(イントロ)
様々な種類が数有る認知症の内の90%以上の割合を占めている認知症であり、皆さんが普段よく目にしている認知症であり、「高齢化率」が30%~40%を超えると言った市町村では、毎朝、毎晩のように、家を出たまま行き先が分からなくなったお年寄り(いわゆる、徘徊老人)を探す役場のスピーカーが近隣に呼びかけているのが常態化しているのです。発病の年代別比率はと言うと、60歳代のお年寄りの12%、70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%、加齢の極まりである100歳代では97%にもなるのです(但し、この数値は、厚労省が発表している末期の段階の「重度認知症(大ボケ)」の段階のお年寄りだけの数値ではなくて、「軽度認知症(小ボケ)」、「中等度認知症(中ボケ)」及び「重度認知症(大ボケ)」の全ての段階の発病高齢者達の人数の総計であることに注意して下さい)。このように、『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』と言うタイプの認知症は、「超高齢(化)社会」だけに特有な社会現象、超高齢(化)社会特有の「落とし子」と言えるものなのです。ところが肝心の「AD型認知症」については、認知症の専門家と称する研究者も学者も精神科医も、誰もが皆、無知なのです!
外側から(外観から)、あれこれと類推して、推測や憶測に基づいただけの内容を、如何にも意味ありげに、権威だけを傘に着て、『「AD型認知症」は、発病の原因が分からないし、症状を治す方法が分からないし、発病自体を予防する方法も分からないタイプの認知症である』としつつ、その一方では、主張している内容と発病との間の「因果関係」の存在の実証と言う最も重要である筈のテーマはどこかに置き忘れていて、声高に、様々な「仮説」を主張しているだけなのです。
様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めていて、世界中の認知症の専門家達(学者、研究者、医師)から、『発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法が見つからない』とされている「AD型認知症」と言うタイプの認知症の発病者数が、最近の報道記事によると、世界全体では5000万人近くに上っており、米国では1000万人を超えていて、我が国だけでも600万人近くいるということなのです。
この数字を目にされた皆さんは全員がその数の多さに驚かれると思うのですが、そんなことで腰を抜かさないで頂きたいのです。実はこの数は、「AD型認知症」の末期の段階、私たち「二段階方式」の区分で言う「重度認知症(大ボケ)」の段階の症状が発症している高齢者達だけの推定値に基づく数なのです。「AD型認知症」には、「脳のリハビリ」と言う方法により/治せる及び/又は、症状の重症化の進行の抑制が可能である言う区分で言うと、治すことが可能な段階である「軽度認知症(小ボケ)」、症状の重症化の進行の抑制が未だ可能な段階である「中等度認知症(中ボケ)」及び治すことも、症状の進行の抑制も、もはや困難であり、為す術が何も残されていなくて、「介護」するだけの末期の段階、「重度認知症(大ボケ)」の「三つの段階」が有るのですが、世界中の認知症の専門家と言われる人達(学者、研究者、精神科医)が、そのことに気が付いていないだけ/(見落としている)のです。
「AD型認知症」の専門家とは名ばかりで、生きた人間ではなくてマウスのおしりを追い掛け回していたり、外観からの症状、重度の「記憶障害(極めて重度の物忘れの症状)」に起因した/極めて重度の症状(或いは最近では、Mild Cognitive Impairment「MCI」とか言う概念を持ち出して、「記憶障害」に起因した軽度の症状)ばかりを見つけては、分かってもいないのに肩書に任せてまとめただけの意味不明の基準を発表していたりするのです。序でのことに言及するのですが、この「MCI」とかの基準は、「加齢」の進行に起因して発現して来る症状、即ち、『脳の老化現象(正常老化の進行)』との区別さえ/十分には出来ない代物なのです。
