マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

出会いは繋がる

2007-08-26 | 愉快な仲間たち
 
 初孫を抱く瞬間が近づき、わくわくの吉田画伯夫妻のアトリエを訪れる。

年に一度デュッセルドルフの美術家のアトリエを一般公開するプロジェクト
    Kunstpunkte

美術家約20名が創作活動している 建物の5階に吉田画伯のアトリエがある。
都会の中にありながら木々の海原が眼下に広がる。
築100年を迎えるこの建物は、厳かでどっしりとした歴史を感じさせる風格がある。
まさに芸術を生み出す静かな空間だ。

  

表現者の哲学を聞くのが好きだ。
作品の内面の解説に耳を傾ける。
決して感情的ではなく緻密に計算されている、 迫力のある壮大な 彼らの思い入れが
淡々と体に伝わってくる。
なるほどこういうことかと納得。なぜか自分が少し賢くなったような錯覚に陥る。

また永居をしてしまった。

 
公開終了間際に階下のアトリエを覗いてみた。
毛筆の書を思わせるタッチ、アジアの空気を感じる作品を鑑賞。
確か去年も訪れたよなぁ。

   

おや? どこかでお会いしていませんか? 
そう言えば数年前の演奏会で… そうそう、
バイオリン弾いてました? ベッカーさんの曲、ノータブーアンサンブル…
僕もバイオリン弾きで シュタウデさんといつも… 
僕はピアノ技術者で…、あそこのホールで、あの教会で…、ああ、あの時も!?
…ピアノはシェンク教授で、奥さんはアコーディオン教授の、
今さっきまで聴いていたのは美江さんのCD、
ほら、グリークの1曲は「さくら」に似ている、中国茶を入れましょう、
吉田画伯は我々の仲人で…かれこれ20年、 彼とはよく唄を一緒に歌う、
… 話が尽きない …

出会いは偶然ではなく、繋がっている

ーまー

頑張れ! Hさん

2007-08-17 | そのほか

ピアノ工房の朝

 数々の電子音を掻き分けて予定のぎりぎりまで布団の中に潜っていたい。
窓越しに教会の鐘が微かに聞こえてくるとタイムオーバー
シャワーや洗顔を適当にして時間を取り戻すしか残された道はない。

リンゴをかじりながらコンプータを立ち上げ、メールチェック
最近アウトルックの反応がきわめて遅く、腹立たしい (はよせんかい!)

「朝のフルーツは金よ」 
おかみさんのお言葉はごもっとも。毎朝欠かさずいただきますが、
それでも懐の中はいつも金がないのはこれいかに。(思考回路はピントボケ)

 新聞を読む時間の余裕はすでに消えている
パンにチーズをのせながらテレビニュースを観る。
連日 飽きもせず、昨日の自爆テロの犠牲者数を読み上げる。
亜米利加のミシシピ川に掛かる橋が落ちた。
中国では完成ホヤホヤの橋が落ちた。積み木遊びやあるまいし。 
「メード イン チャイナ」サトチンが呟く。ナイス!
隣町ではイタリアのマフィアが70発打ちまくって6人をポアしたそうだ。 
頼むから自国でやっておくれ。
ほのぼのとしたのんきな話題はないものかなぁ、せめて朝だけでも…

 ネガティブなニュースの後、おかみさんは必ずテレビの音量を上げる。
いつものカティャさんが今日の天気図を丁寧に解説してくれる。

  

朝礼で部長さんの訳の分からん訓辞を聞く時のように、
私語絶対禁止、耳を傾けて集中しなければならない。 
それによって今日着る服が決まるのだ。(半袖、いや長袖!)
イギリス北部から憎きT(低気圧)が二人がかりでゆっくりと左回りで南東に近づいてきやがった。
それに立ち向う心の恋人Hさん(高気圧)は右回転で踏ん張っている。
がんばれよ!
でも勝ち目もなくモスクワ当たりで30℃を空威張り。負け犬の遠吠えのごとし。
狭間に位置するドイツ西部地域をT's のアベック攻撃による冷たい風が今日も誇らしげに吹き抜ける。

日本列島在住の方々には申し訳ない。今朝の気温18℃、日中20℃

ピアノ工房の涼しい夏の朝 、暑中見舞いをぶちかます。

ーまー

続 原点に戻る

2007-08-13 | そのほか

森トン** 泉ニン** かーこン** まれテン**
静かニン** 眠ルン** 
ぶるー ぶるー  ぶるーしゃとー

賑やかに力一杯観光スポットを続けている我らのノイシュバンシュタイン城

最近、アジアからは韓国や台湾の観光客で多くを占められているらしい。
日本の観光客はめっきり少ないねぇ。特に韓国の若者たちが多いようですねぇ。
日本人はもうほとんどの人がここに来たことあるんちゃうかね。
何回も訪れる所やないしねぇ。

   

