マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

もうすぐ仕上げなあかんのです

2008-11-30 | ピアノ技術者の仕事


 このメーカのオーバーホールは初めてやります
修理の基本は同じですので特別なことをするわけではありません。



しかしまあ、ネジ止めに力を入れている楽器です。
小ぶりのネジの多さが半端じゃないです。
ここまでネジで止める必要があるのかどうか疑問です。
と書きながら、さりげなく「枡コレクション」を強調しています。


 ピアノの弦は一本ずつ引っ掛ける玉を作り張りつけていきます
日本ではこの掛け玉のことを「ジャーマン アイ」というそうです
数多く作るのは(200本近く)ちょっと面倒な作業です。
カナッペに3分の1ほど玉つくりを手伝ってもらいました。
結構上手でした。




もうほとんどオーバーホールは最終工程に入りましたが、
微かにチリチリした雑音がします。
苛立ちを感じながら原因を突き止めているところです。

ーまー

冬支度 画像日記

2008-11-23 | そのほか
 
 突然、寒波が押し寄せてくるって天気予報のおっちゃんが言うから
慌てふためいて冬タイヤに履き替え。
タイヤ屋さんはどこも満員御礼、3軒回ってさらに待つこと1時間
自分で交換したほうが早かったりして(ホイルバランスも点検してほしかったから…)

次の日はちょっと田舎地方へピアノ調律
ほらね、取りあえず冬タイヤで安心
  

冬籠もりの準備ではなく、冬を楽しく過ごすための準備。
これは誰に言われなくてもほぼ自主的に準備が進む
でも、本当の冬が来る前に消滅する可能性多々あり。
  

母親曰く
「ついこの前までバギーにちょこんと乗ってた奴が
 自分の車の霜取りするようになるとはねぇ。」
  


冬の訪れを感じながら、人生の季節も移り変わりが早いことを痛感
一石二鳥な寒い朝。

ーまー

おかみさんを探せ

2008-11-12 | ピアノ技術者の仕事

 長年一緒に仕事をしてる気心知れたピアノ技術者がリハーサル前の調律を担当、
本番前の仕上げをーまー親方がするることになった。
バロック時代の曲を当時の古典楽器で演奏する会は最近特に珍しくないけれど、
一昔前(シューマンあたり)の曲を当時の楽器で再現する演奏会は特に趣がある。
今回は、おかみさんもガット弦を張ったヴァイオリンを使い舞台に上がるということもあり、
ちょっとした憂鬱感を抑えながらも引き受けることにした。

何が憂鬱か…
演奏会の調律に二人の調律師が仕事を分けて挑むと言うこと。

案の定、下調律をした技術者は「仕上げはーまーさんがしてくれるから…」
という気の緩みが出て調律作業に魂が入ってなくてあまーい出来具合になっている。
甘い調律はプロの演奏家にはすぐ判る。他の演奏家(管楽器、弦楽器)の気持ちを考えていないからピアノの音からなにも伝わって来るものがない。

?仕上げはーまーさん?
魔術師やあるまいし
時間制限40分で2Hz上げのコンサート調律をどうやってやれっちゅうねん?
おまけにピアノフォルテってセピアがかった楽器やで!(エラール社製)

汗だくになりながらできる限り他の楽器がついてこれそうな調律を試みる。
はっきり言って達成感のないお仕事。

ま、 演奏会は無事終了するものなのですが、
コンサートの調律と言う料理は決して人任せにせず、
下ごしらえから盛りつけまですべて自分の手でするべきことやと
心に刻み込んだわけですわ。


 
さて、おかみさんは画像の中で見つかったかな?


ーまー

お願いやから 消さんといてな

2008-11-04 | 愉快な仲間たち
  
 30年来の親友、でーろくが 今回の番組をゆーちーぶってくれました。
前コメントに貼り付けてくれましたが、ここに埋め込みましょ
(試してみたけど、埋め込み方が解らんからリンク貼っときますわぁ)

「ーまー親方」などと自分かってに ネーミングしても 
名前、年齢、性別 全部ばればれやんか! 
今回は関西国の家族まで出てきてしもた。この際やから真っ裸でいきましょか

何しろ撮影取材は初めての経験でしたから、戸惑いや苛立ちまでいろいろとありましたが、
勉強になることも多く、有意義やったと思います。 
頑張ってくれはったスタッフの人たちにも感謝してます。

 ちなみに 工房で弦を張っているシーンの126年前のピアノが完成しました。
仕上げはカナッペです。よくできました ◎です   


  ーまー 
  
 ーまーが動く絵 1

 ーまーが動く絵 2

 ーまーが動く絵 3

 ーまーが動く絵 4

異文化の融合

2008-11-01 | ピアノ技術者の仕事
 
 デュッセルドルフ北隣の都市、デュイスブルグ
ドイツ国内最大とも言われるイスラム教寺院が新しく完成した。
1200人収容できるモスクは思ったよりも明るい感じがする。

第2次世界大戦後の復旧に多くのトルコ人の労働力が導引され
以来この都市にも多くのトルコ人達が住んでいる。
文化、宗教が違う人種が外国で住むとどうしても閉鎖的な集団生活になりがちで
なかなか交流する機会も少ない。
ヨーロッパの仲間入りをしたいトルコにとって今回の完成記念式典は
良いきっかけになったと思う。
VIPな政治家などを沢山招いたらしく、かなりの厳戒態勢だった。


ーまー君がイスラム教の信者になったわけではなく、そこでお仕事してきました。
式典でバッハを弾くというオーケストラのチェンバロの調律
モスクの中で演奏するのかなと依頼を受けたときは驚いてましたが、
仮設大型テントのステージ上でした。
それがまあ寒くてね、楽器には過酷、
式典のマイクテストやらで喧しくてね、調律師には過酷、何にも聞こえへん。
 
   


   トルコの民族楽器がかなり気になる存在でした
  

   ーまー