私たち「二段階方式」が、「AD型認知症」の発病の「第一の要件/基盤の要因」として定義しているように、「加齢」という要素は、「AD型認知症」発病の重要な要素の一つではあるのですが、『年を取れば、誰もが「AD型認知症」を発病する訳のものではない』ことは、実態面からも/世の中の常識という面からも/極めて明白な事実なのです。私たち「二段階方式」が発病の「第二の要件/加重要因」として定義している要素、『ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続』に起因した「前頭葉」機能を含む/脳全体の廃用性の/異常な/機能低下の進行という要因、即ち、『仕事』の遂行と言うテーマとは無縁の日々を生きることとなる『第二の人生』を送る「高齢者」の、日々での/「脳の使い方」としての「生活習慣」に起因した/廃用性の異常な機能低下の進行という第二の要因と第一の要因とが、同時に並行して存在し、重なり合うことに因る、「相剰効果」によって、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能が、廃用性の/加速度的で/異常な/機能低下が進行して行く先に、「AD型認知症」の発病/症状の重症化の進行が待っていると言うことなのです。
ところで本題に戻るとして。驚かないでください!生きた人間の「意識的/目的的な世界」に着目して、「意識」が覚醒した/目的的な世界における/脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉機能(「前頭前野」の穹窿部に局在する①「前頭葉の三本柱(意欲、注意の集中力及び注意の分配力)」の機能、②「評価の物差し(=自我=意識の首座=脳の中のホムンクルス)」の機能及び③「実行機能(Executive Function)」の三者により構成されている複合機能体を言うものとする)』を含む/脳全体の機能レベルとその機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される類型的症状(「改訂版30項目問診票)」並びに症状が発現して来る源である/過去数年間の「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」の継続の確認を目的とした/「具体的な生活歴の確認」(脳の使い方としての「生活習慣」)と言う視点から、私たち「二段階方式」が独自に開発した神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用して14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」を集積し、解析し、理論化し、体系化し、実務化し、マニュアル化した私たちエイジングライフ研究所/「二段階方式」の推計では、「脳のリハビリ」により、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベルを正常なレベルに回復させることが出来る(認知症の症状を治すことが出来る)及び/又は症状の重症化の進行の抑制が未だ可能な(末期の段階の「重度認知症(大ボケ)」にはさせない)という意味で言う所の、本当の意味での「早期の段階」である「軽度認知症(小ボケ)」及び「中等度認知症(中ボケ)」の数を併せると、その数は、末期の段階である「大ボケ」と同等又はそれ以上の数になるのです。
専門家と称してはいても、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベルと言う「視点」も無ければ、それを精緻なレベルで判定し、鑑別する「手技」を持っていない為に、「小ボケ」の段階に特有な症状及び「中ボケ」の段階に特有な症状が「AD型認知症」の症状であることを知らないで(気づかないで、見落としていて)、それぞれを「不活発病」と名付けていたり、「老化現象」と勘違いしているのです。「脳のリハビリ」により回復させることが可能な「AD型認知症」の本当の意味での早期の段階であることに気づかないで居て、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続された儘で放置されていると、「小ボケ」は「中ボケ」に、「中ボケ」は「大ボケ」へと症状が進んで行ってしまうのです。「大ボケ」は、セルフ・ケアにも重大な支障が出てくる為に、日常生活面での「介護」が不可欠となるのです。発病自体を予防することもなく並びに小ボケ及び中ボケの段階で見つければ治せる及び/又は、症状の進行を抑制可能なのに、「脳のリハビリ」を実施することも無く、放置された儘で居るが為に、600万人もの人数の、且つ、日常生活面での「介護」が不可欠の状態に在る「発病高齢者達」が、我が国には居るということなのです。
