朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

福笑と異常な仲間たち

2013年04月11日 17時55分30秒 | 落語・講談・お笑い


昨日の夜は繁昌亭へ。
年に1度、福笑が異色のゲストを呼んで開催する落語会。

今年のゲストは元憂歌団の木村充揮。
ライブを見たことはないのだが、CDで聞いたりしており、
独特な声が気になっていたので見に行くことにした。
そんな訳で個人的な目的は落語よりも唄。

前売は売り切れ、当日券がかなり出ていた。
2階席で立見の人も。
スーツ姿の男性が多いなど、普段とはかなり違う客層。


「寝床」(たま):○-

マクラで「AV浄瑠璃」を一節。
あまりハマっていなかったが、
パロディっぽく感じられた(「立ち騒ぐ」など)のが
受け入れられなかった原因では、と思う。
既存の、特に落語で使われるような部分を使うのではなく、
オリジナルの台詞にして、
元の台詞は気にせずAV(というよりエロ本っぽいか)のシーンを取り上げた方が
良いと思う。

「旦那が浄瑠璃が大好きだが下手」と最初に説明してネタに入る演り方で、
卑怯だろう、という感覚が個人的にはあるのだが、
まあ分かりやすいので、番頭が旦那に説明するところではよくウケていた。
長屋のやもめは元侍で「切腹した」と言うもの。
後で「生き返った」ではなく「介錯していなかったので」といって
長屋の連中がやって来ることに繋がる。
これはこれで悪くない。

娘さんが旦那の機嫌を直しにくる設定。
店の連中が旦那の浄瑠璃を聞きたがらないのが
「浄瑠璃を上達させるためにお師匠さんに言われている」というのは自然だし、
後の「命のあらん限り語る」にも繋がっていて良い。
「森田の倅」が老母を連れてやってくる説明で
位牌を胸に抱いていたり、
何となく浄瑠璃を語ったりするのは面白いな。

旦那の浄瑠璃を耳に入れまいとお師匠さんが三味線の音を大きくしたところ、
「ここで盛り上がるんだな」と勘違いした旦那がさらに声を張り上げる、
お師匠さんがさらに聞くまいと三味線を大きくする、という悪循環が良い。
「御簾が落ちる」「耳から血を流して倒れる」
「それを助けようと手を伸ばし、耳から手を離した他の人がさらに倒れる」
地獄絵図は映像的で面白い。

ただ「女殺油地獄」で玉子屋さんを殺した話が仕込になり、
「人間殺し浄瑠璃地獄」と地で言って降りる形にまでする必要はないかな、とも思う。
浄瑠璃の演題を聞くことで「難しい」と引いてしまう客もいるので。
或いは仕込みはなくして
最後だけ「女殺油地獄ならぬ人間殺し浄瑠璃地獄」と言い切ってしまっても
良いのでは、と感じた。


「入院」(福笑):○-

花見の話から老人が増えている、といったマクラからネタ。

医者と患者の会話はベタだが、まあまあ。
全体にツッコミまでの間を空けるところが多く、
そこは少し単調になっていたように思う。
医者のベタなボケの言葉遊びの積み重ねで、
徐々にウケが大きくなってはいたが。

患者が検査のために入院し、同室の全身包帯姿の「川柳好き」との絡み、
そこに友人がやって来てこれが様々な形で包帯姿の男にぶつかって
男の様々な痛がり方を見せる、という感じのネタ。
「逆立ち」など、「それをやったら当たって痛がるぞ」と客に期待させ、
実際にその描写でウケをとる、という形で作られている。
「下から煙が上がってきて、火事だと思って」というあたりは
少しやり過ぎかな、とも思わなくもない。
自分たちで運ばず、看護師を呼ぶのでは?という疑問を持ってしまった。
言っても仕方ないことだが。

実際には火事でなく、ぐるっと廻ってサゲへ。
熱演、ではあった。


唄(木村充揮)

スピーカーの陰に置いてあったウィスキーを飲み、
少し客と話をしてギターを弾きながら歌い始める。
喋り方や動きなど、「アル中?」と感じてしまうところもある。
歌の途中でギターを離して手を細かく動かすところ、
何かテントみたい。

ギターは丁寧に弾いているんだなあ。
きっちりしたそのリズムがベースにあるから、
歌は伸ばしたり刻んだりして崩せるのか、とも思った。

客が絡んでくるのを打ち返したり流したり、
巻き込んでいく喋りは流石。
繁昌亭は広いので、特に2階席までは巻き込みきれなかった印象。
またライブハウスでも聞いてみたい。


「裏切り同窓会」(福笑):△+

「体罰」の話などから「体が弱いと女と出来ない」といった話、
様々な性格の人間がいる、という話から「心配性」の出てくるネタへ。
割とよく纏まった印象のマクラ。

久し振りに聞いた。
二人の友人の絡み、感情や喋り方の変化など、よく整理されていた。
また、高校時代のマドンナ八千草さんが「皇潤」を飲んでいる、と言うのに対して
先生が青汁を飲んでいる、や、
「コンドロイチン」に対して「今度チンチン」など、
ギャグも増やされている。

ただ個人的には、あまり好きなネタではないなあ。
まだ私が30代で、定年を過ぎた年代の人間の同窓会、なんてものに
親近感を持てないからかも知れない。
出来としても、以前に比べて声は出ていたように思うが、
噛んで流れを損ねるところもあった。

また、病気の話から入ったり、
登場人物の年齢層や友人二人が会話したりする設定、
ギャグ(二人三脚で先生を引っ張って走るところ)など、
「入院」と被っている印象を受けた。

