朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

【メモ】惹きつけられる人間の7つの性質

2023年05月26日 18時51分26秒 | お仕事
※いいんだけど、根拠があれば尚良い。

惹きつけられる人間の7つの性質 - 士業がコンサルで稼ぐ方法」より。
 
1、無垢(ピュア)
・子供みたいな純粋さを持つ性質。
・ディズニーやジブリはこの性質を打ち出している。

2、愛情(深い)
・人間の根源的に求める性質。(母親)
・マザーテレサなど。

3、知性
・変化を求めている人には必ず必要な性質。
・賢者やメンターとの出会いに代表される。

4、破壊
・古いものを壊す、しがらみを断ち切る性質。
・革命家

5、創造
・新しい秩序をもたらしてくれる。
・正しいことを提示する。

6、勇気
・人間が本質的に求める性質。
・口だけで表現すると嘘くさくなるので注意。(行動も伴うこと)

7、不変(普遍)
・変わらない良さを求める。
・人は変わりたいと同時に今と同じものを求める。
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【メモ】現代の報酬の与え方

2023年05月13日 18時08分46秒 | お仕事
現代はサービス業がメインになっている社会である。

現代も報酬は「時間」を基準として支払われているが、
そもそも「時間」を基準として報酬を支払うのは、第二次産業(製造業)だから成り立つ話。
第二次産業では労苦(=再生産費用)が時間に比例するし、付加価値も時間に比例するから、
「時間」を基準として報酬を支払うのはreasonableな話。

しかし第三次産業(サービス業)では、
労苦にしても付加価値にしても「時間」に比例する訳ではない。
ダラダラしていれば労苦は少なくとも時間は長くなるし、
付加価値と時間は別物(疑似的には兎も角)。

サービス業社会である現代であれば、本来は「時間」でないものを基準として報酬を支払うべきだろう。
ただ、労苦の観点と付加価値の観点とで、どちらにも適合するような基準を設定するのが難しい
(というか、別の観点なのだから、難しいのが当たり前)。

となると、「報酬」を多様化させる発想が出てくる。
労苦に対する報酬と、付加価値に対する報酬を別で考える。
例えば労苦に対する報酬は「月例給与」で対応し、付加価値に対する報酬は「賞与」で考慮する、とか。
或いは金銭以外の報酬をもっと中心に押し出すとか。
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「業務改善助成金」は筋の悪い助成金

2022年05月28日 13時04分32秒 | お仕事
業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援|厚生労働省
業務改善助成金(特例コース)|厚生労働省

様々な助成金のハードルが上がった今、厚生労働省では「業務改善助成金」をやたらと推している。
そのためか、事業主さんから「賃金を引き上げたら、その一部が助成される助成金があるの?」と
問い合わせを受けることもある。

実際には、
「賃金を引き上げたら、生産性向上に向けた取組を行う場合に、その費用の一部が助成される」助成金なのだが、
この「賃金を引き上げたら」が独り歩きしがち。
厚生労働省は、「分かりにくいのは、理解が進んでいないからだ」として説明しようとしているが、
そもそもこのような誤解が生じるのは、この助成金の仕組みが歪んでいるからだろう。

まず、この助成金の根幹は、「生産性向上にかかる費用の一部を助成する」という「経費助成」。
これは、経済産業省の「補助金」と同じ考え方。
ここに厚生労働省として「人」に関連付ける必要があるので、
助成額の上限を決める際に「何人の最低賃金を何円引き上げたか」を効かしている。
この全体的な構成がそもそも不自然で歪んでいるため、頭に入りづらいのではないか。
賃金引上げを目指すのであれば、
「引上げた賃金額の○○%を支給する」方が、はるかにシンプルで分かりやすい。

しかも、本来は対象経費についても、
従業員の待遇改善や職場環境の改善に繋がる、という
厚生労働省所管の助成金らしい趣旨を盛り込むべきなのに、
現在はそこは要件になっていない。