ところで、「AD型認知症」については、世界的な権威を誇る米国精神医学会が策定した「DSM-Ⅳ」の規定が、世界で最も権威が有る(権威が有るだけで、内容的には大間違い)とされていて、我が国だけでなく、世界中の認知症の専門家達はその規定の内容を基にして、発病の原因(機序)を考え、或いは、発病の有無を考え、症状の程度を考え、治療や予防薬の開発の方法を考えようとしているのです。この規定の内容が正しいものなのであれば、それらは正しい対応と言えるのですが、実は、この規定こそが“諸悪の根源”なのです。この規定の第一要件も/第二要件も共に重大な内容の誤りを規定したもの(誤りダラケ!!)だからなのです。第二要件は、「AD型認知症」の発病者であるとの診断を行うに際しては、失語、又は失認、若しくは失行(紛い)の症状内のいずれかの症状が確認されることを要求しているのです。失語、失認、失行(紛い)の症状は、実は、為す術が何も残されていない「末期の段階」であり、私たち「二段階方式」の区分で言う「重度認知症(大ボケ)」の段階の中でも更に後期にならないと発現が確認できない症状(30点が満点であり、14点以下になると「大ボケ」の段階と判定されるMMSEの得点が、一桁にならないと発現が確認されない症状)、言い換えると、極めて重度の症状なのです。上述した「AD型認知症」の発病者数とは、そうした段階の症状(極めて重度の症状)が確認される人達だけのことを指しているのです。認知症の専門家達とはいっても、「DSM-Ⅳ」の規定に金縛りにあっていて、その規定の内容を微塵も疑ってはみない人達なのです。この重大な誤りを内包する規定内容の追従者達なのです。
私たち「二段階方式(Kinuko とTadの二人が主宰する小さな組織、エイジングライフ研究所)」は、「AD型認知症」と言うタイプの認知症の特徴である、『脳が壊れてもいない』のに、言い換えると、『何等の「器質的な病変」が存在してもいない』のに及び『「記憶障害」に起因している訳でもない』のに、私たちが意識的/目的的に何等かの「テーマ」を実行しようとする際に様々な程度及び態様での重大な支障が出て来て、自分が置かれている状況の分析と理解、状況の判断、状況判断に沿った実行テーマの発想、実行内容の計画、実行手順の組み立て、実行結果のケース・シミュレーション、ケース・シミュレーションに基づく必要適切な修正、最終的な実行内容及び方法の選択、実行の決定と決断、或いは、手足となって協働する脳の各部(左脳、右脳及び運動の脳)に対する実行の指令等の実行機能の発揮(Executive function)に関わる/「前頭葉機能」を含む/脳全体としての認知機能の発揮及び発揮度に重大な支障が伴うこと(「AD型認知症」の発病が原因!!)に着目して来たのです。こうした視点と研究態度は、世界広しと雖も、私達がOnly oneなのです。
認知症の専門家達とは言っても、我が国を代表する研究機関である理化学研究所、我が国を代表する大学である東京大学や京都大学に所属する研究者や学者達とは言っても、皆さん、マウス(アミロイドベータを注入した「アルツハイマー・マウス」を含む)が餌を探して檻の中を歩き回る行動に関わるマウスの行動の記憶とか、その障害となる物質とかを日夜研究していて、そのデータに基づく推論(憶測)に基づいた「仮説」を組み立て、発病との間の因果関係の存在が未だに実証されてもいないその仮説、推測、推論、或いは憶測に基づいた主張を発信し続けているのです。但し、我が国での権威が極めて高い組織に属する人達でもあるので、その発信力が私たちの組織のそれとは比較にならない程大きいということだけなのです。内容的にはそれらを圧倒しているのですが、発信力では、私たちは、負けているのです。内容さえ正しければ良いということにならないところが、こうした医学の世界、病気の解明と言う世界でも存在していることに驚くのです。因果関係を無視したそれらの主張が、世間では、権威を持って罷り通っているのです。
逆に言うと、それだけの権威が有り、発信力がある訳なのだから、その社会的な責任についてもっと自覚を持っていただきたいのです。何時まで、誤りだらけの情報を発信し続けるのかと言いたいのです。そこで、今日のこのブログでは、権威がある、社会的な発信力が有るとされる人達、「AD型認知症」研究の最高権威の人達の主張が、どれだけの根拠も無く声高に主張されただけの空想物語に過ぎないものであるかを、逐一検証して、彼等だけでなくて皆さんに対しても、「問題提起」したいと考えるのです。
権威とは名ばかりで、内容のレベルはと言えば、根拠の無い推論、空想、憶測の吹き溜まりに過ぎない、その代表格、それが世界的な規模で、且つ、天文学的な規模の人数での発病が危惧されている『AD型認知症』の発病原因の究明及び未来永劫達成されることは有り得ない治療薬の開発並びに「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階ではなくて、CTやMRIやSPECTや果てはPET迄持ち出して来ていなながら、極めて高額の診察費を稼ぎ出していながら、為す術が何も残されていない末期の段階で、「重度認知症(大ボケ)」の段階の「前半の段階の症状」を見つけることを「早期診断」と称しているのが、医学界の現状であり/製薬業界の現状であり/医療現場の実態なのです。
&1「AD型認知症」を発病する対象は、高齢者だけ!
