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270056 チャイナリスク(朝倉慶氏)①~中国が尖閣を欲しがる理由

2012年11月01日 | アメリカ:闇の支配勢力と略奪闘争
270056 チャイナリスク(朝倉慶氏)①~中国が尖閣を欲しがる理由
 
猛獣王S HP ( 42 営業 ) 12/10/27 PM09 【印刷用へ
『チャイナリスク』(船井幸雄.com/“超プロ”K氏の金融講座)リンクより転載します。
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「今回は全く次元が違う。日中国交の40年間の努力が水泡に帰すかもしれない。最悪の場合は修復に40年以上の歳月がかかるだろう。」

丹羽中国大使は危機感を露わにしました。日本政府も日本国民も、今回の日中間で起こった問題の深刻さを認識していないというのです。すでに自動車メーカーなどの中国本土での売り上げは5割近く落ちてきています。さらに税関の手続きの遅れや日本製品の排斥運動、また日本の観光地の中国からの観光客も激減状態です。しかし経済的に本当の打撃を被るのはこれからが本番かもしれません。

日本側から見れば、尖閣の国有化という極めて自然のことを行ったにしか過ぎませんが、今回の中国側の異常なリアクションには呆れと共に戸惑いも持っていることでしょう。すでにあらゆるマスコミを通して言い尽くされている尖閣問題ですが、中国側の背景、今後の日中間の関係の推移など推察してみたいと思います。

●中国が尖閣を欲しがる理由

一般的に領土問題というものは、どうしても自国の立場から見てしまい、感情的に反発してしまうものですが、あれだけ反発する中国側の事情はどういうものかも推察してみましょう。

中国が尖閣に対して公式に領土と主張し始めたのは1971年からです。それまでは日中間に領土問題の緊張関係は存在していませんでした。これ以前の中国の教科書にさえ尖閣を日本領として記述していたということです。

明らかに、1969年に国連の報告書が尖閣周辺に膨大な石油資源が眠っていることを指摘してから状況が変わったわけです。何でもなかった小さな島がその周辺が海底資源の宝庫だと判明してからが大きな状況の変化が起こったのです。

このエネルギー資源ということは極めて重要です。日本が太平洋戦争に追い込まれたのも、ABCD包囲網で資源の枯渇にあったからです。ましてや中国のように膨大な人口を有している大国にとっては、エネルギーの基である資源は国家の生命線と言っていいでしょう。

中国側は尖閣について「核心的利益」と位置づけていますが、これは中国側にとっては死活的な問題であって決して譲ることはないということです。

中国は13億人という膨大な人口を抱えていますが、これは強みであると共に、負担でもあるわけです。というのは、中国は国家としてこれら13億人の人間を食べさせていかなければならないからです。今日のように発展してきた社会にあって、この13億人を満足するように食べさせ続けていくだけでも大変なことですが、1979年から概ね10%成長を続けてきた中国は、今後も当然そのペースに近い経済発展をさせて13億人の人々を満足させていかなければなりません。それにはどうしても食料、エネルギーといった基本的な物資の確保は欠かせないものなのです。電力が無くてどうやって人々の暮らしが成り立ちましょうか? 食料が無ければ大変なことになります。発展していく社会にとってこのような食料、エネルギーは必要不可欠なものなのです。

そして中国にはこのエネルギーが多くは存在していないのです。言わば13億人を養うだけの資源がないのです。そういえば日本だって同じであって、輸入しているではないか、ということではありますが、やはり中国のような大国ともなれば当然、その基本である食料、エネルギーなどは自前で調達しなければ、いざという事態に対応できません。

言わばこのエネルギーの確保などは、国家の存亡を決める最も重要な問題なのです。そして現在のペースで発展が続いた場合、ないしはこれから低成長に入っていったとしても発展が続くわけですから当然、早晩エネルギー問題という壁にぶち当たってくるのは必至なのです。

これは国家の存亡の問題で、まさに中国から見れば生きるか死ぬかの「核心的利益」なのです。中国は今や世界で最もエネルギーを消費する国になっています。中国国内の石油はすでにほとんど枯渇して、中東をはじめとする海外からの輸入に頼るしかない状態です。

今年の中国のサウジアラビアからの石油輸入は過去最大の量となっていますし、これからももっと輸入量を増やしていくしかありません。

しかし今の世界の石油情勢をみても、新しいシェールオイルという技術は生まれてきたにせよ、やはり基本的には、採掘しつくした地上にある石油の井戸よりは、未開発の海底油田の発掘という流れにあるわけです。

そしてこの尖閣周辺の大陸棚に埋蔵しているという石油は中東に匹敵するとも言われているのですから、これをみすみす日本に渡すわけにはいきません。ごり押しだろうが何だろうが、自分達が生き抜くために自前の資源はどうしても必要欠かざるものなのです。

中国はチベットをあれだけ強引に併合してしまって決して独立運動を許しませんが、チベットもヒマラヤから流れる7つの川の起点で水の源泉であって、尚かつ天然資源の宝庫です。中国がチベットを離せるわけがありません。まさにチベットも、そして今後開発ができれば大変な石油が出ると思われる尖閣周辺も、武力を使おうが何をしようがどうしても確保しなければならない国家の生命線と言えるでしょう。

中国政府にとって議論の余地のない問題で、何を差し置いても奪いに来ると思っていた方がいいでしょう。日本人の考えている人道主義とか理屈とかではありません、これは「生き抜く」という中国の強引な国家の意志です。今尖閣に攻めてこないのはひとえに日本のバックにアメリカがいるからであって、アメリカの言う「尖閣は日米安保の範囲内」という見解が中国の軍事的な侵攻を思い留まらせている全てと言っていいでしょう。
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続く
 

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