★北河内路上通信-the Voice of VoICelESs on roadsides in EastOsaka

 北河内路上通信は大阪北河内において、同地域の野宿者と助け合い、共にあろうとする有志によって始められました。

★大阪・河内最西部の路傍排除夜話など

2006-11-23 04:40:10 | 野宿者支援
 勤労感謝の日前夜にして新嘗祭祝祭日前夜の今夜、雨が降る予報も出ている大阪府東部は0時現在で10度の気温だ。若者らはあいも変わらずゲロを吐くほど飲み倒し、意味もなく近鉄布施駅前を車でグログル回ってはナンパの機会を狙っている。一方、午前0時過ぎ、近鉄布施駅方面から自主移動する野宿者たちは、それぞれのその後の闇を朝まで過ごさねばならず、散っていく。駅前の多くの場から追い出された野宿者の多くは寝場所も転々とせざるを得ず、夜中中歩き回って缶をとったり、エサを探したりしながら寒さをしのいだりして朝を待つ状況だ。今いる場を奪われるということに危機感を持たない野宿者は次々と場を奪われ、闘いを放棄し無節操に酒におぼれて野宿仲間に迷惑をかけるような野宿者は「弱音」を吐いて脱落していく。路傍の流儀はアマちゃんではつとまらない。今夜、駅前東高架下駐輪場フェンス設置で追い出された野宿者の1人に会った。氏は缶も減って喰って行けなくなる中で寝場所も失って途方に暮れ、気がつけば以前に筆者と訪れたことのあった長居公園を暫く頼って行っていたとのことだった。気力を失い、失意のままある路傍で布団一枚を被るだけで、タイル張りの店の軒下にダンボールも敷かずに横になっていた。簡易カイロを差し出す筆者に物音で気がついた氏は力なく先週来の流浪エピソードを語った。そこにつかつかと歩み寄る男性が現れ、「この店の者やけど、ここ汚したりダンボール置いていったりすんなよ、置いていったらイテまうからな。寝るなとまではいわへんからよ、頼むで」と氏に低い声で物申し。うろが来た氏を見て筆者が「片付けていかはるし、大丈夫ですわ」と弁護すると、「それやったらええ」と気がおさまったのか後ろを向いて歩き去った。氏は途端にブツブツ言い、「俺、もうここで寝んとくわ」などと弱腰なことを言うので、「片付けて行ってるんだから気にしなくていいですよ、あの本人もここで寝るなと言っていないのに、そんな事言ってたらまた寝場所を失いますよ」と再考を促した。こんな事になったのも、元はといえば東大阪市の排斥によるもの。深夜から早暁までの数時間くらいの休息にも場を譲れない東大阪市の言い分の何たる荒涼無味な寒々しさよ。クスネとり、懐を暖めることだけに興味のある役人ネズミのいる場を追い出す工夫やモノもうしには「犯罪」として対処する行政機構が、多く「払う」企業の言葉には笑顔で聞き入れる損得勘定のさもしさ…
 それはともかく、大阪市内では拠点防衛ではなく、如何にしゅうようとして行政機構がほのめかす排除を迎えるかという「守り」に入っているテント拠点があると聞くが、無策の「守り」ほど不毛で無益な犠牲を生む愚行はない。象徴的闘いという自己満足は、防衛とは程遠い無残な敗北を結果するに過ぎないのだから。

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