(1) 働き盛りの30~50最大と言う若い年齢で「AD型認知症」を発病する?
昨年の年末の特番を含め過去数年間に、NHKが何度も特番を組んで高視聴率を上げてきたテーマである『働き盛りの若い年齢の人達の間で、「AD型認知症」を発病する人達が増えてきている』との主張/報道内容が、『全くの出鱈目、重大な誤りである』ことの検証です。
(2) 検証
テレビの画面に登場してきたその人達の発言の内容、発言の論理、発言の仕方や態度、表情の変化や感情の発露等には、実は、際立った特徴があります。私たち人間だけに備わっている機能であり、「前頭葉」の機能の内でも最も高度な機能であり、私たち人間だけに備わる特有な機能である「注意の分配力」の機能が、正常な機能レベルで、且つ高度に発揮されていると言う特徴なのです。言い換えると、『「AD型認知症」を発病していて、且つ外観面からだけの評価であるとはいえ、重度の「記憶障害」の症状が確認されるまでに「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能が異常なレベルに衰えて来ている人達のそれとは、次元が異なる』と言える程の大きな相違があるのです。
突然取り挙げられた何等かの「テーマ」に対して、僅かな時間の内に、極めて理路整然と自分が語る内容を構成することが出来るのです。例えば、周りの人達からの支援が欲しいことは何かとか、逆に支援を望まない事とは何かなどのテーマに対して、『自分が日々どのような日常の生活状況に置かれているか、どのようなテーマや状況に対してどのような支援や支援の在り方を期待するか、どのような分野、或いは内容の対応を期待しないのか』等について、テレビを見ているお年寄り達が驚く程の内容を、自分なりの語り口で、時には感情を発露させて涙しながら、的確に、且つ簡潔に説明することが出来るのです。このことを「脳の機能面」から説明すると、左脳、右脳及び運動の脳と言う三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」、「意識」が覚醒した/目的的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っていて、私達人間の意識的/目的的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉機能」と言う脳機能の働き具合が、正常な機能レベルに在ることの証拠に他ならないのです。
廃用症候群に属する/老化・廃用型の「生活習慣病」を本態とする「AD型認知症」の場合には、「前頭葉機能」が、最初に(から真っ先に)廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して、異常な、機能レベルに衰えて行くことに因り、発病するのが特徴なのです。その中でも、「前頭葉の三本柱」の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の中で、最も高度な機能である『注意の分配力』の機能から衰えて行くことが特徴なのです。
その上、世界的に最も権威が有るとされていて、世界中の認知症の専門家達(学者、研究者、医師)が判定や診断の際に必ず依拠することになっている診断基準であり、米国精神医学会が策定した「AD型認知症」の診断基準である「DSM-Ⅳ」の規定の「第二要件」が、「AD型認知症」の発病と診断するうえで、失語(紛い)の症状、又は失認(紛い)の症状、若しくは失行(紛い)の症状の確認を要求しているのです。テレビに登場してきた人達(テレビに登場してきた『全員が、「若年性アルツハイマー型認知症」を発病していると診断されている』との紹介が、為されています)は、「重度の記憶障害/極めて重度の物忘れ」の症状が確認されていて、加えて、失語(紛い)か、失認(紛い)か、或いは失行(紛い)の症状が確認されている人達と言うことになる訳なのです。
