初孫を抱く瞬間が近づき、わくわくの吉田画伯夫妻のアトリエを訪れる。
年に一度デュッセルドルフの美術家のアトリエを一般公開するプロジェクト
Kunstpunkte
美術家約20名が創作活動している 建物の5階に吉田画伯のアトリエがある。
都会の中にありながら木々の海原が眼下に広がる。
築100年を迎えるこの建物は、厳かでどっしりとした歴史を感じさせる風格がある。
まさに芸術を生み出す静かな空間だ。
表現者の哲学を聞くのが好きだ。
作品の内面の解説に耳を傾ける。
決して感情的ではなく緻密に計算されている、 迫力のある壮大な 彼らの思い入れが
淡々と体に伝わってくる。
なるほどこういうことかと納得。なぜか自分が少し賢くなったような錯覚に陥る。
また永居をしてしまった。
公開終了間際に階下のアトリエを覗いてみた。
毛筆の書を思わせるタッチ、アジアの空気を感じる作品を鑑賞。
確か去年も訪れたよなぁ。
おや? どこかでお会いしていませんか?
そう言えば数年前の演奏会で… そうそう、
バイオリン弾いてました? ベッカーさんの曲、ノータブーアンサンブル…
僕もバイオリン弾きで シュタウデさんといつも…
僕はピアノ技術者で…、あそこのホールで、あの教会で…、ああ、あの時も!?
…ピアノはシェンク教授で、奥さんはアコーディオン教授の、
今さっきまで聴いていたのは美江さんのCD、
ほら、グリークの1曲は「さくら」に似ている、中国茶を入れましょう、
吉田画伯は我々の仲人で…かれこれ20年、 彼とはよく唄を一緒に歌う、
… 話が尽きない …
出会いは偶然ではなく、繋がっている
ーまー