城内(お城は2カ所あるけど説明面倒なのではしょります。)はガイドさんが案内する。
英語、ドイツ語、無線の3種類に分けられている。
入場券には番号が打ってあり、その番号が入り口の掲示板に現れると入城する資格が得られる。
役所で番号札持たされるのんと同じ感じ。違うのは時間も指定されていること。
このシステムなら行列になって並ばんでもええんで、イラチのーまーさんでも我慢できる。
自動改札が画期的やけど、よう通れへん爺さんがたまにいる。

「こんなに大きい城やのに、こんなちょっとしか案内してくれへんの?」
城内写真撮影禁止、ガイド付きのグループ行動やから好き勝手にじっくり見せてもらわれへんし、
ぞろぞろと流れ作業の缶詰工場の鰯になったみたいでした。


実はねぇ、初めてドイツに来たとき(かれこれ20年以上前の平安時代の話)
やっぱりこのお城を観ようと思ってふもとのフッセンという街までは来たことがあるんです。
でも、あいにくの濃霧で視界がゼロに近かったのと、お城行きのバスがあまりにも満員やったんで面倒になって観に行かへんかったんですわ。
若い頃からの性格や行動はあんまり変わってませんなぁ。


まだ行ったことのない人へ、
一度は観ておいたほうがええね。後悔せんように。
個人旅行やったら、是非数泊してアルゴイ地方の風景を楽しんでください。
ちょい臭い目のチーズが美味しいです。「臭っさー」と小さく叫びながら食べてください。(ワイン収穫の全くない地方ですが)


ーまー

原点に戻る

2007-08-10 | そのほか

 ドイツの観光旅行を経験する人は「必ず」と言っていいほど訪れる場所。
フランクフルト ハイデルベルグ、 ライン下り、 
ローテンブルグ(ロマンティック街道)ミュンヘン、ノイシュバンシュタイン城 

ドイツ観光の登竜門やね。

実は、
ドイツ滞在歴20年以上でこのお城を生で見たことないねん。
いやー、 とにかくこの手の観光は苦手でね

ちょい昔の王様(それも尻の青い)がワガママ放題で作らせただけのお城を
なんで長ーい行列作って観に行かんならんねん? 
そんなとこ行かんでも、もっとすっごいもん観れるんちゃうのん?
(↑20年前の尻の青い親方の考え。)

でもなぁ、ヤッパリ一回ぐらい観といても損はせえへんのんちゃうん?

〔今年、男の原点に戻る!〕 
しかし観光客でごった返しの中に入り込むのには勇気がいる。
デズニーランドみたいに何時間も行列の中の一人として並ばんならんのは相当な覚悟が必要や。



北イタリアからアルプスの少女ハイジの故郷をグビッートと横切ってドイツに侵入、
アルゴイ地方の牧歌風景色を堪能しながらゆっくりとドライブ。
アルペン街道と銘打つ道は田舎のドイツそのもの。
緑の芝生、黒っぽい針葉樹、黄緑の広葉樹、ゴツゴツとした岩山の頂、突然現れる湖の青、空の蒼…… さまざまな緑青の色合いの風景が壮大に広がり、目に焼き付く感じが好き。このままずっと永遠にドライブしててもええかなぁと思わせる。



でもあのお城はヤッパリ〔作り物〕やん?
いやいや、きっと苦手な行列の中に加わってもきっと感動することもあるって!
ビールもきっと美味しいし…

そう自分を言い聞かせ、おかみさんのいいなりになってみたのでありました。


後半に続く


ーまー


車をお船に積み込んで

2007-08-08 | Lago物語

 マジョーレ湖は南北に縦長の湖だ。
西から東の街に出かけるには湖をグリッと半周する必要がある。
でも、あちらこちらでフェリーがバス代わりに往復しているので
比較的楽に対岸に行き着くこともできる。
何よりも楽しい気持ちにさせてくれるのがいいね。

   

湖の東側は西側に比べ観光開発されていないとガイドブックにあるが、
別荘が建ち並び保養地になっている場所が多かった。
なるほど、10年前のガイドブックはすでに嘘つきになっている。


   
湖の絶壁に建てられた教会が今回のメインポイント。名前忘れた。
太陽の光と湖の青、コントラストが強いのでルミちゃん(デジカメ)も悩み気味。
この教会にたどり着くには絶壁に作られた階段をトコトコ下りていく。
帰りはその逆。階段数はそれほどでもないけれど、この暑さではバテ気味になる。

思えば夏のイタリアしか知らない。これでいのか?

 

ちょっと違ったことをしてみようかな?