「AD型認知症」を発病した人達で、重度の記憶障害の症状が確認されていて、なおかつ、失語(紛い)か、失認(紛い)か、失行(紛い)の症状が確認される人達と言うことになれば、私たち「二段階方式」が独自に開発した極めて精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の判定基準で言うと、「前頭葉機能」の機能レベルが異常な機能レベルに在って(言い換えると、「改訂版かなひろいテスト」が不合格であるだけでなくて、「注意の分配力」の機能が殆ど機能しないレベルに迄衰えてきている)、且つ左脳、右脳及び運動の脳の機能も極めて異常な機能レベルに衰えてきている(30点が満点であり、換算値が14点以下になると末期の段階である「重度認知症(大ボケ)」の段階の後期と判定される(MMSEの得点が一桁にしかならないレベル)人達と言うことになるのです。
「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて来たことに因り、上述した機能レベルに在る人達、言い換えると、「AD型認知症」を発病していて、且つ末期の段階である「重度認知症(大ボケ)」の後期の段階にある人達(MMSEの得点が、一桁)が、テレビに登場してきて、突然提起されたテーマに対して、上掲のような対応が出来るということは絶対に起こり得ない、有り得ない事なのです。肝心の「前頭葉機能」、就中、「注意の分配力」の機能が、殆ど機能し得ないレベルに在るからなのです(その人達に、「改訂版かなひろいテスト」を実施すれば、直ぐにそのことが分かるのです)。そこに登場してきて、「AD型認知症」を発病していると診断されていた人達は、実は誤診されていた人達、全く別の病気である「側頭葉性健忘症」(極めて重度の記銘力障害に起因した極めて重度の物忘れの症状を呈するが、『前頭葉機能』が、正常なレベルに在ることが、極めて重大な特徴なのです)を発症している人達だったということなのです。
外観上から捉えられる両者の共通点は、極めて重度の「記憶障害」の症状(「AD型認知症」の場合は、外観的な「記憶障害」らしき症状)を呈することなのです。実は、この「記憶障害」と言う点についても、専門家と言われる人達が無知であり、誤解しているのです。「AD型認知症」の症状が発現する要因として「記憶障害」と言う要素が必要不可欠とするのが上掲した『DSM-Ⅳ』の第一の要件なのですが、この要件自体が重大な誤りなのです(後述する、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の典型的な症状の類型を「前頭葉機能」の機能レベルとリンクさせて判定し、鑑別してみれば、容易に分かることなのです)。「DSM-Ⅳ」の規定の策定者達自身が、『「前頭葉の機能障害」に起因した』と規定すべきものを『「記憶障害」に起因した』ものと誤解して規定しているのです。
「AD型認知症」の様々な症状には、外観的に単純にとらえてしまうと「記憶障害」に起因したらしき症状がたくさんあるのですが、その内容を脳の機能と言う側面から厳密に判定し精緻に鑑別してみると、「前頭葉」の機能障害に起因した症状が中核をなしていることが分かるのです(発病の最初の段階である「小ボケ」の段階から「中ボケ」の段階を経て、末期の段階である「大ボケ」の段階へと症状が進行していく過程での「前頭葉機能」の機能レベルの変化を厳密に判定してみれば、「小ボケ「の段階で既に異常な機能レベルに在る「前頭葉」の機能が、加速度的に衰えて行き、末期の段階である「大ボケ」の段階になると、「前頭葉機能」の「個別認知機能」の機能の発揮度及び認知度を左右し/下支えしている大本の機能である「前頭葉の三本柱」の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能、就中、最も高度な機能である「注意の分配力」の機能が、殆ど働かないまでに機能低下して来ていることが分かるのです!!!)。
他方で、「側頭葉性健忘症」の患者の場合には、極めて重度の物忘れの症状を呈するものの、『肝心の「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在る』ことが特徴なのです。自分が置かれている状況を的確に理解し、判断することが出来、与えられたテーマ(質問)に対する適切かつ的確な回答を、論理的に組み立て、自分なりの表現で、言葉や態度や感情の発露で、的確に表現できる為には、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度及び認知度を左右し/下支えしている大本の機能である「前頭葉の三本柱」の機能、就中、「注意の分配力」の機能が、正常な機能レベルに在って機能していることが、必要不可欠の条件となるのです。