さらに、今回の「コロナ特例」は、
「令和3年7月16日から12月31日までの間」に賃金を引き上げている必要があるのだが、
申請時までに、遡って差額を支払っておけばOK、などと言っている。
また、条件を満たせばパソコンでもOK、と言っているし、
そう宣伝してこの助成金を申請してもらうように誘導している。

私はこの助成金は分りづらいし、
厚生労働省という役所が何とか助成金の財源を維持するために
筋の悪い助成金をゴリ押ししているようにしか見えない。
設備投資に使うのであれば、シンプルな「補助金」を申請する方が良いのでは、と考える。
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書感「知っておきたい入管法」

2020年09月22日 08時17分27秒 | お仕事
「知っておきたい入管法」(浅川晃広)読了。

※画像をクリックすると「楽天」のページに飛びます



「新型コロナウイルス」の影響で、海外との交流が途絶し、
また急激な景気悪化で人手不足感も一段落している、というのが今の状況。

とは言え、若年労働者が以前より減少しているのは構造的なものであり、
今後も、即、解消される訳ではない。
飲食・宿泊業等ではそうでもないかも知れないが、
建設業や医療・介護・福祉といった分野での人手不足は
今後も継続するのでは、と個人的には感じている。

2019年4月に「特定技能」という新しい在留資格が設けられたが、
そもそも「在留資格」等を規定している「入管法」に関する知識が
不足している、ということで読んでみた。

分かりやすく簡潔な良書と思う。
各章末にはポイントがまとめられており、
これだけ読めば、最低限、全体を理解できる。

外国人政策で理解しづらいのは、「本来」と「例外」がごっちゃになっており、
例えば留学生がコンビニで普通にバイトしているが、
これはあくまでも「資格外活動」であり、時間数や内容等に制約がある。
このあたりが分かりやすく整理されている。

また、例えば「難民」「帰化」といった話も取り上げ、
国籍や在留資格との関連に触れているのも、
外国人政策全体を理解する上で分かりやすい、と感じた。
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「永久劣後ローン」について

2020年09月15日 08時00分40秒 | お仕事
「永久劣後ローン」に関して勉強する機会があった。

「永久劣後ローン早期実施」署名サイト | 福岡県中小企業家同友会
永久劣後ローンとは?わかりやすく解説します! | お金借りる教室

「劣後ローン」とは、通常の融資に比べて返済不能時の返済順位が低いローンのこと。
また一般的には、返済期日(長期になる)までは金利のみ支払い、
返済期日に元本を一括返済する。

貸し手としては、貸し倒れリスクが大きくなるから、その分金利を高くする。
ただ金融機関の審査においては、「負債」ではなく「資本」とみなされて安全性が評価されるので、
借り手としては追加融資が受けやすくなる。(会計上は、むろん「負債」だが。)
また、法人においても「株式発行」による資金調達と異なり、株式の希薄化は発生しないし、
貸し手の債権譲渡が比較的容易(と思われる)。

「永久劣後ローン」の「劣後ローン」との違いは、
「永久劣後ローン」では元本の返済期日が定められておらず、
借り手が自由に決められる
こと。

現在、「新型コロナウイルス」の影響で中小企業の財務状況・資金繰りが急激に悪化している。
その支援のため、先日の「追加経済対策」では
「劣後ローン」の利息の一部を補填する施策が実施されている。
しかしその対象企業数、金額とも不十分ではないか、ということで
「永久劣後ローン」及び「買取機構」の設立を求める声が上がっている。

「永久劣後ローン」そのものは、(高リスク・高リターンの)金融商品として
扱われるものだろう。
それを「買取機構」を設立することで中小企業の支援に活用できるもの、と
いうのが私の理解。

ただ、こういった「公的支援」には、
常に「本来、存続すべきでない企業が存続してしまう」という非難がつきまとう。
# 「大き過ぎて潰せない」とか云う理屈で
 大企業の方が(取引先の中小企業の犠牲の上に)生き残っているんじゃねえか、
 とも思ったり。

ただ海外との交流がほぼ途絶しており、天災とも言える状況。
中小企業の「自助」にも限界がある。
自力で走るためにも、路面が柔らかくては力を出すことはできない。
「路面を固める」のは政府の役割ではないだろうか。


その観点で、「永久劣後ローン」と「買取機構」の構想は、
至急検討すべき事項ではないか、と考える。
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「休業支援金」について気になること

2020年06月22日 14時00分53秒 | お仕事

「休業手当ゼロ」の労働者に支援金、特例法成立も…企業からの「妨害」などに懸念

新型コロナウイルスの影響で仕事が休みになったのに、休業手当を受け取れない労働者に対して、休業支援金の支給などができるようにする雇用保険法の臨...

