マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

音楽隊登場 (南ア)

2012-04-16 | 南アフリカ物語

 音楽家が到着するその夜と中2日開けて4日目にもう一度、
合計二回の演奏会があります。

 
 
 音楽家5名は遅れることなくヨハネスブルグに到着してくれました。
この旅で、一番心配していたのが彼らの定時到着でした。
これでプランBは実行する必要がなくなったね。
ちなみに プランBとは、飛行機が遅れたり欠航したりして音楽家がコンサートに間に合わなくなった場合を想定して作った別プランのこと、要は保険をかけておくわけですな。
保険(プランB)の内容は、ピアニストのゆきこさんに1日前倒しで飛んでもらい、
先行して銀婚観光真っ最中のおかみさんのバイオリンとのデュオで
その場をしのごうとする計画。
ところが、前倒しの航空券が満席で取れず、ゆきこさんは従来通り他の4名と共に飛ぶしかなかった。
プランBは自滅したものの、それでも最悪の場合を想定して保険はかけておく必要があるため、
おかみさんが一人でヴァイオリンを弾いてごまかしてもらう裏プランBが浮上。
ソロで1時間以上、観光でぼやけきった体とモチベーションで弾けるわけねーだろって、
ほとんど『なんちゃって保険』なんやけど、万が一に備えて、はい、バイオリン用意してました。
掛け捨て保険でほんと良かったと思います。 



 音楽家の到着が絶対に遅れてはいけない理由は、到着直後の演奏会にあったのです。
国の大使レベルの人たちや大手企業のVIPを招いた音楽会だったからです。
「実はぁ、演奏家がこれなくなっちゃって……」なんて洒落にもなりませんからね。



 僕はピアノ調律でお手伝いするだけなのに、なぜでしょう、その後の会食にまで招かれ、
絶対に場違いやと思っているのです。偉い人たちと英語話しながらご飯なんて喉と通れへんし、
きっと美味しいワインなんてゴックンしたらあかんねんやろなぁと、いろいろ緊張の真っ只中やったんです。
テーブルには名札が並んであって、座る場所も決まってる。

 案ずるより生むが易し っていうけれど、その通りでした。
音楽に興味のある方々が隣に座られたので比較的リラックスしてお話できました。
左隣はオーストリア大使閣下でしたのでドイツ語で大丈夫でしたし、
もうお一方のKM3636の上司様(イギリス人)はピアノを趣味で弾く方でしたので
ピアノメーカの話などをさせていただいてお茶を濁すことができたのでございます。
ごきげんよう。



 2回目はKM3636の会社の社員家族を招待するコンサート。ゴルフ場の大きな会議室で行われました。
アフリカ人のノリのよさに圧倒されるすばらしいコンサートとなりました。



南アフリカの人たちは国歌を非常に大切にしていると聞いていましたので、
アンコールで国歌を演奏してもらいました。
もちろん皆さん即座に起立、大きな声で歌っておられます。
その姿がとても素敵でねぇ、 国歌を起立斉唱するよう条例で約束させなきゃやらない
公務員がいる国をなんだか恥ずかしく思ったりしました。



二つの演奏会は今までの作戦会議の蓄積と、音楽家の皆様のすばらしいパフォーマンスと
KM3636の日ごろの行いの良さでつつがなく終えることができたのです。
ほっとしています。 
コンサートにこられた方々は大変気に入られたようで、CDを作れと催促されております。
実際にCD作成の計画はすでに進んでおりますぞ。   ーまー