ーまー

車を列車に積み込んで その2

2007-08-06 | そのほか

「大体そこはワシの座席なんじゃがのぉ!」
A爺様がB爺様に訴える
「ふーん」 B爺様はほぼ無視
「数字もろくに読めんのかのぉ!」
「人に物を問う前に挨拶ぐらいするもんちゃうんかぇ?」
B爺様の応酬が始まったと同時に、ーまー親方の横に座っているC爺様は
深いため息をつきながらブピグピとワインのラッパ飲みを始めた。

小さな子供連れの家族や、うるさい若者集団のいるコンパートメントはごめんやなぁと
思ってたけど、ABC爺様ご同行もちょっとしんどそう。
まるで老人ホームにいるみたいや。

   

しばらくは各自飲み物を飲みながらちょこちょこ話もしたけれど、ボーデン湖に向かうA爺さんは攻撃的やった。 
そのうち誰が何処で寝るかの激しい寝台争奪戦が始まった。
ABC爺様3名はどうしても下の寝台に寝たいらしい。
「たぶんこの中で少しだけ若いのは僕やから、上の寝台を使うね! 
後はみんなで仲良く決めてね?」
バトルにお付き合いするのを避けるためそそくさと上段寝台に潜り込み本を読んで…

下界では結構激しい口論が続いているようで、 列車の音よりも耳障り。寝られへん
しばらくすると僕の枕の下からゴーゴー高鼾、 列車の音よりも耳障り。寝られへん。
(Autozugの夜行は朝食付き。はっきり言って美味しくないよ。)


こうして楽しい車付きドイツ鉄道の旅も終わり、終点Lörrach駅に1時間遅れで到着。
車を積みおろすのに1時間待ち、アウトバーンでは迂回と渋滞のダブルパンチ。

    

ようやく、優しいおかみさん(←皆さん注目!!)が待つ北イタリア、マジョーレ湖畔にたどり着いたのは予定よりも4時間遅れ。まあ急ぐ旅ではないけれど……



でもねこの景色を見ると旅の疲れは癒される。
  


イタリアプチ旅行が待っている。 カテゴリーの〔Lago物語〕を読んで予習しとってな。



ーまー


車を列車に積み込んで その1

2007-08-05 | そのほか

本当はデュッセルドルフ1泊休憩で北ドイツから北イタリアまでググッと力強く南下するつもりやった。

トラックの運転手やないわけで、3日間一人で長距離を走り続けることは見えない疲労もあるしぃ、
そんなに若くないしぃ、無事到着してもきっと「楽しい旅行モード」は味わえないだろうしぃ、
ヤッパリ心配やしぃ、というイタリアで到着待機のおかみさんの切なる説得。
さらにおまけにこのような gute Idee(ぐっどあいであ)をプレゼントしてくれた。(支払いは僕)

Autozug  さまざまなルートがあるようですが、ハンブルグのアルトナ駅から、
スイス国境間近レーラッハ駅(バーゼル近く)までの夜行寝台が今回の目的にぴったり。
これなら半日時間が稼げるし、旅の疲れも感じないはず。 
何せ、寝てるだけで車ごと行程の3分の2を過ごすことができるんやから。

車を積み込む90分前から受付が始まる(もちろん事前に予約済みでないとね)

         

アルトナ駅は小さい。 車を積み込むのに駅構内を横切ることになる。

出発予定時刻までまだ90分もある。「ドイツ鉄道の旅のお友」を買い込んだりして
何とか暇をつぶす。

     

出発予定時刻を1時間遅れて列車はようやく動き出した。
雨がぽつりぽつりと車窓を濡らし始める。
でも僕には「ドイツ鉄道の旅のお友」がいるからへっちゃらや!

 

ドッ ミィ ソッ ミィ  ドッ ミィ ソッ ミィ
「フレイト トレイン(貨物列車)」ミュートの効いたベース音がギャロップする
ーまー親方お好みのギターの音がよく似合う
車付き寝台列車の旅の始まりや! 楽しいことが一杯あるにきまってるやん!


かなぁ……


ーまー



英会話はなんやかんやゆうても必修やと……

2007-08-02 | ピアノ技術者の仕事

8月に入ったのに7月の話です。


ハンブルグにあるピアノ工場をアメリカンピーポーのご厚意で同伴させてもらった。
実は四度目の見学ですが、新しい発見があり貴重な体験。
特に今回は三時間以上の長い見学で、かなり掘り下げた内容の案内を受けた。
写真撮影もフラッシュの化学反応で危険な場所以外(二カ所)はすべて許可されたし、
きわめてオープンに解説してくれた。



このメーカーの見学でいつも受ける印象
 とにかく綺麗に整頓され、清潔感溢れる工場。
「横綱」の風格はこういうところから現れるんやなと納得させられる。



僕個人的に困ったことがあった。
アメリカンピーポーが主役なので当然「英語」の案内やった。
ピアノ技術専門用語は英語なので説明はほとんど理解できた。
でも、いざ質問したいときに英語では言葉が出てけえへんねん。困ったもんや。
どうしても聴いておきたいことは密かにドイツ語で尋ねてみたんやけど…

一番まずいのは逆に英語で質問されるとき。質問の内容は解るけど英語で返されへん。
我ながらめちゃ歯がゆい思いをした。




有意義なお勉強会の後、僕一人が別行動となった。
ハンブルグは北ドイツ。そこからドイツを単独縦断して一気にイタリアへ向かう!
距離にして1300キロメートルなり!

いかがなりますことか……

ーまー