★北河内路上通信-the Voice of VoICelESs on roadsides in EastOsaka

 北河内路上通信は大阪北河内において、同地域の野宿者と助け合い、共にあろうとする有志によって始められました。

★野宿者のテント・小屋に対する強制撤去反対の署名

2006-02-13 11:22:53 | 野宿者支援

 北河内路上通信では、主に公園などから追い出されたり、追い出しが日常化する中、最初から路傍にしかささやかな休息の場を持てないでいる「彷徨える」野宿者個々人と接してきました(そんな中で昨年3月には布施のセガ前で1人の野宿者が亡くなっています)。それは公共空間からさえ追い出されたテント小屋に住まう野宿者、そして私たち個々人が何時辿っていってもおかしくない現実です。ここ大阪府東部河内地域においても失業、事業の失敗、病気…などをきっかけに「ごく一般的」生活をしてきた個々人が路傍に至っている現実を目の当たりにする中で、路傍に至った非常時ですら「街の人に迷惑がかかってはいけない」からと自分たちの休息を我慢し、慢性的な睡眠不足と休息不足によって倒れていく野宿者を見てきました。そこには、血税をクスネとり、犯罪を犯し、罪が明らかになれば懲戒免職になる前に「退職願」を出してまとまった額の退職金をチャッカリとせしめる役人どものようなズルイ個々人は殆どいません。(そんな御仁は路傍に至る前に人を騙してまで現状を維持しようとする故に先ず路傍に至らない!)大阪市のみならず役人どもは、そんな役人ネズミどもに窮迫状況を訴えても「どうせうまく行かない」と諦めさせるような現状、窓口で怪訝な顔をしてにらみをきかせるような役人を配置して相談しようとする窮迫した個々人を近付かせないなどという呆れる「工夫」を怠らない現状、それでも窓口に辿り着いた個々人に「アンタの自己責任やで」と本人に一層自己嫌悪に陥らせるよう説教して「まあ、頑張りや」と対応せずていよく追い返す現状を長年つくっておきながら、そのことを居直り、棚にあげて「十分な施策は行ってきたが」などとイヤシイ言葉を頭につけてモットモラシク正当化する手段を持ちますが、一方では寄る辺無き個々人は全く生きてそこに存在する権利すら奪われています。そういった行政なんぞに頼らず自らの手で、同じ境遇の仲間たちと助け合いながら必要なものを獲得し、「自立」した生活を営んできた個々人にとっての命の砦ともいえるテント小屋を奪われることというのは、方策も無い状態でまさに「さぁ、死ね!」と言われたのと同じ意味合いを持ちます。そんな言葉を血税を何とも思わず湯水のように使い、ブクブク肥え太り、クスネとった資金で俄かに立派な自宅を新築したりする、支配者だと勘違いしている「公僕」どもが吐ける道理などあっていいはずがありません。大阪市のみならず、多くの中央の統治機構=政府や地方統治機構=自治体において、もっとも追い立てられるべきは寧ろ「役人ネズミ」どもであり、彼らこそが「必要の無い、世の恥であり、呆れるべき汚点」なのではないでしょうか。以下の署名要請と署名本文は大阪市で野宿当事者や野宿者を支援するグループと個人が集う2002年3月に結成された緩やかな運動ネットワークである「失業と野宿を考える実行委員会(失野実)」からの
署名要請です。 是非、ご協力をお願いいたします。
 *署名用紙などについては、下記「失野実」連絡先にお問い合わせください。
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★野宿者のテント・小屋に対する強制撤去に反対の署名をお願いします!

 1月30日、大阪市は西区・靭公園東園全域内の約20軒と、中央区・大阪城公園内の5軒のテントを、行政代執行により強制撤去しました。そこで野宿を強いられていた人々が住居としてきたテント・小屋などを、こともあろうに手続き開始からわずか3週間足らずで強制的に破壊し、住人をこの厳寒の路上に追い出したのです。

 代執行の当日、当然のなりゆきとして多くの良心的な市民による抗議と抵抗があり、大きく報道されたのは記憶に新しいところですが、残念ながら誤解を招くような報道も見られました。市職員に負傷者が出たことのみ大きく報じられていますが、支援側も救急搬送3名(うち1名は全治1ヶ月の重傷)他軽傷者多数を出しており、1名が逮捕されるほか暴力的な弾圧を受けました。ましてや、追い出された人々を受け入れるために支援者側が用意した他公園のテントなどを当日先回りして撤去、封鎖するなどして、その行き場すら奪うと言う、救命ボートを沈めるような大阪市の非道な行為については、テレビカメラを追い出して公正な報道を妨害しようとした行為同様、ほとんど知られていません。

 元々行政代執行の根拠となる都市公園法に基づく撤去対象は、公園内に張られたテントなどの物件に対するものですが、これらは長年にわたって人が居住してきた「家」であって、単なるモノではありません。それは寒さや襲撃から身を守り、生活用具を保管する生活の本拠であり、仕事の拠点です。強制撤去はそれらを一挙に奪うことを意味します。

 市が代替住居として提示するのは本年中に閉鎖される大阪城一時避難所(シェルター)と自立支援センターのみで、そこにはテントや荷物を放棄した上で、再就職出来なくても最長6ヶ月(自立支援センター)までしか居られず、再入所も出来ずそこを出たら以前より状況が悪くなるというリスク、加えてプライバシーのない粗末な環境など過酷な制約があるにも関わらず、野宿者だからこれで充分、それを拒否するのはわがままだという差別的なまなざしすらあります。