注1)「正常老化の性質」の存在と発病の対象となる年齢とは
廃用症候群に属する/老化・廃用型の/「生活習慣病」(但し、脳の使い方としての「生活習慣」に起因する病気であることに留意する)である「AD型認知症」の発病の要件は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であることが発病の「第一の要件/基盤の要因」であり、自分なりに追求する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものが無い/ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続が、発病の「第二の要件/加重要因」であり、「第一の要因」と「第二の要因」と言う、『異なる二つの要因が、同時に並行して存在し、重なり合う』ことに因る「相剰効果」により、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行くこととなり、その先に「AD型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているということなのです。
私たち人間だけに特有な機能である「前頭葉機能」には、「生活習慣」の如何にかかわらず、正常な機能レベルを保ちつつも、「加齢」と共に機能が緩やかに衰えて行くという性質、私たちが「正常老化の性質」と呼称する性質が生まれつき内在されているので、「AD型認知症」を発病する対象者は、加齢と共に機能が緩やかに衰えて行くという「正常老化のカーブ」(第二の人生が始まる60歳過ぎになると、最盛期である20歳代前半の頃に比べて、機能レベルが半分くらいにまで衰えて来ている)と言う問題の存在から、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」に限られることになるのです。
他方で、「側頭葉性健忘症」の発病者の年齢は逆に、30歳代から50歳代までと言う「若い年齢が発病の対象となる」のが基本なのです(但し、60歳代を超えて以降も、それ以前の若い年代に比べて僅かな割合とはなるものの、発病者は依然として出現して来ることに注意)。
&2「AD型認知症」の発病者(「大ボケ」の段階の人)に羞恥心及び自尊心はあるか?
(1) 「AD型認知症」を発病しても羞恥心も/自尊心もあるか?
「AD型認知症」は、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベルに/厳密にリンクした、様々な程度及び態様での症状、私たち「二段階方式」の区分で言う三段階の症状が発現してくるものなのです。その症状は、記憶障害に起因して発現して来るものではなくて(「DSM-Ⅳ」の規定が「第一の要件」に掲げているものなのですが、これは、未だに因果関係の存在が実証されてもいない単なる「仮説」)、私たちが発病の「第二の要件/加重要因」として規定する要因、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して、言い換えると、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能の、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因して発現して来るものなのです。その中核を形成しているものが、「前頭葉機能」の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行と言う要因なのです。
私たち人間だけに特有な脳機能であり、マウスは愚かチンパンジーやゴリラにさえも備わってはいない脳機能である「前頭葉機能」には、「評価の物差し」(自分なりの捉え方、観方、感じ方、考え方の基盤となる脳機能を言います。これを別の言葉で言い換えると、「自我:das Ich」。)と言う機能が備わっていて、知覚表象、記憶表象及び想像表象の全てに関わる機能であり、事象及び現象に関わる自分独自の認知並びにそれらを基とした自分独自の表出の源となる機能であって、自分なりの(自分独自の「評価基準」に基づいて)状況の理解と判断、実行すべきテーマの発想或いは何をどのようにすべきなのかを、選択し、決定しているのです。
