考えるのが好きだった

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ジャーナリストの英文ばかり

2012年08月23日 | 教育
 この頃、「生きた英語」とか何とかいうわけで、教科書でも問題集(つまりは
入試問題)、要は、どこかのジャーナリストかルポライターの文章ばかりである。若い感性の生徒は、決して入念ではない文章を読まされる羽目になっている。それなりに面白い内容もあるが文章そのものには含蓄がないというか、何というか、英語初心者が読むべき英文なのかと非常に疑問に思う。
 新聞雑誌の文章は軽いし文法上で「破格」にあたるものがけっこうある。「現代英語として通用するなら何であっても教えるべき価値がある」という前提だろうが、その言語そのものの「クセ」を習得するのが初心者にはけっこう大変なだったりするのに、いきなり「破格」の表現はこれを損なうのではないか。また、口語英語は、特有の表現が多い。まあ、「特有」というのでなかったとしても「よく使う」ものが中心になるから、それが本来の意味や用法から多少はずれた「例外」であることも多い。中学英語でtakeの初出は確か How long does it take to -- ? か何かである。takeの基本はあくまでも「(選んでで)取る」だから、生徒は「取る」と言う意味でのtakeを理解しない。「時間が掛かる」と内容敵意につながりにくく、結局、両方共に習得にものすごく時間が掛かる。羅列的な丸暗記だからだろう。He is gone. などが初級段階で出てきた分にはgoの用法を間違えて覚える。goだけに留まらず、どんな動詞であっても「be+過去分詞」の用法をOKだと考える。
 困ったものである。
 文法上の問題だけではない。現代の文章は、軽い。また、難解な文章は、今度は中身に乏しいことがある。また、日本語であってもそうだが、味付けで喩えると水っぽいと言うか何というか。何ほども文章を読まない生徒が読む文書として意味があるのだろうか。戦前(←大ざっぱ。。)の文章にはうんうんと唸らせるものが多い。語法は古いかもしれないが、これぞ日本語の味付けと思う。また、語と語の連関が密で文章読解の観点から解説をしたらおそらくキリがないほどではないか。言語学習の初心者が学ぶべきことは、それこそ「これだ! これこそが日本語だ、英語だ」というそれぞれの国語の「エキス」が詰まったものの方が価値ある学習になるのではないか。

 「覚えるほどに音読をしなさい」と言いづらい文章は正直言って教えたくない。

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