。
 
 ゆっくり楽しんでな!
                   

ーまー

    「奇麗やなー」の認印よろしゅうに
        

Lago2006 はじまり

2006-08-01 | Lago物語
 
 仕事をほっぽり出して、ここに来る理由のひとつはこの空間を体感するため。
気の合った音楽仲間と美味しい食べ物が加わると
「ほんま、来てよかったわぁ」ってことになる。

今回は君も一緒に旅に連れてったる! きっと気に入ると思うよ!
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マジョーレ湖はスイスとイタリアの国境線がまたがっている。
僕らが9日間暮らすところはちょっと貧乏なイタリア側。
青く冷たい湖の西側湖畔にある Oggebio(オジェッビオ)という小さな村が目的地。
そのすぐ後ろは2000メートル級の山々が迫っている。
この村にはレストラン、バー、スーパー、肉屋、郵便局、薬局が一つずつあるだけ。
山の中腹にあるから歩くのしんどいで! 暑い日はよく断水する。
雷が鳴るとしょっちゅう停電。トカゲちょろちょろ、いろんな蜂ブンブン、
ゲジゲジジョロジョロ…… 
都会暮らしの人間にはちょっと厄介な環境。せやけど大丈夫、すぐに慣れるからな。

 毎年、アマチュアの音楽家を集めオーケストラの講習会を開いて今回で7回目。
最終日には演奏会を開き、講習会の成果を試す。
主催は友人指揮者のマークアンドレアス。
そのお手伝いをおかみさんと親方がやっている(2つ目の目的)。
親方のお手伝いとは、ピアノの調律。
数年前にドイツから難儀して運んだイバッハの古いグランドピアノ。 
2年前から手を加えていない。どんな状態になっているのやら。
でも、この仕事以外は自由奔放に過ごせるから親方と一緒に楽しみませんか?


とりあえずデュッセルドルフを出発しよ。 朝5時30分出発や!
ちょっと眠いけど早朝やからすいすい快適なドライブができるよ。
普通車のドイツアウトバーン使用料は今のところ無し。トラック、バスは衛星を使った料金自動読み取り装置で有料。(いくら取られるのかは知りません。)



2回ほど休憩を挟んでドイツとスイスの国境バーゼルに到着。ここでパスポートコントロールとスイスアウトバーン使用料を徴収される。
今年初めてスイスに入る車は40スイスフラン。そう1年間40フランですわ。


シールをフロントガラスに貼ってくれる。
30ユーロ渡したら5スイスフランおつりをくれました。年間使用料は何円ですか?


 スイスに入ると景色がアルプスの少女ハイジ風に変わる。プーんと田舎の家畜臭もする。
ルッツェルンを過ぎたあたりから険しい山がグイグイ迫ってくる。
ここで二つの選択肢。
長~~いトンネル(16Km)サンクト ゴッタルトを通るか、昔ながらの峠越えをするか……
トンネルだとかなりの時間を短縮できる(渋滞がなかったらね)。
でも親方は毎回ほとんど峠越えを選択する。こんな景色が観たいから・・・





まだ旅は始まって間なしやでー

ーまー

 
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