羞恥心や自尊心は、自我を構成している基礎としての機能、評価の物差しの機能発揮による結果として生じて来るものなのです。従って、「評価の物差し」が働いている根底にある「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベル、就中、「前頭葉の三本柱」の核心の機能である「注意の分配力」の機能の機能レベルと厳密にリンクして発揮される、生じてくる感情なのです。その意味では、『日常の様々な生活状況の場面での/その人らしさが失われていくのが特徴』である「軽度認知症(小ボケ)」の段階で、既にその発揮のレベルは異常なレベルに在って揺らいでいるのであり、誤りだらけの規定である「DSM-4」の規定を疑うこともなく闇雲に信望している認知症の専門家達が「AD型認知症」の発病と認めるレベルである失語や失認や失行の症状が確認されないまでも、医師が「AD型認知症」の発病と診断するレベルの人達、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄りの場合は、「前頭葉」を含む/脳全体の機能レベル、就中、「注意の分配力」の機能の機能レベルに照らしてみれば、羞恥心とか自尊心とかは、もはや無縁のものと言うしかないのです。これは、認知症とは全く別の病気である「側頭葉性健忘症」を発病しているにも拘わらず、「若年性AD型認知症」と誤診されている人達との、混同が起きている結果なのです。
(2) 検証1(すべては、「誤診」に端を発しただけのものなのです)
もっとも有名な事例と言うか、この誤った社会現象、言い換えると、誤診に基づいた社会現象を世界中に巻き散らかしてきた人なのですが、オーストラリア人の有名なクリスティーンブライデンさんの例があります。彼女は元が政府高官というプロフェッショナルな女性でしたが46歳の若さで「若年性アルツハイマー型認知症」と誤診されただけのことなのです。そもそも、若年発症を特徴とし、生まれつき特定の遺伝子に異常が確認される人だけしか発病することが無い極めてまれなケースである「アルツハイマー病」と老年発症を特徴とし、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に基づく廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因して発病する/極ありふれたタイプの「AD型認知症」とは、発病のメカニズムも、症状の進行のスピードも、発病する対象年齢も、症状を治すことが出来る/発病を予防することが出来る可能性の面からしても、両者は全く異なるものなのです。
ところが、そのことについても無知な権威だけの医師が、「若年性アルツハイマー型認知症」と誤診しただけのものなのです(正しい診断が行われていたならば、彼女は、「側頭葉性健忘症」と診断された筈なのです)。更には、「側頭葉性健忘症」と「AD型認知症」との区別を知らないだけでなくて、「アルツハイマー病」と「AD型認知症」とを混同して居ることにも気づかない、無知でいる医療現場の「誤った診断」が世界中でまかり通ってきているという実情、加えて、彼女の言動や行動や態度や表情のすばらしさが誤解を更に大きく増幅させてしまったということなのです。
「アルツハイマー病」と「AD型認知症」とが同じタイプの認知症として誤解されているが為に、更には「側頭葉性健忘症」を「AD型認知症」であると誤診しているがが為に、「AD型認知症」の発病患者の羞恥心とか自尊心とか言うテーマが、現状のように、大きくクローズアップされてきてしまったのです。その後「私は誰になっていくの―アルツハイマー病者から見た世界」を上梓し、この本が『「若年性AD型認知症」を発病している人達の言葉を聞こう、羞恥心や自尊心と言う問題に関心を深めて対応に気を付けよう』という「誤診」に端を発した、誤った社界的な/世界的な提言を伴う流れと活動とを生み出すことになって行ってしまったのです。彼女は、世界中で、「若年性アルツハイマー型認知症」の発病者からの発言ということで/感動的な講演をし続けてきました。ごく最近の様子ははっきりしませんが、発病後も20年間近く上述の「社会活動」を続けたのです。
&3 『AD型認知症』の発病者の症状が進行して行く順番(「改訂版30項目問診票」)
&4「AD型認知症」の治療薬/予防薬の開発は、未来永劫不可能な事
(1) 「AD型認知症」の治療薬/予防薬の開発は可能?