弁護士ドットコム

 


>新型コロナウイルスの影響で仕事が休みになったのに、休業手当を受け取れない労働者に対して、
>休業支援金の支給などができるようにする雇用保険法の臨時特例法が6月12日に成立した。

以下のような疑問(考えるべき課題)がある、と感じる。
1.従業員にとって、法律通りの「休業手当」よりも「休業支援金」が有利になるのではないか?
2.従業員が「休業支援金」を受けた場合、労基署が事後「休業手当を支給していない」として
 取り締まりを(現実に)行うのか?
 その場合、事業主より「休業手当」を支給させ、従業員に「休業支援金」を返金させるのか?

この1.を中心に考えてみたい。

【従業員にとって、「休業支援金」は法定の「休業手当」より有利なのでは?】
法律では「休業前賃金の80%(月額上限33万円)」となっている。

この「休業前賃金」の計算方法は、この記事だけではよく分からないが、
例えば「育児休業給付金」同様、
休業前6か月間の賃金を180で割ったもの、と考えると
だいたい「平均賃金」と同じになる。

となると、「休業手当」は法定では「平均賃金の6割以上」だから、
法律通り支払っている事業主に比べると、
この「休業前賃金」の方が高い、ということになる。

さらに、「休業手当」は課税対象であり、そこから所得税が差し引かれる。
それに対してこの「休業支援金」は非課税なので、
その点からも従業員にとって有利になるのでは、と考えられる。

従業員にとっては、法律通り「休業手当」の支給を受けるよりも、
「休業支援金」を受給した方がトク、ということになるのではないか。
また、既に「休業手当」を法律通り受給した従業員も、
「今後は「休業手当」は要らないから、「休業支援金」の申請をしたい」と
言ってくるかも知れない。
その際、
「法律的に、「休業手当」を支給する義務があるから、少ない額で我慢してくれ」と
事業主が従業員に言うことになるのか?

このあたり、非常に「いびつ」な構造になっている、と感じる。

【労基署の取り締まりについて】
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合において」休業手当を支払うことは
事業主の義務であり、
労働基準監督署による指導・監督の対象であるし、
事業主には「三十万円以下の罰金」を科せられる可能性がある。

ただ現時点で、今回の「新型コロナウイルス」に伴う休業について、
これが「使用者の責に帰すべき事由」にあたるのか、「天変地異」にあたるのかは
不明確である。
参考:
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは? - 朝寝-昼酒-夜遊
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは?(「経営上の障害」について) - 朝寝-昼酒-夜遊


個々の事情で変わってくるものと思われるが、
余程明確に「使用者の責に帰すべき事由」にあたる事案でない限り、
労働基準監督署としてすぐに「指導」するのは難しいのでは、と思う。

となってくると、「休業手当」が支給されない場合に、
即、労働基準監督署から「休業手当」を事業主が支給するように指導する、ではなく、
せいぜい「休業支援金を受給できるように、事業主は協力しなさい」という方向に
なるように思う。

そして、こうして「休業支援金」が受給された後になって、
「休業手当」を支払うように、と指導するのだろうか。
先ほども見たように、
恐らく、法定の「休業手当」の方が、「休業支援金」より低額だろう。
従業員についても、「本来受給できない「休業支援金」を受給しようとした」として
不正受給に該当するとも言い難い。
(実際には働いていて給与を支払われているのに、
 さらに「休業支援金」を二重取りした、というのであれば別だが。)