サゲはいい話風だが、個人的にはあまり好みではない。
途中で「今度風呂入れて」と先生が言うなど、
「ヘルパー」が嫌になっている、という仕込みも増やされており、
自然ではあるのだが。
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4月10日(水)のつぶやき その2

2013年04月11日 01時07分12秒 | つぶやき

【4月12日発売予定】『言語の創発と身体性―山梨正明教授退官記念論文集 (ひつじ研究叢書(言語編))』(児玉 一宏、小山 哲春編 ひつじ書房) 【出版社HP目次から】「Ⅰ音韻・形態・語研究と言語類型 ほか」 【Amazon】→ amazon.co.jp/gp/product/489…

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やっぱり六兵衛さんが助からない「鹿政談」なんてアイデアが浮かんだけど、様々な意味で使えないだろうな。


「自分の中での精一杯」では1円にもならない。


「平成不況の本質」(大瀧雅之)読了。新自由主義改革を「公の解体」と捉え、株主資本主義などが結局社会の富を減少させるものであることを理論的に示す。前提が全て首肯できるものではないが、それは新自由主義経済と同じことなのだろう。疑問はあるにせよ、考える端緒にはなる本。


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4月10日(水)のつぶやき その1

2013年04月11日 01時07分11秒 | つぶやき

起床。10時に寝て4時に起きる生活って。


エミュレータを作れよなあ。結局、マイクロソフトのOS上で動くシステムを作るのはムダ、ということなのかも知れない。>時事ドットコム:「XP」パソコン、移行支援強化=一部は間に合わない恐れ-マイクロソフト jiji.com/jc/zc?k=201304…


ハハッ!ハローワークにはファストパスないんだねwww

kkmaruさんがリツイート | 39 RT

犬神家の一モツ by 金玉一耕助

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そうなんです!私は担当じゃないですが。楽しみ! RT @inoken0315: 次号の別冊マガジンから、渡辺明竜王の奥様のエッセイ漫画「将棋の渡辺くん」伊奈めぐみ連載開始だってさ。 pic.twitter.com/exIhl8B25I

kkmaruさんがリツイート | 3 RT

「鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー」(第027回 #sm20534955 nico.ms/sm20534955)を見て気になったもの。>ラジレンジャー×ラジレンジャー 鈴村&神谷 スーパー特ソン... [楽天] a.r10.to/h7Q7ZT


これ「深層心理」というほどでもない気がするのだが。>「どの兄弟姉妹が欲しかった?」と聞いたら「恋人にどういう関係性を望んでいるか」が分かる!|一目惚れを科学する。ヒトメボコラム tokiomonsta.tv/news/article/6…


「瀬戸際外交」は瀬戸際に立っているから意味がある訳で、行き着くところまで行き着いてしまうと力を持たない。これだけ反発されてまで発射しないのでは、と思うのだけどなあ。>時事ドットコム:北朝鮮を厳しく非難=ロシア外相 jiji.com/jc/zc?k=201304…


政権崩壊のリスクなど、理性的なことを考えずに強行発射する可能性はあるのかなあ。強行すると中国が介入して内部クーデターで政権交代、くらいになるのかも。


【メモ】樋口陽一『いま、「憲法改正」をどう考えるか』(岩波書店)5/24 iwanami.co.jp/moreinfo/02220… #fb

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二重にエイプリルフールだったのか…。しかし凄え。>bit.ly/Xr2R4x エイプリルフール 妻の小言。


外出。落語会まで読書などで。


きらずを食べているのが「1匹の赤犬」と地で言うのはウソだわな。六兵衛さんの台詞に回すのが本来だろう。


震災のときにも多くの弁護士が色々な活動をしたけど、あれも育ててもらった恩とかじゃなくて、単純に目の前で起きていることを放っておけないという素朴な気持ちの現れだったと思う。そういう気持ちのままに動けて、しかも知識を生かした何らかの行動ができるというのは弁護士の魅力だっただろう。

kkmaruさんがリツイート | 15 RT

「くら寿司」。生ビールもセルフか。それなら敢えて飲む気にはならんな。


教育の規格化・均一化を通じて人間個性の規格化が進み、社会の活力を削ぐ。教育がどれほどの重要性を占めるか。さして重要でもない、と考えれば、それほど個性の規格化にはつながらないだろうが。


信頼とは待つこと。時が満ちるまで静かに見守ること。


「対象に対してその真を掴み出すやり方は、丁度、牙をむいて立ち向かってくる猛獣を抑え込み、抱え込んで、その静まるのを待って、ぽんとその背を叩いて、まるめこみ、手なずけ、それからゆっくりと真の底から、その動物の真を見極めてしまうというようなありさま」。


「善いことをすると儲かる社会」を共同体自治を通じて目指す実践。結果として「引き受けて考える社会」「知識を尊重する社会」をもたらす、という戦略。


入門料の「束脩(そくしゅう)」。「稽古屋」で云う「ひざつき」か。


集団依存は文化か合理的計算か。集団内ルールが緊密で集団外ルールがあてにならない社会では、集団内にとどまるべく敢えて集団に縛られるのは合理的計算でもあり得る。ルカーチの「革命の主観的条件論」との類似。


人材がいないこと、人材を育成する仕組みがないこと。合理的な判断をする材料もフレームもあるのに、知識人が空気に流される。知識人が土人の国を理性的に統治するのではなく、土人の空気を読み、自分たちの統治権を担保することで合理性や理性を放棄してきた。


後藤新平の台湾政策。土人たる日本人を如何に統治するのか、に応用できるか(笑)


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