テレビや新聞報道により、『「AD型認知症」の治療薬/予防薬の開発は可能』との報道が流されるたびに、出来るだけ早期に、国策として我が国の全国の市町村の津々浦々にまで浸透していくまでに実施すべきものである「AD型認知症」の早期診断による回復と発病自体の予防を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』の国策化の時期が遠のいていくことになってしまうのです。
病気自体の負担の重大さ(本人の人生、介護が不可欠となるまでに症状が進行した親を抱える家族の精神的、肉体的及び経済的な負担)並びに診断、投薬及び介護に関わる天文学的規模となってしまっている医療費及び介護費に投入する血税の規模及び発病者数自体がこれまた天文学的な人数と言う実態に鑑み、『発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法が分からない』としつつも、様々な「仮説」を打ち立てていくばかりで/何等の貢献をしていない学者達や「脳のリハビリ」による回復の可能性が全くなくなってしまっている末期の段階の更に後期にならないと発現が確認できない『極めて重度の症状』である失語や失認や失行(紛い)の症状を判定基準にして「AD型認知症」の発病と診断している上に、極めて高額な診察費がかかるCTやMRIやPET迄も総動員しながら、「脳のリハビリ」による回復が期待できる『本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)』を見落としていて、売上高を稼ぐことだけに邁進している医療現場並びに『「AD型認知症」と言うタイプの認知症の本態が廃用症候群に属する/老化・廃用型の/単なる「生活習慣病」である』ことに気づかないで居て、『「器質的な病変」が発病を惹き起こす原因だとか、「記憶障害」に起因して症状が発現してくるとかの重大な誤解』に基づいた、発病のメカの構想/出鱈目な内容の/アミロイドβ仮説とか、タウ蛋白仮説とかの因果関係の存在の実証が未だに為されない「仮説」を、相も変わらず信じた儘で居て、それらの「仮説」に立脚した前提条件の下での「治療薬」の開発に奔走する製薬業界、そうした製薬業界が発する「株価操作」とも疑われかねないような開発の可能性の高さに関わる紛らわしい発言や言及を受けて、業界が発信するがままの『「AD型認知症」の治療薬の開発は近いと』言う見出しによる報道等、様々な分野での不条理な行動や言動が、最近特に目立つのです。
(2) 検証
このブログで何度も指摘してきているように、「AD型認知症」と言うタイプの認知症を発病するメカは、「廃用性の異常な機能低下の進行」と言う/加重要因に起因して発症するということなのです。「AD型認知症」は、『器質的な原因病変が、発病を惹き起こす訳のものではない』し及び『症状は、「記憶障害」に起因して発現して来る訳のものでもない』のです。それだからこそ、『アミロイドβ仮説に立脚した治療薬の開発が、悉く失敗して』いる訳なのです。それらの仮説が立脚している『器質的な病変が原因である』とか、『「記憶障害」に起因して発現してくるものだ』とする大前提自体が根拠のない「仮説」/憶測の類に過ぎない代物なのです。
「AD型認知症」の発病の(第一の要件/基盤の要因)は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」の脳に起きて来る『加齢の進行に起因した正常老化の性質』と言う要因であり、発病の(第二の要件/加重要因)は、自分なりに追求する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものが無い/ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行と言う要因なのです。即ち、『第一の要因と第二の要因とが、同時に並行して存在し、重なり合うことの「相剰効果」により、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能が、廃用性の/加速度的で/異常な/機能低下を進行させていく、その先に、「AD型認知症」の発病及び症状の重症化が待っている』ということなのです。様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている認知症である「AD型認知症」は、「第二の人生」を生きる上で展開される、日々の生き方が関わる、「脳の使い方」としての『生活習慣病』に過ぎないのです。
そうであるからこそ、「脳の使い方」としての「生活習慣」の改善、工夫及び継続的な実践の自助努力により、『前頭葉機能が正常なレベルを保ち続けること』により、発病自体を予防することが出来るし、本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)で発病を見つけて(「早期発見」)、早期治療である、「脳のリハビリ」の継続的な実践により、治すこと及び/又は、症状の重症化の進行の抑制が可能なのです。発病及び症状の重症化の進行のメカに照らして、症状の重症化の進行を遅らせる効能を有する『治療薬が開発されることは、未来永劫有り得ない事』だと断言出来るのです。
その根拠が、私たち「二段階方式」が独自に開発した/精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用して、集積し、解析し、理論的な体系化を成し遂げた基礎である14689例にも上る「脳機能データ」であり、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村で展開し、実践指導して来た『住民参加型の地域予防活動』の顕著な成果の積み重ねと言う実績の存在なのです。それらの全てが、世界中に比類のないものなのです。私たち「二段階方式」が集積した「脳機能データ」は、生きた人間の「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状(脳全体の機能レベルの反映としての症状)のデータなのです。その上、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベルの低下に呼応したものとして、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の三段階に区分しているだけでなく、それぞれの段階の中も/さらに細分化されていて、全体が切れ目なく繋がってもいるのです(「改訂版30項目問診票」)。
注)本著作物「Bー12」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。