その状況で、他の「給与不払い」等の事案で忙殺されている労働基準監督署が、
敢えて(従業員も損をするかも知れない)この取り締まりを優先するだろうか。

# 強いて言えば、本来支払うべき「休業手当」を事業主が支払っていなかった場合には、
 国が支払った「休業支援金」の一部に充てるものとして
 国が徴収する、という発想はあるのかも知れない。

まだ未確定な部分(計算方法、手続など)が多い制度ではあるが、
関心は高いと思われるので、注視していきたい。
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2次補正予算の成立と雇用調整助成金など

2020年06月13日 13時18分05秒 | お仕事
先日、2次補正予算が成立し、
それに伴って厚生労働省のサイトも更新されています。

1.雇用調整助成金(新型コロナ特例)
 ・助成額の上限額の引上げ
 ・助成率の拡充
 ・緊急対応期間の延長
 ・出向の特例措置等
 ⇒雇用調整助成金(新型コロナ特例)

  雇用調整助成金の様式ダウンロード(新型コロナウイルス感染症対策特例措置用)

  雇用調整助成金の再申請様式ダウンロード(新型コロナウイルス感染症対策特例措置用)(再申請用)

2.新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金(創設)
 ⇒新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金をご活用ください

3.小学校等休業等時保護者休暇取得支援助成金(6月12日版)(上限額の引上げ、対象期間の延長)
 ⇒新型コロナ休暇支援

詳細は、別途アナウンスします。
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6月1日より、職場における ハラスメント防止対策が強化されます!

2020年06月08日 11時19分00秒 | お仕事
この6月から、大企業を中心に、
職場における「ハラスメント防止対策」が義務化・努力義務化されていますので
対応が必要です。
2020年(令和2年)6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されます!(PDF)

1.パワーハラスメント防止措置が事業主の義務になります。
 ※大企業。中小企業は2022年4月から義務化で、それまでは「努力義務」です。)

特に、職場におけるパワーハラスメントの防止のために講ずべき
以下の「措置」が義務化されます。

1)事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
 □職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、
  労働者に周知・啓発すること
 □行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、
  労働者に周知・啓発すること

2)相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
 □相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
 □相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること

3)職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
 □事実関係を迅速かつ正確に確認すること
 □速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと(事実確認ができた場合)
 □行為者に対する措置を適正に行うこと(事実確認ができた場合)
 □再発防止に向けた措置を講ずること(事実確認ができた場合、できなかった場合とも)

4)そのほか併せて講ずべき措置
 □相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、
  その旨労働者に周知すること
 □相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取り扱いをされない旨を定め、
  労働者に周知・啓発すること

上記の「措置」以外にも、
事業主に相談等をした労働者に対する不利益取扱いの禁止
「措置」ではない、事業主及び労働者の責務、
その他の「望ましい取組」が規定されます。
# こちらも、中小企業については2022年3月までは「努力義務」です。 

そのため、パワーハラスメントについても、
セクシュアルハラスメントや妊娠・出産等に関するハラスメントと同様、
都道府県労働局長(窓口は「雇用環境・均等部(室)」や「総合労働相談コーナー」)による
助言・指導、調停による紛争解決援助の対象になってきます。


2.職場におけるセクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント
 防止対策が強化されます。

従来より雇用管理上の「措置」を講じることは大企業・中小企業とも義務化されていましたが、
今般、パワーハラスメント同様の「不利益取扱いの禁止」や「事業主及び労働者の責務」が義務化され、
「自社の労働者が他社の労働者にセクシュアルハラスメントを行った場合の協力対応」が努力義務化されます。

「ハラスメント」発生は、
職場環境悪化に伴う生産性の低下や、
離職者の増加・入職難による人手不足に繋がります。
そして何より、「従業員が生き生きと仕事をする」を阻害することになります。

根本的には職場の「風土」改善が重要ですが、
今回の「ハラスメント防止対策の強化」を契機として
事業主の意思の浸透、相談窓口の設置・有意義化を進めるのも
一つの方法だと考えます。

あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-
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休業手当について(4)「雇用調整助成金」との関係

2020年06月06日 19時01分05秒 | お仕事
「休業手当」について何日かに分けてお話ししてきました。

休業手当について(1)そもそも「休業手当」とは?
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは?
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは?(「経営上の障害」について)
休業手当について(3)「平均賃金の百分の六十以上」とは?

