マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

なんでやねん

2009-05-29 | 笑い

 老舗で名高い デュッセルドルフの名物ケーキ屋さん

イースター祭のウサギちゃんたちの後に続く
5月から初夏にかけてのモチーフは



 
『ゴキブリ』 に見えるんは僕だけか?

あの長い触角はついてないので きっと
コガネムシをイメージしてるんやと思うんですが…

 ちなみに 当地ドイツでは
日本キッチン界の友、「ゴキブリ君」にお目にかかることはありません。


ーまー


ウルトラウーマンはだれや

2009-05-24 | 愉快な仲間たち
 とりあえず、ウチはハムスターなんや ネズミとちゃうからね
そこんとこよう覚えてってよ。

ウチがここに連れてこられたその晩は、
かなり激しいバトルが繰り広げられたんや(親方爆発する!)
ウチが原因やねんけどウチには被害はおよばんかったから
暴露はせんといたろ。

親方はおかみさんが なんでいまさらペットを飼いたいという
気持ちになったんかがよう理解でけへんらしい。
それもネズミ!って (ウチはネズミちゃうっちゅうねん)



 どう呼ばれたってわかれへんから 名前なんてどうでもええねんけどね、
ウチの名前は チェリーになったらしいよ。
桜、雪見大福、大福、いろんな候補があったんやけど
親方はウルトラウーマンって命名したかったらしい
(ウチ、一日に3分しか行動せえへんからやて…)
でもやっぱり却下されたと言うかまったく無視されてはった

       ーまー かわいそう

歯が痛めばケーキ屋が儲かる

2009-05-14 | そのほか
 あぁー もう限界かもー  
激痛は耳の後ろを通り抜け、突き刺さる勢いで脳天まで達した。 
唾液を飲み込むだけで思いっきり顔をゆがめて飛び上がらんならん!

 虫歯処理の詰め物が取れたので、新しく詰めなおしてもらうだけの
基本的な歯科治療を受けた後に、こんな強烈な痛みがくるはずがない。
もちろん治療前に痛みはなかった。
レントゲンも撮り、歯髄に炎症は見当たらない。 
何でや?
ガルバニー電流の仕業が原因で、歯にはまったく異常はない!」
と言い切った歯医者さん。
それとも ストレスによる歯痛なんか?
その日2回目の緊急治療を終え、念のためにと鎮痛剤をもらう
それを服用しても効かなくなり、さらに痛みはひどくなる一方。
「痛い」ちゅう感覚を通り越したぞ。

小さく痛みだしてから極限まで、
ピアニッシモからフォルテッシモシモまでのバリエーションを
全て網羅したダイナミックな歯痛シンフォニーを堪能させていただきました。

「ひょっとして歯にヒビが入っててやなぁ、
詰め物を換えたことが引き金になって痛いんとちゃうかなぁー」
5日間の激痛と戦った偉大な勇士に向かって
なんとも頼りのない診断を下す歯医者君。(レントゲンではヒビは見えないそうな?)
結局、歯の神経をグニョっと取るしかないね ということで 
ようやく処理していただきましたところ…
あの悪夢はなんやったん? ぼちぼちワインでも飲もか? という状態に
復活いたしました。

親方のはしたなくのた打ち回る姿を見る羽目になった
カナッペとおかみさんへの口止め料としてケーキを買い、
ささやかな「痛みからの開放祝い」をしたということがタイトルの諺です。 

          ーまー 痛かったこと 

(リンクは無断で使用しました。問題がある場合は即削除します。)

そして 演奏会

2009-05-10 | ピアノ技術者の仕事

 都会のざわめき 早朝に鳴り続ける目覚まし時計 
ため息交じりの嫌味な言葉 伸び悩む売り上げ 
抜け落ちる頭髪 疲労の蓄積 走り去る時間 
迫る納期 届かぬ想い 衰える記憶力 積み重なった請求書 
一方的な小言 飲み足らぬワイン

これらの脳内で絡み合いこびりついたネガティブな塊どもを
まるでデフラグ(defragmentation)するかのように
静かにゆっくりと解きほどいてくれる
気がつくと 背筋が伸び、明日への勇気をも与えてくれている
聖なる楽曲