 先般、大阪地裁も居住の事実が認められれば、公園に張られたテントなどにも住所が適用出来、住民票を申請出来るとの判断を示したばかりです。住所は各種の社会的権利の拠り所であり、判決は住所を持たぬ者は「人」扱いされないのはおかしいという、憲法にのっとった誰が見てもむしろ当たり前の判断ですが、公共の場所の占有を認めたものではありません。それが一部の報道など誤認されて批判されているようですが、本質を見誤っています。

 もとより災害時の緊急避難場所でもある公園が、失業など様々な事由による経済的難民たる野宿者の受け入れ先となっている事実の背景には、彼らが私有地を侵害せずに生存するためには、公有地に拠らざるを得ないというやむを得ない理由があり、ひいては野宿に至る水際の段階や、野宿に至った後での救済における行政の無策があります。

 多くの野宿者はテントすら持たず、路上を放浪して暮らしています。この「豊かな」国の大阪と言う大都会で、年間200人以上の人々が路上死を強いられている事実をご存知でしょうか? 公園のテントは一部の人々が自力で築いた「命の砦」です。どこにも行く場所がないゆえの結果なのであり、決して自由気ままに「不法占拠」しているわけではありません。その彼らがここに至ってまた居所を失って路上に放り出されることがどういう結果を招くかは容易に想像出来ますし、それが重大な人権侵害、とりわけ生存権の侵害であることは明白です。

 そもそも行政代執行は法的には最後の手段であり、公的権力の直接行使であって、本来その適用には慎重であって然るべきです。言うまでもなく、ことは住居に関わる問題だけに、人の生死に関わる重大な結果を招く恐れがあります。

 にも関わらず今回の行政代執行には緊急性のある理由が何も示されておりません。大阪市は5月に予定されている「国際バラ会議」や「緑化フェア」などに合わせた整備工事を市内各公園で行っていましたが、それらが緊急避難として公園に居住する人々の生存権を侵害してまで不可欠なものとは到底思われません。また仮に工事を行なうにしても、必要なら公園内でテントを移動するなどしても工事は可能であり、また実際に野宿者側が工事に協力すべく話し合いに応じ、円満に対処してきた経緯もあります。ところが、昨年来、大阪市はそうした話し合いをも一方的に拒否しているばかりでなく、証拠を残す文書での交渉にすら一切応じていないのです。

 今回の強制撤去は、市民の税金を湯水のように使って暴力をふるった結果、ただ野宿者を追い散らしただけで根本的な解決には全くなっていません。片方では再三報道されてきたごとくムダ金を使い、業者との癒着、汚職を繰り返しておきながら、こうして選択肢を奪われた弱者たるひと握りの野宿者を野垂れ死にに追い込もうとする大阪市のやり方は断じて見過ごすことは出来ません。ましてや「差別のない明るい社会」と、人権都市を標榜する大阪において、国際人権規約にも明らかに違反するこの強制追い立てを絶対に許すべきではないと考えます。私たちは法的手段として靱・大阪城両公園の処分取り消しを求めて提訴しています。私たちは大阪市がこの処分を取り消し、今また他公園にもその手を拡げようとしている強制排除というこの恥ずべき行為を直ちにやめるよう強く要求しています。

※本署名活動並びに、本件についての疑問やご質問があれば失業と野宿を考える実行委員会
(〒557-0002大阪市西成区太子2-1-2 特定非営利活動法人・釜ヶ崎医療連絡会議 気付 TEL/FAX06-6647-8278  iryouren@air.ocn.ne.jp)にてお答えいたします。

(以下、署名本文)

大阪市長 關 淳一 殿

【要望】
野宿者の「家」たるテント・小屋等をこれ以上強制撤去しないでください

 大阪市はこれ以上の野宿者の強制排除を直ちにやめてください! 大阪市が多数の職員と多額の税金を投入して1月30日、靱公園、大阪城公園で行った強制撤去は、そこで暮らしていた人々を路上死の危機に追い込み、なかんずく多数の市職員やガードマンらを殺人行政に加担させた愚行でしかありません。

 その結果は野宿者を追い散らしただけで、野宿問題の解決には何の進展もありませんでした。これを正当化し、あるいはまた野宿できそうな余所をフェンスで囲い、置石をし、普通の利用者からも憩いのスペースを奪い、威圧するような「追い出し」に執心する限り、差別感情に歯止めはかからず、陰湿で理不尽な襲撃による犠牲者はあとを絶たず、大阪市の標榜する「差別のない明るい社会」にはほど遠いままです。

 野宿者が差別を受けない権利を持つ同じ市民であることを想起して下さい。彼らは野宿なりに懸命に働き、収入相応の納税も果たし、日々の命をつないでいる隣人です。同じ「人」としてのまなざしで接してみる時、施設収容などの単純かつ間に合わせ的な施策がいかに人道に外れているかも理解出来るはずです。

 国際人権規約にも明らかに違反する人権蹂躙行為である強制追い立てを直ちにやめ、多種多様な選択肢を含む、きめ細かな支援施策の充実と、野宿問題の根本解決を目指して、対話のテーブルにつくことを大阪市に対し強く要求します。

(以下、署名欄)