最後は、最近ニュースなどで取り上げられる機会の多い
「雇用調整助成金」との関係について触れたいと思います。

結論から言いますと、
各個人に支払う「休業手当」の金額と、「雇用調整助成金」の支給額とは、直接には関係がない
と理解した方が、誤解は少なくて済むのではないか、と考えます。
これは、本来の「雇用調整助成金」の計算方法でも、
今回の「新型コロナウイルス」対応の中でかなり簡略化された計算方法でも、同じです。

「雇用調整助成金」の支給額の計算方法は、
a.(何らかの方法で計算した)その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額
×
b.助成率
×
c.延べ休業日数
です。
ここでは、実は「個々の従業員に支給した休業手当の金額」は直接出てきません。

特に、本来の計算方法では、
「a.その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額」は、
昨年度提出した「労働保険料申告書」で記載された「賃金総額」を、
「所定労働日数×延べ雇用保険被保険者人数」で割って
雇用保険被保険者1人1日当たりの賃金額を計算します。


これをベースにして、さらに「助成率」と「延べ休業日数」を掛けます。
例えば、一昨年度は給与の高い方が多く(=「雇用保険被保険者1人1日当たりの賃金額」が高い)、
今回の給与の安い方が多く休業したような場合ですと、
結果として、実際に支払った「休業手当」よりも、支給される「雇用調整助成金」の金額が多くなる、
なんてケースも発生し得ます。

何故そうなるかと言えば、繰り返しになりますが、
本来の計算方法ですと、
各個人に支払う「休業手当」の金額と、「雇用調整助成金」の支給額とは全く関係ない
からなのです。

ただ、個々の休業手当を考慮しなければならないケースがあります。
それは、助成金では一般的に、「労働法規に違反してはならない」という条件があるからです。
ここで、「休業手当は、平均賃金の100分の60以上支払わなければならない」という
労働基準法の条文が生きてきます。
助成金の支給額の計算には、個々の従業員に支給される「休業手当」の金額は関係ないのですが、
そもそも助成金を受給するためには、労働基準法を守っていなければならない、ということで
各従業員に対する「休業手当」の金額がチェックされることになります。

# 今回の「新型コロナウイルス」対応の簡略版では、
 「a.その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額」を、
 「実際に従業員に支払った「休業手当」の金額」として計算します。
 ただ、その場合も個別に各従業員に支払った金額から直接助成金額を計算するのではなく、
 「全従業員に支払った休業手当の総額」を「休業総日数」で割って、
 「1人1日あたりの休業手当額」を計算し、
 そこに「b.助成率」と「c.休業延べ日数」を掛けて助成金額を計算する、という流れになっています。


この流れに意味があるのが、(今回の補正予算で変わりますが)
どの段階で「上限金額」を適用するのか、という部分です。
本来の計算方法法であれば「a.その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額」×「b.助成率」を計算した段階で、
簡略版であれば「1人1日あたりの休業手当額」を計算した段階で
上限額と比較し、
上限額を超えていれば上限額を適用して、助成金の支給金額を計算する、という流れになります。
個人個人で計算して、「この人は上限額を超えている」「この人は超えていない」と判断する、
という訳ではないのです。
# 今回の補正予算の中で、「1ケ月あたり33万円」というような文言があって、
 これはどのように適用されるのか?要注視、と思っていますが。(2020.6.6現在。)
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休業手当について(3)「平均賃金の百分の六十以上」とは?

2020年06月03日 09時55分34秒 | お仕事
休業手当について、労働基準法では、
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、
その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」
と規定されています。

前回までで、このうち「使用者の責に帰すべき事由」についてお話ししてきました。
休業手当について(1)そもそも「休業手当」とは?
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは?
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは?(「経営上の障害」について)

今日は、「休業手当」として最低限支払わなければならない「平均賃金の百分の六十以上」について
説明したいと思います。

1)そもそも「平均賃金」とは?