 J.S. Bach のGoldberg Variations
  不眠症のお代官様のために作られたチェンバロの練習曲

今回の室内楽コンサート
僕の心に染み入るこのお気に入りの楽曲を、尊敬する巨匠が演奏する。
そのピアノを調律する僕。こりゃもう興奮せずにおれますかいな
緊張もするのですけれど 
とにかく澄んだ音色、どこまでもーまーっ直ぐなユニゾンを
心がけて挑みました。

 もし作曲者バッハさんがタイムスリップしてここに現れたら
あまりの驚きで再昇天するに違いない。
見たこともない巨大で黒光りする化け物のような楽器は
蚊のなくような小さな音から雷のような大音響まで自由自在。 
その巨体から流れ出てくる音楽はまさしく彼の身に覚えのある楽曲。
1000人もの聴衆が神経を集中してその楽曲にのめり込む大きな空間、
そして鳴り止まぬ喝采…

280年たった今なお、人の心を捉えて離すことのない音楽を創った
バッハさんに敬意を示さずにはいられないのです…

     ーまー

続 赤いキツネと緑のたぬき 春の陣 

2009-05-08 | ピアノ技術者の仕事

 演奏会で使ってもらえなかった緑のたぬきはさぞ悔しかったことと思います。
現場には一切立ち会わず、結果だけで評価するたぬきさんチームの幹部様達は
早速、部下への責任転嫁を始めている様子です。まったく可哀想な人たちです。
どこの世界でも同じなんでしょうかねぇ。

でも、間違って解釈してほしくないこと。
このホールにある緑のたぬきは決して赤いキツネより劣った楽器ではないということ。

巨匠曰く
 たぬきさんは素晴らしい楽器ですね。 ポジティブに驚いてます。
タッチも敏感ですし 音色もはっきりしていて音の飛び具合も抜群。
良く調律調整されているし、弾き込めばまだ伸びていく楽器ですよね。
今回赤いキツネで演奏させていただきますが、優劣をつけた結果ではなく、
今まで慣れ親しんできたキツネさんのタッチや音色をイメージして楽曲に
挑んできたので、今日突然楽器を変更するわけにはいかないからです。

僕の感想
 キツネ派の巨匠がどちらのピアノを選ぶかは前から予想はついていました。
でも、今回その巨匠に強いインパクトを与え、たぬきの存在感を
植えつけることができたことは大きな進歩だと思います。
今現在 同時に生まれた両楽器を比べたら、きっとたぬきのほうが
音楽的に響くんやないかなと思っています。

 飛躍的によくなっている緑のたぬきを触らせてもらう機会をいただき、
「こういう修練が繰り返されて楽器は進化してきたんやな」と、
ピアノの性能がゆっくりと向上していく様子をリアルに体感できる
喜びを感じています。

  

さて、演奏会を成功させるためのお仕事を続けましょうかね。 -まー



赤いキツネと緑のたぬき 春の陣

2009-05-05 | ピアノ技術者の仕事


  冬の陣と同じく 軽くて茶化したタイトルですが
実際には内容の濃い、興味深いピアノ技術のお話なんです。

 緑のたぬき曰く
僕はまだ若い。改良されて日は浅く、まだまだ未熟かも知れんけど
そこそこ自信もある。多くの人に認めてもらいたい。
今回は巨匠さんに自分の全てを味わってもらい意見を頂戴したい。
で、チャンスがあれば是非演奏会で僕を使って欲しいねん。

 赤いキツネと緑のたぬき、両方を同じようにかわいがっている僕は
公平な立場で巨匠にアピールしてあげられるよう今回の選定のために
調整と調律をさせてもらうことになりました。
きっちりとステージの上で、同じピッチで、同じように魂込めて…
(立ち位置だけは挑戦者緑のたぬきにちょっと有利かな?)



15年目のベテランな 赤いキツネ
生まれて2年目の 緑のたぬき
さて いったい どちらに軍配が上がるんやろ?

この手のお仕事での時間制限プレッシャーは極力避けたいので  
一日前倒しでステージ準備をしてもらったりして…
結構 ビビリも入ってる  僕は ーまー

後半に続く