「平均賃金」という言葉は、「休業手当」に限らず、様々な局面で出てきます。
例えば「解雇予告手当」「年次有給休暇中の賃金」「減給の制裁の上限額」などです。
計算方法としては共通で、
a.算定すべき事由の発生した日以前3カ月間に、
 b.その労働者に対して支払われた賃金の総額を、
 c.その期間の総日数で除した金額」です。
但し、賃金締切日がある場合には、
「算定すべき事由の発生した日」の、直前の賃金締切日から起算していきます。
# また、出勤日数が少ないパートなどの場合は、最低額の保証があります。

a.「算定すべき事由の発生した日以前3カ月間」
休業手当の場合は、「休業を開始した日」になりますので、
例えば、
末日締の事業所で
4/27に休業計画を周知し、5/7から実際に休業を開始した場合ですと、
直前の賃金締切日は(5/7の直前の)4/30になりますので、
「2/1から4/30」の3カ月間の賃金額を見ることになります。

また、産前産後、育児・介護休業中、試用期間中などは除きます。
これらの期間は、給与が支給されない、または通常より給与が低いことが多いので、
平均賃金の計算に入れると金額が小さくなってしまうからです。

b.「賃金の総額」
原則として、全ての賃金(固定給、時間外労働の割増賃金、通勤交通費など)が含まれます。
但し、「賞与」「臨時に支払われたもの」などは含まれません。

c.その期間の総日数
ここが紛らわしいのですが、平均賃金を計算するときは
「所定労働日数」ではなく、「総日数」(暦日数)で割ることになります。
例えば、
賃金が固定給300,000円と交通費15,000円の場合で、
2月:所定労働日数20日(暦日数:29日)
3月:所定労働日数22日(暦日数:31日)
4月:所定労働日数21日(暦日数:30日)
とします。
この場合、所定労働日数ベースで計算しますと、
  (300,000円+15,000円)×3ケ月 / 20日+22日+21日 = 15,000円 
になります。
欠勤控除や日割計算する場合は、所定労働日数ベースで計算することが多いのではないでしょうか。

ところが、平均賃金の計算では、暦日数で計算しますので、
  (300,000円+15,000円)×3ケ月 / 29日+31日+30日 = 10,500円 
になるのです。

2)平均賃金の百分の六十(6割)
「休業手当は6割」というところから、
何となく「(欠勤控除される額である)15,000円の6割=9,000円」が最低限支給される、と
思っておられる方が(事業主、労働者とも)多いのですが、
労働基準法で最低限支給しなければならない「休業手当」の金額は、
10,500円×6割=6,300円
ということになります。
所定労働日数や残業代にもよりますが、欠勤控除額の4~5割程度、ですね。

また、「1日の内、一部休業した場合」についても、注意が必要です。
労働基準法では、「休業があった日について、平均賃金の6割は支払わなければならない」定めですので、
例えば半日勤務(半日分の給与を支払う)、半日休業の場合、
この「半日分の給与」が平均賃金の6割を超えていれば、
追加で休業手当を支給する必要はありません。

先ほどの例ですと、
日割計算した場合の半日分の給与は 15,000円/2 = 7,500円 であり、
平均賃金の6割(6,300円)を超えていますので、
休業手当の支給は不要、ということになります。

何となく違和感もあるのですが、
「休業手当」が、「使用者は、労働者に対して、1日あたり平均賃金の6割の収入を保障しなければならない」
という考え方で設定されているのだろう、と思います。

# また別の話ですが、休業手当は「給与所得」となり、労働者の所得税の課税対象となります。
 No.1905 労働基準法の休業手当等の課税関係|国税庁
 また、社会保険の標準報酬月額は、4月・5月・6月の支給額をベースに9月分以降が決定されますが、
 休業があり、休業手当が支給された場合には(休業の日数等により)注意が必要です。
 こちらは別途、整理して書きたいと思います。
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